最強イタリア軍
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第四章
第四章
「あの連中、何処まで駄目なんだ」
「戦争やる気あるのか?」
「何考えてるんだよ」
「フランスでも東部戦線でもユーゴでもアフリカでも」
彼等はソ連との戦争でもやらかしているのだった。しっかりとだ。
「へまばかりしやがってな」
「戦えば逃げるしな」
「それどころか自分達から降伏するしな」
「ちょっと怒ったら泣いて謝るしな」
しかもだ。これだけではなかった。
「兵器はカスだしな」
「何だよ、あの赤い手榴弾」
「こっちの方が危険だっての」
「整備も悪いぞ」
とにかくだ。不満が尽きないのだった。
「機甲師団って言っても。戦車がなかったりするしな」
「車があったらそれで逃げる」
「碌な装備を持ってない相手に近代兵器で惨敗する」
「しかも戦場で美味いもの食おうとする」
「将軍なんか専属のコックまでいるぞ」
「無駄に水使うしな」
それもするのだった。
「今だって。パスタ食ってるしな」
「あれっ、砂漠でもパスタ食ってたんじゃないのか?」
一人がこのことを話した。冷えたまずいソーセージを食べながら。
「あの連中それもしてたんじゃないのか?」
「いや、それはなかった」
「流石にな。無理だったからな、パスタをあそこまで保管するのは」
それで諦めたというのである。食べられないからだ。
「それはなかったからな」
「ああ、そうなのか」
「流石に砂漠では食わなかったか」
「今は食っててもな」
たっぷりと時間をかけてだ。パスタや色々なものをだ。戦場で食べているのである。
だが、だった。ここでさらにであった。こんな話が出た。
「燃料や弾薬より食い物や酒の備蓄の方が多いけれどな」
「そっちか」
「そっちの方が多いか」
「道理で。やたら飲み食いしてると思ったら」
「そうだったんだな」
「俺達なんかこんなの食って何とか戦ってるのにな」
冷えたソーセージの他はだ。固い黒パンにジャガイモ、これだけは何とか火を通している。他にはザワークラフトだけである。
そんなものしかない。イタリア軍とは本当に違う。彼等はというとだ。
「パスタに肉に野菜にな」
「柔らかいパンにな」
「しかもワインまである」
「あれが兵隊の食事かよ」
「将校になったらもっと凄くなるしな」
ドイツ軍とはだ。そこが全く違っていたのだ。
それを話していってだ。彼等は不満を募らせていく。そうしてだった。
「ここでも負けたらな」
「ああ、あの連中にも責任があるな」
「頼りになる同盟国が欲しいよ」
「全くだ」
ドイツ軍にしてみればそう言いたいことであった。そして。
彼らが敗れた時だ。イタリアはというと。
何故か晴れ渡った雰囲気の中にいた。そのうえでこんなことを言うのであった。
「戦争が終わったぞ!」
「やった!終わったんだ!」
「俺達は勝っただ!」
「ああ、勝ったぞ!」
こんなことを言う。するとだ。
それを聞いた敗戦に打ちひしがれていたドイツ人達はだ。彼等が何を言っているのかわからずにだ。思わずこう問い返したのだった。
「おい、どういうことだ」
「そうだ。勝った?」
「何に勝ったんだよ」
「それで」
「だって。今連合国にいるから」
「そうそう、ムッソリーニに勝ったんだよ」
「あの独裁者にな」
彼等は胸を張ってこう主張するのであった。
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