イナズマイレブン~クロスライジング~
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裏での出来事
前書き
最近多忙で更新お待たせしました!
「少林!」
半田が少林寺にパスを出す。
「アチャー!」
少林寺が声を上げながらパスを受け取る。
「よぉし!サイドの風丸に出せ!」
円堂が少林寺に声を掛ける。
少林寺が風丸にパスを出し風丸が前に上がっていく。
「風丸さん速過ぎっす〜!」
栗松の情けない声が響く。
ベンチでは完全にばてている目金と
水分補給を行う豪炎寺の姿が伺える。
「止めろ土門!」
円堂が叫び土門に呼び掛ける。
「わかってるって!」
土門はその言葉を予想していたかのようにディフェンスに入る。
そして風丸からスライディングでボールを奪った。
「良いぞ土門!」
俺は見事なディフェンスを見せた土門に声を掛けた。
「やりますね土門さん!」
「ええ!」
とマネージャーの音無と木野も呟いている。
「へへへっ!」
土門は少し照れくさそうに鼻の下を
人差し指で撫でまた走り始めた。
「遅いもっとスピード上げろ!」
俺が叫ぶ。
「これ以上無理っス〜〜」
「もう足フラフラでやんす〜〜」
と壁山と栗松の情けない声がまた響いた。
そして俺たちは練習を終えた後、雷雷軒に向かった。
「腹減った〜」
円堂が腹を押さえながら
雷雷軒の目の前まで歩いて来た。
「皆、今日は何食べる?」
俺が聞くと
「俺は炒飯にしようかなぁ」
半田が話す。
「僕チャーシュー麺!」
と少林寺も手を挙げて答える。
「んじゃ俺は角煮食べよー」
と俺も今日の注文の品を決めて入ろうとした時だった。
土門が何か確認した様な仕草をして
「悪りぃ、俺先帰るわ」
と円堂と俺に話し掛けた。
「ん?ああ、じゃあまた明日な!」
「おうお疲れさん」
と円堂と俺が土門に声を掛けると
「じゃあな」と土門も軽く手を振り去って行った。
〜土門side〜
「はい………えっ!?個人能力のデータですか?あっ、はいイナビカリ修練所での…はい、必ず」
俺はあの方からの電話を切りスポーツショップの前に来た。
そのスポーツショップに飾ってあるサッカーボールを見ながら
俺は円堂の言葉を思い出していた。
「歓迎するよ!」
何故かこの言葉が脳裏から離れない。
「フットボールフロンティアに向けて一緒に頑張ろう!」
円堂からそう言われた時、何だか嬉しかったな。
「どう?似合うかなぁ?」
「うん、似合ってるよ!」
初めて雷門中のユニフォームを着て秋に似合うって言われた時も…。
「こんな練習が何の役にたつってんだよ…」
イナビカリ修練所での地獄の様な特訓も…。
「行ったぞ土門!」
「ボールを回せ!」
「やるじゃないか土門!」
俺は雷門中での楽しい日々が忘れられない。
俺は申し訳ないように顔を下に向けて気付いたら歩いていた。
「危ない!」
突如聞き覚えのある女の子の声が響いた。
俺は右を向くとトラックがこちらに向かって来ていた。
何とかトラックは俺の目の前で止まり九死に一生を得た。
「馬鹿野郎!ボーッと歩いてんじゃねぇぞ!」
とトラックの運転手が安心した様な怒りの混じった声で叫んだ。
「……………………」
俺は無言のまま去って行ったトラックを見ることしか出来なかった。
「土門くん!」
秋が俺のもとに駆け寄る。
やはりさっきの声の正体は秋だったみたいだ。
「……あ、ああ」
俺は申し訳なさそうな顔で秋に顔の向けた。
「大丈夫?ぼんやりしちゃって……」
秋が心配そうに俺に声を掛ける。
「ああ、うん、ちょっと考え事してたから……」
俺は半分本当で半分嘘の様な答えを秋に返した。
「考え事って……、元気出して!そんなんじゃ一之瀬くんに叱られるぞ!」
秋が一之瀬と言う言葉を発した途端俺は苦しくなった。
