戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~
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二十四章 幕間劇
美空と久遠の黒歴史
「ああ、一真。こんな所にいたんだ?」
縁側に腰かけていた俺に後ろから掛けられた声は、随分と懐かしいようにも思えた。
「よう結菜、俺を探していたのか?」
「いえ、別に用って言うのはないんだけど」
俺は今後の事を考え中だったが、どうしても簡易型神殿を完成するのが出来ないと言う事で、俺も神界に行って手伝おうかと申し出たが護法五神を始めとした神仏達は創造神様の手を患う訳には参りませんと言われてここでしばらく考えていた。頭で考えるのではなくタブレットを見ていたが、作る職人が少ないのかそれとも夜叉五千がいても作る日数が足りないのかとも思ったが俺の仕事はとっとく事にした。で、今に至る感じで結菜は俺の傍らに腰を下ろして来て当たり前の振る舞いを見たのはいつ振りだろうと考えていた。懐かしい感じではあるが、初めて会った時よりかは随分とマシである。あの時は敬語だったが、俺の妾の仲間入りを果たす頃には敬語無しだったからな。
「今日は久遠と一緒ではなかったのか?」
朝の時にそんなのを聞いたような気がしていた。
「久遠には私より、他の勢力の子と仲良くしてもらわないと。・・・・奏さん達は船にいるのかしら?」
「奏達は大戦の準備で忙しいから、呼べと言われても呼べないよ。呼べるとしたら桜花達くらいかな『お呼びでしょうか?隊長』あらら、通信が来たよ。今そっちは暇?暇ならこっちに来てくれるか」
『現在戦の準備中ではありますが、ちょうど休憩したいところでした。今から行かせてもらいます』
通信を切ってから、上空から来たのは沙紀と桃香に詠美だった。一応結菜には自己紹介してあるが、沙紀は知っているとして桃香は劉備で詠美は松平が改名するであろう徳河の者だと言ってあるから問題はない。
「こんにちは、結菜さん」
「こんにちは沙紀に桃香に詠美」
「ちょうどこっちは休憩だったから来てみたの、ご主人様も休憩なの?」
「恐らくだけどそうなんじゃないの?吉音さんは相変わらずだけどね」
「ま、そういう訳だ。奏達とは妻であり結菜達は妾ではあるが、俺にとっては妻が増えたと思っている。奏や桃香達は性格や容姿やら全然違うからなのか、全員それぞれが魅力的なもんを持っている訳だ。女の敵だと言われがちだが、俺から好意ではなく桃香達側から来たからな」
それと桃香達が俺らが何をしているかは、船にある報告書で見ているからなのか。桃香はお茶の用意をしていたり、詠美はタブレットを取り出して船からの監視をしていて沙紀は結菜と話し込んでいる。俺は桃香からの久々のお茶を飲んでいたが、結菜達はあの時から全然変わってないなと言った。
「それって私と初めて会った時?」
「まあな、でもあの時よりかはマシになったぞ。何しろあの結菜が敬語で話していたからさ、俺的には気軽で構わないと言ったんだが」
「そりゃあの時見せられた翼や神様だって言うからには失礼のないようにと思っていただけよ。今なら言える事よ」
「私や詠美が初めて会った時は普通の人間だったんだよ~、でも私達の世界が崩壊した時に金色の姿を見たのが初めてご主人様が神様的存在だったって事かな」
「まあ私は桃香さん達みたいに最初から人間だったというのは知っていたけど、今私達がいる拠点で会った時は別の容姿をしていたからかもね」
結菜と初めて会った時は、久遠が俺に馬乗りしていたし、食事の時に翼だけを展開していた。で、俺の愛妾となった久遠に結菜は話し方も接し方も初めて会ったよりかは柔らかくなっていた。そんで織田家中で最強を名乗り始めたのは、森親子を倒した時だったのかもしれないけど、今でも最強の座は揺るぎがない。武術も部隊の動かし方も鬼化したドウターとも戦っていないけど。
