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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  0860話

「オルタネイティヴ計画?」

 ビルの口から出た言葉をそのまま口に出す。
 オルタネイティヴ計画。残念ながら聞いた覚えがない名前だ。
 いや、違うな。夕呼と一緒にいた社の軍服にそんな文字があったような……
 まぁ、このマブラヴ世界での計画である以上はBETAやら戦術機やらに関係してくると思うんだが。
 さっきビルが口にしたプロミネンス計画なんてのもそんな感じだったし。
 ともあれ、俺がその名前を理解していないと分かったのだろう。ビル、そして周囲に座っている政治家や軍人達もまた同様に、どこか安堵の息を吐く。

「で、結局オルタネイティヴ計画ってのは何なんだ?」
「そうだな、君に話す許可は既に国連で得ている。今なら話しても問題無いだろう。少し話が長くなるが、構わないかね?」

 ビルの言葉に頷きながら、そのオルタネイティヴ計画とやらが国連主導の下で行われている計画なのを理解する。
 もっとも国連の許可と言うが、今の国連の状況を思えばアメリカ大統領でもあるビルの言葉に逆らえるのがどれだけいるのやら。
 そんな風に考えていると、ビルが口からオルタネイティヴ計画についての説明が始まる。

「まず、最初に計画が発足したのは1966年。BETAの言語や思考を解析して意思疎通を図ろうとしたのがオルタネイティヴ1だ。もっとも、これは結局何の成果も残せずに失敗したがね。そして1968年にはBETAを捕獲して調査・分析する計画としてオルタネイティヴ2が行われたが、莫大な犠牲を払って捕獲したBETAを調べても分かったのは結局炭素生命体であるという事だけだった」

 そこで一旦言葉を区切るビル。
 空間倉庫からオレンジジュースの入った紙パックを人数分取り出し、影槍を使って配っていく。
 その様子に、実際に魔法を初めて生で見た政治家達が驚きの表情を浮かべるが、既に何度か魔法を見ているビルは全く気にせずに紙パックにストローを刺してジュースへと口を付ける。
 政治家のうちの何人かがそんなビルを止めようとしたのだが、こっちに対する信頼は大きいと思わせる為なのだろう。全く気にせずにオレンジジュースを味わい……次の瞬間には小さく驚きの表情を浮かべる。

「ほうっ、これは……美味い。それに天然物100%のオレンジジュースか。ちょっとした贅沢だね」
「アメリカの大統領ともなれば、これくらいの飲み物や食べ物は普通に食えるんじゃないのか?」
「いやいや、大統領だからこそ色々と制限もあるんだよ。……さて、話を続けよう。オルタネイティヴ2が失敗して、次に行われたのがオルタネイティヴ3。ソ連が主導で行った計画で、ESP能力者がBETAと意思疎通して情報を得るというものだった」
「ESP能力者?」

 それを聞いて思い浮かんだのは、夕呼と一緒にいた社。俺と似て非なる超能力者。
 社の顔を思い出している俺を見て、理解したのだろう。小さく頷く。

「そう、アクセルと親しいミス香月の助手としてその計画の生き残りが引き取られたと聞いた事があるね」

 ビルがそう口にすると、何を思ったのか先程のG弾云々と言っていた軍人が鼻で笑う。

「ふんっ、アクセル代表にもESP能力者が薄気味悪い存在だと理解して貰えたようで何よりだ」

 元々人種差別の類が多いアメリカだけに、超能力者という者に対してこのような態度を取る者がいてもおかしくない。
 だが、俺の目の前でそんな発言をしたのが間違いだったな。
 念動力を使い、社を……延いては超能力者を馬鹿にした軍人が持っている紙パック入りのオレンジジュースを強引に取り上げる。

「なっ!?」

 その様子に目を剥いている軍人や、周囲の政治家、あるいは他の軍人達が驚愕の表情を浮かべている中で、口を開く。

「俺には魔法という能力の他にも超能力を持っている。さっきそこの軍人が言ったESPではなくサイコキネシス……いわゆるPK寄りだがな。ところで、超能力者を馬鹿にするって事は、俺も馬鹿にしているんだが……それはアメリカとしての意見だと思っていいのか?」
「違う! 決してそんな事は無い!」

 即座にビルがそう言葉を返す。
 まぁ、ただでさえ現状では俺達シャドウミラーからの好感度という意味では中国や韓国よりマシとは言っても、最初から俺達と懇意にしていたオーストラリアや、TYPE94や飛鳥計画の機体を差し出してきた日本帝国に比べれば大分低いと言ってもいいのだから、これ以上好感度が低くなるような真似は好まないのだろう。

