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転生とらぶる

作者:青竹
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マクロスF
  0801話

 ギャラクシーネットで魔法を公開してから数日。エザリアから聞いた話によると、あの映像は相当の衝撃を持って迎えられたらしく、アイランド1を中心として作られている移住都市にはマクロス世界から続々と人が集まってきているらしい。
 何でも住民の数が増えすぎてフロンティア政府……否、ミュートス政府の方で対処しきれず、一時的に渡航制限すらされているとか。
 さすが銀河中に移住を進めているマクロス世界だけあって、基本的に皆好奇心が強いんだよな。
 そんな中で俺が何をやっているのかと言えば……

「あれ? あの子ってシャドウミラーのアクセルに似てない?」
「他人のそら似だろ? 年齢が違いすぎるし。って言うか、実はアクセルの子供だったりしてな」

 そんな声が聞こえてくる中で、俺の手を握って隣を歩いているレモンが小さく笑みを浮かべて口を開く。

「ふふっ、どうやら誤魔化せているようね」
「そりゃそうだろ。このマクロス世界の者達が知ってるアクセルはあくまでも20代の姿だ。今の俺を見てアクセルだと見抜けたら、それこそ凄いとしか言いようが無いな」
「だといいわね」

 面白そうな笑みを浮かべつつ、俺の手を握ったまま笑みを浮かべて周囲を見回す。
 ……だが、その瞬間。

「ほら、お母さんも一緒なんだからやっぱり別人よ」

 そんな声が聞こえ、レモンの動きがピタリと止まる。

「……お母さん、ですって?」

 ニコリと笑みを浮かべてはいるが、目が笑っていないままに声の聞こえてきた方へと視線を向けるレモン。
 その視線に捉えられた恋人らしい20代前半に見えるカップルは、まるでメデューサに見すえられでもしたかのように動きを止めた。
 ……って、おい。もしかしてお前本当に魔法か何かを使ってないだろうな?
 俺がいない1年半の間に、レモン達はそれこそ一端の魔法使い程度には魔法を使いこなせるようになっている。まぁ、マクロス世界では魔力の消費量が多い事を考えれば、単純にレモンの視線に射竦められたのが原因だろうが。
 やがて満足したのか、あるいは諦めたのか。小さく溜息を吐いてから俺の手を握りつつ街中を歩いて行く。
 そう、現在俺とレモンはアイランド1近くに出来上がりつつある街中を視察ついでにデートをしていた。
 色々な意味で目立ってしまった俺は、当然の事ながら元の20代の姿で出てくるわけにも行かず、かといって15歳の方でもまだアクセルだと認識されそうなので、思い切ってネギま世界でなっていた10歳の姿になった訳だが……

「全く、折角のデートなのによりにもよって親子に間違えられるなんて……」
「しょうがないだろ。色々な意味で俺の姿は目立ちすぎるんだから」
「分かってはいるんだけどね。どうせなら他の世界に行けば良かったかしら」
「ここに来たいって言ったのはレモンだろ?」

 マクロス世界の技術……と言うかYF-29の解析について一段落したので、今日はレモンとのデートの日となっていた。1年半程不在にしていたので恋人に対するサービスの日な訳だ。今日はレモンで明日以降は……
 そんな風に考えていると、頬をグニリと抓られる。

「アクセル、恋人と一緒にいるんだから他の女の事を考えるなんて野暮な真似はしないのよ」

 レモンの言葉に周囲がざわめていく。
 まぁ、無理もない。レモンはちょっとその辺では見られない程の美人だから周囲の注目を集めるのは当然だろう。先程の母親呼ばわりした奴じゃないが、そんなレモンと俺の関係が分からないと思われてもしょうがない。
 だが、俺にしろレモンにしろ、そんな周囲の様子は関係ないとばかりに2人で手を繋ぎながら周囲の様子を見ていく。

「ふふっ、今のアクセルにならああいうのも似合うんじゃ無い?」
「……さすがに半ズボンは勘弁してくれ」

 近くの店に飾られていた子供ものの服を眺めつつそう告げてくるレモン。
 確かに今の俺は10歳バージョンなんだから、半ズボンでも違和感は無いだろう。だが、意識としては別に10歳に戻っている訳じゃない。さすがにそんな状況で半ズボンというのは羞恥心的に色々と厳しい。
 話題を逸らすべく、近くの店へと視線を向けると……

