東方喪戦苦【狂】
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二十一話 亜空間の闇
前書き
更新が遅れてすいませんでした。
なんかスマブラやってました。
wiiuの奴。
「…ボス!」
「あの方の命令であいつを殺す。新月狂夜を。」
(…マズイ…近距離の私じゃボスの亜空間には勝てない…)
ボスはゆっくりと白夜に近づいた。
(…ボスの反応スピードは、常人と同じの筈…)
白夜は構えた。
しかしボスはゆっくりと近づいた。
そしてその距離が近づいてきた。
白夜がこの疲労の中で出せる常人には、反応出来ない速さで動ける距離が。
白夜は、地面にクレーターをあけるほど強く大地を踏みしめて、ボスの懐に入った。
(…勝った。)
白夜の拳が腹に入った。
ボスは吹き飛び倒れた。
そして、白夜の後ろにボスが立っていた。
「!?」
ボスのパンチをしゃがんで避けた。
「間一髪だな。」
ボスは、すぐさま蹴りを繰り出した。
「…っ」
白夜は後ろに転がって回避した。
そして廻りの空間が硝子のように崩壊した。
真っ暗な世界が広がっている。
「…既に亜空間に…」
「今日の俺はフルパワーだ。」
ボスの後ろに巨大な柱が覗いている。
よく見てみると一本の巨大な柱なのでは無く。
色々な大きさの柱が並んでいた。
「行け」
ボスの命令で柱は、物凄い速さで飛んで行く。
白夜は、神経を研ぎ澄まし深く呼吸をした。
「ふぅぅ…」
廻りの全ての角度から来る柱を避ける。
ボスは柱を操って白夜の逃げ道を塞ごうとするが、
白夜は空を走り、退路を通る。
「ロキの靴か…」
ロキの靴とは、簡単に言うと『どこでも行ける万能靴』
悪神ロキが履いていたとされる靴。
空でも海でも走れる能力を持つ。
そのロキの靴をボスが現れた時に既に作っていた。
「抜け目無い奴だな。」
白夜は柱と柱で崩し合うように動き回った。
「ふん!めんどくせぇ!俺が柱だけだと思うんじゃねぇぞ!!」
暗闇から無数の剣や槍が現れた。
「…武器…」
「小さい武器なら小回りがきく!!さぁ!落ちな!!」
白夜は空中で静止して能力を行使した。
『レーヴァテイン』
炎を纏った長剣が表れた。
「一つ一つが単純すぎる。」
白夜がレーヴァテインを一振りすると、炎が柱を燃やし始めた。
「ちぃぃ!!消火!」
亜空間に雨が降り始めた。
「…おい…知ってるか?雨は雷をよく通すんだぜ……」
白夜が狂夜のような口調を使って右手に新しい武器を出した。
『ヴァジュラ』
雨の水が雷を伝わり、武器や柱を使えなくした。
柱や武器は、重力をたった今思い出したかのように下に落ちていった。
「…破棄」
ボスが呟くと落ちていく柱や武器が全て空中で粉微塵と化した。
「…さすがだな、白夜。」
「お前の判断力、能力、知能、発想力、そして…オーダーの技術で作った、『力』…正直、お前が抜けたのは、オーダーにとってかなりの痛手だ。」
「…それは、誉め言葉として受け取っておく…」
「しかし…しかしだな…白夜。」
ボスの顔が歪んだように見えた。
「オーダーの技術は、力だけじゃない。」
「…まさか…貴方…わざわざ自分の身体を…使ったの…?」
ボスが笑う。
「当初、『オーダー』は、人工的に力を造り出す『実験』を行った。人間や妖怪…修羅神仏にいたるまで研究材料にした…しかし、結果は、全滅…全員死んでしまった。何か足りないモノがあるらしい。そこで…特殊な人間を使うことにした。さまざまな世界からだ。」
「………」
「まず最初は、この実験のために転生させた十人の内…『アゲハ』を実験してみた…しかし…」
白夜が顔を顰める。
アゲハを使ったと言う事実を知っていたから、なお。
「ダメだったよ。アゲハは、新しい力を手に入れるどころか…精神が狂ってしまった。だから…捨てた。」
「ええ…知ってる…貴方たちは、それを私に言わなかったけどね…」
「しかし、変化はあった。アゲハは、何故か死ななかったのだから。」
「次に実験材料にしたのは、ハツとタツと言う二人の男…結果は、失敗にして成功。能力は得たが…人外になってしまった事が失敗だ。」
「…おい…」
「そして次に実験体になったのは…」
「それ以上…言うな…」
「白夜。お前だ。」
ドゴォッとボスの身体が吹き飛ぶ。
白夜のその身体からは考えられない豪快なパンチで。
亜空間は姿を失って元の景色に戻った。
「…」
白夜は、倒れたボスを少し見ると家に戻った。
そして家の扉を開けるとそこは、地獄だった。
「ッ!?」
白夜は、後ろに下がり扉の外に出ようとする。
が、
そこには、扉がなく黒い壁しか無かった。
「おいおい…どうしたんだよ?せっかく俺を倒した妄想を見せたのによぉ…」
白夜は、再びその男を目の当たりにした。
先ほど殺す程の力で殴り殺した筈の男を…
「お前は甘すぎるんだよぉ~。骨の全てを折り畳むほどやらないと、倒したには含まれないのになぁ~」
男は、椅子に座っている。
そして空間は、再び構成される。
(何故!?)
白夜がそう思ったとき既に白夜の周りは、刀で包囲されていた。
「お前の敗因は、その甘さだ。んじゃ…」
男は、冷たく言いはなった。
「死ね。」
音もなく白夜の命は、脆弱に消えた。
筈だった。
白夜を取り囲んでいた無数の刀は、塵も残さずに全て消えた。
「おいおい…女の子に刃物とかカッコ悪ぃぜ?」
白夜は、その男に気づいた。
黒髪の紅い瞳の男を。
「ようやく来たのかよ」
ボスは、話しかけた。
その男。
新月狂夜に
「ボス。そしてお前らオーダーに告ぐ。」
狂夜は、ボスに語りかけた。
怒りをあらわにして。
「エイジス最高幹部。新月狂夜が…」
狂夜は、不敵に笑った。
「お前らを潰してやるよ。」
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