聖魔弾の銃剣龍神皇帝と戦姫
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第2巻
ロドニーク×大浴場
ロドニークは町というより、少し大きめの村という印象であった。ここ周辺は何もない荒野で、主要な街道からかなり遠いようだ。中央に大きな川があるが、特徴を挙げるならそれ程度の平凡な町並みと言った方が良さそうだ。囲む壁、腰の高さまで石を積んでいるようだが、それ以上だと丸太と木の柵で構成されている。通りは雑草を一切ない土を固めている程度で、神国のようなコンクリで真っ直ぐとした道ではなさそうだ。大通りには露店があり、数件しか見かけないようだな。ここに来るまでリュドミラからの質問をすぐに答えたのか、意外だったのか俺とは目線を合わせようとしない。
「何もないところね」
「そう思ったら今すぐ帰れ。喜んで送り出してやる」
エレンは相変わらずだったが、馬を引きながら不愉快な感想を漏らしたのかリュドミラも何か言いたそうな顔をしている。ちなみに俺のバイクは目立つといけないので、この町に入る前に空間にしまった。リュドミラの言う通り何もないところだが、ここに来た理由はすぐに分かったのだったけど。水の精霊と地の精霊が教えてくれた。
「この町には何かあるのだろう?」
二人の戦姫をスルーしてから、リムに聞いた。何かがなかったらこの村までわざわざ来ないだろうし、この村の事を知ってそうなリムに尋ねた。
「どうしてそう思えるのですか?」
「何もなかったらここには来ないだろうに、町の周辺には畑が一切ないし何で稼いでいるかは何らかの商売をここでやっているからじゃないのかと思った」
露店の傍で喋っている主婦たちや木々の間を駆け回っている子供の表情は明るい、庭先でチェスをしている男性がいれば古びた翼弦琴を膝に乗せて鳴らしていたがあれは俺達で言うならギターに近いかな。それを鳴らして物語を子供たちに聞かせているが、まるで紙芝居をしているおじさんみたいだ。
「よく気付いたな、さすがは大公をしているだけはある。どこかのちっこい戦姫と違う」
俺の言葉をいつの間にか聞きつけて、振り返ったエレンが嬉しそうに笑う。
「ここにはな、温泉があるんだ。だから連れてきた」
「なるほど、道理で水と地の精霊が教えてくれたのか。それに温泉なら神国にもあるぞ?他国から来た者は知らんと思うが、プトレマイオス神国に住んでる者限定で温泉が入れる施設がある。エレン達には教えないけど」
俺らの国にもあるぞ?と言ったら今度入らせてくれとエレンとリムがお願いを言ってきたが即却下した。だって温泉がある施設=トレミー3番艦の大浴場にあるからだ。だから案内はしない、他国の者が戦艦の中に侵入したらとても迷惑な話となるからだ。
「それではティグル様はどうやって温泉を掘っているのかをご存じなのですか?」
「まあな、この町の場合は井戸を掘ったら水ではなくて温泉が出てきたのだろう。それで温泉をパイプで繋げて大浴場にしているんだろう、浴場が多ければパイプ=水道管を引いてくればいい事なんだし」
「当たりだ、さすが何でも知っているのだな。あそこだ、大浴場があるのは」
遠くに建っている石造りの建物を指差すと、大きさはエレンの別荘と同じくらい大きさだろうが奥行きは倍以上だろうな。屋根は平たいからなのか、この町では一際目立っていたけど。エレンは早く行こうとしたが不意に立ち止まる、何だ?と思ったら近くの露店に視線が向いていたのでああーなるほどなと思った。買い食いかと、あれは確か小麦の粥露店だったか。朝屋敷でご飯を食ってから、何も食べていない事に気付いた。
「ちょいと食べていかないか?」
言いにくそうなエレンの代わりに俺が言ったら、頷いた。
「ティグルが言うのなら少し食べてから行こう」
そう言ったエレンに対しリュドミラは、憮然とした顔で尖った声を出した。
「私はいらないわ。戦姫が露店で物を食べるなんて・・・・・。それに空腹という訳でも」
そう言ったが腹が鳴っていたので、俺もエレンもリムも聞き逃さなかった。リムと俺は聞かなかった事にしてから、露店で金を渡してから四人分を買った。エレンとリムに渡した後にリュドミラに渡そうとしたが拒否したので俺はしょうがないからティアを召喚したのだった。
「そうか・・・・。大公の俺に対していらないとするのであれば、代わりに俺の相棒に食べさせるか。ティア、たまにはこの世界の料理でも食うか」
「久々に召喚してもらったら、このためか。でもいいわ、たまには神国の料理もそうだけど露店のも美味しそうよね」
