大陸の妖精
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妖精の尻尾vs幽鬼の支配者
幽鬼の支配者
前書き
新章突入!
楽しみにしてたので更新速度上がるかもしれないです!
ナツ「オレたちのギルドを・・・」
アルト「誰がやったか知らねえが許せねェ!!」
ミラ「ファントム」
半壊したギルドを見て動揺しているアルトたちの後ろから声がかかる
ミラ「悔しいけど・・・やられちゃったの・・・」
振り返るとそこには、暗く沈んだ表情のミラが立っていた
フェアリーテイル 地下一階
上が半壊しているため、ギルドの皆は地下で活動していた
見たところ負傷者はいないようだった
「お!エルザが帰って来たぞ!!」
「アルトやナツたちも一緒だ!」
マカロフ「よっ、おかえり」
酒樽の上に座って酒を飲み、いつも通りの表情を見せる
ナツ「じっちゃん!!酒なんか呑んでる場合じゃねえだろ!!」
マカロフ「おー、そうじゃった」
づかづかとマカロフに近づくナツ
マカロフ「お前たち!!勝手にS級クエストなんかに行きおってからにー!!」
アルト「えっ!?」
グレイ「はァ!?」
マカロフの見当違いの一言に全員愕然とする
マカロフ「罰じゃ!!今から罰を与える!!覚悟せい!!!」
アルト「なぁ、マスター!そんな事より――」
マカロフ「めっ!」
アルト「う゛っ!」
罰と称して、アルトたちの頭に一回ずつチョップをかましていくマカロフ
マカロフ「めっ」
ルーシィ「きゃっ」
ミラ「マスター!!ダメでしょ」
ルーシィだけは何故かお尻を叩かれた
エルザ「マスター!!!今がどんな状況か分かっているんですか!!!」
ナツ「ギルドが壊されてんだぞ!!!」
マカロフ「まあまあ、落ち着きなさいよ・・・騒ぐことでもなかろうに」
ルーシィ「!!」
グレイ「何!!?」
マカロフの一言にまたもや全員が驚愕する
マカロフ「ファントムだぁ?あんなバカタレ共にはこれが限界じゃ、誰もいねえギルド狙って何が嬉しいのやら」
そう言って酒を飲み続けるマカロフ
エルザ「誰もいないギルド?」
ミラ「襲われたのは夜中らしいの」
アルト「そっか、じゃあケガ人はいないのか・・・よかった」
ケガ人0と聞き、安堵するアルト
マカロフ「不意打ちしかできん奴等にめくじら立てる事はねえ、放っておけ」
ナツ「納得いかねえよ!!!オレはあいつら潰さなきゃ気が済まねえ!!!」
マカロフ「ナツぅ!!!いい加減にせんかぁ!!!」
またしてもルーシィのお尻を叩くマカロフ
マカロフ「この話は終わりじゃ、上が直るまで仕事の受注はここでやるぞい・・・つーか、ちょっと待て・・・漏れそうじゃ」
そう言ったマカロフは小走りで去っていった
アルト「なんであんな余裕なんだよ・・・マスターは悔しくないのかなぁ・・・」
ミラ「アルト・・・悔しいのはマスターも一緒なのよ、だけどギルド間の武力抗争は評議会で禁止されてるの」
ナツ「先に手を出したのは、あっちじゃねーか!!!」
ミラ「そういう問題じゃないのよ」
アルト「でもまぁ・・・ケガ人がいないなら・・・」
エルザ「あぁ、それに・・・これはマスターのお考えだ・・・仕方ないな」
エルザの一言が決め手となり、この場は鎮まる一同
しかし全員まだ納得してないようだった
ルーシィの家への帰り道、ルーシィとアルトが並んで歩いていた
ルーシィ「なーんか、大変な事になっちゃったなぁ・・・」
アルト「まぁ、ファントムとは昔っから仲悪かったからな」
ルーシィ「でもあたし本当はどっち入ろうか迷ってたんだー、だって こっちと同じくらいぶっとんでるらしいし」
アルト「それならフェアリーテイル入って正解だな」
ルーシィ「うん、あたしもそう思う!だってフェアリーテイルは―――」
ルーシィが自分の家のドアを開ける
グレイ「おかえり、二人とも」
ハッピー「おかー」
エルザ「いい部屋だな」
ナツ「よォ」
ルーシィ「サイコーーーー!!!!?」
ナツたちが既に家にいる事に驚くルーシィ
アルト「やっぱ皆も来てたんだ!いらっしゃーい!!」
ルーシィ「ここあたしの家ー!!」
エルザ「ファントムの件だが、奴等がこの街まで来たという事は、我々の住所も調べられてるかもしれないんだ」
ルーシィ「え?」ゾゾッ
グレイ「まさかとは思うが一人の時を狙ってくるかもしれねぇだろ?」
ハッピー「だからしばらくは皆でいた方が安全だ・・・ってミラが」
ルーシィ「そ・・・そうなの!?」
エルザ「お前も年頃の娘だしな・・・アルト、ナツ、グレイの三人だけが泊まるのは私としても気がひける、だから私も同席する事にしたという訳だ」
ルーシィ「アルトたちが泊まるのは確定なんだ(汗)」
話によると、他のギルドメンバー全員が各自、ファントム対策にお泊まり会を開いているらしい
アルトたちはというとルーシィの部屋を物色している
