大陸の妖精
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・Original Episode 2・
前書き
更新遅れてすみませんでしたぁ!!
ルーシィの閉話です、駄文注意ですが読んでくれるとありがたいです
時刻は昼過ぎ、太陽が空に照り続けている頃
ハルジオンの街を歩くアルトとルーシィの姿があった
街中を行き交う人々の中、二人が並んで歩いている姿は傍から見れば恋人同士に見えないわけではないだろう
ルーシィ「(よ、よく考えたらこれってデート・・・って事になるのかなぁ・・・/////)」
緊張したルーシィの白い頬がうっすらピンク色に染まる
自分でもやかましく感じるほど心臓の鼓動が高鳴っている
ルーシィは自分をファントムの脅威から守ってくれたアルトを少なからず一人の「男」として意識しているようだ
ルーシィ「(うぅ・・・どうしよぉ、緊張してる・・・やっぱり私、アルトの事が・・・/////)」
自分たちはすれ違って行く街の人々にどう見られているのだろうか
もしかしたら仲のいい恋人同士に見られているのかもしれない
ルーシィ「(・・・って、何考えてんのよ私ー!)」
自分の桃色脳内で作り上げた妄想を必死に振り払う
そしてルーシィはアルト自身に気付かれないように視線を向ける
焦りと興奮が入り混じった自分とは違い、平常運転で歩いているアルト
そんなアルトを見て、悔しさと落胆の気持ちがこみ上げていた
ルーシィ「(もうっ・・・やっぱりアルトの方はあたしの事なんてなんとも・・・)」
晴れ渡っている空とは真逆に、ルーシィの心は曇りきってしまったようだ
アルト「いやー、楽しみだなぁ新しい小説!」
今日、アルトとルーシィが歩いているのは二人が読んでいる小説の続編が発売されていたからなのであった
ルーシィ「言っておくけど、私が買うんだから私が先に読むからね!」
アルト「分かってるって!早く買って帰って読むとしようぜ!」
ルーシィ「あ、ちょっと急に走らないでよーっ!!」
途中から走るアルトを追いかけるような形になったが、二人は本屋に到着した
昔からある本屋らしく、外観は少し古いが店内の内装は整っていて品ぞろえも豊富だ
特に恋愛話をテーマとした小説を多く扱っているように見てとれた、そのせいか店内にいる客も男女の組が多い気がした
アルト「へぇー、同じ作者でもこんなにたくさんの小説書いてんのかぁ・・・」
ルーシィ「そうよ、面白い話を書く作者は売れるし需要もあるでしょ」
アルト「あっ、この小説はおもしろそうだな・・・!!」
ルーシィ「(よかった、楽しんでくれてるみたいで・・・♪)」
気になる小説を見つけては取り出して表紙を眺めるアルトの姿に自然と頬が緩むルーシィ
自分が今もこうして笑っていられるのは、アルトとフェアリーテイルの皆のおかげだと思うと感謝の気持ちでいっぱいになる
自分の事を命をかけて守ってくれる仲間が今、目の前にいることに幸せを感じていた
ルーシィ「アルト、ありがとね!」
アルト「えっ・・・俺、何かしたっけ?」
ルーシィ「うん、ファントムの事も・・・お父さんの事も・・・アルトが守ってくれたから、今もこうして笑っていられるんだ」
整った顔立ちから放たれる満面の笑みは、思わず見惚れてしまうほどの破壊力を有していた
アルト「お、おぉ・・・/////」
普段は女性に疎いアルトでもルーシィの心の底から引き出された笑顔には敵わないようだ
緊張した様子でルーシィの感謝の言葉に応えた
ルーシィ「・・・?どうかしたのアルト?」
アルト「いや・・・別に・・・/////」
紅潮した頬をごまかすように再び視線を本棚の方へ移した
ルーシィ「(あれっ・・・もしかして・・・少しは意識してくれてる・・・?/////)」
アルト「・・・・・/////」
普段の様子とは違うアルトにルーシィは微かな期待を抱く
アルト「そ、それよりも早く買って帰ろうぜ!」
ルーシィ「そ、そうだよね!早く買って――」
二人は同時に目当ての小説に手を伸ばす
焦りのせいか、お互いに自分以外の手が見えていなかった
そして、ほんの数秒・・・二人の指先が触れあい、重なる
アルト「あっ・・・!!」
ルーシィ「えっ!?」
アルトの指がルーシィの指を包み込むような形で重なり合っていた
指が触れ合ったことに気付いた瞬間、二人は瞬時に手を引っ込めて目を合わせる
数秒の沈黙が訪れた後、お互いにたった今起こったアクシデントに対し気恥ずかしい気持ちが込みあがる
