旧エクリプス(銀河英雄伝説編)
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第09話 ルビンスキー
■帝国暦481年 4月 1日
帝国宰相の皇太子ルードヴィヒにより、憲法が制定される。
銀河帝国が立憲君主制となる。
■帝国暦481年 6月 1日
ラインハルトの父親であるセバスティアン・フォン・ミューゼルが帝国改革の功績を認められ、男爵に陞爵された。
司法省の下級官吏であったキルヒアイスの父親も帝国騎士に叙爵された。
また、憲法制定に貢献したバイオロイド達も叙爵されている。
■帝国暦482年 1月12日
帝国軍前線基地βⅢ(ベー・ドライ)建設される。
■帝国暦482年 3月18日
フェザーンの第4代自治領主のワレンコフが地球教のコントロールを嫌い、暗殺される。
■帝国暦482年 4月 1日
アドリアン・ルビンスキーがフェザーンの第5代自治領主に就任する。
■帝国暦482年 7月 1日
ラインハルトがグリンメルスハウゼン艦隊所属の陸戦隊に配属される。
■帝国暦482年 7月24日
惑星カプチェランカの戦闘で、同盟軍の装甲車に偽のデータを送り込み、装甲車を停止させて同盟軍基地を攻略した。同盟軍の兵士は全員が捕虜となった。これに参加したのはバイオロイド達で、各員階級が上がる。
帝国暦482年 8月10日 地球 地球教本部 総大主教の部屋
フェザーンにて暗殺されたと思われていた。自治領主のワレンコフは光輝の手の者に助け出されていた。また、ルビンスキーの関与も明らかになり、グリンメルスハウゼン艦隊は地球教の本部攻略に向う。
地球教の本部では光輝の手の者を内通者にして、ラインハルトを総大主教の部屋に誘導する。
Side ラインハルト・フォン・ミューゼル
「ミューゼル殿、総大主教の部屋はそこです。」
「聞いたかキルヒアイス、上からの命令は捕縛だ。決して殺すなよ。」
「はい、ラインハルト様。」
二人は総大主教の部屋に突入した。
「動くな。貴様が総大主教だな。」
「うっ・・・。」
「この男で間違いないか?」
ラインハルトは内通者に確認する。
「はい、間違いありません。」
「おのれ、裏切り者め!」
「よし、連れて行け。」
ラインハルトは兵士に指示を出した。
Sideout
帝国暦482年 8月11日 地球 グリンメルスハウゼン艦隊 旗艦オストファーレン
Side グリンメルスハウゼン中将
「良くやった。その方ら、名をなんと申す。」
「はっ、ラインハルト・フォン・ミューゼル准尉です。」
「ジークフリード・フォン・キルヒアイス准尉です。」
「陛下には卿らの働き進言いたそう。」
「はっ、ありがとうございます。」
ラインハルトが代表して礼を言う。
「下がって良いぞ。」
「「はっ、失礼します。」」
ラインハルトとキルヒアイスは敬礼し、艦橋を後にする。
ラインハルトが艦橋から消えると、一人の男がグリンメルスハウゼンに近づいて来た。
「閣下、上手くいきましたね。」
クリストフ・フォン・ケーフェンヒラー准将(元エコニアの捕虜収容所にいたが、捕虜交換で帝国に戻って来ていた。今は闇の左手の参謀をしている)がグリンメルスハウゼン中将に声を掛ける。
「全ては光輝の筋書き通りよ。今回の作戦も茶番だ。光輝の手の者や有能な士官達をこの艦隊に集めて、まとめて昇進させるつもりだ。」
「はっははは。面白い時代が来ました。この老骨、陛下の為に身を捧げましょう。」
「期待しておるぞ。」
Sideout
帝国暦482年 8月14日 フェザーン 自治領主府 自治領主の執務室
Side アドリアン・ルビンスキー
執務室の扉を蹴破り、帝国の兵士が突入して来た。
「失礼しますぞ、自治領主閣下。」
兵士達の後ろから、帝国高等弁務官のヨッフェン・フォン・レムシャイド伯が入って来た。
「何事です。レムシャイド伯。」
「四日前、地球教の総大主教が逮捕されたのはご存知ですかな?」
「何の事でしょう。」
「知らばっくれても無駄だ。」
レムシャイド伯の後ろからもう一人男が現れた。
「ワレンコフ、貴様生きていたのか?」
「帝国は全部把握している。フェザーンの自治領主が地球教の操り人形である事もな。貴様が俺の暗殺を企てた事も証拠が揃っている。」
「・・・。」
「諦めるんだな。今頃、長老会議の議員も帝国の兵士が拘束に向かっている。」
言葉の出ないルビンスキーに対して、レムシャイド伯が駄目押しをした。
「ルビンスキーの自宅で、通信室を発見しました。」
一人の兵士がレムシャイド伯に報告する。
「これで全ての証拠が揃ったな。」
「・・・。」
「ルビンスキーを拘束しろ。」
「はっ。」
レムシャイドの命令で、ルビンスキーは逮捕された。ルビンスキーは肩を落とし、俯いている。
Sideout
その後、レムシャイド伯が正式な会見をして、地球教とフェザーンの関係を明らかにする。
帝国暦482年 8月14日 オーディン 新無憂宮 特別室
Side フリードリヒ四世
ここにはルビンスキーの逮捕の瞬間を中継映像で観ている。フリードリヒ四世と光輝の姿があった。
「うっほほほ。これで地球教もフェザーンも片付いたな。」
「はい。地球は直轄領とし、フェザーンは自治権を認める代わりに、帝国の国債を棒引きにさせましょう。」
「あっははは!これを見越してここ数年、フェザーンに国債を買わせておったな。こいつめ。」
「国土開発の為と言って、フェザーンには国債を随分買って貰いました。また、政府のダミー会社の持つ資金と株や債券は全て摂取済みで、エクリプス社のダミー会社に移してあります。
その事がフェザーンに漏れないように関係者も拘束済みです。」
「あっははは、愉快、愉快。」
Sideout
■帝国暦482年 8月20日
レムシャイド伯はフェザーンの総統府の総統代理に就任した。
フェザーンはルビンスキーの補佐官のニコラス・ボルテックを暫定自治領主とした。フェザーンは帝国の総統府の下で自治権を認められる。
■帝国暦482年 、宇宙暦791年 8月21日
自由惑星同盟に衝撃となって、報道される。
その後、エクリプス社の系列の報道機関から詳細が流れる。
■帝国暦482年 、宇宙暦791年 8月28日
エクリプス社の系列の報道機関が、フェザーンから献金や賄賂を貰っていた政治家をスクープする。
また、地球教に関連していた政治家と憂国騎士団を断罪した。
自由惑星同盟の政府は大混乱した。
■帝国暦482年 、宇宙暦791年 9月10日
エクリプス社の系列の報道機関が、軍需産業やその他企業から献金や賄賂貰っていた政治家をスクープする。
■帝国暦482年 、宇宙暦791年 9月22日
エクリプス社が地球教の関係者と憂国騎士団の名簿を公開した。
政府は混乱しながらも、関係者を逮捕していった。
■帝国暦482年10月20日
地球教とフェザーンの摘発に貢献した関係者の陞爵や叙爵、叙勲がなされた。
ラインハルトとキルヒアイスは、総大主教の逮捕によって二階級特進と勲章が授与された。二人は中尉となった。
後書き
原作まで、後5年です。
あっけなくルビンスキーの出番は終わりました。
総大主教などは護送途中に本物とすり替えてあります。
ラインハルトは普通に准尉からスタートしています。なのでキルヒアイスと階級がまだ並んでいます。
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