戦え!!正義の兄弟戦士ジャスティスカイザー
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第十一話 南雲大尉!!本人は水雷出身だった!!その一
戦え!!正義の兄弟戦士ジャスティスカイザー
第十一話 南雲大尉!!本人は水雷出身だった!!
ジャスティスカイザーの戦いは続く、だが。
その人気はだ、相変わらずだった。
世界中から非難轟々だ、それは二人も知っていた。二人は難しい顔になってそのうえで自宅で両親の言葉を聞いていた。
「いいか、御前達もな」
「ジャスティスカイザーみたいなことはしないでね」
「あんな風になったら人間終わりだぞ」
「人間ですからないわ」
最早人間以下だというのだ。
「まさに鑑だ」
「悪い意味でね」
「だからな」
「ああいう人間になっては駄目だと思って」
「そうして生きろ」
「反面教師なのよ、あの二人は」
勿論両親は自分の息子達がその反面教師の鑑とは知らない、そのうえで息子達に強く言っているのである。
「全く、あそこまで卑劣だとな」
「親の顔が見てみたいわ」
自分達のことである。
「どうやったらあんな連中になるんだ」
「酷い教育をしているのね」
「いいか、御前達は本当にな」
「ああいう風になっては駄目よ」
「ああ、わかってるよ」
「そんなことはな」
二人もこう返すしかなかった、まさか当人達と名乗れる筈もなく。
「あんな連中になるかよ」
「幾ら俺達でもな」
「そういうことはわかってるからな」
「安心しなって」
「頼むぞ、その辺りはな」
「ちゃんとしてね」
両親は二人に強く言う、やはり自分達の息子のことは知らないまま。
そして当の二人はだ、自分達の部屋に帰ってこう話すのだった。
「何かな、俺達ってな」
「とことん嫌われてるな」
「害虫以下って言われたりな」
「反面教師にされまくってな」
「誰からも愛されてないな」
「親父やお袋にさえな」
両親にもだ、それで不平不満を言うのだった。
「ったく、何だってんだよ」
「正義の味方に何て態度だ」
「俺達は日帝衆と戦ってるんだぜ」
「半島再併合を掲げるな」
堂々と掲げている、それも臆することも隠すこともなく。
「その俺達をボロクソにけなすとかな」
「じゃあまたあそこ併合したいのかよ」
「それで百年前どうなったってんだ」
「大変なことになり続けただろ」
あの三十六年で終わらずにだ。
「その後も延々と祟ってな」
「洒落になってなかったのにな」
「それでまた何でだよ」
「併合したいってんだ」
「日帝衆のやることはいつも正しいのか」
「それは違うだろ」
忌々しげに話しながらだ、二人が今現在していることはというと。
成人ビデオを熱心に観ていた、そして。
今観ているビデオについてだ、尚智はこうしたことを言った。
「なあ、これホテルの盗撮ものだよな」
「ああ、そうだよ」
その通りだとだ、尚武は兄の問いに答えた。
「これはな」
「だよな、何か色々な人が出て来るな」
尚智はそのビデオを観ながら言う。
「女子大生にOLさんに専門学校生にな」
「今出てるの人妻さんだけれどな」
二十代後半の美女がベッドで誰かと抱き合っていた、そしてその相手は。
「旦那さんはどうとかな」
「そう言ってるな、このおっさん」
四十過ぎの太った男が言っていた。
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