「この世界に来て進歩したのは、早めに鉄砲部隊を入れた事かもしれんな」
「私達がいた世界ではなかった技術だもんねー、ご主人様との生活している時は鉄砲技術や兵の動かし方を学んでいるけど」
「私がいた世界では銃を持つのは犯罪だったけど、刀を持つ事は許されていたわ」
「へえーそうなんだ。桃香や詠美たちの拠点っていうのは気になるけど、一真の女性への接し方は相変わらず上手いと言っておこうかしら」
そう言った結菜だったが、俺は奏と出会って妻にするまでは俺は独身であり、桃香達を妻としたのは拠点と言われるところで婚約したからだ。奏と出会い桃香達と出会ってからは、女性への接し方を教わったりしていたと言ったら結菜は信じられないという顔をしていた。まあ信じられないのも当たり前だけど、俺は最初からこういう性格ではないからだ。最初は女性への接し方も下手だったが、沙紀みたいに一緒にいる隊員達と過ごす内に自然と接し方も理解していたからだ。
「今の俺は奏達や仲間たちが増えたお陰で、拠点と離れていても大丈夫だと思っている。まあ桃香達は援軍として来たようなもんだ」
「確かにそうかもしれないわね、久遠が一真の愛妾となってからの生活は飽きないぐらい楽しい生活だったわ。一番変わったのは久遠かもよ」
「そうかもな、会う前後だと違う気がする。何と言うか女の子ぽくなったとでも言おうか」
こういう他愛のないやりとりをするのも、穏やかな口調もここは躑躅ヶ崎館のはずが美濃や尾張に戻った感じだった。少し休憩をし終えた桃香達は船から愛紗たちからのお呼ばれで、船に戻って行ったが沙紀だけはここに残った。俺の奥方衆代表でもあるのか、この先での連携についてをだったが俺は無言で結菜の膝を借りた。結菜はいきなりだったが、未来の妻となるのだからこれくらいで怒る事は無い事である。
「・・・・膝を借りる、と一言欲しかったのか?」
「いえ、久々だから少し驚いただけよ。こうするのも何だか尾張にいた頃を思い出すわね」
俺はしばらくしてから、結菜の膝枕を堪能したが何やらこちらに来ると風の精霊が来るので俺は起きた。結菜と沙紀は何かあった?という顔をしていたが、何やらこちらに来る気配を感じたと言った後にそれは来たのだった。
「かーずーまーさーーーーーーーーーーーーーんっ!」
気配を感じ取った後に膝枕から起き上がったので、ギリギリセーフだったけどこの声はまさかあいつらか?
「ふんぬーーーーーー!!!」
「きゃあっ!」
「元気っすかー!」
「柘榴か?何の用だいったい・・・・あと何か当たっているのは俺の気の所為か?」
何かが当たっているのは分かるがこれはアレか?」
「そりゃ抱き着いてるんだから当たっているのは気のせいじゃないっすよ」
「うーん、これは何と言えばいいのか?」
「柘榴は全然気にしないから、精々楽しむといいっすよ一真さん。役得っす」
「まあそうなのかもしれんが・・・・時と場所を考えてほしいんだけど」
俺の頭には二つのメロンが乗っかっている状態であるから、頭上はまるでドライグが乗っかった感じではある。しかも結菜も沙紀もそのまま見守りの状態だからなのか、俺の反応で困っているという事は理解していたので、そのまま放置となった。
「・・・・一真さん、柘榴が暴走してごめんなさい」
「別に構わんが、時と場所を考えてからやってほしかったがまあこれはこれで役得かもしれん」
「前に松葉が甘えてた時と変わんないっすよ?それに柘榴、今日は武器も付けてないっす。当たって痛い所はないと思うっすけど・・・・」
柘榴は俺に抱き着いたまま、不思議そうに自分の身体を見回している。その格好はそれだけでもある意味で女の武器とはなるだろうけど、沙紀も結菜も同意見だった。女の身体は男より華奢だし柔らかいところもあれば固いところもあるけど、そんで固いところはないと言いながらスカートをめくり上げようとしていたので、流石の沙紀もそれは止めたのだった。
「柘榴、女の身体に固い所はないがスカートをめくるのは止めろ」
