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第四章
蜜は後は酔っているふりをしたままだ、有一を。
自分から上になって何度も楽しんだ、その後で。
ベッドで横になって休んでいる彼のその横からだ、耳元で囁いたのだった。
「今日はどうするの?」
「寮に」
「何時帰ってもいいのよね」
「はい、門限とかなくて」
「それじゃあね」
そのまま囁くのだった。
「今夜は泊まっていってくれるかしら」
「眞鍋さんのお家に」
「蜜って呼んで」
名前で呼ぶ様に言うのだった。
「そう呼んで」
「そうお呼びしていいんですね」
「ええ、いいわ」
それを許したのだった。
「それじゃあね」
「今夜はですね」
「このままね」
まさにだ、今夜はというのだ。
「御飯も食べていって」
「御飯ですか」
「朝御飯もね、だから今は」
「今は」
「また、ね」
彼の頭を抱き寄せてだ、目を閉じて。
唇と唇を重ね合わせた、そしてまた言ったのである。
「いいわよね」
「じゃあ」
有一はその若々しいものをだ、まただった。
蜜に向けた。そうしてその夜は二人きりでいて。
朝だ、蜜と一緒に同じテーブルに座って黒の下着の上に白のブラウスを着ただけの彼女から手作りの朝食をご馳走になってだ、こう言った。
「美味しいですね」
「気に入ってくれた?私のお料理」
「はい、物凄く美味しいです」
白い御飯とだ、茸の味噌汁と卵焼きを食べての言葉だ。
「蜜さんいつもですか」
「ええ、御飯はね」
朝も晩もというのだ。
「自分で作ってね」
「食べてるんですね」
「そうよ」
「こんな美味しいものをですか」
「ええ、食べてるのよ」
このことも本当のことでだ、優一にその事実を話すのだった。
「毎日ね」
「そうなんですね」
「そうよ、どんどん食べていいから」
「おかわりしていいんですか」
「遠慮しなくていいから」
こうも言うのだった、有一の向かい側の席に座りながら。
そうしてだ、彼にこんなことも言った。
「それでね」
「それで?」
「これから学校よね」
「はい、今日も講義あります」
「大学の後はどうしてるのかしら」
「アルバイトしてます、コンビニで」
有一は食べながら答えた。
「そうしてます」
「そう、アルバイトしてるのね」
「昨日はその帰りで。バイト料入ったばかりで」
「お金があってなのね」
「それで飲んでました」
そうして蜜と合ったというのだ。
「そうだったのよ」
「そうですか、それで会ったんですね」
「偶然よね」
「そうですよね」
「けれど、折角こうして会ってだから」
一夜を共にして一緒に朝食も食べているからというのだ。
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