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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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第四十一話 舞い降りる女神

 
前書き
プロットモン進化。
ドルモン[リリカルアドベンチャー始まるよ] 

 
島を分断され、仲間と離れ離れになってしまったアリシアとプロットモン。
2人は森の中を探索していた。
プロットモン[ごめんなさい、アリシア。私が進化出来れば、もしかしたら離れ離れにならなくて済んだかもしれないのに]
アリシア「……もういいよ、プロットモン。落ち込んでてもお兄ちゃん達に会えるわけじゃないし」
アリシアは苦笑しながらプロットモンの頭を撫でた。
アリシア「…やっぱりプロットモンも進化したいの?」
プロットモン[それはそうよ。私は強くなってアリシアを守れるようになりたいの]
アリシア「でもプロットモンはどんなデジモンに進化するのかな?」
アリシアは、プロットモンを見遣ると、大型犬のようなデジモンを想像した。
プロットモン[…何か失礼なこと考えてない?]
アリシア「ふえっ!?」
ジト目で見遣るプロットモンに思わずアリシアは冷や汗を流す。
アリシア「(鋭いなあ…)そんなことないよ…」
プロットモン[まあ、そういうことにしておいてあげる。まあ私の場合、何に進化するのか大体分かるわ]
アリシア「何に進化するの?」
ワクワクしながらプロットモンの言葉を待つアリシア。
プロットモン[大体のプロットモンはテイルモンに進化するの]
アリシア「テイルモン?どういうデジモンなの?」
プロットモン[テイルモン?猫のような鼠よ]
アリシア「へ?」






























その頃。
テイルモン[ハクション!!]
ヒカリ「テイルモン、風邪?」
突如くしゃみをしたテイルモンにヒカリは驚きながら尋ねた。
テイルモン[分からない…急に鼻がムズムズして…]
ヒカリ「今日は暖かくして寝たら?」
テイルモン[そうする…]






























別世界でテイルモンがくしゃみをしていることも知らずにアリシアはプロットモンからテイルモンとはどういうデジモンなのかを聞いていた。
ご存知の通り、テイルモンの正体は猫ではなく鼠である。
ネコパンチだのキャッツアイだの、技は猫に関することばかりなのに、本当の名前はハツカネズミモンという立派な鼠である。
ちなみにハツカネズミモンと言う本名をテイルモンに言ったら激怒すること間違いなしなので絶対に口にしないように注意しましょう。
プロットモンはどうやらテイルモンに進化したくはないらしい。
アリシア「どうしてテイルモンに進化したくないの?凄く可愛いと思うけど」
プロットモン[確かにテイルモンは強いわ。だけど小柄だから舐められやすいのよ。ホーリーリングが無いと弱くなるし…どうせならもっと強そうなのがいいわ…エンジェモンとか……]
アリシア「ふ~ん…」
プロットモン[それにしても、ファイル島にこんな森があったなんて…]
アリシア「知らなかったの?」
確かにムゲンマウンテンの頂きから見た時に、このような暗い森はあっただろうか。
記憶の片隅に置いていたファイル島の全体図を思い出す。
プロットモン[…ねえ、何か聞こえない?]
アリシア「え?」
プロットモンに言われてアリシアも耳を澄ますと、何かが聞こえてくる。
特有の機械音。
歯車が回る音がした。
アリシア「何?また歯車が飛んで来たのかな?」
プロットモン[行ってみましょう]
プロットモンが音の発生源に向かって歩きだす。
アリシア「あ、待ってよプロットモン!!」
慌ててアリシアがプロットモンを追い掛ける。






