「・・・・一真さんは分かっているから、柘榴は場所を選ばない」
「まあいいじゃないっすかー」
まあ役得だからこれはこれでいいかと思ったが、冷たい視線で見る結菜だったが沙紀がその視線を止めてくれたのだった。戦艦には柘榴よりももっと大きな人もいると言ったからなのか、結菜ぐらいでもいいけど。
「一真の事、越後ではさん付けなの?」
「最初は呼び捨てだったっすけど、いつの間にか一真さんと呼んでいたっす。でも御大将だけは呼び捨てっすよ」
「・・・・なるほど」
「納得されるんだと言いたいけど、最初は主導権持っていたのこっちだったしな。二人は海津城に行ってたはずだが、向こうにいる長尾衆の準備は終わったのか?」
次の上洛に合せて海津の兵の調整や準備に行っていたはずなんだけどな、こちらに戻ってくるのは先だと聞いているから簡易型神殿を作るのも時間はあると思っていたんだけど。もう終わったのなら、神殿作るのを終わらせないと間に合わない。
「もちろん終わったっす」
「元々御大将の兵、そんなに多くない」
「そういうことか」
美空のやり方なら、その辺込みで時間は掛からないはずだけど兵達を一気に夜叉化するのも時間の問題だと言ってある。なのでここにいる兵達は今の内に、人間の時に過ごす事の有難さを学んでおけと言ってある。夜叉化になったら下界であるここには来れないし、人間の食べ物も疑似コーティングが剥がれるまでは食べれるが完全に夜叉となったら神界で先輩夜叉に学んでもらう事が多い。
「今日は秋子に呼ばれたから、戻ってきた」
「秋子に・・・・?」
「あー!こんな所にいた!」
と噂をしてたら本人登場という訳か。
「二人とも、帰ってきたなら帰ってきたって言ってちょうだいな」
「「帰ってきたっす!/帰ってきた」」
「もう言わなくても良いわよ・・・・」
「だって、一真さんいたっすし」
「それに、秋子は逃げない」
「私もそんなに暇な訳じゃないんだけど・・・・」
「あまり秋子を困らせる事はやめとけ、俺に会いに来るなら用事を済ませてから来いよ」
「・・・・何の用?」
「別に用事らしい用事はないんだけど・・・・」
「ないのに呼んだんすか?」
「次は大きな戦になるし、少し皆でゆっくりしたいって思ったのよ。御大将も勧めてくれたし」
なるほどな、次は大戦だから船にいるもんもこっちに来て休憩しに来たと言ってたし、今頃愛紗たちに扱かれているんじゃねえのかな?桃香は武術より回復要員として医療班の一員だけど、手伝えるのは手伝えと俺からの命によりそうしている。松葉は用事済んだと言ったら柘榴は「一真さんと遊ぶっす!」と言っていた。あと柘榴は秋子と話している間もだけど今現在も俺を抱きついて離れないようにしているが、俺はぬいぐるみかとツッコみを入れたいね。
「・・・・まったくもう。・・・・ごめんなさいね?ウチの若い衆が」
秋子が申し訳ないような感じな顔をしながら、秋子はその場にそっと腰を下ろしてくる。
「別に構いませんよ、隊長は困ってはいますが隊長にとっては新鮮だと思いますよ。ああやって来る事自体が」
「こっちも構わないわよ。一真が本当に困っていたら沙紀が説教しているから」
一方的に絡まれているような気がするけど、これはこれでいいかと思った。まあこんな風に抱き着いて離れないまま、他人と話しているところはどうなの?と言いたいが沙紀や結菜が怒らない様子を見ると普通なら鼻の下を伸ばすスケベさんと言われるが、表情はポーカーフェイスであるのでそういう風には言われない。
「にゃはは。これはこれで抱き心地いいっすねえ」
「意外な発見」
気が付いたら松葉まで抱き着いてくるがまあいいか、俺も怒る理由はない。
「・・・・本当にごめんなさい」
「気にしないで下さい、隊長は困っていないので。こういう風に絡んでくるのは、隊長にとっては久々な事ですから」
「そうよね、一真が本気で困っていたらだけど。それより長尾衆でゆっくりするなら、私と沙紀は席を外した方が良くないかしら?」