ナツ「おお!!プルー!!何だその食モン!?俺にもくれ」
アルト「見ろよグレイ、これルーシィの書いた小説だぜ」
グレイ「へー、どれどれ・・・」
ハッピー「エルザ見てー、エロい下着見つけた」
エルザ「す・・・すごいな・・・こんなのをつけているのか」
ルーシィ「清々しいほど人ん家エンジョイしてるわね」
エルザ「それにしてもお前たち・・・汗くさいな、同じ部屋に寝るんだから風呂くらい入れ」
アルト「えー、もう今日は疲れて入る気しないよ」
ナツ「やだよ、めんどくせぇ」
グレイ「オレは眠ーんだよ」
エルザ「仕方ないな・・・昔みたいに一緒に入ってやってもいいが・・・」
エルザがナツとアルトを引き寄せてそう言った
ルーシィ「アンタらどんな関係よ!!!!」
エルザ「もちろん、アルトもいいぞ」
そう言ってアルトの方を向くエルザ
アルト「エルザと入るの疲れるからやだよ」
アルト何気ない顔で答えた
ルーシィ「アンタも一緒に入ったことあるのー!!?」
エルザ「あぁ、アルトはミラともよく入っていたな」
ルーシィ「えぇぇ!?あのミラさんとっ!!?」
アルト「遥か昔の話だけどね・・・ていうか、一緒に入ったってより・・・引きずり込まれたっていうか・・・」
そう言ったアルトは昔、好戦的だったミラと一緒に風呂に入り色々されたのを思い出しながらシャワーを浴びたとさ
そして、少し時が経ち
ルーシィ「ねぇ・・・例のファントムって何で急に襲って来たのかなぁ?」
エルザ「さぁな・・・今まで小競り合いはよくあったが、こんな直接的な攻撃は初めての事だ」
ナツ「じっちゃんもビビってねえでガツンとやっちまえばいいんだ」
イラついてるナツが呟く
グレイ「じーさんはビビってる訳じゃねえだろ、あれでも一応『聖十大魔道』の一人だぞ」
ルーシィ「聖十大魔道?」
エルザ「魔法評議会議長が定めた大陸で最も優れてた魔導士10人につけられた称号だ」
アルト「そういえば、ファントムのマスターも聖十大魔道じゃなかったか?」
ハッピー「マスター・ジョゼだよ」
ナツ「ビビってんだよ!ファントムって数多いしさ!!」
机を叩いて立ち上がるナツ
グレイ「だから違ぇーだろ、マスターは二つのギルドが争えばどうなるかわかってるから戦いを避けてんだ・・・魔法界全体の秩序のためにな」
グレイの一言に生唾を飲み込むルーシィ
ルーシィ「そんなにすごいの?ファントムって」
ナツ「大したことねーよ、あんな奴ら」
エルザ「いや・・・実際に争えば潰し合いは必至・・・戦力は均衡している」
「マスター・マカロフと互角の魔力をもつと言われている聖十大魔道のマスター・ジョゼ」
「そして向こうでのS級魔導士にあたるエレメント4」
「一番やっかいだとされるのが『黒鉄のガジル』、今回のギルド強襲の犯人と思われる男・・・『鉄の滅竜魔導士』だ」
ルーシィ「滅竜魔導士!!!?ナ・・・ナツ以外にもいたんだ・・・」
アルト「炎の滅竜魔導士は炎を食べるって事は・・・ガジルって奴は鉄を食べるって事になるんだよな・・・」
ルーシィ「う・・・うそぉ・・・」
鉄を食べると聞いて顔を青くするルーシィ
エルザ「まぁ、ともかく考えても仕方ない・・・今回は仲間全員が無事だっただけ良しとしよう」
ナツ「納得いかねえ・・・」
ナツは相変わらず不貞腐れていた
アルト「じゃあ、今日は全員同じ部屋で寝るって事で・・・おやすみ」
エルザ「そうだな、おやすみ」
こうして、アルトたちは全員床に就いたのであった
翌日
マグノリアの街、南口公園
いつもは人気のない公園だが、今日に限って何故か大きなひとだかりが出来ている
エルザ「すまん通してくれ、ギルドの者だ」
グレイ「!!!」
ルーシィ「う・・・」
ナツ「ぐっ・・・!!!」
アルト「・・・・・」
公園にかけつけたアルトたちが怒りに身を震わせる
そこで目にしたものとは、公園の巨木に鉄で縛られ磔にされたレビィたちの姿だった
ルーシィ「レビィちゃん・・・」
グレイ「ジェット!!ドロイ!!」
ボロボロのレビィたちの姿を見たルーシィが目に涙を浮かべている
ナツとエルザは言葉にならないほど怒り、その場に固まっている
その時、巨木に縛り付けられていたレビィの身体が地面に落ちる
グレイ「やべぇ!落ちるぞ!!」
ルーシィ「レビィちゃん!!」
しかしアルトが落ちてきたレビィの身体を抱きとめ、地面への激突を避けた
アルト「・・・・・」
アルトが傷ついたレビィの身体をじっと見据える
アルト「すぐにマスターに連絡をとれ・・・建物ならまだしも、仲間がこんな目に会ったっていうのに黙ってられねェ・・・」
そう言ったアルトは魔力を一気に放出する
するとアルトの立っていた地面が割れ、顔には青筋がくっきりと浮かんでいた
アルト「戦争だ」ゴオオオッ
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