旧エクリプス(ゼロの使い魔編)
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第36話 レコン・キスタ
■皇紀2800年 5月22日
司教のオリヴァー・クロムウェルが傭兵を使って、水の精霊が守るアンドバリの指輪を盗みだす。
但し、光輝が事前に水の精霊に連絡しており盗まれたのは、光輝の作った偽物である。操れる人や死者の蘇生の出来る数に、本物と違って効果が少ないのだ。
■皇紀2800年 6月10日
オリヴァー・クロムウェルがアルビオンで貴族達を扇動して、王室に対する貴族連合のレコン・キスタを立ち上げる。
キャッツ・アイの事件が元で綱紀粛正により、何らかの処分された者や立憲君主制に反対する貴族が中心になって、国境を越えて賛同者が集まる。
オリヴァー・クロムウェルはアンドバリの指輪を使い、虚無の担い手を偽っていた。また、聖戦発動を謳っている。
■皇紀2800年 7月 1日
トリステインのアンリエッタ姫殿下とアルビオンのウェールズ皇太子の婚約が発表された。
ブリミル暦6242年 アンスールの月 フレイヤの週 マンの曜日
皇紀2800年 7月 4日 アルビオン王国 ロサイス レコン・キスタ司令部
ロサイスはトリステインのラ・ロシェールと結ぶフネの港町である。
鉄塔型の桟橋ではフネの係留のみならず艤装も行えるなど軍港としての施設は整っている。エクリプス社が開発を行い、今では大人数を一気に乗船出来るような構造になっている。
ロンディニウム(首都)から南へ300リーグ(約300km)離れており、トリステインとの貿易で栄えている。
外壁を赤レンガで飾られた建物が施設の中央に立っており、軍の司令部として利用されていた。
軍の司令部から少し離れた所に、レコン・キスタの司令部が置かれていた。元貴族の邸宅を改修して、司令部として使っている。
今日ここで、レコン・キスタの決起集会が極秘に行われようとしていた。
Side オリヴァー・クロムウェル
「我らの主旨に賛同して頂いて、ここに集まってくれた事を感謝する。」
クロムウェルが指導者として挨拶する。
ここに集まったのは、キャッツ・アイ事件で降爵された者や褫爵(爵位を召し上げられる)た者、法衣貴族(領地を持たない貴族)で甘い汁を吸えなくなった者達である。その殆どが貴族議員である。
「王室から王権を取り上げて、我ら貴族議員が支配する共和国を作ろうではないか?」
一人の貴族が発言するとここに集まった貴族達が各々賛同の声が挙がった。
「「そうだ!そうだ!」」
「太平洋連邦と国交を結んでから、我々は多くの規制を受けている。
ロマリアに対してはブリミル教の政教分離や異端審問の廃止などバカげた事を突き付けている。その一方でエルフ達との交流をしていると聞く。我らが決起して元の正しい姿に戻さなければならない。
太平洋連邦に迎合する王家を倒し、正しい道に道に進まなければならない。」
クロムウェルが演説をする。
「「そうだ!そうだ!」」
「王家を倒せ!」
「我々はここに決起する。ハルケギニアの国々を打倒し、聖戦を持ってエルフから聖地を取り戻す。
賛同をする者は、この血判状に署名して欲しい。」
クロムウェルが血判状に署名をして、各貴族がそれに続いた。
全ての貴族が署名し終わると、クロムウェルが宣誓した。
「有志諸君、始祖ブリミルに誓いレコン・キスタがここに成立した!」
そこに王国近衛部隊が、扉を蹴破り乱入して来た。
「クロムウェル他全員、反逆の容疑で逮捕する。」
近衛部隊によって、全員が逮捕されていった。
血判状とアンドバリの指輪はその場で押収された。
王室と光輝達が連携して、内定していたのだ。
Sideout
その後、各王国のレコン・キスタに賛同していた貴族達も、芋づる式に逮捕されていった。
後書き
レコン・キスタの話でした。
あっけないレコン・キスタでした。
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