転生とらぶる
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マブラヴ
0841話
国連本部ビルへと到着した俺、エザリア、レオン、そしてアメリカの大統領でもあるビル・レーガンの4人……まぁ、正確に言えばそのお付きやらSPやらで色々といるが、ともあれ、4人は国連の職員に案内されて控え室へと向かう。
尚、当然の事ながら俺達シャドウミラー組とビル達アメリカ組は途中で分かれ、それぞれ別の控え室だ。
で、そのまま控え室の中にあるモニタで総会の様子を、基本的には今回は秘密裏でどこの国にも中継はされていない映像を見ていたのだが……
『だから、とにかく統一中華戦線だけでは戦力が足りないんだ! 国連の戦力をもっと回して欲しい! それと日本からも戦力の派遣を要請する!』
『確かに中国代表の言いたい事も分かりますがね、そちらに派遣した戦力が統一中華戦線の捨て駒代わりに使われているという情報があるが?』
『それは悪質なデマだ!』
中国の代表らしき人物の言葉に、どこかの国の代表が皮肉な笑みを浮かべて告げるが、次の瞬間には殆ど反射的と言ってもいいような速度で中国代表が言葉を返す。
『我が国としましても、4年前に中国へと派遣した軍隊の補給中に幾度となく補給物資を盗まれている以上、そう簡単には……』
『馬鹿な、それこそ出鱈目だろう! 自分達の国の不始末を我が国に押しつけるとは、恥を知らないのか!』
日本の代表だろう人物の言葉に、こちらもまた反射的に中国代表が叫び返す。
「何と言うか、本当にこいつらは人類絶滅の危機って自覚があるのか?」
「寧ろ自分達の命が危険だからこそ形振り構っていないんだと思うけど」
「それにしても……友軍の補給物資を盗むというのは、正気ですか? それは巡りに巡って結局は自分達の首を絞める事になるでしょうに」
俺とエザリアの言葉にレオンが思わずといった様子で言葉を返す。
だが、俺としては寧ろらしいと言えばらしいと感じるけどな。
この映像を特別に流して貰って見ているだろうシロガネでも、恐らく呆れているのは間違いない。
そんな風に考えている間にも話題は移り変わっていき、やがて今日の本題とも言える話題になる。
同時に、国連の職員が俺を迎えに来て、エザリアとレオンを控え室に残して俺は国連総会の議場へと向かう。
外交担当の2人がやるべき事は、この国連総会が終わった後だからな。
本来であればオーストラリアに窓口を1本化する予定なのだが、さすがに最初くらいはきちんと顔見せをする必要がある。
それと、オーストラリアと俺達シャドウミラーがそれなりに親しい関係にあるというのも示す必要があるしな。
……まぁ、その割には飛行場まで俺達を迎えに来たのはオーストラリアの政治家達ではなく、アメリカ大統領御一行様だったが。
この辺はやっぱり純粋に国力の差で強引に出迎え役を奪ったのだろう。
そして……
「では、ご紹介します。オーストラリアに現れた異世界の国家、多次元国家シャドウミラー。その代表でもある、アクセル・アルマー様です」
その声と共に国連職員の合図があり、俺はその場に姿を現す。
このマブラヴ世界の行く末を決める、国連総会の場へと。
「あれが……異世界の国家の代表? まだ20代じゃないか?」
「信じられんな。あの若さで国家の代表だと? オーストラリアは担がれているんじゃないのか?」
「いや、だが我が国に回ってきた戦闘映像を見る限りでは、そもそも戦闘機に手足が生えたり、戦術機のような姿に変形するような機体に乗っていたぞ? それを考えれば、どこの国があのようなゲテモノな機体を開発する事が出来る?」
「そうやって、こっちの意表を突くような真似をするのが詐欺の常套手口だというのは言うまでも無いだろう」
「ふんっ、本当に異世界の国家だというのなら、その証拠を見せ貰えばいいだけだ。そして少しでもあの忌々しいBETA共を処理して貰えればそれで良し」
「彼等が本当に異世界の存在である無しはともかくとして、あの機体にバリアのようなものを展開出来る機能は是非公開して貰うべきだな。光線級のレーザーを防げるのなら、再び制空権はこちらのものだ」
「だから、それこそが詐欺だと言っているだろう。あんな、光線級のレーザーを食らっても無傷で済むバリアなんて……出鱈目以外の何物でも無い」
「けど、実際あの映像ではF-15Cの撃った実弾を全て弾いていたぞ?」
「トリックだよ、トリック」
