『雨詩』
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『浜』
台風で学校は無く
姉と一緒に傘を持ち
浜の公園へ出向く
今迄経験したこと無い
強い風と雨が
笑えるほど楽しかった
傘の向きを
風向きに合わせ
『飛べるかな?』
なんて馬鹿な事をした
飛んで行きたかった
今を逃すと無理だと
本気で思ってた
さすが台風
軽い体は簡単に
見事に飛ばされた
けれど操縦不可能
このままだとぶつかる
もっと高く高く
空に舞い上がりたい
姉が下から何か言ってる
僕は知らないフリをした
ふわふわビュンビュン
風に振り回されて
海に落とされた
傘を捨て砂浜迄
泳いで帰った
台風であろうと
飛んでいなくなるのは
不可能だと悟った
8歳の夏
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