「別に気にしないでいいっすよー。秋子さんが勝手に言ってるだけっすから」
「柘榴ちゃんはもうちょっと気にして!・・・・沙紀様だって、一真さんと夫婦水入らずでゆっくりしたいでしょう?それと結菜様も」
「そういうのは夜に独り占め出来る時にするわ・・・・」
「私はいつでもできますからね、奏様もですが私達も可愛がるのが条件ですからね」
「本当にごめんなさい・・・・」
「秋子、心配しすぎるとフケる」
「・・・・誰の所為だと思っているのよ」
「まあまあ。秋子さんもこう言っている事っすし、一真さんも沙紀さんも結菜様んも嫌じゃなかったら一緒にいたらいいっすよ」
「それは一真さんのセリフでしょ、柘榴ちゃん」
そう言うが俺も邪魔ではないから、言葉として言わなくとも沙紀も分かっている事だからなのか結菜も気にしてないと言ってからお邪魔じゃなければいることにした。まあ俺は最初から気にしてないが少しだけ驚いただけだ。
「それがいいっすよ。そういえば沙紀さんは最初から側室で、結菜様は久遠様の次に一真さんと愛妾になったんすよね?」
「この時代ではそう言いますがそうです」
「ええ、そうよ」
「だったら、一真さんの昔の話とか聞きたいっすー!」
「一真さんは、昔から一真さんのままだった?」
「まあそうですね、久遠様と会った後からでも今のままでしょう」
「逆に一真の性格が変わると、正直想像できないかもね」
人は昔から変わらないと言うが、俺は数千年生きてきたけど性格とかはあまり変化はない。奏と出会って結婚してから、女性隊員達やらその後の桃香達の出会いで妻の数は多くなったからな。それに情事をしたとしても、浄化をすれば問題ないから奏に咎める理由などない。まあ一番は奏だからというのは即答できる。
「一真さんは今とあまり変わらないんすかー?」
「そうよ。まあ変化があったのは、一真の姿よね。金色の姿の時は、言葉を選んだりするけど基本的には今と変わらないわね。昔と言うのなら沙紀が知っているんじゃないの?一真の昔話は」
「昔と言われてもどの辺りが昔かは、正直困りますね。何しろ隊長は何千年生きていますから」
そう言った沙紀は、やはり神仏の類なのねと何か知らんが納得した結菜達。過去を知っていると言う沙紀ではあるが、俺が半分戦闘狂なのは随分前の事だからな。その前は冷静に相手を見て戦っていたり、情報分析をしたりしていた。過去を知っている人物は、次元パトロール隊の中でも第0課にいる者達がほとんどで、桜花達は第2課から第0課に転属してきた。沙紀は最初からいたから、俺の過去を知っている唯一の女というべきなのだろうか。
「そういえば私も聞きたい事があるんだけど、美空様ってどんな子なの?一応は、ひよ達からも聞いたけど・・・・」
「御大将っすか?」
「・・・・俺も昔の事は聞いていないな、美空はあまり昔の事話さないし」
本人は過去は振り返らない主義というかタイプというかだし、国持ちともなれば話したくない事も多いだろうからか、あえて聞いてはいないな。
「・・・・まあ、当たり前っすね」
「変わり者」
「それは理解している」
「何かあったら、すぐ出家するって言う」
「出家癖ね・・・・・・。俺がいなくなってからはどうだったんだ?」
「一応は大丈夫でしたよ」
「出家癖・・・・?」
「御大将、最初は仏門に預けられてたんす」
「ですが、家督を継ぐ事になっていた晴景様では越後を押さえ切れそうになく・・・・各地の豪族達から推挙されて、還俗なさったんです」
還俗・・・・・出家していた人が、寺を出て生活する事。
「なるほどね、だから春日山城があんな事になっていたのか」
道理で晴景という人を根に持っていたな、まあその晴景は春日山城を奪い取った後逃げ出したと聞いているが実は射殺している。その後消滅の魔力で消滅させた後に輪廻転生の時は善人に生まれろよと魂に言っておいたのを覚えてる。
「だから何か嫌な事があったら、出家するって言う」
「なるほどそういう・・・・」
「でも御大将のお陰で、越後もだいぶ落ち着いて来たんすよ」
