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戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~

作者:黒鐡
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二十三章
  上空での戦い×和平会談

ここからは俺のターンだ。地上での戦は終えたので、ここからは俺達の戦いだ。ゲート開放をしたのは、ちょうど一真隊が長尾の本陣に行ってからになる。そのときまで俺はトレミーの艦長席に座っていた。無論分身体である俺の任務は果たした。

「艦長!ゲートが開きました。全て大型と推測されます。それから地上にて小型のゲート反応を確認!」

「やっぱり呼んで正解だ。黒神眷属である俺らの仲間たちが到着するまで、出来るだけ地上には行かせるな!全MS発進しろ!」

「了解です。全MS部隊に告げるです。発進です」

『了解!』

といってから、各MSは発進して行った。そして少し経つと大型ドウターの半分はもうやられていた、そして地上での戦が終わろうとしたときに二つのゲート反応を確認した。

「艦長!」

「分かっている。こちらトレミー3番艦だ!聞こえるのなら、応答せよ!」

「こちらトレミー1番艦そして2番艦!無事にこちらに到着しました!」

「よし。地上にて小型ゲート反応を確認した。大型はこちらに任せて、黒神眷属の俺の妻たちは地上に行け!」

『了解』

と言いながら、だったがこちらの大きさに驚きながらも恋姫チーム、大江戸チーム、ISチームは地上に降り立って今に至る。地上には光璃たち武田の将に一真隊、そして長尾の者たちも集まっていたところでの登場だ。俺の奥方衆とも言うがな。頼むぞ、愛紗たち。

「一真!俺たちはどうするんだ?」

「ヴァーリか。おそらく地上のゲートにはゼットンが現れる。ドライバーで変身も可能だが、一緒で戦う方がいいだろ?」

「そうだな。では空中にて俺は禁手化をして待機する。一真も来てくれ」

と通信を切ってから、俺はカタパルトデッキからの禁手化をしてから地上を見ていた。そしたら大型の一体がマスターフェニックスの剣を弾いて地上に落下したけど、まあ一応分身体に言っておくか。

「こいつらはドウター!余たちでは敵わん相手だぞ!」

と言いながらも、刀を握る武人たちであったが、突如として小型ドウターは光の斬撃によって真っ二つになった。それを見た一葉たち。

「いったい何が?」

「皆さんあれを見て下さい!」

と言った詩乃が指差したのは、かつて二条に現れた関羽と名乗った者だった。そして周りには知らない人物たちがいた。

「あなた達は誰?」

「詳細は後程。今はドウターを倒すのみ、諸君。聖剣を擬態にし各武器にして倒す!参る!はああああああっ!」

そこからは大量のドウターを倒す愛紗たちだった。一葉たちが持っている武器と変わらないのにどんどん倒して行っている。一葉はある刀を持っている者に気付いた。

「そ、そんな馬鹿な!」

「どうされましたかな?公方様」

「あの赤い刀と青い刀は、余が三千世界で召喚した刀ぞ!なぜあやつらが持っておるのだ!?」

「あれは元々吉音と詠美が持っていた刀だからだ」

と言ったのは、禁手化した俺だった。それと白い鎧を纏った者も現れたけど。さてと地上のドウターもあとはアイツのみ。上空の戦いも終えた所で、トレミー1番艦と2番艦は3番艦の左右にいるけど。そしてゲートの最後に出てきたのは通称ゼットンと言われる奴だった。

