新妹魔王の契約者~龍剣使いの神皇帝~
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1巻
一真達との和解×仲間達の自己紹介
とうとう現れた現魔王派の手先から守った後からの戦いについては箝口令というので、誰にも言わない事を約束した後に公園近くにあった黒塗りの車に乗せる一真と深雪だった。澪は警戒心を強めていたが、それは当たり前である。一真と深雪は神族の上位神で、澪と万理亜は魔族である事と澪達を騙していた事を総合的に考えると澪を助ける理由などどこにもない。一真達とその護衛者は敵意を出していない事を伝えても、澪はしばらく立ち止まり考えていた。罠の可能性もあるのではと考えていたようだが、澪を説得したのは配下の万理亜だった。自分達を滅ぼす気があれば、先ほどのリビングや今の状態でも倒す事は可能性大だがこうして見捨てるずにこうして保護をしてきた事だからと言ってからやっと乗ってくれた澪。黒塗りの車から降りた後に驚いた澪と万理亜だったが、驚くのは無理がない。先程までは一戸建ての豪邸だったが、今では一戸建てから大豪邸のような感じとなっていてまるで城のような感じであった。
「何を突っ立っている?さっさと入るぞ」
「今はお父さまの言う通りにしてくださいね?」
そう言われてから玄関のドアを開けると、そこには今までいなかった存在と広い玄関が俺達を待っていたメイド達。
『お帰りなさいませご主人様にお嬢様、そしてようこそいらっしゃいましたお客様』
「こいつら二人は改めて今日からウチに住む事になった者だ、客ではなく俺達と同じくらい丁重にもてなせ」
『かしこまりましたご主人様』
そう言ってから、改めて家に入ると澪は先程の戦いで汗をかいているはずだと思いメイドに風呂の案内を頼んだ。そんで俺と深雪に万理亜はダイニングルームに到着すると先程までいたであろうリビングとダイニングが繋がったとても広い所に到着した後に麦茶を三つ頼んでから、リビングにあるソファに座った俺達。数分後に麦茶を置いてから、メイド達は立ち去りこの部屋にいるのは三人だけとなった。
「ほら、飲めよ。別に毒何か入ってないんだから」
「あ、はい。いただきます」
万理亜はコップに入った麦茶を一気飲みしたのだった。まあ今は夏だからな、夜に戦闘したとしても暑さと喉の渇きはあっただろうと思った。
「・・・・随分とあっさり飲みますね。お父さまから催促されたとはいえ」
いくらここが俺らの家だとしても、無防備すぎるのではと思った深雪だが俺が迎えに来たのは間違いないけど。
「・・・・もうちょっと警戒した方が良かったですかー?」
「織斑家当主が迎えに来たのだから、警戒しない方がいいというのはそちらにとっては無茶な事だろう。深雪も少しは考えたらどうだ?」
「そりゃ私が一度家から追い出したのをまた連れて帰るのは確かだと思いますが、毒など入れるなんて事はしないと思いますよ」
「それに私達が騙していた事も最初から知ってはいたようですが、まさかそちらの芝居だとは思ってもいませんでした。一真さんや深雪さんが本気で怒っていたのは、私も澪様もホントの家族だと思っていました。一緒に過ごして僅か十日間でしたが、一真さん達を信じても良いと思いましたから」
万理亜は違う?という目線で聞いてきたから、俺は麦茶を飲んでから肯定した。澪の性格上まだ少し頑なだが、風呂にでも入れば落ち着いていられるだろうと俺と深雪の考えにより入らせた。ま、風呂も前とは大違いな大きさだから驚くと思うが使い方は変わらない。日本の夏は夜でも暑いというのは、住んでいれば誰でも知っている事だし、朱音達も四人で入っていると言っている。クロウ達はあとで俺と一緒に入る予定だから、まだ俺の中にいる。
「それより、そろそろ本題に入りたいのですが、まずは一つ目。一真さんの事ですが、先ほどまでは『お兄様』と呼んでいたのに今では『お父さま』と呼んでいますがなぜですか?」
「そういえばそうだったな、俺と深雪は見た目はこれだが今は年齢と容姿を偽った事にしている。ホントの俺は既に大人となっているし、深雪も大人の状態である。そして俺の娘はここにいる深雪という事だ」
「なるほど、神族の者なら人間界で生活するなら見た目と年齢を変更する事が出来るからですか。二つ目は神族でしかも上位神のあなた達が、なぜ魔族である私達を助ける気になったのか」
「それについては私がお話致しますが、まあ簡単な話ですけど私達はこの世界の神ではないという事ですよ。あなた達の現状を知ってから、今に至るまで全ては作戦だったという事です」