「テイラー大将、君の発言は人種差別的なものだと判断する。この件の処分に関しては後日下す。以後の発言を禁じる」

 素早く指示を下し、顔色を青くしているテイラー大将とやらが黙り込んだのを見てビルは俺へと向けて口を開く。

「こちらの者が失礼した。……それにしても、君も超能力を持っているとは思わなかったよ。もしそれをソ連が知れば、色々とアプローチしてくるかもしれないね」

 話を誤魔化そうというのは分かっていたが、俺としてもいつまでもテイラー大将とやらに関わっているのも馬鹿馬鹿しいので、それに乗る。

「俺達の世界だと、超能力者は少なかったが決していないという訳じゃなかった。そっち関係の研究もそれなりに進んでいたけどな。……まぁ、それはともかくだ。オルタネイティヴ3とやらは失敗したのか?」

 話が元に戻ったことに安堵しながらビルが頷く。

「ああ。インドにあるボパールハイヴを攻略するスワラージ作戦でほぼ全てのESP能力者が死亡してね。BETAに対してESPを用いたあらゆるコンタクトは、その全てが失敗。その結果オルタネイティヴ3は失敗と見なされ、全ての成果はオルタネイティヴ4に引き継がれた。……そう、君も知っているミス香月が総責任者を務めているのが、それだ」
「……夕呼か?」
「ファーストネームで呼ぶとは大分親しくなったようだね。ともあれ、ミス香月が現在日本の白陵基地でオルタネイティヴ4を進めている」

 ……なるほど。軍人でも何でも無い夕呼が、何故基地の副司令官になっているのかと不思議に思っていたんだが、以前オーストラリアの方から聞かされた秘密計画ってのは、そのオルタネイティヴ4とやらな訳か。

「なるほど、話は分かった。……それで、日本で進められているオルタネイティヴ4と俺がここにいる理由、そしてビルを始めとした政治家や軍人、科学者までもがここに集まっている理由は?」
「まぁ、待ってくれ。最初に言ったように話は長くなるんだ。それで、オルタネイティヴ4だが、これはオルタネイティヴ3をより拡大した内容になっている。対BETA諜報員育成計画とでも言うべきもので、特殊な存在を作り出して、BETAからの情報を抜き出すというものだ。……ただ、話を聞く限りではかなり夢物語に近い。実際、オルタネイティヴ3は散々な結果に終わった訳だしね」

 その意見にはここにいる政治家や軍人達も同意見なのだろう。念動力を使った俺に対して畏怖の視線を向けつつも頷いている者が多い。

「それで、だ。アメリカ合衆国としてはそんなお伽話に地球の命運の全てを託す訳にもいかないし、この世界で最も力のある国としてとある計画を立てていた。このままBETAに勝てない以上、地球はより激戦地になり、最終的には滅びる可能性すらも否定出来ない。そうである以上、種の存続を第一に考えるべきだ。……そうは思わないかね?」

 なるほど、その考えは分からないでもない。俺達の世界でのアースクレイドル、ムーンクレイドルといったプロジェクト・アークや、あるいはマクロス世界で行われている移民だって種の存続第1に考えられているものだ。それを思えば、同じような計画を立てたとしても不思議では無い。
 だが、最大の問題はこの世界にそれだけの技術があるかどうかだろう。

「つまり、その移住先を手配しろと?」

 単純に考えれば、他の世界……それこそ現在はある意味で人種の坩堝と化しているネギま世界の火星に移住するとかか。まぁ、この世界の火星は色々な意味で危険な場所と化しているのを思えば、嫌がるかもしれないが。
 他にはSEED世界のオーブ、コロニー、ギアス世界の陽光、マクロス世界のミュートスといったところが移住先としては有望だろうが、人数が多すぎると移住先で勢力を作って無駄に騒動を起こしそうなんだよな。
 だが、予想外の事にビルは首を横に振る。

「いや、確かにそう出来ればいいだろうけど、生活様式が余りに違う場所に移住するとなると、前からそこに住んでいる住民と騒動になる可能性が高い。しかもアクセルの話によると、どの世界もこの世界よりも技術的には先を行っているんだろう? なら、それでもし衝突したりした場合、私達が色々な意味で危険になりそうだしね」

