戦え!!正義の兄弟戦士ジャスティスカイザー
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第十話 一戸大尉!日舞は日本起源!その五
その一戸、丁渡稽古場で舞を待っていた彼がだ、陸軍衆の兵士達から出陣を告げられてだ。稽古を中断して応えた。
「ではな」
「これよりですね」
「出陣する、そしてだ」
見れば中性的な顔立ちの美男子だ、女形になると最高のものだ。その彼が陸軍衆の軍服姿でこう言うのだ。
「勝つ」
「ではお願いします」
「私の日舞ならばだ」
その舞でというのだ。
「ジャスティスカイザーの二人にも勝てる」
「あの二人は舞を知らない様ですね」
「素人か」
「はい、どうやら」
実際にその通りだ、二人は日舞はおろか他の舞ダンスの類も知らない。兵士も彼にそのことを話した。
「その様です」
「そうだな、しかしだ」
「それでもですね」
「獅子は手を抜かない」
この言葉を出すのだった。
「相手が誰であろうともだ」
「ではその獅子のお心で」
「私は戦いに赴きだ」
そのうえでというのだ。
「勝つ」
「そうされますね」
「そして我等の悲願を適えよう」
つまり半島の再併合をというのだ。
「是非な」
「勝利を待っています」
兵士は敬礼し一戸に言った。
「祝杯もまた」
「そうしてくれるか」
「大尉は羊羹もお好きでしたね」
「うむ」
その通りだとだ、一戸は兵士に答えた。
「実にいいものだ」
「ではそちらも」
「済まないな」
「お礼には及びません」
兵士は微笑んでだ、一戸に答えた。
「それは私ではなく元老からのものですから」
「元老が私にか」
「はい、戦いの後には」
その時にはというのだ。
「送って頂けるとのことです」
「わかった、ではその贈りものに相応しいだけのな」
「戦いをされてですね」
「勝利を我等の手に」
日帝衆の、というのだ。
「そして世界の平和を維持し」
「半島の再併合も」
「達成しよう」
ここまで言ってだ、一戸が言うことはというと。
毅然とした顔でだ、兵士に言った。
「祖国の為、陛下の為に」
「そして世界の為に」
陸軍衆の敬礼で兵士と誓い合いだ、そうしてだった。
一戸は出陣した、その一部始終は全世界に放映された。全世界の市民がその彼の勝利を心から願った。
そしてだった、こうそれぞれ言うのだった。
「今度こそだな」
「ああ、日帝衆は勝ってくれるぜ」
「ジャスティスカイザーの連中が日舞をしているかどうかわからないけれどな」
「それでもな」
「大尉ならやってくれるぜ」
「あの人なら間違いないぜ」
こう言い合いだ、某巨大掲示板にこうしたスレッドも立った。
ページ上へ戻る