「まあ、国が滅茶苦茶になる前にまともな主に代替わりできて良かったんじゃない?」
さらりとそう言う事を言うが、結菜としては流れに色々と思う所があるはずだ。ま、美濃も似たような運命辿ったような感じで織田家の領土となった。
「というか、仏門にいたら大変な事になってたと思う」
「美空があの性格のままで尼さんね・・・・」
仏門に居続けていたらどうなっていたかは俺も知らん。
「・・・・弁慶」
「五条大橋で刀狩りをしまくっていた頃の方か?」
「間違いない」
「ああ、そんな感じっすね」
「ちょっとあなた達ねぇ・・・・」
「秋子は反対?」
「・・・・まあ、間違ってないと思うけど」
と俺らがそう話していたら、評定の間にいた久遠・美空・光璃がいたけど。どうやら何か話し合っていたようであるが、俺達が美空の事を話しているのか美空がくしゃみをしたのだった。人の噂をするとくしゃみをすると言うからな。
「・・・・へくちっ」
「どうした美空。風邪か?」
「そう言う訳じゃないんだけど。・・・・誰か私の噂でもしてるのかしら」
「越後の破壊神?」
「誰が破壊神よ、誰が」
破壊神なら俺とでも言おうか、拠点で過去一度だけ破壊神激情態モードと化した時があったから。
「・・・・というか、自分とこの主を無茶苦茶言うわね」
「結奈も久遠の事結構言っているだろうに」
「私はいいのよ。久遠の奥さんなんだから」
「でも、ホントに越後の国持ちになって良かったと思うっすよ。今は色んな所で暴れて何だかんだで発散してるっすから」
「それもなかったら、もっとひどい・・・・」
「・・・・そのお陰で、私の胃はいつもキリキリしてるんだけど」
「別に柘榴も御大将も、普通にしてるだけっすよ?」
「どう考えても普通じゃないでしょ」
「どのこと?」
「ほら、前に鉄砲の前に飛び出した事とか・・・・」
「あー」
「・・・・何だそれは」
「前に御大将、『自分は神仏の加護があるんだから、鉄砲の弾に何か当たらない』何て言い出した事がありまして・・・・」
「それは俺だったら出来る事だが、さすがに人間がいくら神仏の加護があったとしてもそれはな・・・・」
「単騎で敵陣の城門に近付いて、散々城内の兵を消しかけた事が・・・・」
「その話は護法五神に聞いてあるが、結果としてはどうなったんだ?」
「結局鉄砲は当たらなかったっす!」
まあ一応俺の妹たちに話は聞いていたが、その時の感想も無茶苦茶何だなと思った。俺だったらシールドビットで守らせてから、銃口に狙って暴発させる事はあるけど弾を避け続ける事も可能と言えば可能だ。人間の域を超えているからなのか、銃を撃ち続けながら避け続けるという事は何度かあったな。
「撃たれる前に、三昧耶曼荼羅で敵陣を吹き飛ばしたと神界での噂で聞いたがそれは本当なのか?」
「正解」
うわー、最早無茶苦茶としか言いようがないな。秋子からは美空の事を抑え役としてと言われるが、そん時は三昧耶曼荼羅をしないように封印処置をすると言ったけど。正直面倒だけど、まあ仕方ないか。三千世界や三昧耶曼荼羅クラスのお家流を抑える事は出来ない、だがその力ごと封じる事は可能だ。
「柘榴もちゃんと抑えるっすよ」
「松葉も」
「あなた達はむしろ御大将をけしかける側じゃない・・・・」
「えーそんな事ないっすよー」
「きのせい」
「何が気の所為ですか。ほら、前に北条と戦った時だって!」
「あれは楽しかった」
「楽しかったじゃありません!」
「何か聞いていますと他にもありそうですね、隊長」
「掘ったら掘ったでどんどん出てきそうだが他のも何かあったのか?」
以前の話になるが、相模から北上してきた北条の軍勢が、上野にあった長尾の城を取り囲んだ事があったらしい。上野の要衝だったのか、長尾も美空自ら兵を率いて救出に向かったんだと。敵の包囲が厚かったのか、中々城まで近づけなかったらしい。
「そんで?そこからどうなったんだ。美空の事だから、夜襲からの三昧耶曼荼羅か護法五神で敵の本陣吹っ飛ばしたのか?」
