ソードアート・オンライン ~Hero of the sorrow~
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フェアリィ・ダンス編 哀しみを背負った男達
黒幕と正体と右目
前書き
戦闘シーンしかない。
「全員で突破します!僕とキリトさんはカイザを!真さんと涼さんはアナザーアギトを!残りの人たちは怪人たちをよろしくお願いします!!」
「いい指揮だな」
カイザの剣を防いだキリトが言った。
「それほどで・・・・もっ!!」
シャイニングカリバーを使いカイザを吹き飛ばす。キリトが使っている剣は、ユイが消える前に託してくれたもの。虹輝剣エクスターナ。
「でええぇええええっ!!」
キリトが掛け声とともにSAO時代の技、ヴォ―パルストライクを放つ。
カイザはそれをカイザブレイガンで受けたが、びきっと言う音と共に刀身にひびが入る。
「・・・なんだと!!」
激昂したカイザがキリトを蹴りとばし、黄色の光弾を撃った。
「させないよっ!!」
ユキがストームハルバードで思い切りカイザの腕を打つ。
「がぁ!!」
光弾は上にそれ、キリトはそのうちに体勢を立て直す。戦いは続く。
「木野・・・」
ギルスは目の前に現れた敵、アナザーアギトを見た。かつて自分の命を狙っていた男。
最期は自身の命を燃やし、友を救ってくれた男。
「お前は・・・」
ギルスが動揺しているうちにも、アナザーアギトは接近して来る。真はアナザーアギトを殴り飛ばした。
「戦え、葦原!!」
「だが・・・」
仲間だったんだ。その一言に真は悲しい顔をしたが、すぐ顔を戻した。
「今闘わなければ、お前が死ぬ!!人間は不死身じゃない!死んでしまったら、そこで終わりなんだ!!」
「・・・・・」
「ウグウァアアアアアァッ!!」
ギルスは駆け出すと、思い切りアナザーアギトを蹴り飛ばす。
そうだ、あいつは死んだ。死んだ者は帰ってこない。自分が一番知っていることじゃないか。
「「グワアアアアアアウッ!!」」
哀しき咆哮が、夜空に響いた。
「響鬼さん、始さん、操真君、一気に!!」
「「「ああ!」」」
クワガタ!カマキリ!バッタ! ガータ ガタガタ! キリッバ! ガタキリバッ!!
イーンフィニティー!プリィイーズ!! ヒースイフードーボーザバビュードゴーン!!
ハイタッチ!!シャイニングストライク!!
スキャニングチャージ!!
ワイルド
分身したガタキリバコンボの蹴り、巨大化したアックスカリバー、音撃の嵐、そして旋風が怪人たちを破滅へと導いた。
「始さん、危ない!!」
「ちっ・・・」
残った怪人の一体が始に襲いかかる。しかし、風が吹いた。
「でえやああぁあっ!!」
リーファが細剣で怪人を斬り伏せた。
「すまん、助かった」
「いえ、こちらこそ」
再び怪人たちが湧きだし、カリス達は怪人を睨んだ。
「木野・・・アンタは」
ギルスは涼として、アナザーアギトに語りかける。
「命を救う者じゃなかったのか!?」
自分なりに言葉を紡ぐ。
「目覚めてくれ、木野!!」
しかし、アナザーアギトは何も聞かなかった。腹部への蹴り、さらに拳の乱舞。
ギルスは吹き飛ばされ、地面へと叩きつけられる。
「貴様・・・!」
真が腕のスパインカッターを展開し、アナザーアギトの腕を切断した。
「ギイイイイイッ!!」
アナザーアギトが苦痛の声を漏らす。ギルスがゆっくりと立ち上がる。
「行け、葦原!!」
立ち上ったギルスは戸惑いを隠せなかったが、構えをとる。
「その運命を!!」
ギルスが走り出し、空中で回転する。
「乗り越えろ!」
「ウォアアアアアアア!!!!」
ギルスヒールクロウがアナザーアギトへと突き刺さる。瞬間、爆発。
爆発を背に、涼は鎮魂の言葉を紡ぐ。
「木野・・・アンタの意志は!」
「俺たちが受け継ぐ!だから今は・・・・」
「安らかに眠ってくれ・・・・!」
アナザーアギトが爆発し、その後には何も残っていなかった。
「ちぃっ!なんで・・・」
キリトとユキの乱撃を受けるカイザが言う。
「何で・・・生きる意味を見いだせない君たちが生き残るんだ!!いつもそうだ!!」
「それは・・・自分で何かを信じたり、愛したことがないからだ!!」
ユキが叫ぶ。カイザはユキを見て驚いた。その横に、乾巧の幻影が重なって見えたのだ。
「そうやってえええええええっ!!」
カイザブレイガンが刀身が砕けるのと同時に、シャイニングカリバーが吹き飛ばされる。
しかしユキはファイズエッジを取出し、パワー・・・フォトンブラッドが放出する熱量をアルティメットへと設定する。
Exceed charge
紅い刀身が暗闇の中でまばゆい光を放ち、カイザブレイガンごとカイザを斬り倒した。
終わった・・・いや、終わってなどいなかった。
「よう、兄弟」
