ひねくれヒーロー
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笛吹水仙を飾れ
笛吹水仙
花言葉—追憶—
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笛吹水仙を飾れ
◆◇◆シュロ◆◇◆
木の葉崩しが終わり、原作と違い、三代目が生存しているというのは木の葉にとって喜ばしいことだ
原作介入したいなどと言っていたオレでは何も出来なかった
一楽でラーメンを啜りながら悩みこむ
思い出すのはイカリの言葉
—強く成らなきゃ
悪夢なんか吹き飛ばせるぐらい
それで今にも死んじゃいそうなコンを支えるの
守るんじゃない、一緒に支え合うんだ—
どうして
死にそうなコンを戦わせるんだ
今にも死んでしまいそうだから、だから俺たちは守ろうとしたんじゃなかったのか
—このままずっと、勝敗のない勝負に負け続けるの?—
負けたくない、もう二度と、負けたくないんだ
食べ終わったラーメンの器をおっちゃんに返す
勘定をおいて店を出ようとした時、サスケが飛び込んできた
「・・・シュロ!おっさん!
昼にナルトが来たはずだ!それから何処に行ったかわかるか!?」
この場面・・・!
ナルトと暁の接触する話か
なら、そこに鬼鮫がいる・・・!
「サスケ、落ち着け
知ってるぜ、歓楽街のある宿場町だ」
「たしか、自来也さんと一緒に連れ立って出たよ」
おっちゃんと2人して畳みかける
自来也の名に反応したが、思い出せないようで顔を顰めている
「自来也・・・?」
「おいおい、学年トップ、歴史の授業ぐらい覚えておきな
木の葉が誇る伝説の三忍だ・・・行くぜ」
サスケの背中を押して先導する
「・・・どういう風の吹きまわしだ・・・」
「お前自来也の顔知らねえだろ?」
「・・・すまん」
宿場町はそう遠くない、そう言って走り出す
しかし、感謝できるようになるとは・・・ちょっとは成長したってことか?
オレも成長しなきゃならんってことかな
「オレさ、割とお前のこと好きなんだぜ?イカリが絡まない限りな」
「はあ?」
スゲー間抜け面、携帯で写メりてぇ
くそ、カメラ、誰かカメラをくれ
「ま、お前はオレのことが嫌いらしいけどな・・入学直後からそう聞いてるぜ」
何もした覚えはないんだけどな
入学式では何の問題も起こさなかったし・・・そういや、式の時から睨まれてたな
入学前に何か接触があった・・・そんな覚えはないな
「それは・・・お前が・・・」
ぼそっとサスケが呟く
「あ?オレ何かしたか?」
「違う!
・・・ただ・・・やつあたりだったんだ・・・兄と仲の良いお前への・・・」
・・・
入学前後で一族滅亡は、してなかったけど・・・
兄ってイタチじゃなくて、オレの兄貴の方だよな?
「昔、兄と一緒に縁日行ったことあるだろ?」
縁日・・・あー・・・入学前に一回行ったきりだな・・・
確か珍しい虫を売る屋台が来るという噂を聞いたんだっけ
油女一族総動員して縁日行ったな、結局ガセだったけど
「あの時、オレの兄は、任務が出来て行けなくなった
・・・前から約束していたのに・・・」
・・・そりゃ、忍だから任務を優先するだろうよ・・・
「母さんが不貞腐れるオレを連れて縁日に行った
・・・そこでお前たち兄弟を見た
遊び疲れたんだろうお前を背負う、兄の姿を見た」
・・・すまん、その日の夕飯が薬草カレーだと知らされて不貞寝してたんだ・・・
なんとしてでも屋台の飯で腹を膨らませようとするオレを捕獲してただけなんだよ・・・
「正直、羨ましかった」
握りしめられた拳
うちは一族最後の生き残りの、忘れられない思い出
純粋に慕っていた兄への追憶
そんなに家族が忘れられないなら——
「・・・なら、お前、うちの子になるか?」
「は?」
「オレが父でイカリが母、ナルトとコンにサスケで兄弟・・・どうだ?
コンは約束したことはどんな無理したって・・・守りきる兄だ
ナルトもな」
「ナルト・・・コン・・・が兄弟
・・・ッ
何が兄だ、あいつら弟だろ絶対!」
コンと同じような事言ってやがる
まぁ、息子と母親を奪い合う父っていうのも、楽しそうだな
「考えておけよ、いつでも待ってるぜ
・・・さぁ着いた、ここの宿から捜すぜ」
蜂を飛ばす
しばらく待つと一匹報告にやってきた
意外と近い宿に泊まってたな
「行くぜ」
「・・・あぁ」
勝っても負けても、オレが出来ることをしよう
オレだって、このまま成長しないわけじゃない
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