「ティグル、そいつはもしかして『ドラゴンだが?それが何か問題でもあるか?』いやないぞ、それよりリュドミラ。誇り高き戦姫であるリュドミラ様はヴォルン大公がせっかく奢ってくれた物を拒否するなんて、露店のは食えないのか?」
リュドミラはいつもの感じでやってしまったがもう遅かった、リュドミラの分はティアが代わりに食べていた。同じ青い髪をして青い和服を着ているティアはとても目立つので男の視線を感じたが、俺が殺気を放つとすぐに目線が逸れたのだった。そんで俺も食べると美味いと思いながら、ティアはあーんをしてくるので俺は口を開けた。エレンやリムは見ていたけど俺達は気にしないであーん返しをした。リュドミラはお腹を押さえていたので、ティアに指示をしてリュドミラに差し出した。
「さっきの態度については不問してあげてもいいとティグルが言うから、残った分はあなたにあげるわ。それともヴォルン大公に刃向うのかしら?」
「・・・・先ほどの態度については申し訳なかったわ、いただきます」
ティアから差し出されたのを、手渡した後にリュドミラは残った分を食べたのだった。俺は残りのをティアと一緒に食べた後に、リュドミラに言った。
「・・・・悪くはないわね」
「それはよかった、いい事を教えておこう。俺が召喚したティアは竜だからな、さっきのままの態度だったら怒りを買うところだったよ」
「先程と言い、悪かったわよ。今度私の紅茶をご馳走してあげる」
「まあいいだろう、今は大公何て関係なく今だけを楽しめばいい事だし。それと紅茶については楽しみにしておこう」
そう言った後にエレンが腕を伸ばすので、俺は避けてからティアのところに戻った。ティアはもうお腹一杯の様子だったけど、そしてエレンが俺に言ったのだった。
「ティグル、何であんな事をする」
「エレン。お前はガキか?それ相応の態度を示さないとこっちがナメられるぞ、もっと大人の態度というのが出来んのか?」
俺は正論を言ったのか、俺達の周りには痴話喧嘩のようには聞こえていないから良かったものの。エレンの態度といい少しは大人としての態度を見せるべきだと俺は思う。それに俺はお前のモノになった覚えはないと、言った後に俺を怒らせるとライトメリッツやジスタートや他国を滅ぼしてもいいんだぞ?と少し脅してやった。そうするとプトレマイオスに喧嘩を売ったかのようになるし、考えを改めさせるためである」
「エレンは公国の主だが、年齢ではまだまだ子供と同じだ。俺はこれでも24で年下に命令される覚えはない、一々好きな奴と嫌いな奴を分けての態度は何とかするべきだぞ?それではいつまでたっても、疲れるだけだ。嫌いな奴でも、冷静に対処するのが大人の態度だと俺は思うがな」
「ティグル様の言う通りかと、振り回されると周辺にいる家臣も疲労されます。もう少し考えて行動してください、エレオノーラ様」
俺とリムのお説教で何とかなったが、リュドミラに対してはざまあみろと言う感じだが、リュドミラにも簡単な説教をしてやった。エレンに対して顔を合しただけで喧嘩するなと、喧嘩すると俺のハリセンに火が噴くぞ?と言ってやった。大浴場の扉を潜ったら、この中には浴場だけではなく宿屋さ酒場、露店まであった。広々とした玄関口でトランプやチェスに興じる若者がいたり、酒場を見れば湯上りの客達が酒を飲みながら談笑していた
「何代か前の戦姫はここの温泉が好きだったらしくてな、浴場を維持する代わりに税を免除したのだ。元々税額が少なかったと言うのもあったそうなのか」
「あんな場所に別荘があるのは、この町に通りやすくするためか?」
「別荘を建てたのはその戦姫だから、きっとそうなのだろう。まあ、それだけのためというのは無理だから、ヴォージュ周辺の視察も兼ねているのだろうか」
俺は呆れてモノが言えなかったが、温泉のためだけに別荘を建てたのであれば相当温泉好きな戦姫なのだろうと俺は思ったらティアも同意見だそうで。女性なら温泉好きは結構いるし、ウチの戦艦にある大浴場にも女性用のところだけ男性用より風呂の数が多い。肌をツルツルにしたり、薬湯があったりと結構種類は豊富である。岩盤浴も創りたかったがさすがにそれは戦艦にはいらんだろうと言う事で、拠点か月中基地本部か支部にある。
