ソードアート・オンライン ~Hero of the sorrow~
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象徴武器と知り合いと真の実力
前書き
時系列を狂わせます。
「あははははああははははははっははあっはあははははははっ!!!!!!」
須郷は笑っていた。ようやく手に入ったのだ。茅場明彦を・・・自分から物を奪っていく奴を超える力を。
究極の怪人・・・ショッカーオーズ。そのベルトを独自に解析、開発し、さらなる力を手に入れたのだ。
それは、オーズドライバーと言っていいかもわからないもの。メダルを6枚同時に挿入し、変身するという恐ろしいもの。
「もうこれで・・・・誰にも奪わせない!!むしろ奪い尽くす!!女も金も何もかも!!この力さえあればああああああっ!!!」
6枚のメダルが挿入される。スキャンされ、音声が室内に響く。
ショッカー! ゲルショッカー! デストロン! デルザー! ガランダー! ゴッド!
今、ここに。神ともいえる究極の悪が誕生した―――――――――。
スイルベーン
「はぁ・・・人が多い」
夜のスイルベーンはとても賑わっており、人がたくさんいる。僕は人ごみは苦手なので、早くキリトさん達と合流したいと思っていた。
「どこかな~・・・ん?」
「やっ・・・やめてください!」
路地裏からの声が。課長さんもそれに気付いたようで、すぐに路地裏に駆け込む。
藍色の髪の、真っ黒な恰好をした女の子が、同じく黒い恰好をした男たちに囲まれている。
現実じゃなくても、やっぱあるのか。女の子には、やってはいけないことがある。
泣かせることと、暴力をふるうことだ。止めに入ると案の定男たちはこちらを睨んでくる。
「ああ?てめぇには関係な・・・」
男が口を開く前に、拳を顔面に叩き込む。
「黙んないと・・・こうしますよ?」
言った瞬間に男たちは跳びかかってくる。
「はぁ・・・」
ベルトをなぞってソニックアローを出現させ、射撃で二人を、斬撃で一人をログアウトさせた。
「大丈夫・・・ですよね?」
女の子の顔がよく見えた。どうしてだろう・・・どこかで見たことあるような・・・?
・・・命の記憶かな?いや違う。直葉ちゃんに会ってからの記憶にいる。
「あっ・・・藍子ちゃん?」
「ふぇっ・・・・あっ・・・」
混乱した様子の女の子は、僕の顔を見て何かに気付いたようだ。
「ユ・・・ユキさん?」
「うん。そうだよ。お久しぶり。妹ちゃんは・・・元気?」
「元気・・・です。あの、ユキさんはALOに何しにきたんですか?」
「いや・・・」
ゲームにとらわれた女の子を救いに来ましたとは、現状を知るもの以外に教える事はできないだろう。
口ごもる僕は、何とか理由を考えて話す。
「いや・・・友達に誘われて・・・」
もともとぼくは嘘が嫌いらしく、嘘はすぐに浮かばなかった。
そうですか、と藍子ちゃんが言って、しばらく会話した後、別れた。ただ・・・僕は少しだけ気がかりがあった。
藍子ちゃんが最後に言ったのだ。
「ユキさん・・・貴方に言うのもおかしいですけど、もし私に何かあったら・・・妹を、木綿季を、頼みます」
そう言って、藍子ちゃんは去っていった。
この言葉の意味が分かるのは、かなり後のことだった――――――――――。
「だから!言ってたでしょ?抜けたくなったらいつでも抜けるって!」
近くからの声。急いでそこへと向かう。
この声は・・・リーファさんだ!駆けだすとそこには無骨な男が。手を振って駆け出す。
「リーファさぁーーーーーん・・・!!」
僕は男が笑ったのを見た。よく見てみると。人か?いや、人じゃない!!
「リーファさんっ!!退けぇええええぇぇぇぇぇえっ!!」
「えっ」
リーファが叫び声を上げる前には、男の姿は変わっていた。瞬間、ユキが咄嗟に庇い、共に森の方へと吹き飛ばされる中、そいつは口を開いた。
「よう・・・兄弟」
「おまえかあああああっ!!」
バンッ!!凄まじい衝撃と共に、全身の空気が吐き出される。そして地面に接触し、急いで立ち上がるが、既にクライの姿はない。
「―――――っ!!」
「超変身・・・っ!」
緑のクウガ、ペガサスフォームへと変身する。超感覚で姿や音をとらえるものの、激痛で体が思うように動かない。
思い切り蹴られる。殴られる。
「おい、どうした」
「立ち上れよ」
「こんなもんじゃ、俺たちの復讐は終わんねえ」
クライが、腕のブレードを展開した、その時―――――――――。
(生きなさい・・・)
(ほら・・・君が)
その姿は。伝説の。彼らがいたから。僕らが造られた。
(その正義の魂を・・・)
(誰かを救うために!!)