辿り着くと崖から覗いているのは回転を続ける黒い歯車だった。
アリシア「大きい歯車…」
プロットモン[そうね…っ!アリシア!!]
アリシア「え!?」
背後から忍び寄る悪寒に敵を確信し、プロットモンはアリシアを押し倒す。
攻撃を回避し、後ろを見遣るとダークエリアから召喚された邪竜型デジモン。
“複眼の悪魔”の異名を持ち、その瞳に睨まれたものは動けなくなり、そして鋭利な爪でズタズタに切り裂かれてしまうと言われているデビドラモンがいた。
プロットモン[(まずい…)]
プロットモンは内心で呟いた。
自分は今進化出来ない。
デビドラモンは成熟期の中でもかなり高い戦闘力を持つデジモンだ。
唯一通用する技と言ったら敵の動きを止めるパピーハウリングのみ。
プロットモン[(せめてアリシアだけでも逃がさなきゃ…!!)]
プロットモンはデビドラモンを睨み据え、構えた。
デビドラモンは咆哮を上げると、鋭利な爪をプロットモンに向けて振り下ろす。
プロットモン[くっ!!パピーハウリング!!]
必殺技を繰り出し、デビドラモンの動きを封じたがそれは一瞬だけで、すぐに金縛りが解けた。
プロットモン[そ、そんな!?]
今までの敵に効いていた技が通用しない。
その事実にプロットモンは愕然となる。
その隙をデビドラモンは見逃さず、プロットモンを弾き飛ばした。
プロットモンは木に叩きつけられる。
プロットモン[うぅ…]
アリシア「プロットモン!!」
それを見たアリシアが木に叩きつけられたプロットモンに駆け寄ろうとするが、デビドラモンのレッド・アイで動きを止められてしまう。
アリシア「う、動けない…!!」
デビドラモンはアリシアに向かって歩いていく。
アリシアの表情が恐怖で歪んでいく。
プロットモン[…パピー…ハウリング!!]
全力の金縛りがデビドラモンの動きを止める。
プロットモンは痛む身体を起こして、デビドラモンに立ちはだかる。
アリシアをその背に庇いながら、プロットモンは必死に思考を巡らせる。
どうする?
どうすればいい?
どうすれば勝てる?
どうすればアリシアを守れる?
これまでの戦いでアリシアを守ったのは大輔達だった。
その大輔達は今はいない。
ならば…。
プロットモン[私が…アリシアを…守る!!]
プロットモンの身体が聖なる光に包まれた。
闇属性のデビドラモンは聖なる光の威力に怯む。
プロットモン[プロットモン進化!ダルクモン!!]
プロットモンを包み込んだ光が消えた時、そこにいたのはジャンヌ・ダルクをモデルにした女性タイプの天使型デジモン。
4枚の羽を持つ別名“戦場の女神”と呼ばれ、天使群の中で常に先頭に立って戦う切り込み隊長とされているダルクモンへと進化した。
アリシア「プロットモンが天使に…!?」
神々しい光を放つダルクモンにアリシアは思わず目を奪われる。
デビドラモンはダルクモンの放つ光に苦しそうに表情を歪めたが、ダルクモンに向けて鋭利な爪を向けた。
ダルクモン[………]
ダルクモンは更に光を強めた。
デビドラモンは思わず後退する。
ダルクモンは2本の剣を抜き、デビドラモンに突っ込む。
ダルクモン[ラ・ピュセル!!]
聖なる力を宿した斬撃にデビドラモンは一瞬で粒子となって消えた。
アリシア「…殺した…の…?」
アリシアは躊躇いなくデビドラモンを屠ったダルクモンを驚愕したように見つめる。
ダルクモン[アリシア、そんなに驚くことかしら?]
ダルクモンがどこまでも無機質な声色で返す。
アリシア「え…?」
ダルクモン[何故そんな事を聞くの?]
アリシアは思わずぞっとした。
ダルクモンからは一切の感情が感じられない。
プロットモンの面影が全く感じられない。
ダルクモン[私は光、光は善の存在なの、デビドラモンは闇、悪の存在。それを倒すことに何か問題があるの?]
アリシア「え…?何、それ…?」
ダルクモン[闇が無くなれば皆が幸せになれる。そうでしょう?]
ダルクモンの言葉に混乱しながらも、アリシアは口を開いた。
なのは「私は…違うと思う」
ダルクモン[…?]
アリシア「光とか闇とかよく分かんないけど…。光とか闇で区別して正義だとか悪だとか決めるなんて間違ってると思う!!」
ダルクモン[…ではあなたどうしろと言うの?あなたは私に何を望んでいるの?あなたは私に何を求めているの?]
ダルクモンは無機質な表情でアリシアを見つめる。
アリシア「私が君に望むのは、光とか闇とか関係なく、友達を…沢山のデジモンを守る為に…私と一緒に戦って欲しいんだ!!」
アリシアの答えにダルクモンはようやく笑みを浮かべた。
ダルクモン[それがあなたの答えなのね。人の心という曖昧な物の為に私に戦えと言うのね。分かったわ。私はあなたとあなたの信じる物の為に戦いましょう。例え、光の加護を失って、力を発揮することが難しくなっても私はあなたとあなたの信じる物のために戦うことを今ここで誓います。]
綺麗な笑顔を浮かべてダルクモンはアリシアの元に向かう。
ようやく、ダルクモンにプロットモンの面影が見えた。
アリシア「ダルクモン…!!」
ダルクモン[行きましょうアリシア、あなたの仲間の元へ]
アリシア「うん!!」
ダルクモンはアリシアを抱き抱えると飛翔する。
目指すは仲間達のいる島。






























おまけ

優しい未来の続きっぽい。

エイミィ「ふ…ふふふ…アーッハハハハハハハッ!!」
狂喜の笑いをするエイミィを見てパーティー会場中のメンバーがドン引き状態になっている。
エイミィ「認めない…認めないぞおっ!!こんちくしょうがぁぁぁぁッ!!!!!」
大輔「今度は某再誕のラズベリーの方か…どうしたんだよ?」
エイミィ「私は!!お義姉ちゃんはねえ!!ルカ君とスバルちゃん達とのお付き合いは認めないんだからあっ!!」
ノーヴェ「てめえまだ調子に乗るつもりかっ!!?」
なのは「喧嘩っ早いなあ…」
ギンガ「お義姉さんが私達に勝てるとでも?」
エイミィ「お義姉さんとか言わないで!!こうなったら…誘拐&逃走!!」
ルカを抱えて逃走を謀るエイミィ。
パーティーの御馳走を蹴散らしながら。
ブイモン[御馳走があああああっ!!?]
スバル「逃げた!!?」
クロノ「追え!!逃がすなあ!!」






























一輝「会場の地下に逃げたぞ!!」
ブイモン[絶対に逃すなよ!!]
チビモン[私のプリンパフェーーーーッ!!]
フェイト「チ、チビモン…パフェならまた頼んであげるから…」
ギルモン[オラのパイィィィィッ!!]
はやて「あんのド馬鹿ブラコーーーン!!」
ヴィータ「今日という今日は絶対に許さねええええ!!」
今の彼らはすでに阿修羅と化していた。
いやそれどころか破壊神に。
エイミィ「くっ!!このままじゃあ…」
賢「…………」
エイミィ「あ、賢君!!助かったあ…みんなを止めて…」
賢「カオスフレア!!」
エイミィ「ほぎゃああああっ!!?」
賢「地獄の業火に焼かれて消えろ!!」
カオスフレアの威力をもってしてエイミィを吹き飛ばした賢。
ちゃっかりルカをよけながら。































遼「さて、馬鹿がいなくなったところでパーティーを再開する!!」
遼が高らかに宣言した瞬間、パーティー会場がどっと盛り上がった。
エイミィは星となり、皆の記憶からは滅却された。 
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