世界一不幸な男の物語
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二、 もう痛いのはイヤだ
前書き
不幸不幸不幸不幸不幸
ドンッ
壁を押したような音とともに、僕の部屋のドアが開いて香織が入ってきた。
「あら、ガラスが割れてるじゃないの!何があったの?」
ベッドの上で僕は言った。
「いやー、鳥がガラスにぶつかったらしくて」
「まあ、ガラスで手を切ると危ないわよ」
そういって香織はこちらにきてガラスの破片が内側になるように僕の布団を丸めた。
「痛ッ、うわぁ手を切っちゃった。カズも切らないうちにこっちへ来なさい」
手を切ると痛いのでベッドから離れることにした。そしてベッドから降りようとして床に足をつけた瞬間、右足のかかとに激痛が走った。
「うあ!ぐ・・・ぁ」
どさっ
その場にうずくまりかかとを見ると、予想を裏切らずにそこにガラスが刺さっていた。大分飛び散っていたようだ。おそるべし、鳥。
それにしても痛い。そこにちょうどガラスの処理をしていた香織が声をかけてきた。
「カズ、大丈夫?あっ、まだガラスは抜かないで」
と香織が言うのと僕がかかとからガラスを抜くのは同時だった。
「うん、大丈夫」
とは言ったが大丈夫ではなかった。ガラスを抜いたところに血の玉ができ、すぐに玉の形ではなくなって、一筋の血が流れた。
後書き
部屋から出られん・・・
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