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大陸の妖精

作者:sinの妖精
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絶対氷結

 
前書き
いつもより文少なめです 

 


リオン「その構え・・・絶対氷結(アイスドシェル)!!!?」


アルト「アイスドシェル・・・って、まさか・・・」


「絶対氷結」という言葉を聞いた瞬間、アルトは今までの言葉を思い出した




「ウルはこの悪魔にアイスドシェルっつー魔法をかけた」


「ウルが命をかけて封じてくれた悪魔だ・・・」


「お前がデリオラなんかに挑んだからウルは死んだんだぞ!!」



今までの言葉から察するに、絶対氷結(アイスドシェル)は命を失う魔法だということが分かっていた



アルト「グレイ・・・まさかお前・・・」


グレイ「止めんなよ、アルト・・・」


アルト「っ・・・!!」


リオン「き・・・貴様・・・血迷ったか!!?」


グレイ「今すぐ島の人の姿を元に戻せ、そして仲間をつれて出ていけ・・・これはお前に与える最後のチャンスだ」


グレイの言葉を聞いたリオンが微かに笑った



リオン「なるほど、その魔法は脅しか・・・くだらん」


笑みを浮かべるリオンの一言を聞いた瞬間、グレイは魔力を一気に放出する



リオン「ぐっ・・・!!」


アルト「!!」


ナツ「ぬおおっ!!」



グレイ「本気だ」


あまりの魔力にグレイの周りにいる全ての人間が吹き飛ばされた



グレイ「この先何年経とうが・・・オレのせいでウルが死んだという事実は変わらねえ、どこかで責任をとらなきゃいけなかったんだ」


アルト「責任・・・だと・・・!?」ギリッ


グレイ「それをここにした、死ぬ覚悟は出来ている」


リオン「本気・・・なのか・・・!!?」


魔力を放出するグレイの体が白く染まり始めた



グレイ「答えろリオン!!!共に死ぬか、生きるかだ!!!」


グレイがリオンに向かって叫ぶ


リオン「・・・」ニヤッ


しかしリオンは笑いながら言った



リオン「やれよ、お前に死ぬ勇気はない」


グレイ「・・・残念だ」


アルト「・・・・・」


グレイ「これで全て終わりだ!!!アイスド・・―――」


覚悟を決めたグレイがリオンに向かって魔法放とうとした時



アルト「バカヤロォ!!!」ゴンッ


グレイ「!!!」


アルトがグレイを思い切り殴る



グレイ「アルト・・・」


アルト「やっぱコイツ俺が倒すわ」


グレイ「なっ・・・ふざけんな!!」


立ちあがったグレイはアルトの胸倉を掴んだ



グレイ「あいつとの決着はオレがつけなきゃならねえんだよ!!死ぬ覚悟だってできてんだ!!!」


その一言を聞いたアルトは胸倉を掴むグレイの腕を掴み、睨みつけた



アルト「死ぬことが決着だってのか あ? 逃げんのもいい加減にしろよテメェ」


グレイ「・・・!!」


アルトの一言に絶句するグレイ



すると突然、遺跡全体が再び大きく揺れ始めた



アルト「!!」


リオン「な・・・何だ!?」


揺れは次第に治まり、傾いていた遺跡が元に戻ってしまっていた



アルト「嘘だろ・・・傾いてた遺跡が・・・元に戻っちまった・・・!?」


ナツ「くそっ!どーなってんだ!!?」


グレイ「こ・・・これじゃ月の光がまたデリオラに・・・」


ザルティ「お取り込み中失礼」


遺跡に開いた穴から先程の仮面の男が出てきた



ザルティ「ほっほっほ、そろそろ夕日が出ますので・・・元に戻させてもらいましたぞ」


リオン「ザルティ、お前だったのか」


グレイ「な、何者だコイツ」


ナツ「女の香水のニオイがするぞ!」



アルト「そんな事よりお前・・・どうやって遺跡を元に戻した!!?」


ザルティ「ほっほっほ」


アルトの問いを無視し、ひたすら笑っているザルティ



アルト「どうやって戻したーっっ!!!!」クワッ


ザルティ「さて・・・月の雫の儀式を始めに行きますかな」


アルト「・・・シカト」カチーン


アルトが怒りに身体を震わせる



アルト「上等じゃねーかあのクソ仮面野郎ッ!!待てコラァー!!!」


ザルティ「ほっほっほ」


怒るアルトがザルティを追いかける



ナツ「アルト!!」


アルト「俺はあの仮面野郎をぶっ飛ばす!!お前は遺跡の頂上に先回りしてろ!!」


ナツ「おっしゃー!燃えてきたぁー!!」



アルト「グレイ、こっちはお前に任せる!!絶対に死ぬんじゃねえぞ!!!」


グレイ「」コクン


アルトの言葉にグレイは静かにうなずく



アルト「それに、負けたままじゃ名折れだろ?」


ナツ「・・・言っとくけどオメーのじゃねえぞ、グレイ」


グレイ「わかってる」




「「「フェアリーテイルのだ!!!!」」」




三人同時に台詞を言い終えるとアルトはザルティを追いかけ、ナツは遺跡の頂上に向かって走って行った





リオン「やれやれ・・・騒がしい奴等だ」


自分の血を拭いながらリオンは言う



グレイ「おまえ・・・さっきオレが絶対氷結(アイスドシェル)を使おうとした時、アルトが止めるのを計算にいれてやがったのか」


リオン「いや・・・まさか奴があの魔力に近づけるとは・・・正直俺自身も驚いている」


グレイ「じゃあ本気でくらう気だったのか」


リオン「そうだ、たとえオレが氷に閉じ込められようとオレには仲間がいる・・・そしてここは月の雫で絶対氷結を溶かせる島だ」


グレイ「やはり、気づいていたのか・・・うかつだった・・・これで絶対氷結は無力だな」


リオン「それでもオレとの決着を望むと?お前はオレには勝てな――」



グレイ「もうやめよう」


喋るリオンの言葉を遮り、グレイは言う



リオン「何!?」


グレイ「デリオラの復活は諦めるんだ」


リオン「何をバカな事を・・・脅しの次は説得だと?」


グレイ「リオン・・・よく聞いてくれ」


するとグレイはリオンの顔を見据える



グレイ「ウルは生きてるんだ」


グレイの一言を聞いたリオンは言葉を失う



グレイ「絶対氷結は自らの体を氷に変える魔法だったんだ、あの時デリオラを封じた氷・・・つまり、今お前が溶かそうとしている氷はウルなんだ」


リオン「・・・・・」


グレイ「ウルは・・・氷となって・・・今も生きている・・・」


リオン「・・・・・」


グレイ「今まで黙っていたのは・・・悪かった・・・ウルとの約束だったんだ」


リオン「・・・・・グレイ」


黙っていたリオンはゆっくりとグレイに近づく



グレイ「リオン・・・だからもうこんな事は・・・やっ――」


グレイが話している途中、リオンの作りだした氷の刃がグレイの腹を貫いた



リオン「知ってるさ、そんなくだらん事・・・」


グレイ「がっ・・・!!?」


リオン「あれはもはやウルではない・・・ただの氷クズだ」

 
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