「・・・・それならまだマシだったのですが」
秋子から聞くにそれならまだマシだったので、それ以上のとんでもない策でも使ったのか?秋子のリアクションから考えると、相当っぽいな。柘榴と松葉と少数の騎兵を連れてと言うから、久遠の田楽狭間みたいなのかなとも思った。あの時は敵に指揮官に奇襲を仕掛けたからな、上空から見ていたが敵指揮官は鎧を脱いでたな。
「そのまま敵陣に並足で・・・・」
「おいおいおいおい・・・・・」
並足って事は、普通に馬を歩かせたという事なのか。
「呆気に取られた敵を尻目に、そのまま堂々と城内へ・・・・」
「何だか頭が痛くなってきた・・・・。相当無茶苦茶だな」
「私達の部隊でもそういう策は実行しませんよ?隊長ならそんな風にはしませんが」
「いやー。あれは流石にドキドキしたっすね」
「そう思ったら止めて下さい!」
「でも、城の兵も奮起した」
「兵は奮起したかもしれないけど、私は気絶しかけたわよ・・・・」
「まあ落ち着け落ち着け・・・・」
「今は笑い話」
「そうそう。北条も追い払えたんだから、全て良しっす」
「笑えない話をしてるんですー!一真さんはお願いですから、この子達みたいに御大将を焚き付けるような真似はしないで下さいね・・・・?」
そう懇願されちゃ、あれなんで了承しといた。俺は無理な戦いはしない主義だから、そういう戦い方はしない。量より質だけど、武装にもよるけど。今まで無茶苦茶やるのを止められるというのは、あまりなかったかもしれない。秋子が失神するぐらいだから、相当無茶苦茶な戦法を使ったか猪だったのかは知らんが。
「・・・・え?でも一真も人の事は言えないわよね?」
「・・・・はい?」
「一真もあるのよ。目と鼻の先で鉄砲を構えたとしても、相手の鉄砲を無力化したり弾を避け続けて行ったりしていったんだから」
「目と鼻の先・・・・」
「あんなの簡単な話だけで、人間業ではないぞ。相手が撃つ前にこちらが撃って相手の鉄砲を暴発させるのは、こちらとしてはよくある事だ」
「あとは警戒な厳重である敵城にちょくちょく忍び込む時がよくありますからね、隊長は春日山もしましたし」
「あんな崖から忍び込む事を考えない方が悪い、俺達は少数で城を落とすのが当たり前だ」
そう言うと秋子もそっちの方と言われても、俺が悪いのかと思うが正直言って俺達より美空の方が無茶苦茶だと思うが。それにあんな簡単に登り降り出来る崖を用意するなという話だ。絶対に止めろというなら、最初から沙紀から止められるが止めなかった沙紀。
「秋子さんには悪いですけど、正直言って春日山ももう少し厳重にしないと私達では数分で忍び込めますよ?」
「そんなにですか!?」
「地上からでも空からでも侵入経路があれば、隊長がしなくとも私達でやっています。まあ隊長は前線で仕事をしていますからね」
「そうだな、城を落とすなら爆弾を投げてから城門破壊してから進軍するな」
「別な言い方だと、御大将にもいい旦那さんが出来たって事っすねー」
秋子的には美空を抑える旦那が欲しかったようだが、この時代で勝てる者はオーバーテクノロジーを持った俺達ぐらいだろうに。割れ鍋に綴じ蓋と言う松葉だったが、その意味は何だったかな。本人が謙遜する時に言う事のような気がした。
「でも空様と一真さんが来る前に比べたら、御大将、だいぶマシになったっすよー?」
「まあそうねぇ・・・・」
「それはある」
「一応聞くが、空が来る前はどんな感じだったんだ?」
「御大将、刀の収拾が趣味」
そのくらいなら別に珍しい趣味でも何でもないと思った。コレクションで集めるのであれば問題はないと。そしたら休みの時は部屋に籠って、日がな一日、刀を眺めたり磨いたりしていたそうだ。刀を見つめてはニヤニヤ笑っていたそうで、年頃の女の子がやる趣味ではないな。例えば俺や他の男共だったら文句は言えんかもしれないが、自分ではコレクションでも他人から見たらゴミだと言われる。
「それは何と言うかご愁傷様だったな、確かに俺でも引くな」
