転生とらぶる
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マブラヴ
0857話
展覧会があってから3週間程。早速とばかりにマブラヴ世界の各国からは各世界からの商品の輸出を要求され、現在は少しずつではあるが既に輸出も始まっている。
……とは言っても、現在取引が行われている商品の大部分は食料品だ。それもレトルト食品や軍用レーション、各自治体から買い取った消費期限間近の備蓄用非常食の類。
そう。意外と言ってはなんだが、現在マブラヴ世界との貿易で最も儲けているのはネギま世界だったりする。
ネギま世界と一口で言っても、雪広財閥、那波重工、麻帆良と3つの組織があるんだが。
中でも意外だったのは麻帆良だ。今回のような、純粋に食べ物を売る商売である以上麻帆良は噛まないと思っていたのだが……何と、魔法先生が山で獲物を仕留め、それを魔法を使って干し肉にしたりといった風に日持ちするようにして輸出の商品に加えてきた。
しかも仕留めた獲物というのは、街中に出てくる程に増えたイノシシやら無人島に異常に繁殖している鹿だとかだ。仕留めるのも自分達でやっており、仕留めた後の麻帆良までの輸送も自分達、調理に関しても魔法を最大限に使い、更には梱包する缶やら瓶やらレトルトパックやらに至っては麻帆良にいるマジックアイテムの知識がある者達が協力して賞味期限をある程度まで延ばすという効果を持つ物を、原価を限りなく低くして作り出したというおまけ付きだ。
……正直、何が理由でここまで頑張るんだと近右衛門に聞いたんだが、その時に返ってきた言葉に思わず頭を抱える事になった。
『麻帆良が事実上の独立をしたのがMMには気にくわなくなったらしくての。その結果、なら本当に独立してしまえ。そして独立した以上はMMからの資金援助はいらないだろう? と。ぶっちゃけるとそんな通告があったんじゃよ。よって、これからは麻帆良を存続させる為に少しでも金を稼がなきゃいけなくなったんじゃ』
との事だった。
まぁ、俺個人としてはMMと縁が切れたというのは寧ろありがたい。いっそシャドウミラーから資金援助しようかと言ったのだが、麻帆良の魔法教師、魔法生徒がどこかの紐付きになるのではなく、自分達で麻帆良を成立させたいという意見で纏まったらしい。その結果が、今回のマブラヴ世界での食料品輸出に繋がった訳だ。
ただ、言うまでも無いが現在のマブラヴ世界は色々な意味で危険であり、下手に商売をしようものならこっちの経済が色々と破綻する可能性がある。それもあって、マブラヴ世界に輸出する商品については当分安価に供給する事にし、その金についてもなるべくマブラヴ世界で使うようにと奨励している。
まぁ、それはともかくとしてだ。
ちなみに、兵器関係に関してもそれなりに各国が買ってはいるが、今はまだ様子見というか、どのようにして使えばいいのかを調べるとか、あるいは技術を取得するとか、そういう理由でいずれも少数ずつしか買われていない。
BETA相手の実戦証明がされれば、ある程度纏まって買う事にはなるんだろうが。
現在、それを見越してシャドウミラーの倉庫にはマクロス世界のアサルトナイフ、SEED世界の重斬刀、リニアガン・タンク。少し気が早いがストライクダガーがある程度纏まった数仕舞い込まれている。
ああ、それと兵器の目玉でもあるガン・ルゥはかなりの数が存在しているな。
何しろ異世界間貿易の協定で、兵器の類を売ったりするのは一応禁止されている。今回はマブラヴ世界の危機って事で特例的にシャドウミラーが間に入っているが。
ちなみにダガーLも少量ではあるが量産している。これは恐らくストライクダガーの上位互換機として売り出される事になるだろう。
精鋭部隊とかその辺に売れるといいなぁ……と思っている。
とにかく、そんな状態の中で俺の姿はBETAを引き取る為に無人島に作られている港にあった。
メギロートやイルメヤ、量産型Wの活躍もあって既に港は8割方は完成している。いつでもBETAの受け入れは可能となっており、今回俺がこの港に出向いている件が港の使用第1号となるだろう。
……もっとも、今回の件は秘密裏な取引だから、表向きは無かった事になるんだが。
「アクセル、来たわよ」
俺の隣でレモンが港に近づいてくる貨物船へと視線を向けて呟く。
レモン自体はそれ程今回の件について乗り気ではなかったのだが、さすがに技術者が1人もいないというのは色々と不味いので来て貰ったのだ。