それからは俺が話したけど、まず俺達はこの世界の神ではなく別世界から来た神でお前らで言う神族とは関係ないし知らないからだ。で、俺の立ち位置は全てを創ったと言われる創造神黒鐵だと言った後に深雪は俺との間の子で女神雪音だと伝えたら創造神黒鐵はとても有名で、魔界では誰も見た事がない神だと言っていた。まあ俺達が来た時は、エージェントである迅からの報告でファミレスのところにいたと言ってな。
「という事は最初から最後まで全部知っていて、そのまま黙っていたのですか」
「まあな、俺達の作戦状想定内の事が起こる事は全て俺の頭に入っている事だ。本来なら勇者の一族のところを神族として変更したのさ、この世界は一つだと思っているが実はそうではないイレギュラーな世界でな。俺達はイレギュラーな世界を外史と呼んでいる。そんで本来ならあの魔獣で戦いが終わるところまでが本来の道筋だったが、想定外な事が発生した」
「ドウターという謎の魔物ですか?」
「そう言う事です、あれを放置しておけばこの世界はいずれ破滅の道に進むでしょう。私達の真の敵はドウターなのですよ?それも出現する時は必ずあなた達の敵が現れるポイントに出現する事が分かりましたから」
ま、あとはそれだけでは俺達は澪達を助ける理由はないとかで里の連中が監視対象という設定をしているのが普通なのでは?と言ってきた。
「俺の出生は勇者の一族がいる里という設定となっているが、俺はそれよりも前から生きている。前魔王ウィルベルトとは密談をしてきた奴だったからな、里の時は分身体をこの世界に入れたからそん時は東城刃更という名前と容姿が与えられるが、今は分身体と合流してから本当の名前と容姿でこの世界に紛れ込んできたという感じだ。それに俺は守りたい対象がいれば、敵ともなる勇者や神族や魔族がいたとしても全力を持って守護するのが俺の今回の役目だと思っている」
「例えそれが魔族で・・・・魔王の力を受け継いでいたとしても?澪様を守る事で、一真さんや深雪さんに危険が及ぶ事になってもですか?」
万理亜は俺達の事を正体明かしたとしても、まるで念押しのように確認をしてくるので俺の中にいるドラゴン達を呼んでやった。クロウ達はヒト化でドライグ達は小型ドラゴンと化していた。朱音達はまだ早いが代表として鈴音を召喚させた。ちょうどお風呂から出てきた後のようだった。そんで改めてこいつらの紹介をしたら本当に異世界から来た神様だと信じ込んだようだ。あとは鈴音が異界では前魔王だったという事実付きで。
「俺達には二人に見えて実は仲間が俺の中にいる事やこの家にいるメイド達に、この辺りをパトロールしている警察官達も俺達の仲間たちである。何かあったら伝えるようにしてあるし、俺と深雪は蒼い翼所属している者だ。人間界で魔族や神族の輩たちが暴れたとしてもだ、俺達で守るだけの事。あとはドウターを倒す事が俺達の宿命だからだ」
「・・・・解りました。それなら、ご厚意に甘えさせて頂きます。今の澪様には・・・・一人でも多くの味方が必要ですから」
そう言った後に、一度ドライグ達を全員元の場所に戻ってもらいながら、万理亜からの口調には重い切実さが込められていた。万理亜は居住まいを正すとこちらへ向かって深々と頭を下げてくる。
「一真さんと深雪さん・・・・これまで騙していてすいませんでした。私達の危険に巻きこむ形になりますが、どうかお願いします。澪様をお守りするために、貴方達の力貸して下さい」
改まった口調だったから、まるで心の底から主に仕えるというより臣下の言葉でもあった。
「ああ任せな、俺達がいる限り勇者だろうと魔族や他の神族だろうと片付けてやるよ」
「今まで通りで構いませんから、私達を頼って下さいね。代償とかはいりませんし、また私の事を姉として接して来て下さいね」
俺達もまたこれも作戦通りな結果となったが、晴れて正式に仲間となったのだった。そんでこれからの事だが、今の所敵が何が狙いかは分からないので今まで通りの生活に戻す事を提案した。万理亜は澪を狙っていると言うが、相手である現魔王派の狙いはまだ分からない。澪より先代魔王ウィルベルトの力のはずだし、澪はまだ完全に力が覚醒した訳でもないからだ。未覚醒のままならば、先ほどの敵ももっと多くやって来るはずなのに来たのは影と魔獣だけだったからだ。
「それにこれは俺の推測だが、あのままだったら影が出てきた澪を殺すつもりだったのだろう。そしてそのまま覚醒させるかそのまま殺すかまでは分からんが、澪達が勇者の一族の監視対象というのはとっくに知っているはずだ。下手に無関係な人間を殺すとなると魔族側は今度は自分達が殲滅対象と考える人間がいるところでは襲っては来ないし、いたとしても俺の部下達が殲滅するさ」