「・・・・まあ、あの頃に比べたら、今は空様や一真さんと遊びに行きたがるようになったし、だいぶマシになった気がするわね」
「・・・・それ、久遠も同じだわ」
「それはマジか?結菜」
「そうなんすか?」
「・・・・久遠の場合は鉄砲だったけどね、一真が持っている鉄砲を見てからは一真がいないところではしゃいでいたわ」
それは納得としか言いようがないな、それは。確かに俺が銃を持っていると目をキラキラさせながら、俺達の銃を見ていたからな。触らせないようにしていたけど、今聞くと少しだけ触れる事を許可したかったけどここよりも違うからな。色々と整備していると分かる。
「堺から来た商人から買った鉄砲や南蛮の道具を、いじったり分解したり、それはそれは楽しそうに・・・・。確か一真の銃も分解しそうにしてたわね」
「御大将と同じっす・・・・」
「おいおい、それって俺の目の前で分解しそうになったアレか?『ええアレよ』余程珍しいからだったかもしれないな。俺達の銃というより鉄砲か」
「試し撃ちがしたいって言って和奏達と出掛けてはいたから、一日中籠ってるような事はなかったけど・・・・」
「あー。だったら御大将よりはマシっすよ」
「御大将、本気で一日籠ってた」
「・・・・でも鉄砲を分解しながらニヤニヤしてたのは、さすがにちょっと引いたわ」
「一真さんはそういうのに好かれるクチ?」
「隊長は分解しながら鼻歌を歌いながら掃除してましたもんね、でも表情は真顔でしたよ」
「分解する気は分かるが、さすがにニヤニヤしながらはしないぞ」
そう言いながらだったが評定の間では一葉と共にいた久遠もくしゃみをしたのだった。
「くひゅっ!」
「・・・・どうした、久遠。おぬしも風邪か?」
「分からん。体調には気を付けているつもりだが」
「気を付けてちょうだいよ?大事な時期なんだから・・・・くしゅんっ!」
「美空も人の事、言えない」
「う、うるさいわね・・・・。分かっているわよ」
で、こちらは美空が試し切りについてを話していた秋子。戦場以外はしなかったからそこだけはマシなようだが、空と俺が来なかったら今頃どうなってたかは俺でも分からないな。夜な夜な領地に繰り出しては・・・・と松葉が恐い事を言う。俺も正直こんなのをもらってもいいのかなと思ったくらいだからなー、それにその時は結菜がちょうど嫁いでた時だったらしい。跡取りは空がいたから問題はないが・・・・。
「秋子さん以上に心配だったっすよー」
「ちょっと、私は関係ないでしょ!」
「秋子も一真さんに娶ってもらえばいい」
「ちょ・・・・・っ」
「ああ、それいいっすねぇ」
「一応推測してたけど、やっぱりそういう流れになっちゃうのか」
何かそういう流れに来たけど、俺的には迷惑ではない。秋子と俺では歳が離れているというが、一応俺から言っとくが秋子よりも年上で人生の先輩何だけどな。
「一応言っとくがお前らを俺から見ると小娘にしか見えんよ、秋子のような年上は俺らの嫁の中にもいる。黄忠と厳顔に黄蓋だったかな?ま、歳の事を話すと弓矢が飛んでくるが・・・・。ほらな」
ほらなと言った後に俺の頬をかすめた弓矢が飛んできたけど、これは紫苑だな。銃の方もだけどやはり元から持っている弓矢でも百発百中なんだよな。
「それに秋子で言う年上なら織田家中にいる壬月や麦穂もだろうに」
「・・・・へっ?」
「それってもしかして、嫌じゃないって事っすか?」
「俺がいつ嫌だと言ったんだ?秋子で良ければ全然構わんよ」
「まあ確かに隊長の懐は広いですもんね」
「ほ、ほんとですかっ?あぁ・・・・」
何か俺が告白した感じとなったが、船からは嫁達は歓迎ムードになっているし柘榴や松葉を差し置いてと言っているがそんなのは考える余地はない。柘榴も松葉もとっくに愛妾何だから。秋子はダメだと思っていたらしいから、愛菜を引き取ったらしい。愛菜についてはどやーが無ければ可愛い娘だとは思いたいが、結菜や沙紀も別にいいんじゃないと言う。