戦慄の。優しく冷たい口調。ユキとキリトの背筋が凍りついた。
「キリトさん、離れろぉっ!!」
キリトを左手で後ろへと押す。次の瞬間、ユキの左腕はなくなっていた。
遠目で戦っていた全員がユキの方を見た。
「ユキ君!?」
「君みたいな・・・兄弟持った覚えないんだけど?」
「・・・覚えてねぇのか?」
月明りで見えていなかった顔が見える。
どことなく、ユキに似ている顔。普通の服装で、右腕には血が付着している。
「お前のせいで俺たちは死にかけたのに?」
ユキには何を言っているかが分からなかった。
「・・・まぁ、いい。俺の名前を教えてやるよ。俺はクライ。ショッカーによって造られた、仮面ライダーを殲滅するもの。アシムレイトロイドシリーズの内の一体」
「ショッカー・・・だと?」
「おう、ショッカー。・・・ん、話は終わりだ。始めるぞ、赤い靴を」
赤い靴・・・?聞いたことのあるその言葉にユキは叫んだ。
「全員・・・逃げろおぉおおおっ!!」
もう、遅い。全ての怪人ごとライダー達とキリト、リーファまでもが吹き飛ばされる。
「ん~~弱いなぁ・・・。しょーがねぇから」
全員殺すか。満面の笑みでクライがほほ笑む。
「させん!!」
光の剣がクライの攻撃を受け止めた。そこにいるのは黒いライダー。
「南光太郎か」
「突然現れ、仲間ごと人を傷つけるクライ・・・。許さん!!」
リボルケインが唸る。クライはそれを腕から展開したブレードで防ぐ。
「・・・少しは歯応えがありそうだな」
「・・・・バイオッ!ライダー!!」
RXがゲル化したその時、
「弱点はわかってんだ」
クライの右腕が熱線と共に輝きを放つ。
「あれはカザリの・・・!」
バイオライダーの変身が解ける。それは知る人を絶望させる強さだった。
ゲル化して敵の攻撃を防ぐ。ミクロ化して敵の内部に入り込む能力で最強怪人グランザイラスを体内から滅多切り。自ら未知のウィルスの血清を作り出す。
その強さを持つバイオライダーを一瞬で倒した。その凄まじき戦闘能力は、ユキを驚愕させた。
あれ・・・?なんでそういえば、みんな仮面ライダーを知らないんだろう?なぜか浮かぶその考え。
目の前でどんどんと倒されていくライダー達。ユキは気付いた。この時・・・不思議なことが起こった。
ユキはゆっくりと立ち上がる。笑った。
「・・・あぁ・・・あは。あはっはっはは八ハハハハハハは八葉は八は八ハハハハハっ母は八ハハハハハっハハハハハはっはハハハっ葉は八母。メモリーのデータ復帰による言語プログラムを修正・・・。
戦闘プログラムをロード。目標・・・アシムレイドロイドNo3・Cry。戦闘を・・・戦闘を・・・
せん・・・闘を・・・」
ユキの形をした何かが、言葉を止める。クライが傍に転がったファイズエッジをもってユキに近づく。
「おぅ・・・思い出したか?」
ま、遅いけどな。そう言うと、ファイズエッジをユキの目に突き刺す。ジュウッと言う肉の焼ける音。赤い煙と血の匂いが周囲に蔓延する。
「ひっ・・・」
リーファやキリトは声を上げることもできない。
「思い出したかも・・・少しだけ」
ユキがそんな中で言葉を紡いだ。ズリュリ・・・という音と共に、ファイズエッジを引き抜く。
ただれた皮膚と、真っ黒になって見えない右の眼球が恐怖を感じさせる。
ユキはただ突っ立ているだけ。そんなユキへとブレードを振り上げたクライは、吹き飛ぶ。
「あぁ?」
超高速によるユキの蹴り。加速と鍛え抜かれた身体能力から放たれた蹴りは、一撃でクライの半身を飛び散らせた。
「強くなりすぎじゃねぇ・・・」
半身を一瞬で再生させたクライは全身の武器を展開し、ユキへと襲い掛かる。
ファイズエッジをユキは振った。ヒュンと言う音と共にクライの右腕が吹き飛ぶ。
再生しようとしたクライは固まった。
「な?」
腕が再生しない。表面に触ると、凍りついている。
「・・・何した」
「・・・・アシムレイトロイドの能力・・・。僕は一つだけだけど、その能力さ」
クライの能力は高速再生の他に、能力がいくつかある。
一つだけのユキの能力は《同質化》。アシムレイトの本髄。ユキはメダルを取り込んだ。恐竜メダルを。そこから同質化、凍結能力を手に入れたのだ。
「ん~~本気になると、てめぇら死んじまうし、ココは退くわ。いろいろあるし。じゃな」
灰色の壁を通ったクライは消え、ユキは自分の力に少し恐怖を感じた。
ユキは何処からか仮面を取出し、左側の顔を隠すようにして着けた。
「動けますか?」
「ああ、動ける」
ユキとキリトは協力して、全員を運んだ。
後書き
戦闘シーンしかない話。クライはもっと強いです。本気のユキすらも敵わないほどに。
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