ルーシィ「えっと・・・その・・・ごめん!/////」
アルト「いや、俺の方こそ・・・すまん/////」
先ほどのルーシィの笑顔を見てから心が乱れっぱなしのアルト
普段はこんなことが起きても通常運転でいられるはずだが、心が乱れた状態ではどうも
そうはいかないらしい
アルト「か、完売してなくて良かったな!」
ルーシィ「そうだね!買えて良かったよ!/////」
互いに視線を合わせず話す
アルトは少々慌て気味に、ルーシィは気恥ずかしげな様子だった
本を購入し、ギルドに戻ったルーシィとアルト
ルーシィはそのまま家に戻り、夕食を終えてから購入した小説を一人で静かに読んでいた
ルーシィ「うわぁ・・・後半は結構過激なシーンもあるんだ・・・/////」
今開いているページはいわゆる「濡れ場」のシーンである
女の部屋に男が上がり込み強引に・・・という純情なルーシィには少々強烈なシチュエーションであった
アルト「なんだー夕食は終わった後か・・・ルーシィ、このお菓子もらうな」
ルーシィ「うーん・・・分かったー・・・」
アルト「ほほぅ・・こりゃ美味い」
ルーシィ「・・・って、何でアルトがここに居るのよー!!?/////」
自分から少し離れたソファに座り茶菓子を口に放り込むアルトの姿を見たルーシィはかなり驚いた様子を見せる
アルト「何でって・・・いつも通り窓からだけど?」
ルーシィ「ここあたしの家ーっ!!!」
アルト「わ、悪かったよ・・・いつもなら怒らないのに・・・」
ルーシィ「!!」
アルトの一言でルーシィは我に帰る
平静を取り戻したルーシィは改めてアルトの方を向くが、やはり変に緊張してしまう
ルーシィ「(駄目だ・・・アルトの事、完っ全に意識してる・・・/////)」
アルト「それよりもルーシィ、聞きたい事があるんだけど」
アルトはおどけた表情から真面目な表情に切り替え、ルーシィに歩み寄る
ルーシィ「ちょっ・・・ちょっと待って!それ以上近寄んないで!!/////」
アルト「えっ、なんで?」
ルーシィは慌ててアルトから離れる
その様子を見たアルトは歩み寄る足を止め、怪訝そうにルーシィを見つめる
ルーシィ「と、とにかくそこから話して!それ以上近寄っちゃだめっ!!/////」
頬を思い切り紅潮させたルーシィが叫ぶ
それもそのはず、男が一人身の女の家に上がり込みゆっくりと歩み寄る
この展開は先ほどまで読んでいた小説とまったく同じであったからだ
アルト「別に近寄ったっていいじゃんか、何かするわけじゃないし」
そう言ったアルトは再びルーシィの傍に寄る
またもや小説と似たような展開、小説内に出てきた男は「何もしない」と言って女に歩み寄った後、そのまま濡れ場の場面になったのだ
ルーシィ「(ど、どうしよー・・・このままさっき読んでた小説みたいになったら・・・あたしってば押しに弱いのに・・・/////)」
歩み寄るアルトを避けるかのようにそのまま後退するルーシィ
しかし、やがて後ろの壁に激突し、逃げ場を失ってしまった
アルト「ねぇ、ルーシィ・・・」
ルーシィ「(へ、平常心よあたし・・・/////)」
逃げ場を失ったルーシィの目の前にアルトが立つ
するとアルトはルーシィの頬に手を当てて、数回撫でた
ルーシィ「っ・・・/////」
目をうるかせ、頬を染め、静かにアルトを見据えるルーシィ
部屋は物音一つせず静寂を貫いている
アルト「今日の晩ご飯、スパゲティだった?」
ルーシィ「・・・は?」
アルトのあまりに間抜けな一言に部屋の空気が一瞬凍りついたような気がした
するとアルトはルーシィの頬を親指でグッと拭い、見せる
アルト「ほら、ミートソース付いてたぜ」
二カッと笑うアルトだったが、ルーシィの表情は曇りきっていた
冷や汗まみれで目を丸くして、口はUの字を画いていた
ルーシィ「それで・・・聞きたい事って・・・?」
アルト「いや、スパゲティだったら俺も食べたいなーと思って」
ルーシィ「・・・・・」
アルト「・・・ルーシィ?」
ルーシィ「キィイイィイイイ!!」
その夜、ルーシィの家からとても良いビンタの音がしましたとさ
ルーシィ「信っじられない!アルトのバカバカ!!二度と勝手に入ってくるなっ!!!/////」
アルト「な、何でそんなに怒ってるんだ、ルーシィ??」
おしまい
後書き
一応構成は練ったつもりです
ミラさんの閉話よりはクオリティが上がってる事を信じてます(笑)
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