「とても心強いですね、一瞬ではありましたけど、あの時公園内にいた警察官はただに人間ではないと察知しましたよ。それとこの家にいる者達もただの人間ではない事を」
「お父さまが創造神黒鐵様ならお父さま周辺にいる者達は、神仏の類なようなものですから。それより澪が少し心配ですね、私ちょっと行ってきます」
「澪に新たな服装を準備させたからこれを持って行け、深雪。俺達と暮らしていた時に、スリーサイズを計測した後にデータを蒼い翼の服関連の者に作らせた。えーと・・・・これだこれ」
「一見すると澪様が着ているモノと同じに見えますが・・・・これは一流ブランドのように見えますね」
「お父さまったら準備がお早いようですね、さっそく脱衣場に行って澪を待っています」
そう言ってから、深雪は風呂場の方へと行ったがここの風呂場も前とは大違いな内装となっており、男湯と女湯と分かれていないが今の時間は女湯へとなっている。まあここに男がいるのは一真だけで他は女性か雄ドラゴンだが、一真の中に入れば問題ない。深雪が行ってからは、主に俺の技についてを万理亜に語った。魔法を消滅させた事やあの剣がただの剣じゃないという事もだが、今は互いの情報を交換した方がいいと思ったのだった。
一方お風呂場では広すぎる風呂の使い方を教えてもらった後に、一人で身体を洗ってから風呂場に入ったのだった。ホントはシャワーの方がいいと思ったが、既に風呂が沸いている状態だったのと湯船に入った状態の方が落ち着くと思ったからに違いない。澪は湯船の中でギュッと体を抱いた。真夏なのに、体の芯は完全に冷え切っていたからだ。
「(・・・・あたし、初めて・・・・)」
半年前に両親を殺されて以来、万理亜の指導で魔法や戦闘の鍛錬を行ってきた。お陰で今では、万理亜よりも強力な魔法を唱えられるようになっているが実戦では、先ほどの戦いが初めてだった。命を賭けた戦いは・・・・敵を倒した事とあの時障壁が無ければ自分は死んでいた事。あの場所で行ったのは完全に命のやり取りで、もし最後の方で一真の味方が来なかったら死んでたかもしれないのだから。そう思うと、どうしようもなく体が震えてしまい三十分以上長湯をしていた。少し前に一度メイドが様子を窺いに来て大丈夫だと確認すると脱衣所まで戻って行ったメイドだった。澪を脱衣所に案内したメイド達の一人が、いつまで経っても出てこないので心配となったが返事をすると定位置に戻って行く。
「あまり長湯するとまたメイドさんが来るから、そろそろ出なくちゃ」
いつまでもお風呂で引き籠りをすると、またメイドが心配をかけてしまうのでそろそろ出る事にした澪。浴室から脱衣所に行くと先ほどあった服が無くなっている事に気付いた。そしてバスタオルを渡された後に礼をしたらいつの間にいた深雪姉さんだった。
「深雪姉さん、いつの間に!それよりここにあった服知らないかしら?」
「先ほどあった服は洗濯の方に行きましたから、これを着て下さい。お父さまから新しい服だそうです」
脱衣所で濡れた体をバスタオルで拭いた後に、渡された服と下着を着たら見事にマッチングしていた。そういえば澪はいくつか聞きたい事があったのだ。なぜ一真の事を父親のように呼ぶのか?織斑家当主はホントに一真なのか?この服は一流ブランドだけど、いつ私の体を計測したのかを。
「まあその服については、澪の髪を乾かす間にお話しましょうか。私のお父さまはさっきまで澪と接していたのが私のお父さまであり、血が繋がった本当の父親と娘なのですよ。今は年齢と容姿を偽っていますが、この世界に来た時の容姿を見せた方が早そうですね。桜花さん、あれを」
そう言いながら髪をドライヤーで乾かしていると、一枚の写真を渡されたのでそれを見ると夫婦と一緒に写っているのは息子と娘である家族写真だった。で、その中に写っているのが、深雪本人だと言った後に一時的に本来の姿に戻った深雪だった。そうして初めて理解した澪であったが、残りの方は息子であり男性と女性はここにいる一真と遥か彼方の拠点にいる妻の奏だと紹介をした後にまたいつもの容姿に戻ったのだった。
「なるほど、だから神族であっても人間界に介入できるのね」
「そうですよ、そして私達は異世界から来た神なので神族のルールなど知りませんから。そしてお父さまは創造神黒鐵であり私は女神雪音とした神の名前を持っています」