秋は俺の肩を叩いて歩いて行った。
そうあれは………。
「一之瀬くんっ!!」
秋の悲鳴が聞こえた。
俺の……いや俺と秋の昔の嫌な記憶だ。
〜冬海side〜
「率いるチームを決勝戦まで進めるとは流石だな冬海…」
あのお方の怒りがこもった声が聞こえる。
「申し訳ありません、まさか彼奴らが此処までやるとは………」
私は正直に話した。
「どんな手を使ってもいい雷門中を決勝戦に参加させるな、いいかどんな手を使ってでもだ、もしも失敗した時は!」
その先は簡単に予想が出来た。
「わ、わかっております!何としても不参加にして見せます!」
私は何とか期待に答えられる様に返事を返した。
「……フッ…」
………ブツッ。
「…もう駄目だ…、うちのチームを決勝戦に参加させたら……私は破滅だ……」
私は校舎裏でうずくまり呟いた。
〜土門side〜
俺は浮かない顔のまま翌日の学校の門を潜った。
「土門くんどこ行くの?」
秋が俺の背後から声を掛けるが俺は振り向かず
「部室に忘れ物……!」
と言葉を残しその場を去った。
俺は部室の中に入りいろんなファイルを開きアレを探す。
「イナビカリ修練所、個人能力データ……これだ」
俺はそのデータに手を掛け取ろうとしたが
「………っ」
俺は無言のままデータを元に戻した。
俺が部室から出て校舎に向かっていると
俺たちの移動用バスが入っている車庫の中から音が聞こえた。
俺は中を確認してそこに居た人物に声を掛けた。
「先生!」
俺がその先生に声を掛けると驚いたように一瞬だけビクッとした。
「何だ君でしたか………脅かさないでください」
その男は冬海だ。安心したようにため息をついている。
「こんな所で何やってたんですか?」
俺は単刀直入に冬海先生に聞いた。
「さあ?何でしょうね〜」
とシラを切る様にこちらに向かって歩いてくる。
「ああ一つだけ忠告しておきますよ、このバスには乗らない事です」
冬海が不敵な笑みを浮かべながら話した。
俺はその言葉を聞いて悪い予感しか働かなかった。
俺がどういう事だと聞こうとした時には
シャッターを潜り外に歩いて行っていた。
「……っ!これも総帥のご命令か!」
俺は怒りに震え上がったがバスのタイヤを蹴る事しか出来なかった。
「どうすりゃ良いんだよ………!」
サッカーの練習の最中もその事で頭がいっぱいだった。
俺は全員でグラウンドで走っている最中に途中で足を止め一人違う場所に向かった。
俺は校舎から少し離れた倉庫に
背中をもたれかかってある男と話を始めた。
「イナビカリ修練所でのデータは?」
その男が俺に話しかける。
「まだ、まだ手に入っていません」
俺はその男、鬼道を横目で見ながら話した。
「なら何故呼び出した?」
鬼道が声のトーンを落として話す。
「鬼道さん本気なんですか?幾ら何でもやり過ぎですよ、移動用のバスに細工するなんて……」
俺が拳を強く握り締めながら話すと
「……何だって…?」
鬼道は本当に知らない様な口振りで答えた。
「やっぱり…鬼道さんも知らなかったんですね…これが帝国のやり方なんですか!?総帥は何を考えているんです?」
俺が思った事を全部鬼道に話すと
「……くっ」
と口をこぼし無言になった。
「なんか俺総帥のやり方について行けなくなりました!あの人は強引すぎる、そんなにしてまで勝ちたいんですか!?」
俺が叫ぶと鬼道は
「それ以上言うな……俺たちに総帥の批判は許されない」
と呟き俺が
「でもっ!」
と言った時だった。
「お兄ちゃん」
鬼道が焦った様に後ろを振り向いた。
その鬼道の後ろにいたのはマネージャーの音無だった。
後書き
雷藤「俺の出番無さ過ぎじゃねぇ?」
影野「ふふふっ、同じだね」
雷藤「同じにしないでくれ……」
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