「ちょっと待て。あの映像にはオーストラリア国防軍の将官も映っていた。それなのにトリックだということは、オーストリア軍部……延いてはオーストラリア政府そのものが詐欺に手を貸していたと言うのか?」
「そ、それは……」
俺が入ってきた途端、そんな風なざわめきが周囲を覆う。
他の国々の者達にとって俺達シャドウミラーは良くも悪くも注目を集めているといったところか。
国連総会の場は、何と言うか席の並び的にはどこか学校を思わせる作りになっている。一番前に議長席があり、3人程の人物が座っている。その前には演説台のような場所があり、その演説台と向かい合うように各国の代表が座っている席が置かれている。
殆どの国家代表が姿を現しているのは、それこそ俺達シャドウミラーの存在が正式にオーストラリアから発表されるからだろう。
それに関しては色々と思うところはあるが、周囲からのざわめきを無視しながら演説台の前にいるオーストラリア代表の横へと並び立つ。
そんな俺の姿を確認したオーストラリア代表は、改めてこちらへと視線を向け、握手を求めて手を差し出す。
なるほど、自分達オーストラリアが俺達シャドウミラーと最も深い関係にあるのを、文字通りの意味で世界中の耳目が集まっているこの場所で示しておきたいのか。
あるいは、アメリカに先手を取られたので巻き返したいという思いもあるんだろう。
目の前にいる人物の思惑を半ば察しつつも、俺は黙ってその手を握る。
何しろ、オーストラリアには俺達シャドウミラーのこの世界での防波堤となって貰う必要があるのだから、この程度のリップサービスは必須だろう。
「ありがとうございます。……見ての通り、彼は異世界の国の代表として理知的な性格をしています。少なくても一部の方が心配しているような、BETAのように言葉が通じないような方達ではありません。そして、彼等の国家シャドウミラーは私達のこの世界、アクセル代表が言う、マブラヴ世界に比べると技術的にもかなり先をいっている存在です。その件については、アクセル代表の操る機体と我が国の演習の映像を見た方なら分かるのでは無いでしょうか?」
オーストラリア代表がそう告げると、先程俺が入ってくるまで日本や他の国と激しくやり合っていた中国の代表が手を上げて発言を求める。
「その映像についてはこちらでも見せて貰いました。だが、戦術機2個大隊72機を相手にして、たった1機で……しかも圧倒するというのは、とても信じられません。こう言っては何ですが、ある種の八百長的なものがあったのでは? でなければ、オーストラリア国防軍の戦術機パイロットの腕が低すぎるという事になると思うのですが」
……なるほど。まぁ、確かにこの世界の住人にとってはあの演習の映像は悪夢のようなものだろう。現在世界的な主力でもある第2世代戦術機が、たった1機のVFに文字通りの意味で手も足もでなかったのだから。
いや、BETAという物量を相手に苦戦しているこの世界の者だからこそ、量を質で凌駕した俺の存在を認められないのか。
「確かに我が国はBETAとの前線国家ではありません。ですが皆さんもご存じの通り前線に部隊を派遣している以上、パイロットの練度は決して低くありません」
そこから始まるのは水掛け論。……と言うか、中国の代表は自分達に少しでも有利なように持っていきたいのだろう。何しろ国内にBETAを抱え込んでいるのだから、それを考えればある意味当然の話ではある。……それが俺達に好印象を与えるかどうかを考えていない点はどうかと思うが。
ともあれ、ここで延々とそんな話を聞いていてもどうしようもないので、取りあえず2人の話を遮ってから再びマイクを受け取り口を開く。
「シャドウミラーという国家がどの程度の戦力を持っているのかは、いずれ証明される事だろう。……まず、その前に大前提として、俺達がこの世界に対して絶対に救わなければいけないと思ってはいないというのだけは宣言しておく。勿論それを許容出来ないのなら俺達と関わらないという選択肢もあるだろう」
ある意味傲慢とも言える台詞だけに、壇上から見える多くの国の代表が多かれ少なかれ不愉快そうな表情を浮かべる。
「さて、まずは俺達の要求として第一に上げたいのが、BETAの着陸ユニットをこちらで迎撃する許可を欲しいという事だ」
「ふざけるな! そんな勝手が許されると思っているのか!」
「そうだ、幾ら何でも勝手が過ぎる! お前達の言葉に従っていては、地球がBETAに滅ぼされるぞ!」
そんな、野次とも怒声とも付かない声を聞きつつ、手を大きく振るう。
轟っ!
