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仮想空間の歌う少年

作者:ケンケン4
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12ー番外編!私の風邪。

 
前書き
今回はリクエストに来ていた番外編です。
それでも問題ないぜ!という方はどうぞ! 

 
キャリバー編が始まる…シノンがALOにログインする少し前の…ほのぼの日常の話。

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ちょうど季節の変わり目で、私は土曜日の朝起きて「ああ、これは熱があるな。」と感覚で分かった。佳に気付かれると少し不味いのでならべくいつも通り振る舞う。

「今日は焼き魚なの?」
「うん!そうだよ!」

そう言って佳はご飯をこっちのテーブルに持ってくる。焼き魚と味噌汁、サラダ、ご飯、それと飲み物。バランスの良い食事だ。

「…?」
「…何よ。」

いつも通りいっしょに朝ごはんを食べようとしていると。佳が不思議そうに私を見てきた。

「ねえ。詩乃。寒くない?」
「いえ?別に…。」

なんか今日朝起きてから寒い。それになんか体が重く感じる。まあ、恐らく熱があるからなのだけど。

「ふーん。本当に?」
「本当よ。」
「…。」

すると佳はひょこっと手を私の額に手を伸ばして、自分の額にも手を当てる。佳の冷たい手が心地よく感じる。

「…どこが。朝は普通体温が低いはずなのに少し熱いよ。」

そう佳は呟くと私の部屋の机に置いてある体温計を持ってくる。

「測った方がいいよ。その後病院行こう?」
「別に…。」

そう言って私は立ち上がるがフラフラとしてしまう。
すると佳は支える様に私を抱くと。私の脇に体温計を突っ込む。
しばらくするとピピッという音と共に佳は体温計を取り出す。

「朝で37.5か…。もっと上がるかもね。やっぱり病院行こう?」
「ちょっと微熱があるくらいよ。」

そう強がって佳から離れようとするが力が入らない。すると佳はため息をつきながら。

「はいはい強がらない。この季節の風邪は油断出来ないんだから。着替えて行くよ。
…あと、ちゃんと厚着してね。」
「…分かったわよ。」

私は仕方なくその指示に従う。すると佳は着替えを見るのは悪いからと言って自分の部屋に戻る。
私は着替えると佳の部屋に行く。

「着替えたわよ…。というか本当に大丈夫…。」
「はいはい。マスクもしてね。それにインフルエンザだったらどうするの?」
「はい。」

なんだかんだで院長の息子。テキパキと指示を出してくるので勝てない。
そう言ってマスクも用意して。私達は雪宮病院へと向かった。

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「ああ、これは完璧に風邪だな。扁桃腺も真っ赤だし。薬だしておくから。」

そう言って診察が終わり、佳のお父さんは笑っている。しかし笑いながらもカルテを書く手は早い。

「それにしても佳も純情だな〜?詩乃ちゃんに聴診器で肺の具合を聴くときの服を捲り上げるだけで顔真っ赤になるとは!なんだい?そんなにドキドキしたか?」
「うるさい!」
「佳は詩乃ちゃんのチラ見せでドキドキしたと…。カルテに書くか。」
「やめて‼︎」

そうすると佳は顔を真っ赤にしてしゃがみ込んでいる。それを佳のお父さんは見てまた笑い。その後私の方を真面目な顔でみる。

「まあ、とりあえず今日の夜あたり結構辛いと思うけど。まあ、佳がいるから大丈夫だと思うから。困ったら佳に何かいいなね。」
「分かりました…。」

それにしても本当に体が怠い。それに少し頭も痛くなってきている。

「それと佳。お前今日詩乃ちゃんがまいっているからって寝込み襲うなよ?」
「黙れ!変態親父!あんたとは違う!」

佳はさらに顔を真っ赤にして口調も荒々しく答える。そうすると佳のお父さんは笑いながら。

「まあ、冗談はともかく。今日はならべく消化のいい物を詩乃ちゃんに食べさせろよ?まあ、後は分かるだろう?」
「うん。とりあえずね。」

そう佳が答えて。診察は終わり。薬局で薬を貰って、私達は家へと帰った。



家に帰るとドッと疲れと頭の痛さ、それに眠気が襲ってきた。

「詩乃。とりあえず着替えて寝なよ。」
「うん…。」

私はその場で着替える。

「し、詩乃!」

…佳がすごい慌ててるのを横目でみながら。そんな佳を見ても私は冷やかせない。着替えて私はベットに入る。すると佳はさっきの慌てぶりから一転優しいそうな目でベットに近づき私の頭をポンポンと一定のリズムで叩く。

「…。佳。」
「…おやすみ。」

その言葉で意識が真っ暗になる。




次に目を覚ますといつの間にか布団と毛布が私にかけられていた。そして時間は午後8時。喉がカラカラで頭が痛い。ふと横をみるとテーブルで何やら難しい顔でノートパソコンに何かを打ち込んでいた。私はつい佳の名前を呼ぶ。

「佳…?」
「あ、起きた?」

すると佳はニッコリと笑って私の額に手を当てる。そしていつの間にかに用意したのかスポーツドリンクのペットボトルを差し出す。

「喉乾いてるでしょ?ゆっくり飲んでね。」
「うん…。」
「熱も上がりきったみたいだし。ご飯食べるよっか?」

そう言って台所に行くともう作ってあったのだろう、お粥を持ってきてくれた。それとタオル。

「それじゃ。これで汗拭いて?」

私はもらったタオルで汗を拭くと。お盆にお粥を用意していた。

「はい。どうぞ?」
「…ありがとう。」

私はゆっくりとお粥を食べる。
…美味しい。

「美味しい。」

思ったことを口に出すと佳ははにかんだ顔で。

「ありがとう…。」

佳はそう答えると今度は薬と水を用意している。…美味しいけどやっぱり食欲がない。半分ほど食べて。

「ごめんなさい。佳。もう食べられない…。」

すると佳は薬と水を持って戻ってくると。

「半分食べたの?…うん。大丈夫だよ。」

ちゃっとお粥を片付けると薬と水をもう用意していた。

「はい。これ飲んで。そしたらちゃっとちゃっと寝る!」
「うん…。」

私は言われた通りに薬を飲んでゆっくり横になる。そうするとまた佳は布団と毛布を掛けてくれた。

「はい。おやすみ。」
「ねえ…佳。」

私は少しボヤける頭で頼み事をする。

「私が寝るまで…そばにいて?」

少しさみしかったのだ。病気の時の不安な心理だと分かっていても。それに1人暮らしの時に病気になるととてもさみしい。
そうすると佳はニッコリ笑って。

「もちろん。いてあげるよ。」

そう言ってベットの近くにしゃがみ込んで私の手を握る。優しい握り方で安心した気持ちになる。

「ありがとう…けい…。」
「…早く良くなってね。」

その言葉を最後に私の視界は真っ暗になった。




次の日、起きると咳が少し出るが。熱ぽさは無くなっていた。

「あ…。」

手になんか違和感を感じたと思うと昨日のしゃがみ込んでいる状態で佳が眠っていた。

「…。」
「ありがとうね。佳。」

スー。スー。と静かに寝息を立てる佳に私はそう呟いてもう少し寝ることにした。






もちろん手は握ったままで。





 
 

 
後書き
いやー。甘くしようとしたら甘くならない。
というケンケン4です。
今回はイチャイチャじゃない感じです。今回も色々伏線を立てました。
…気付いてくれると嬉しいです。
では次回もよろしくお願いします! 
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