(一文字隼人)
そして・・・・。
(本郷・・・・猛!!!)
本郷猛は、笑った。そして・・・腕を上げて・・・サムズアップ。隼人はカメラを持った。
ゆっくりとユキは立ち上がる。クライは笑みを作った。
「そうだ・・・こ」
口を開く前に、拳が飛ぶ。
凄まじい速さで、強く、正確に拳が繰り出される。
凄まじい拳のラッシュが、クライに襲いかかる。
(なんだ・・・!?)
さっきと様子が違う。何よりその眼には、覚悟が滲んでいた。
(力も・・・技も・・・段違いだ!!)
「君みたいな人のために」
「誰かの涙は見たくない」
「みんなに笑顔にいてほしいから」
「なにより・・・・」
「好きな人を守りたいから!!」
ユキの右手に銀色のグローブが、左手に赤のグローブが装着される。そして、首には赤いマフラー。
風が、吹いた――――――――。
「同質化!!」
否。突然ユキの能力が強くなったのは、神様の贈り物や都合よく新しい能力が発動したわけでもない。
ユキは一号・二号の力と、同質化したのだ。
新能力《「技」と「力」》
二つの象徴武器解放!!システムをアップロード中・・・95%
クライが腕を発光させ、周囲に熱線でダメージを与えると、上空へと加速する。
間に合え・・・・・!!
97%・・・・
クライがどんどんと小さくなっていく。
間に合えよ・・・・・!!
99%・・・・。
100%!!インストール完了。実体化開始!!
「弓剣アマノ・アズサをコンバート!!」
薄い刃が弦を支える水晶のような弓が、腕へと納まる。
「撃ちぬけ―――――――――――――っ!!」
弦を弾くと、水晶の矢が現れる。
ヒュン・・・。軽く小さい音が響いたと思うと、クライの左腕に水晶の矢が刺さっている。
それはクライの腕に吸い込まれていき、青い炎を発生させた。
「何した・・・っ・・・。てめぇ・・・」
ジュウウウウウウ・・・という音が、周囲の静寂を満たす。
激痛に体が揺れるクライへと、ユキは言った。
「もう止そう。こんな戦いは・・・」
綺麗ごとなど分かっている。それでもやっぱり現実にしたかった。それが、一番いいのだから。
「ふざけるな・・・!!お前がこうなる原因を作った癖に・・・」
「もう、俺たちのような存在でも無いくせに!!」
クライはそういうと、自身の左腕を引きちぎり、加速した。
だけど・・・人間じゃないけれど。怪人だけど。人間として、生きようとすれば。
きっと道は開ける。
・・・そう、思うんだ―――――――――。
解説
今回は早めに終わってしまいました。なので、最後に出てきた能力の説明をします。
《「技」と「力」》
モデルは一号・二号から。手先の精密動作性能を2000倍、身体能力を1000倍以上に跳ね上げる。能力使用時は右手に銀色、左手に赤色のグローブが装着されて風が吹く。また、赤いマフラーは常時、ユキの首に巻かれている。
《弓剣アマノ・アズサ》
全体的に細く、薄いフォルムの弓。弦を支えている部分が刃であり、組み替えて使用する。能力は《絶対必中》と矢が無数に分裂する《嵐》。名前は日本神話上の武器、アマノムラクモノツルギとアズサユミから。弓剣の能力は村雲さんからいただきました。
《戦乱剣ダインスレーヴ》
無骨ではなく、どちらかというと細剣でエリュシデータに近い。鞘との同時攻撃を得意とする、鞘剣が使用可能になる。その剣は数センチ刀身を見ただけで恐怖を覚え、死んだ方がましだと思うレベルの代物。また、鞘にもギミックがあり、触れた相手を絶対に切断することができる。(触れなければ意味はない)
刀身の完全開放は、世界を戦乱へと突き落す。(それを全て相手に向けることが可)しかし強力な能力である反面、刀身を抜くと誰かが死なない限り、戦乱が起きる。さらに鞘に戻せなくなる。
ユキは、たとえ世界を危機に陥れても、全員を救って見せるという制約をつけているので、ノーメリットで使用することができる。
後書き
ユキのチート化計画進行中。
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