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『自分:第1章』

作者:零那
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『ノイローゼ/アンサー』

数ヶ月後。
夫婦関係は相変わらず。
育児も悩みっぱなし。

我が子への正しい愛し方を模索するうちに、愛しいと想う気持ちが本物か偽物か...解らなくなってきて怖かった。
自分自身の想いなのか、こうあるべきだと頭で感じた想いなのか、区別が付かず哀しかった。

園長からは言葉の成長が遅いと言われた。
笑顔も減ったと...
明らかに自分のせいだった。

悩んで苦しんで泣いたり叫んだり...
そんな壊れた母親が傍に居たら我が子も壊れてしまうよね。
そんな当たり前のことさえ解ってなかった。

これも因果応報なのか...。
自分自身の気持ちや努力だけでどうにかなるもんじゃ無い...

親や先祖を憎しみ恨むことも、自分を責め続けることも、汚い社会に抗うことも...
もぉ疲れた。

育児というより、生きてることそのものに本当に意味が無いと思った。
今迄の人生、どれだけ死のうとしてきたか。
それでも生かされて来た。
今なら安らかに逝ける気がした。
鋭く研いだ包丁で心臓を狙って抉るように刺せば...

無垢な心で生きる為にはこんな母親が傍に居るべきでは無い。
むしろ自分から解放してやる事が我が子の幸せに繋がると心底想う。
想うのに...
躊躇する零那は情けない!

躊躇しつつも、天使の寝顔を見ながら逝こうとした。
その瞬間に号泣されて、起きてきて...
我に返った。
どの人格が自分自身をコントロールしてるのか解らん。
たまに出てきては、やらかす奴が居る。
共存は無理なのか?
いや、普段は共存してるつもり。
理性が効く範囲では...
若い頃みたいにムチャで無鉄砲で本能のまま突き進むことは無くなったと思う。
ある事件を機に無くなった人格も在る。
それは悲しむ事じゃない。
本来自分自身は皆ヒトリな筈。
いくつもの人格が在ることが病気。
異常なんやって知ってる。


仕事も、最近は休みがち。
我が子を解ろう、立派な母親になろうと、躍起になり過ぎた。
どんなに頑張っても『普通』にはなれん。
せめて近付こうと必死過ぎた。
だから、また距離を離そう。


仕事はチャント行ってシッカリ稼ぐ。
娘はチャント園に預ける。
暫く何も考えずに接する。
ありのままの零那で。
母親らしくとか、こうあるべきとか、もぉ散々頭使った。
でも零那は育児のプロを目指してるワケじゃない。
保育士でもない。
心の中なんか解らん。
だからこそ、頭じゃなく、心で寄り添うべきだった。
かなり遠回りして、そんな当たり前な答えを見つけた気がした。

 
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