「そうっすねー。空様もそんな感じっすし、一真さんは今更一人や二人増えても気にしないと思うっすよ」
「一真さん、側室だけで三桁。私達もその仲間入りになるかもしれない」
「今更愛妾が増えたって俺は気にしないな、秋子自身が嫁に行けなかったら俺がもらってやってもいいぞ?」
「ホントですか!?これで直江家代々のご先祖様に顔向けが出来ます・・・・」
「まあ人助けならしょうがないと思うわ、沙紀も文句無さそうな顔をしているし」
というか秋子の先祖なら、俺の隣にいるんだけど。直江家の先祖もこの世界が消滅と同時に自然消滅する役割を持っているから、先祖に顔向けできなくともいいんだけど。まあ喜んでいるから問題はないな。そしたら柘榴も松葉も旦那のアテもないらしいが、俺的にはもらってもいいと思っている。この世界から救出できる人間は、俺と関係を持った者だけだ。
「知らない男に嫁ぐよりはマシ」
「鬼と戦う気があるんだったら、誰でも一真さんの妾になれるんすよねー?」
「俺や嫁達は大歓迎だが、本当に俺でいいのか?そういうのは大事な事だろ、あとは美空とか」
「御大将はそう言う所、気にしない」
「そうっす。むしろ秋子さんの事は、御大将もすっごく気にしてたっすよ。嫁の行き先が決まったらきっと喜んでくれるっす」
まあ俺達は大歓迎だし、一度本部に帰還してから拠点に戻れば自動的に愛妾から側室となるからまあいいか。それに久々にアグニや愛紗たちからの扱きがありそうだな。で、愛妾になるんだったら一度美空や沙紀達に報告と言っていたが、もう聞かれているんだけど。奏や桃香達にな、あとは拠点に来た時に扱いてやるのが楽しみだと皆言ってた。
「まあ全て奏様や桃香さん達には既に報告をさせましたが、イイとの事ですよ」
「ホントっすか!という事で、一真さーん!」
「おう、また抱き着くんかい」
沙紀の報告後にゴーサインを出したのか、柘榴と松葉は俺にしがみ付いてきた。
「こら、柘榴ちゃん!松葉ちゃん!」
「秋子さんも来るっすよー。今は妾でも未来の旦那様になれるんすから、今の内からしっかりモノにしとくっす!」
「え、えええ・・・・・っ!?」
「沙紀と結奈も」
「そうですが、私はこれにて失礼させて頂きます。奏様の報告と元々休憩の為に来たようなものですから、結菜さんも遠慮なくどうぞ」
「そうだったわね、沙紀はもういないから私も遠慮なく」
「おおう、結菜までもか。まあいい、全員掛かって来い」
ストッパーがいない状態となったが、今だけはこのままでいいと思った。
「か・・・・・、一真さんー!」
「おおう、全員来たな」
「あはは。秋子さんも来たっすー!」
秋子が加わってから、柔らかいもんが二つ増えたような気がするが気にしない方がいいな。ここにいる者では秋子の方が一番大きいからな、ま、胸の大きさ何てのはそれぞれの魅力に繋がるんで俺は気にしない。当たっているんじゃなくて当ててると言った秋子。
「こうやって皆で甘えるのも悪くないわね。一真隊の子達、私がいると遠慮してやってくれないのよねー」
「神界に行くと護法五神にこうやって甘えてくるが、確かに結菜の前だとしてなかったな」
「だったら柘榴達が一緒にしてあげるっすよ」
「そうね。他の勢力の子と仲良くするのも、なかなか良いわね」
「一真さん、役得」
「か、一真さんー!」
役得といえば役得であるが、一気に三人も妾が増えるだなんて思わなかったけどこれは一体誰が収拾付けるのだろうか?まあいいとしてこれはこれで楽しもうではないかと思った俺に通信が来てやるのなら今すぐヤればとの事だった。しかもその指令は奏からだったけど、俺の妻になるのならまずは処女を貰っとこうと思った俺は結菜はお手伝いという感じで一人ずつであるが処女をもらった。防音結界と人払いの結界を張っといたので、誰も来ないし誰も聞こえないから問題なくだったけど最後は結菜にしてから浄化をしてから服を着たのだった。
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