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オズのムシノスケ

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第十二幕その十

 レモンティーを飲んでからです、ベッツイに言いました。
「飲みものもね」
「ええ、百人一首の時はね」
「日本のお茶よね」
「そちらの方がいいわよね」
「畳の上で座布団に座ってね」
「日本のお茶やお菓子と一緒に楽しむのが一番よね」
 二人で楽しそうにお話すのでした。
「やっぱりね」
「それがいいわよね」
「そうね」
 オズマも二人のその言葉に頷いて言います。
「百人一首ならね」
「やっぱり畳の上でするべきよね」
「和室の中で」
「宮殿の中にもあるから」
 その和室が、というのです。
「だからね」
「そこの中でね」
「楽しみましょう」
「次はね。普通に百人一首をしても楽しいけれど」
 それでもと言うオズマでした。
「和室の中でするのが一番だしね」
「じゃあ次はね」
「そうしましょう」 
 三人でもお話するのでした、そして百人一首の一番になった人は。
 教授でした、教授は自分が手にしている札を見てにこにことして言うのでした。
「楽しませてもらったよ」
「教授百人一首も」
「いや、こちらはね」
 百人一首は、とです。カルロスに答えます。
「まだ研究はしていないよ」
「そうだったんですか」
「うん、それでもね」
 今回の百人一首はというのです。
「出来たよ」
「そうですか」
「歌留多の遊びも面白いね」
 百人一首に限らずというのです。
「私の楽しみの一つだよ」
「それじゃあですね」
「これからも楽しむよ」
 こう言ってなのでした、教授は一番になれたことににこにことしていました。そうしたことをお話してなのでした。
 そして、です。そうした遊びもしてなのでした。
 皆で御飯を待っていました、そうして。
 メイドさんの人が来てでした、皆に言ってきました。
「お時間です」
「御飯が出来たのね」
「はい」 
 その通りだとです、メイドさんはオズマに答えました。
「今しがた」
「そう、それじゃあね」
「これからですね」
「皆で」
「ええ、御飯にしましょう」
 パスタを食べようというのです、しかし。
 オズマは首を少し傾げさせてです、彼のことを言いました。
「ボタン=ブライトは」
「そう、彼ですな」
「あの子はまだかしら」
「そろそろだと思いますが」
 教授はこうオズマに答えます。
「お風呂からあがって着替えて来るのは」
「そうよね、御飯も出来たし」
「はい、間も無くです」
 こう言ったところで、でした。実際に。
 ボタン=ブライトが来てでした、皆に言ってきました。
「皆、何してたの?」
「おっと、噂をすれば」
「来てくれたね」
 かかしと木樵は彼のその声を聞いて笑顔で声をあげました。
「その彼が」
「いいタイミングでね」
 見ればです、ボタン=ブライトはいつも通り白いセーラー服ですが洗濯されてしかもアイロンまで丁寧にかけられた綺麗なものを着ています。 
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