「ご主人様!あとは頼みます!」

「一真!あとはよっろしくー!」

「と言われたのでやるか。ヴァーリ!」

「ああ行くぞ!」

俺とヴァーリは隣同士に立ちながら呪文を言った。俺らは懐かしいが、一葉たちにとっては何のことか分からない。

我、目覚めるは

『行こうじゃないか』・『私たちも一緒に』

覇より(まこと)の王として認める二天龍なり

『我らは覇を捨てた』・『覇よりも大事なものを見つけた』

無限を認め、夢幻に導かれて

『真龍と龍神を認めあい』・『そして友と一緒に屠る』

我らは、神に認められし真の龍帝であり

『神に認められし龍帝』・『そして新たなる天龍の誕生なり』

我は、無垢なる龍の神皇帝になりて

『我らは神の龍帝となりて』

「「「「「「「汝を紅蓮と白銀の道へ進もう」」」」」」」

『赤白龍神皇帝!!!!!!』

と俺とヴァーリは光輝いた。そして光がやむと、そこには赤と白の鎧姿ではなく、黒い鎧だった。それもひよたち二条でのことを思い出したかのように。

『行くぞ!ゼットン!』

と言いながら徒手空拳で、殴り合う。今回は小型であろうとも、剣ではなく拳で戦った。そして分身を使ったが、そこには護法五神がいつの間にか変身して倒していたところだった。そして俺らも剣を使い、そして黒鐵本来の力で斬ったが、まだゲートがあるので、我らは呟いた。

『闇より暗き深淵より出でし―其は、科学の光が落とす影!』

ゲート破壊ミッションをコンプリートした俺達は、俺以外の者たちは船へと戻って行った。そして先ほどのもだが、それぞれが撤退をしたあとに俺は善光寺に来ていた。それも和平会談だったけど。

「それにしても先ほどの戦いにも謎でしたが、善光寺参りがこうなるとは思いませんでしたな」

寺の一室には、武田の将と長尾の将たちが集まっていた。そしてその間にいるのが、俺らとなる。俺の隣には奏に優斗に深雪だ。やっと初めてだったが、すぐにお父さまと言ったので新鮮だなーと思ったら、ひよたちは驚愕の声だった。その説明もそうだがまずは和平会談をすることになったので、今に至ると。

「まったくじゃ。・・・・じゃが、善光寺にしては奉られた仏や宝物の数が少ないように思えたが?」

「ああ、それは武田の所為です」

「武田の?」

「ええ。甲斐に同じ名前のお寺を建てて、こっちのめぼしい物はみんなそっちに持って逃げたのですから」

「むぅ・・・・持ち逃げよは人聞きの悪い。川中島の戦火から守るため、一時的に避難させただけでござる」

「悪いのは、川中島に攻めてきた美空」

「なんですって!?」

「貴様ら!やかましいぞ!喧嘩なら外でやれ!和平会談の場で喧嘩するバカがどこにいる」

「ケンカはめーなの!」

と言って下がったところで、一葉の言葉で始めることにした。その前に大天使化をして、神の目の前で嘘はつかないように見張る事にした。もちろん、長尾には護法五神を見張らせて、武田のところは家祖の新羅三郎義光を見張らせたからか。いつも以上に大人しい。本来なら仕切り役は一葉だが、創造神の目の前なのか仕切り役を任された。隣のは後で紹介させると言って。神が目の前にいるから、いつも以上にみんなは背筋を伸ばしているが。

「では、これより始める。良いな?」

「なら・・・・改めて。越後国主、長尾美空政虎。景虎の方が馴染みがあるだろうから、そちらでいいわ」

「・・・・甲斐信濃国主、武田光璃晴信」

「戦場でまみえることは多かったけど・・・・こうしてちゃんと会話するのは初めてかもね」

「・・・・(コクッ)」

「では、説明をしろ。和平はいいが、そこまで至るまでの経緯がさっぱりだ。まずはそこから話してもらおう」

それに周りの副将たちも同じような感じではあるし納得もいまいちだし、神がそう言っているのであれば説明してくれるだろう。

「説明と言ってもねぇ。・・・・光璃がしなさいよ」

「・・・・・?」

「なに、さも自分は関係ないとかって顔してんの!そもそもこの戦だってあなたの計算だったんでしょ。そこにいる一真『我はそんな名ではないぞ?』じゃなくて創造神様に説明してやりなさいよ」

