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美しき異形達

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第二十七話 光の力その二

「汚れ目立つのよ」
「何か白っていいことばかりじゃないですね」
「汚れが目立つことが」
「洗濯とか靴磨きも大変で」
「そうした手間が」
「じゃあ先輩も」
 ここまで話してだ、一年生達はあらためて鈴蘭に話した。
「お洗濯とか」
「ええ、毎日しているわ」
 実際に、というのだ。
「制服もよくクリーニングに出しているわ」
「そうそう、海上自衛隊の白の礼装はね」
 あの詰襟の軍服である、所謂白ランだ。三年の先輩が話す。
「一回来たらほぼ絶対にクリーニングに出さないと駄目なのよ」
「それってクリーニング屋さん大儲けですよね」
「一回来たらクリーニングって」
「じゃあ自衛隊と関係があればですよね」
「ちょっと経営に困ったら」
 それこそ、である。
「礼装を着てもらったら、ですよね」
「大型発注確実に来ますから」
「クリーニング屋さんウハウハじゃないですか」
「そこは大人の事情よ」
 あえてそこまで言わない三年の先輩だった。
「まあたまたまね」
「そうした着ることが起こる」
「そうしたこともあるんですね」
「自衛隊と関係があると。服関係はね」
 そうした商いをしているとだ。
「もうそれだけでね」
「一定の収入があるんですね」
「それだけで」
「そうよ、いいのよ」
 そうしたこともというのだ。
「だってね、そうした商売の人も食べないと駄目でしょ」
「はい、確かに」
「人間仕事がないと」
「それで、なんですね」
「自衛隊と関係のあるお仕事の人達もですね」
「何かとですね」
「そうしたことがあるんですね」
「クリーニングとか」
「服も色々と売るのよ」
 靴や帽子もだ、そしてその他の身だしなみを整えるものも何かと売っているのだ。
「あれが困りませんよと自衛官の人達にお話してね」
「けれどそれが実際のことで」
「何かとですね」
「困るんですね」
「それが」
「そう、実際にそうでもあるからね」
 自衛官の持ちものは実は完品だけではいざという時に足りなくなったりするのだ、それでそうした仕事の人も必要なのだ。
「自衛官の人達も買ってるのよ」
「そうしたお店で、ですか」
「服とか靴を」
「何かそうしたお店って困りそうにないですね」
「自衛隊がある限り」
「そうみたいね、まあ自衛隊もね」
 この組織についての話にもなる。
「確かに災害救助や国防に必要だけれど」
「そうした人達にとってもですね」
「必要ですね」
「着るもの、それに食べるものとかね」
 そうしたものを供給する人達にとってもだというのだ。
「必要なのよ」
「そうした人の商売の為にも」
「やっぱり必要なんですね」
「それも世の中よ、まあとにかくね」
 三年生の先輩はあらためて話した。
「白は大変だけれどね」
「そうしたことも踏まえてなんです」
 鈴蘭はその先輩に微笑んで話した。
「白が好きです、私は」
「ああ、汚れが目立つことも」
「そうなんです、清潔に出来ますから」
「成程ね、しっかりしてるわね」
「他の色ではわからないことでもわかりますから」
「清潔にするのならね」
「着るものは白が一番だと思います、ただ」
 しかしだとだ、ここで鈴蘭は苦笑いになってこうしたことを言った。 
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