 小さく肩を竦めるビルに、不満そうな表情を浮かべる軍人達。
 この辺の違いは分からないでもない。アメリカ軍の軍人としては、当然自分達の生み出した戦術機という存在に自信を持っているのだろうし。
 ……けどなぁ。MSの中でも最低性能に近いストライクダガーやジンと比べても圧倒的に戦術機の方が低性能だし、KMFにしてもガン・ルゥより若干上といった程度では、贔屓目に見ても第4世代のKMF相当といったところだろう。ヴィンセント・ウォードやガレスといった現在の主力KMFでもある第7世代にはどうあっても及ばないし、マクロス世界のVFに関しても性能差が大きすぎる。
 唯一戦術機で勝てる可能性があるとすればネギま世界だが、向こうには生身で戦術機を圧倒できるだろう戦力を持つ魔法使いがいるし、修羅も存在している。

「……で、つまりそっちは俺に何を要請したいんだ? 単刀直入に頼む」
「そうだね、ここまで前置きが長すぎた。では、アクセルの要望通り手短にいこう。オルタネイティヴ5というのは、先にも言ったように人類という種を存続させるための計画だ。いや、まだ国連では正式な認可を受けていないがね。ともあれ、人類には退避先が必要なんだが……つい先日NASAが無人大型探査機イカロス1の信号を受信した。それによると、蛇遣い座のバーナード星系に適合度AAの地球型系外惑星を発見されたらしい」
「……ほう」

 マクロス世界でも移住するのに最適な惑星を見つけるというのは色々な意味で難しい。それをこの世界で成し遂げるとはな。
 もっとも、テラフォーミング技術に関してはマクロス世界の方が圧倒的に進んでいるのだろうが。

「避難先の惑星が見つかったのは確かにおめでたいな。で、それで俺達に何を求める?」
「君達シャドウミラーには、転移技術があるだろう? 出来れば、それを貸して欲しい。……それが無理なら、せめてその惑星に対しての調査を行って欲しい」
「……なるほど」

 俺達が使っているシステムXNではバーナード星系まで転移するのは難しいだろうが、幸いにしてマクロス世界でフォールド技術を入手している。それを使えば、バーナード星系まで出向くのもそう難しくはないだろう。だが……

「確かに俺達の技術があれば、先行偵察は可能だろう。だが……正直な話、俺達シャドウミラーがいたとしても、BETAに勝てるという自信が無いのか? そうだとすれば、随分と俺達が甘く見られたものだが。……どうだ、何ならどこかのハイヴを攻略でもしてみせるか? そうだな、丁度この前のアラビア半島防衛戦で15万を超えるBETAを殺し尽くしたんだから、アンバールハイヴ辺りならシャドウミラーだけでも楽勝で攻略出来ると思うが?」

 事実、アラビア半島防衛戦の後から何度かアンバールハイヴ攻略の案は何度か国連で出ているらしい。だが……ここで問題になったのが、皮肉な事に俺達シャドウミラーだった。
 一部の国……それも大きな国力を持つ何ヶ国が、自分達の戦力を出さなくてもシャドウミラーに頼めばハイヴを攻略してくれるのではないかと言いだし、この世界の事を異世界の国家に任せてもいいのかとそれに反対する国も出てきて、あるいは面子の問題やら何やらで揉めに揉めているらしい。
 ……ここまでBETAに追い詰められても一致団結出来ないってのは、正直大いにマイナスだった。

「こちらとしても、出来ればシャドウミラーにはハイヴ攻略に参加して貰いたいのだがね。残念ながら他の国の事を考えるとそうもいかない訳だ」

 で、アメリカは俺達にハイヴ攻略を任せようという意見に賛成した国だった訳だ。
 ただし、それは俺達シャドウミラーの戦力を利用してG元素はどうにか自分達で手に入れるというのが前提だった訳だが。
 何しろ、国連に提案した時にきっちりとその旨を強調したらしいからな。
 バンクーバー条約に基づき、ハイヴ内にあるG元素は国連が管理することとする、と。
 で、そこからは揉めに揉めて、何だかんだで棚上げに棚上げを繰り返しているらしい。
 ちなみにこの情報は夕呼からレモン経由で得た情報だ。
 さすがに国連の秘密計画……オルタネイティヴ4の総責任者だけあって、色々と情報は入手出来るのだろう。
 まぁ、夕呼にしても俺達とのパイプを太くしておくというのは必須事項なんだろうしな。

「その件に関しても色々と言いたい事はあるが……まぁ、いい。国連とオーストラリアを通して正式に依頼をするのなら受けるかどうかを検討させてもらおう」

 もっとも、アメリカからの要請をオーストラリアがいつまで抵抗出来るかは分からないが。
 ……さて、そうなると戦艦が1隻必要だな。まさか旗艦のシロガネやニヴルヘイムを出す訳にもいかないし。……暫くホワイトスターで眠っているギャンランドかワンダーランドでも出すか? 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:25
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1114 
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