取引自体はともかく、取引の相手にはレモンも多少興味を持っていたっぽいしな。
「アクセル代表、貨物船から連絡です。接岸して荷物の搬出を行っても構わないかと」
量産型Wからの言葉に、短く頷きを返す。
すると貨物船が港へと接岸し、早速とばかりに貨物室が開かれてその中が露わになる。
貨物室の中で待機している機体を目にして、思わず小さく驚く。
その戦術機は、外見から考えると基になったのはF-4だろう。だが、随分と大規模な改造をされており、既に半ば別の機種と言っても構わない程に姿は変わっている。
F-4は装甲を重視されている機体だが、あの機体はどちらかと言えば運動性を重視しているらしい。
第1世代のF-4をああいう風に改造するとはな。
赤いF-4の改造機を見ながら感心していると、近くにいる量産型Wが口を開く。
「搬入を開始するとの事です」
改めて述べられたその言葉に再度頷き、視線を貨物船へと向ける。
まず最初に貨物室の中に待機していたF-4の改造機が港へと出てきた。
先頭を赤いF-4が歩き、その後に白と黒という色違いの機体が姿を現す。
「へぇ、あの機体が瑞鶴ね。日本帝国も斯衛を寄越すなんて。城内省も随分この取引に対して本気で望んでいるみたいね。……まぁ、この取引が成立しなければBETAとの最前線に近い国家としては致命的だし、当然でしょうけど」
「瑞鶴? F-4系列の改造機って認識でいいのか?」
半ば感心したように呟くレモンへと尋ねると、それに返ってきたのは頷き。
「ええ。F-4を日本向けにマイナーチェンジしたのが、F-4J。そのF-4Jを運動性の強化と軽量化を目的に改造されたのが、あのF-4J改の瑞鶴よ。もっとも、機体コンセプト自体は分からないものじゃないんだけど、わざわざ重装甲のF-4を強引に高機動機に改造したりしたものだから、生産性や整備性の類は相当犠牲にされてるって話よ」
「……何でわざわざF-4系列の機体をまだ使い続けているんだ? TYPE94の不知火を使えばいいだろ?」
幾らF-4Jを改造したといっても、所詮は第1世代機。恐らくどんなに頑張っても第2世代機並の性能が精一杯だろう。アメリカで2年前に配備されたF-15Cや、3年前に配備されたF-18Eを採用した方が性能的には圧倒的に有利だと思うが。そして、何よりも日本帝国にはTYPE94という第3世代機があるのに、こう言ってはなんだが何故古くさい機体を使い続けているのか。
いやまぁ、今回持ってきた飛鳥計画の機体が瑞鶴の後継機的な扱いだというのは分かるんだが、それにしたって実際に量産されるまではまだ数年掛かるんだろうから、不知火を使ってもいいと思うんだが。
だが、そんな俺の疑問にレモンは小さく肩を竦めて口を開く。
「日本帝国の中には2つの軍隊があるのよ。帝国軍と斯衛軍。その2つの軍隊の関係はあまり良くないらしくてね。で、不知火は帝国軍が開発した機体な訳」
「……なんともはやまぁ」
別に1つの国内に2つの軍隊があるというのは、珍しいと言えば珍しいが、それでもそこまでレアケースって訳じゃない。
だが、その2つの軍隊が違う機体を使っているというのは……Zガンダムの連邦軍とティターンズみたいな関係なのか?
「斯衛軍というのは、言葉通りに将軍を守る為の軍隊らしいわ。その関係で武家――貴族という認識で構わないと思うけど――で構成されているらしいわね」
「大丈夫か、それ?」
つまり一般人と同じ機体には乗りたくない。そういう事なのだろう。
その結果が俺の視線の先にある機体であり、飛鳥計画な訳だ。
飛鳥計画に関しては第3世代戦術機の開発計画だと以前からレモンに聞かされてはいたんだが、まさかそんな事になっているとは思いもしなかった。
そんな風に思っていると、F-4J改が進み出て港へと入り、その後を追いかけるようにして戦術機を積んだトレーラー3機が姿を現す。
そしてその左右や後ろに白や黒のF-4J改がピッタリと付きそう。
……にしても、3機? おい、これってまさか……
俺が要求したのは、基本的に不知火2機と飛鳥計画のデータのみだった筈だ。いや、一応その飛鳥計画の試作機も要求はしたが、そちらはまず無理だろうという認識だったのだ。
普通に考えて、試作機の接収を命じられてそれに従うか? しかも、今聞いた話ではその計画を進めていたのは武家で構成された城内省や斯衛軍。プライドも無意味に高い筈だ。
それなのにこの結果を出せたとは……いや、意外と不知火を3機だったりするのか?