「創造神様はきっと分かっている」

「分かってたら説明しろなんて言わないでしょ・・・・」

「・・・・・?」

そのように「なんで?」と顔をされても困るんだけど。

「我は理解が出来ないから説明を求めている」

「・・・・(コクッ)」

我の言葉に小さく頷いて、光璃はいつものようにぽつぽつと、選ぶように言葉を選んで言った。

「・・・・この戦は、美空が私のことを見定める、その戦」

「見定めるだと。何を見定めるんだ?」

「・・・・自分の良人を奪った女を、自分自身の目で、良人に相応しいかを見定めるための戦だった」

「メンツ比べじゃな」

「公方様は黙ってらしてください。創造神様がこちらを見ています」

「・・・・むぅ」

「それはアンタも一緒でしょ」

「・・・・そう」

「一緒、ねえ・・・・」

「私が美空を、一真の妾に相応しいかを値踏みする戦でもあった」

「つまり、互いに俺の妾として相応しい女なのかを、見定めるためってことか?」

「そういうことよ」

なんとまあ、巻き込まれた戦だな。というかこっちは迷惑な話だな。女の意地じゃなくて誇りとか言ってる時点で迷惑な話だ。

「・・・・創造神様は、この国の、この国に住む人々の、そしてこの国が歩んでいく歴史にとっての希望」

「その希望を支えるための力となりえるか否か」

「それは言葉だけじゃダメなのか?」

「言葉を尽くすのも大事でしょうね」

「・・・・でも、覚悟は見えない」

「覚悟、か・・・・」

春日山で美空たちに自分らの気持ちを証明するために、言葉ではなく行動で証明したように。この戦も言葉と拳で交えて会話したという事になるのかな。それで美空は堕ちたとか言ってたけど。光璃は前から俺を見ていて覚悟を示したと言っていた。

「それがあのときの祝言か」

「・・・・(コクッ)そして美空も覚悟を示した」

「つまり、この戦は、美空と光璃の覚悟の示し方という事?」

「ちょっと違うわね」

「・・・・示した覚悟を確かめる戦」

「ええ。そうね」

「そしてこれが最後の機会」

「最後とは?」

「長尾は織田の同盟下にある」

「そこに武田も入れば、もうこうやってぶつかり合う場面なんてなくなるでしょ」

「そういうことなら、今がその時。ということか」

同盟の前に戦うって、まるで三大勢力みたいだな。あのときの戦争で、三大勢力は変わり俺が仲介して和平になったのだから。あのときは結構長かったな。女性同士なら、これが最良だったというわけで、ここにいるみんなは美空と光璃の気持ちが分かると。やり方は乱暴でも時間を掛けず済む方法だったといえると詩乃が言ったな。隣にいる奏も何となくだが分かるようだ。

「確かに、甲斐にとって今はまさに一刻千金。正直、向かい合う時間も惜しかった」

「刃を交わさなけねば分からぬ感情もある。その規模が、この二人に関しては少々大きかっただけのこと」

「・・・・少々大き過ぎるきらいもありますが、日の本指折りの国持ちともなればそれも仕方ないのでしょうなぁ」

「でも二人とも、一真のことは好きなんだよね?それでもうケンカもしないんだよね?」

鞠が俺の名を言ったが、もう自由に呼べと言ってある。それに奏は半分悪魔で神で、優斗も深雪の神の方が強く入っている。我みたいに大天使化はできるが。

「そ、それは・・・・・」

「・・・・ケンカもしない」

「ちょっとアンタ、なにしれっと話をずらして・・・・」

「・・・・・・・?」

「ああもう・・・・。私もそうよ。間違ってないわ」

「御大将・・・・」

「で、二人の互いの評価はどうなの?」

「・・・・まあ、及第点」

「なにを上から・・・・」

「美空様は?」

「・・・・そうね。これ以上は争う意味はないわ。私はコイツのことが大嫌いだけど・・・・一真が娶るに相応しい力はあると思う。・・・・合格って事にしてあげるわよ。ぎりぎりだけど」

