逆説ロミオとジュリエット
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10部分:第十章
第十章
「だからここは」
「ここは」
「ヴェローナを出よう」
また言うロミオだった。
「今から」
「わかりました」
ジュリエットもロミオのその言葉に頷いた。
「私も。この街を出ます」
「僕と一緒にだね」
「はい、出ましょう」
ジュリエットも話す。
「そして幸福の場所に」
「二人で行こう」
「幸福ですか」
ここでだ。司教が言うのだった。
「貴方達の欲しいものはそれですか」
「そうだ、だからこそ僕達は」
「この街を出て」
「いえ、それには及びません」
司教はこう二人に話すのだった。
「この街を出られるのにはです」
「及ばないというのですか」
「それはどうしてですか?」
「何故ならです」
司教はここで懐から鈴を出した。そうしてその鈴を鳴らすとだった。
「えっ・・・・・・」
「まさか・・・・・・」
何とだ。二人のそれぞれの家の者達が教会に入って来たのだ。そうしてそのうえでだ。二人を囲んでそのうえで話をするのだった。
「結婚したか」
「よし、これでいい」
「これで全ては整った」
「整った?」
「整ったといいますと」
二人はその言葉を聞いてだ。驚きを隠せなかった。
「一体どういうことなんだ?」
「どうして貴方達がここに」
「全てはです」
驚く二人に司教が話す。
「定められていたことなのです」
「定められていたとは」
「一体何が」
「はい、今までカプレーティ家とモンテッキィ家は争ってきました」
二人が街を去ろうとした最大の原因である。それが為に二人は結ばれれず幸福から離れてしまっていたからだ。それは当然のことだった。
「ですがそれはです」
「どうなるというのですか」
「一体」
「今終わりました」
そうなったというのである。
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