殺人人形の背負う過去
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プロローグ
ここは暗い地下室
ジャラリジャラリと鎖を引きずり、少しだけ移動する音が虚しく響く
「痛い…、外して……いあ''ぁっ!?」
とたんに鞭の打ち付けられる音がした瞬間、崩れ落ちる人影
パッと見13歳くらいの少年だ
「痛い…?それ以上の痛みを人々に与えてるお前が言うのか?」
「だ、って…いた、い…」
少しずつ涙を流し出した少年を見下し、笑みを浮かべる青年
「イイ顔だ…壊したくなるぜ」
「や、やだ…帰りたい…ぼ、僕の主は、今のあなた様じゃ、ないっ…」
嫌々と顔を振る少年の前に膝をついて目線を合わせた青年は
「お前の'ご主人様'は俺、だろ?ご主人様の言うことは聞かなきゃなぁ?」
少年の頬を己の手で愛しいものを扱うように触り、
「お前は…逃げられない」
ニィっと口角をあげ、青年は少年に顔を近づける
少年の抵抗は無意味で、2人の距離は0になる
これらは、造られた少年とその'飼い主'の物語でもあり
少年の過去の物語でもある
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