「あら? アクセルはああいうのが好みなの? 派手好きなのは知ってたけど」
「あー、いや、まぁ」

 ……何故子供服の隣に下着店があるんだ? 色々と問題のある店の並びじゃないか?
 赤の下着や黒の、見るだけで色々と漲ってしまいそうな派手な下着を身につけているマネキンを眺めつつ、そんな風に考える。
 しかもそのマネキンの側に置かれている紙には、『これで貴方も異世界の魔法使いをイチコロ! 魔法使いを女の魔法でノックアウトしてデカルチャー!』とかいう風に書いてるんだが。
 いやまぁ、確かにこのミュートスの一番の特色はバジュラの惑星であったという事以上に俺達シャドウミラーとの接点であるという点が大きいだろう。村おこしならぬ惑星おこしにシャドウミラーの名前を使うのは別に悪い事じゃないし、そもそもその辺もグラス大統領から要請があったのでエザリアを通して許可を出している。
 だが、これは……

「あらあら、本当に興味がありそうね。いいわ、ここでとっておきを買って今夜はサービスしてあげる」

 マネキンの側にある紙を見ていた俺に、何を勘違いしたのかレモンは小さく笑みを浮かべて下着ショップの中へと入っていくのだった。





「ほら、アクセル。次はあそこに行ってみましょう。VFに関しての歴史書を売ってるみたいよ」
「はいはい、にしても紙の本なんてこの世界では色々と珍しいな」

 当然と言えば当然だが、現在の俺達シャドウミラーはまだミュートス政府との貿易が始まっていない。それ故にここで使える金にしても、俺がS.M.S時代に稼いだ分しか存在していない。
 いや、それでも敵の撃墜数やら大尉の給料やら、食事とかは基本的に会社で済ませていたとかでかなりの大金が貯まってるんだけどな。
 S.M.Sの宿舎から出て、シェリルと同棲を始めてからも何だかんだでS.M.Sやフロンティア政府の方から補助とかが出ていたから、それ程激しい支出にはならなかったし。
 そんな訳で、今回のデートに関しては基本的に全て俺の奢りになっている訳だ。
 まぁ、基本的にデートってのは男の方が全部奢るのが普通みたいだから、ある意味変わりは無いんだが。
 とは言っても、さすがに10歳の俺がレモンの分の料金を支払うのは色々と気まずいので、俺の給料が入っている電子マネーのカードをレモンが使って支払う形になっている。
 ともあれ、レモンに引っ張られて書店へと連れて行かれる。
 ただし、書店は書店でも雑誌や小説のような類が売っている一般的な書店では無く、専門書のみを揃えられている書店だ。店の中にはぎっしりと大量の本が収められており、その本にしても辞典並の厚さの物が多い。

「これは……よくもまぁ、やっていけるな」

 先程も考えたように、基本的にマクロス世界で売られている本の類は電子書籍が一般的だ。だが、ここにあるのは全て紙の本。……勿論ある程度の需要はあるのだろうが、とても暮らしていける程の収入は得られないと思われる。そう考えると、恐らくこの店は趣味でやっている店なんだろう。
 ちなみに、シャドウミラーに関しては電子書籍と紙の本が半々くらいの割合だ。何しろ本を仕入れるのはギアス世界、SEED世界、ネギま世界なのだから、当然そこで流通している本を仕入れる事になる以上はしょうがない。
 そこで仕入れた本は一応電子書籍化されてはいるのだが、それでもシャドウミラーのメンバーは紙の本を好む者が多い為にそのようになっている。
 まぁ、その辺に関しては完全に趣味だろうな。

「確かに坊やの言う事も分かるけど、実際こうやって紙の本に触れていれば本を読んでいるって実感があるだろう?」

 俺の言葉に返事をしてきたのは、見た目60代から70代程に見える爺さんだった。ただし良い年の取り方をしたと納得出来る程の老人で、にこやかな笑みを浮かべていた。

「表から見えたVF開発史という本は貰えるかしら?」
「ほう、あのような高価な技術書を欲しがるというのは珍しいですな。勿論構いませんとも」

 レモンの言葉に一瞬だけ驚きはしたものの、すぐにまた笑みを浮かべて言葉を返してくる。

「ええ、あの系統の本はうちではそれなりに需要があるのよ」

 本を取り出して紙に包んでいる店主の老人に向かってレモンが告げると、嬉しそうな笑みを浮かべて口を開く。

「紙の本を欲しがる人というのは珍しいですな。……どうぞ」
「ありがと。また機会があったら寄らせて貰うわ」

 カードを使って支払いを済ませ、店の外へと出る。
 辞典の如き技術書なんだから当然重く、すぐに人に見られない場所で買った本は空間倉庫へと収納される。

「さて、次はどこに行こうかしら。出来ればアクセルのお勧めの場所を教えて欲しいところなんだけど……」
「アイランド1内ならまだしも、ここは普通に現在建設ラッシュ中だしな」