「まあ、理解はできる。二人の考えにはいまいち理解不能な点もあるが、戦を起こした経緯も理解できる。それにもう戦はしないんだろ?」

「ええ。同盟に入るんだし、向こうが掛かってこない限りはね」

「今は越後の相手をする暇はない」

「それならそれでいい。久遠の同盟にも力を貸すというふうにして理解していいのだな?」

「約束だからね」

「・・・・(コクッ)」

「それならそれでいい。それに嘘を言っている様子もなさそうだ」

と言う風になって、和平会談は終わったが。肝心の事について聞かれた。

「ところで一真の隣にいる人は誰なの?」

「余もいくつか疑問がある」

「・・・・・誰?」

「とりあえず俺は大天使化を解くとして、左隣にいるのが妻の奏だ。ここでいうなら正室な。そして右隣にいるのが息子の優斗に娘の深雪だ」

「・・・・妻?正室?」

「息子?娘?」

しばらく経ったら一斉に叫びだす。

『え?えええええええええええええええええええええっ!』

「やかましい!殺すぞ!」

『は、はい!』

そして落ち着いたところで、奏と優斗と深雪の正式な挨拶となった。そのあと、一葉の疑問についてだったがそれについては久遠がここに来たら詳しく話すと言ってから解散となった。奏たちはそれぞれの母艦に帰ったけど、このあとの最大の戦についてとこの外史終幕後の脱出についてがあるので上空にて待機任務となった。

「で、美空も躑躅ヶ崎館に来るのか」

「ええ。久遠もそっちに来るみたいだしね。こっちも事後処理を終わらせたら、すぐ向かうわ」

「了解した。詩乃と鞠、俺達も戻って陣の撤収手伝いに行くぞー!」

「はい」

「わかったのー!」

「・・・・行っちゃった、か」

「美空」

「・・・・何よ」

「一真のこと・・・・好き?」

「・・・・・・」

「・・・・・今なら聞こえない」

「別に恥ずかしがっているわけじゃないわよ」

「なら・・・・どう?」

「・・・・当たり前でしょ」

「・・・・でも、だめ」

「あんた、同盟を組んどいて今更それを言う・・・・!?」

「独り占めは・・・・だめ」

「・・・・・・」

「重責を担い、苦しい日々の中で見つけた、きらきら光る宝物。・・・・懐中に持っていたい気持ちは、私も一緒」

「あんた・・・・」

「だけどその宝物を独占すれば、多くの人が不幸になる。一真は・・・・別の意味でそういう存在」

「だから諦めろって?」

「・・・・違う。皆で包んであげればいい」

「・・・・・・」

「・・・・できる?」

「・・・・ふんっ。言われなくても・・・・それぐらい分かってるわよ!」

「おーい。早く行くぞー!陣まで帰るのも、千曲川まで一緒なんだろー!」

「分かってるわよ!・・・・ほら、行くわよ、光璃」

「分かった。美空」

こうして川中島の戦いと上空と地上で現れたドウターたちとの戦いはここで終わりを告げた。こちらの疑問はないが、あちらにはある。なぜ一葉のお家流である三千世界に召喚された刀を持つ者がいるとか、光璃とそっくりなのは誰?とか。あとはドウターの存在とは何かとか。大きな疑問はあるが、それは久遠が来てからの大軍議で言う。それにしても俺らは結局のところ、美空と光璃のケンカに巻き込まれただけだった。まあ武田と長尾の同盟に関しては大きな解決にはなったな。仲違いの頑固者同士が、やっと手を繋いでくれたことには。まあ俺にとっては大きな国だろうと関係ない。今は外史の終幕に向けての準備をするしかないだろう。 
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