創造神黒鐵と女神雪音については、万理亜から教わったらしいが創造神黒鐵と女神雪音は例え同じ神族だったとしても強さは別格だと言われた深雪だったが、それは事実だとしか言えない。先程のドウター戦でもだったが、澪と万理亜では到底敵わない化け物と戦って倒したのだから。あとはこの家についもだが、元々こんなに広かったが澪と万理亜が来た時は一部区画を隠して入れないようにしたためである。だから最初は一戸建てと見えたが今とは違う大きさとなった、メイド達も元々いたが澪と万理亜が行動するまで地下で隠れていたという事も。
「じゃあ私達の行動すら、一真は予知していたという事なの?」
「そうですよ。お父さまはこの世界に入る前に、前代創造神とバトンをタッチします。前代の役目はまだ信じられる話ではないので話しませんが、今まで起きる事は知っていたという事ですよ?もちろんこれから起きる事もね、でも恐らくお父さまは言わないでしょう。そうしないと本来動くべき人間が動かないので」
「じゃあ私の事も?」
そう言うと深雪は無言で頷いた、澪の置かれている状況について巻き込んでもいいのかと考えてしまう。自分は育ての親に殺された、それも本当の父親を殺した連中によって。そしたら驚愕をした、何せ本当の父親と会って密談を交わしたそうだから。もし自分が死んでしまったら娘を頼むと懇願をしたという事実をね。あの日の事を鮮明に覚えているが、深雪の癒しのオーラによって憎しみや敵討ちという感情を一時的に無くした。
「今まではそうして生きてきたと思うけど、これからの事についてはお兄様と話して決める事よ。明日からはお兄様と呼ぶけれど、それと心配しなくとも私とお父さまだけが味方ではないわ。私の中にいるドラゴンやお父さまの中にいるドラゴンや前四大魔王があなたをガードや強さを学ぶ事になるけどね」
「それはどういう事なの?深雪姉さん『私の事でも呼んだかしら?深雪』誰!?」
「今の声が私の中にいるドラゴンですよ、ホントはお父さまの相棒ではありますが今は一時的に私の相棒として守護してくれています」
『私は「天魔の業龍(カオス・カルマ・ドラゴン)」ティアマットよ。一真や深雪は親しみをつけてティアと呼ばれているけど、あなたも今日から家族と聞いているからティアと呼んでもいいわよ』
「へえー、ドラゴンにも性別がついているのね。初めて知った」
で、先ほど戦闘にいたドラゴン達は一真の元にいるから、紹介はあとでねと言ってから髪を整えた後に脱衣所からリビングに戻ってきた深雪と澪だった。ちょうど一真と万理亜が話を終えてから、ゆっくりとしていた。来た後にちょうどいいからと言い、一真の中にいるドラゴン達と前四大魔王を紹介した。「三日月の暗黒龍(クレッセント・サークル・ドラゴン)」クロウ・クルワッハに「魔源の禁龍(ディアボリズム・サウザンド・ドラゴン)」アジ・ダハーカはかつて邪龍の筆頭格だった事と「大罪の暴龍(クライム・フォース・ドラゴン)」グレンデルと「宝樹の護封龍(インソムニアック・ドラゴン)」ラードゥンも元は邪龍だったが、全部神龍となったんで俺に従うようにしたから大丈夫と言った。
「澪と万理亜が揃ったから、こいつらを紹介させる。まず小型ドラゴンの方で赤い方はドライグに上半身がドラゴンで下半身が蛇なのはサマエルだ、あとはヒト化して髪型は同じだが目の色で違う。黄色い目をしてるのはクロウ・クルワッハだ、長いからクロウと呼んでいる。体が巨漢で目の色が濃い緑などはグレンデルだ。そんでメガネで紳士的な格好をしているのがラードゥンだ。目の色はグレンデルと同じだが体格と戦闘スタイルで見てくれよ、最後に長身でクロウと同じ服装をしているがアジ・ダハーカ通称ダハーカと呼んでいる。能力はクロウとグレンデルは前線で戦う方で、ダハーカは千の魔法を操ると言われるドラゴンだから主に相手の動きを止まらせたり魔力を吸い出したりしている。ラードゥンは主に障壁や結界が得意な方だから、主に後方支援をしている。ドライグとサマエルはあとで教える、それとティアについては既に自己紹介したと通信で聞いたからな」
長い説明を受けた後に、それぞれの者達から自己紹介をしたのだった。ドラゴンの名である事や主に前線に立つか後方支援する方とかをな、あとはドライグとサマエルは簡単な自己紹介を受けた後に俺の所に戻った後に今度は指輪内にいる異界から連れてきた前四大魔王を紹介するために一時的に神の力を発動している時に自己紹介をした。それぞれ織斑の姓を名乗っていたが俺とは一夫多妻制なのでと言うと納得した。朱音と刀花は剣や鎌で前線タイプに藍音は後方支援で鈴音は情報分析だと伝えた。その後指輪の中に戻って行った朱音達。
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