 元々、都市化をしている場所の様子見という意味も込めてのデートでもあるから、俺の馴染みの店が云々といったところで当然ある訳がない。
 ……そう、思っていたのだが。

「あったよ」

 ふと漂ってきた甘い香りを辿って見つけた店に、思わず呟く。
 店とは言っても、普通の店ではない。移動販売車のような感じの店だ。
 俺とシェリルがアイランド1内でデートしたりした時に幾度となく食べたクレープ屋の屋台。

「うん? ああ、クレープね。丁度いいから食べてみる? 幸い人は殆ど並んでないみたいだし」
「……そうだな」

 幸か不幸か、今の俺の姿は10歳の容姿だ。15歳の俺しかしらない向こうでは分からない筈。
 そう考え、レモンと共にクレープ屋へと向かう。

「いらっしゃい。ん? おお、久しぶりだな。今日は何にする? にしても、今日連れている女も美人だな」

 だが、クレープ屋の店主が告げてきたそんな声に、思わず目を見開く。
 今何て言った? 久しぶり? これはつまり……

「俺が、分かるのか?」
「当然だろ。お得意さんをそうそう見間違えるわけないだろ」
「……いや、今の俺を見てそう思うのは、明らかにおかしいんだが」

 このクレープ屋を利用したのは15歳の容姿でだ。なのに、何故今の俺の判別がつく?

「だから言っただろ。お得意さんを見間違えるというのはありえないんだよ。……にしても、色々と忙しいだろうに、遊び歩いていていいのか?」

 なるほど、15歳の容姿の俺を今の俺と結びつける事が出来るのなら、当然15歳の俺をシャドウミラー代表でもあるアクセル・アルマーと結びつけるのは難しくないか。
 にしても、凄いなクレープ屋。こんな風に相手を見分ける能力とか必要なのか?

「まぁ、いいさ。そっちの美人もお前さんの知り合いだろ? 何を注文する?」
「へぇ、随分と面白い人ね。今の言葉からすると、私やアクセルの正体を知っているのに何を言うでも無く注文を聞いてくるの?」
「クレープ屋がそれ以外に何をしろと?」

 何故か呆れた目でこっちを見てくるクレープ屋に、小さく溜息を吐いてメニューへと目を通す。

「色々と新メニューが出てるな。俺はこのミュートスの息吹ってのを貰おうか」
「じゃあ、私もそれで」

 ミュートスの息吹。言うまでも無く、バジュラ本星と呼ばれていたこの惑星の新しい名前を入れた新メニューだ。
 注文を聞き、早速クレープの生地を焼き、生クリームや各種果物を入れて包み込む。
 この辺のどこがミュートスの息吹なんだか分からないが、まぁ、新メニューというのは得てしてそういうものだしな。
 ただ、使われている材料に関してはありふれてはいたが、味に関しては相変わらず絶品と言っても良かった。生クリームの濃厚な甘みと、果物の酸味と爽やかな甘さ。チョコレートソースは甘みよりも苦みを強くしており、クレープ全体が甘ったるくなるのを防いでいる。

「美味しいわね」
「ああ。相変わらずいい味だ」

 その味が気に入ったのだろう。レモンが笑みを浮かべながら短く賛辞を漏らす。
 この味なら……

「良ければホワイトスターに店を出してみないか? ホワイトスターには交流区画といって、異世界の住人が交流したり交渉したりする場所がある。そこには色々な世界の食堂や喫茶店といったものがあるんだが……」

 その言葉に、店主は即座に首を横に振る。

「悪いけど、俺の故郷はあくまでもフロンティア船団……延いてはそのフロンティア船団が移民を始めたこのミュートスなんだ。折角の話だが、俺はここでやっていくよ」
「……そうか」

 この味は十分に他の世界でも通じる味だと思ったんだがな。
 さすがに本人が嫌だと言っているのを、無理に出店させる訳にもいかないか。
 まぁ、ここに来れば食えるんだしな。
 そう判断し、クレープを食い終わった俺とレモンは再び街中の探索を続ける。
 デストロイドが土木工事をしている場所もあったが、この辺は俺達シャドウミラーと大して違わないな。
 そんな風に思いつつ店を見ながらあちこちを歩いていると、ふと街中の映像モニタに見覚えのある顔が映し出される。
 それは、フロンティア船団の救いの女神とも呼べる存在であるランカ。その後ろにはエルモの姿もあった。
 シェリルが今は歌手活動を休んでいるからな。それに、エルモは元々ランカのマネージャーだったと考えれば、この組み合わせはある意味当然だろう。
 ……そう言えば、シェリルの件もそろそろ発表する頃合いだな。
 そんな風に考えていると、不意にレモンに引っ張られて再び街の散策へと戻るのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:1405
格闘:278
射撃:298
技量:288
防御:288
回避:318
命中:338
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1114 
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