同時に、俺の手の軌跡を沿うかのように、空中へと炎が一瞬だけ現れ、次の瞬間にはまるで幻だったかのように消え失せていた。
『……』
だが、それが偽物ではないというのを本能的に理解しているのだろう。数秒前までは怒声で溢れていた会場が静まりかえる。
そしてここの護衛を任されているのだろう者達が、会場の扉から飛び込んでくる音が響く。
その者達の手に銃が握られているのを見ながら、俺は全く気にせずに言葉を続ける。
何しろ銃……より正確に言えば、物理攻撃の一切は俺に効果が無いのだから。
「安心して欲しい。別に俺は危害を加えるつもりは無い。……ちなみにオーストラリア政府から情報を貰っている国の者は知っていると思うが、今のが魔法。俺達シャドウミラーが国交を持っている世界の1つで実際に使われているのを、俺達が習得したものだ」
その言葉に、沈黙から一気にざわめく。
まぁ、魔法という存在を実際にその目で見たのは……ん? 驚愕とは違う、鋭い視線を向けられているのを感じ取り、そちらへと視線を向ける。
そこにいたのは、ソ連の代表。だが、俺と視線が合うとすぐさま視線の鋭さは消え去った。
何だ? 何か今、一瞬……いや、まぁいい。今はこっちの要望を通すのが先だな。
「勿論BETAの着陸ユニットを俺達が確保するためにいわゆるSHADOWと呼ばれている迎撃システムを停止しろとは言わない。俺達が手を出すのはSHADOWの範囲外――月面のものは例外とさせて貰うが――とさせて貰おう。そして……」
一旦言葉を止め、空間倉庫の中からジャガイモやニンジン、キャベツ、タマネギといった野菜を取り出す。特に何があるわけでも無い、普通の野菜だ。どこの世界でもスーパーにでも行けば普通に買えるような代物。だが、それはこのマブラヴ世界では全く違う意味を持つ。
何も無い場所から突然現れた野菜に驚きの声が聞こえてくるが、それを無視して言葉を続ける。
「見ての通り普通の野菜。……いや、この世界風に言えば天然物の野菜だ。俺達シャドウミラーは、もしこの世界と国交をもった場合は、他の世界からの輸出用品として野菜や肉、魚を始めとした食料を提供する事が出来る」
『……』
何を言っているのか分からないといった感じの沈黙が会議場に広がる中、更に追撃の矢を放つ。
「他にも、俺達シャドウミラーには原子変換装置のキブツというものがある。BETAの死体をそちらから金を貰って受け取り、それを資源の類にしてそちらに格安で売るという事も可能だ。……ちなみに、キブツで変換出来るのはあくまでも一般的な物質だけであり、この世界特有の物質の類には変換出来ないが」
『………』
先程よりも長い沈黙。最後の矢を撃ち込む。
「最後に、この世界よりも進んだ技術を持つ世界の兵器を売る事も可能だ。ただし、その兵器にも幾つか種類があるし、その兵器そのものを使っているだけではこの世界の技術が発展しないという問題もあるので、ある程度の制限をさせて貰う予定だが。それでも、戦術機と比べると圧倒する程の性能を持つ兵器を売る事が出来るだろう」
『……』
未だに沈黙が続く中、周囲を見回してから頷き、口を開く。
「以上だ。ただし、俺達シャドウミラーは国連の支配下に入るような事は無い。あくまでも同盟国として動かせて貰う。それに異論があるのなら、それはそれでも構わない。だが、シャドウミラーとして害意には害意で対応するという事だけは覚えて置いて欲しい。BETAの着陸ユニットの件にしても、賢明な判断を期待する。以上」
『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおぉぉぉおぉぉぉおぉおぉっ!』
俺の言葉が終わると同時に、今まで黙っていた反動だとでもいうように各国の代表が叫び声を上げる。
余程に俺の言葉が衝撃的だったのだろう。
……まぁ、この世界の状況を考えれば無理もない。
絶望の淵にある人類が、一気に逆転する為の細い……だが確実に繋がっている蜘蛛の糸を掴んだのだから。
その場にいる人々の殆どが歓喜の声を上げ、目を明るく輝かせる。
その中でも数名程が忌々しげな表情をしていたりするが、それについては考えるまでもないだろう。BETAとの戦いで色々と予定があったのを俺が崩した結果になったのだろう。
「さて、これらの件に関しては、当然色々と希望する国も多いだろう。俺達との交流を持ちたい国は、オーストラリア政府を通して打診して欲しい。こう言っては何だが、窓口を1つに絞らないとこっちが身動き出来なくなりそうだからな。その辺は俺がこの世界に転移してきて最初に接触したオーストラリア政府に任せる事と……」
先程より倍する者達が忌々しげな表情を浮かべているのをみながら言葉を締め括ろうとした、その時。
『アラビア半島に5個軍団規模のBETAの侵攻を確認しました! 現地からは応援を求めています!』
悲鳴のような通信が、国連総会の会議場へと響き渡った。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:25
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1114
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