ともあれ、事の真相は船を下りてこちらへと向かってきている人物に聞けばいいだろう。
「アクセル、久しぶりね」
そう声を掛けてきたのは、国連軍の制服の上から白衣を身に纏っている夕呼。その隣には同じく国連軍の制服を着ており、ウサギの耳飾りを付けている社の姿もある。
「ああ。……一応聞いておくが、あの3台目のトレーラーの中身は飛鳥計画の機体でいいのか?」
「ええ。約束の方、忘れていないわよね? 試作機を提供すれば、日本帝国に対しての国交を結ぶ優先度を上げるって。もっとも、この機体はその量産試作機の為の試作機の1機、来年には試製98式と呼ばれるだろう機体よ」
確認の為に尋ねてくる夕呼の口元には笑みが浮かぶ。
こっちがまず無理だろうという認識で出した条件をクリアしたのだから、ある意味では当然だろうが。
にしても、量産試作機の為の試作機? つまり、ガンダム、ジム先行量産型や陸戦型ジム、ジムで言えばガンダムに近い機体って認識でいいのか?
「よくもまぁ、そんな貴重な機体を手に入れる事が出来たな」
「ええ、おかげさまで散々苦労したわよ。ただ、アクセルが知ってるかどうかは分からないけど、日本帝国には摂政家というのが5つあってね。その中の斑鳩家という家の当主が新しい物や珍しい物が好きで、シャドウミラーと直接あった私に接触してきたのよ。しかも、その斑鳩家の当主は飛鳥計画発足当初から関わっていたから……その縁で何とかね。正直、煌武院家を頼ろうとかと思ってたんだけど……」
「また、随分と珍しい奴もいたものだな。いわゆる、貴族に近い扱いの奴だろう?」
「そうね。色々と変わり種であるのは事実よ。前からその辺で有名ではあったしね。それよりも、約束はきちんと覚えているでしょうね?」
ともあれ、自慢げに尋ねてくる夕呼の言葉に頷く。
「分かっている。約束通り日本はこっちの方でも優先度を上げさせて貰おう。それと土産も用意してあるから、それを持って帰ってくれ」
さて。土産とは言ったものの、何を渡したらいいものやら。
ガンダムに近い機体を譲渡するように骨を折って貰ったのだから、それ相応の機体を……そうだな、まだどこにも渡していないストライクダガーを1機渡すか。ビームサーベルやビームライフルもセットで渡せば、対価としては十分だろう。
それにストライクダガーの装備しているシールドは相当に頑丈であり、光線級のレーザーに関しても十分以上の防御力を持つ筈だ。
……メギロートには噛み千切られたが。
そんな風に考えていると、夕呼の隣にいた社が1歩前に出てウサギの耳飾りをピコピコと揺らしながら頭を下げてくる。
「アクセルさん、お久しぶりです」
「ああ、どうやらそっちも元気そうだな」
「……はい」
「アクセル、貴男とうとうそっちにも……いえ、あやか達に手を出した時からその手の趣味があるかもしれないとは思っていたけど」
何故か隣から聞こえてくるそんな声。
「手を出したってな……別に本格的な意味では手を出していないぞ」
「でも、そのうちあやか達にも手を出すんでしょ?」
「さて、どうだろうな。可能性としては十分にありえるだろうとは思っているが」
それに関しては前々からの約束だしな。俺としても情が移っているし。
「ちょっとアクセル。社に手を出したりしたら、犯罪よ犯罪。……全く、あたしが誘惑しても乗ってこないと思ったら、そういう趣味だったのね。いい、社。アクセルの半径2m以内に入ったりしたら駄目だからね」
「……何ででしょう?」
こてん、と小首を傾げて尋ねる社。
「お前等な……一応聞くが初対面だよな? 随分と息が合っているように見えるが」
レモンと夕呼。この2人は確かに色々と似ている面がある。それ故に息が合うだろうとは思っていたが、その辺はどうやら俺の予想以上に相性がよかったらしい。
「ええ。……香月夕呼よ。国連の白陵基地で副司令官をやっているわ」
「レモン・ブロウニング。シャドウミラーの技術班を纏めているわ」
お互いに小さく笑みを浮かべて握手をする2人。
もしかして、俺は出会わせてはいけない2人を出会わせてしまったのか?
2人を見ていると、ふとそんな思いが内心に込み上がってくる。
まぁ、似ている2人ということで、磁石のように反発し合わなかっただけまだマシだと思うしかないだろう。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:25
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1114
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