リムが宿の手続きを済ませる、俺やティアも今日はここで泊まる事になったからか、戦艦や神国内にいる女性隊員は羨ましいと脳量子波で言ってきた。無用な諍いを避けるため、俺とティア、エレンとリム、リュドミラで部屋を三つ取った。部屋は壁に小さな窓が一つとベッドが一つという殺風景なもんだが、床はしっかりと清掃してあるが細かい所までは清掃されていなかったので、エレメンツで風で部屋の隅々まで埃を取ってから消滅の魔力でゴミを消滅させた。そのお陰か先ほどより綺麗になってた。
「ここなら平気よね、久々に一真と一緒に寝るのは久々よね」
「ああ、ここには人の気配が感じないから一真だがエレン達の前では『分かっているわよ、ティグルでしょ』分かればいいんだ」
ベッド一つなのは、恐らくリムが俺とティア一緒に寝ないと思わなかったのだろうな。ティアは和服から飛び出す胸の谷間をしまおうとしていた、ここに来る前に知らない男共がティアの胸を見ていたからだ。部屋に辿り着くまで俺の殺気で何とかなったからか、今は直している時にエレンが来たのだった。
「ティグル、まだ浴場に行ってなかったのか?」
「ああ、俺達は俺達で入らせてもらうからな。それよりその格好は何だ?」
エレンの格好は袖のないローブを着ているだけだから、胸と腰のラインが分かってしまう程であった。まあわざとだろうなと思いながらだったが、ティアよりは小さいと思った。エレンは十六の小娘に対してティアは何百から何千生きているドラゴンだし、俺はもっとだけど。
「この格好についてはまあいいとして、浴場の場所を教えとくぞ。ここには三つの浴場があり、その内の一つが戦姫専用という事で貸し切りだ。なのでいつでも使える」
「分かった、ティアと打ち合わせしたらすぐに入るさ」
そう言った後にエレンは去って行ったが、この屋敷の中をスキャンしてから俺とティアは話をした。恐らく一つは戦姫専用だからと言って、エレンとリュドミラが一緒に入っている訳がないと思ったので、風呂についてはトレミーにある大浴場で入るが一応の事なのでティアにはここの大浴場に入ってもらう事にした。たぶん二つの内一つにリュドミラが入っている可能性大で、エレンがわざとそうさせたかのような感じであったからだ。
「と言う訳で、ティア。ここの浴場について頼むぞ?」
「分かったわ。一真の言う通りにしてあげるけど、一緒に寝るのが条件よ?」
「それは分かっているさ『え~!僕も温泉に入りたい~!』お前は小型ドラゴンだから、トレミーので我慢してくれ」
サマエルが言ってきたが、トレミーのでと言うと分かったよ的な事を言ったので、俺はトレミー船内の大浴場に行ってからティアの任務が始まった。一応和服を直しているから男共は寄ってこないと思うが、一応監視はつけている。そんでカゴに脱いだ服をカゴに入れてから、髪を上げとく。ティアの髪はロングだから風呂に入る時は髪を上げてから入るようにしている。湯気が立ち込める浴槽は、トレミーの方がいいとは思ったが一真のためだと思い掛け湯をしてから浴槽の中に入ったらそこにいたのはやはりというかリュドミラだった。
「あなたはヴォルン大公の竜?」
「ええそうよ、私だけヒト型になれるからお風呂に入れるのよ。名前を言いそびれたけど、私の名はティアマットよ。竜に戻ったら結構な大きさよ」
「ヒト化になるのは、人間達と上手く溶け込めるからかしら?」
「まあね、それとそこにある槍はラヴィアスよね?」
そう言ったティアは床に置いてあるラヴィアスを持った、するとまるで懐かしいと光輝いたり柄が伸びたりして驚いていたリュドミラ。竜具は選ばれた主だけが持てるモノで主じゃない者は拒否反応を起こすが、ティアが柄を伸ばしたりしていたから拒否反応をしていなかった。
「あなた達は何者なのかしら?それは選ばれた人間しか持てないはずよ?」
「私は創造神様の味方だからかしらねー、それか私も竜だからかしら」
戦姫である者は、『竜具』を常に手元に置いておくのだからか、リュドミラが浴場に入ったとしても戦姫のみ武器を持ち込めるらしい。いくつか話をした後にリュドミラは立ち去った後にティアはこの温泉についてを感想が欲しいと一真から言われていたので、ゆっくりと浸かっていた。ちなみにトレミー大浴場ではドライグ、サマエル、グレンデルとペルセフォネが相棒である一真と一緒に女風呂に入って行った。そんで悲鳴を上げずにドライグ達を洗ったりしてくれる女性達であったが、この後風呂から出た俺達はティアがいるとされる部屋に戻った後にドライグ達と一緒に一つのベッドで寝たのだった。ちなみにティアがここの温泉はまだトレミーの方がマシだと一言言った。
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