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ハイスクールD×ダオス

作者:ロナード
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第1話 駒王学園での日常と崩れ去った日常

 
前書き
今回から原作突入。今回の話ではテイルズオブシリーズのキャラクターが一人登場します。その人物が原作での夕麻に告白される立場です。この小説ではリアス側の眷属は原作から一部変わる予定です。 

 
私は駒王学園という学園に通う高校二年生となり、一学期が始まった。
時間は随分と早く流れるモノだな。私も気付けば、高校二年生か。本当に時間が経つのは早いモノだな。

「おーい、イッセー。どうしたんだ、こんなところでボーッとして?」
「うむ。住まないガイ。少し物思いにふけていただけだ。」
「そうか。なら、よかったぜ。風邪でも惹いたかと思ったぜ。」

今、私と会話しているのはイギリス出身だが、日本に来て駒王学園に入学したガイ・セシルという男だ。
ガイは私と同じ学年で私と同じクラスの生徒で、私の友人だ。機械が好きらしく、機械工作が得意であり色んな手作りの機械を持っている。それに気が利く優しい性格の温厚な面倒見が良い男で顔も美形の為、学園の女子には人気が有るのだが、ガイは何故か知らないが極度の女性恐怖症の持ち主である為、女性が近付いただけで逃げ出す程だ。その為か、一部の女子生徒からはガイを題材としたBL同人誌を書かれる事も有った程だ。それさえ無ければ、本当に完璧な男だと言うのにな。そのお陰で、今では残念なイケメンと呼ばれている始末だ。私としてはガイに女性恐怖症を何とかして克服してもらいたい。何故かだと?学園の女子生徒は、私が前世と同じ姿である為、日本人とは思えない金髪と容姿に見惚れたのかは知らないが、ほぼ毎日の様に学園の女子生徒からラブレターを下駄箱に入れられたり、いきなり呼び出して告白してきたりするからだ。私はそれを全て断っているのだが、女子生徒からのアプローチが止む事が無かった。それを見ている男子生徒の一部からは嫉妬の表情で見られる等、もう散々だ。イケメンは私とガイ以外にいるとしたら木場祐斗という生徒だけだな。だからこそ、ガイには私の為にも女性恐怖症を治してもらいたい。

「イッセー?どうしたんだ?何か悩み事でも有るのか?」
「いや、何でも無い・・・」

ガイが声を掛けてきたので、私も思考を切り替えるとしよう。

「イッセー。早く教室に戻ろうぜ。もうすぐでホームルームが始まるからな。」
「そうだな。行くぞ、ガイ。」

私とガイが教室に戻ると、

「どうだ?元浜。この姉ちゃん。凄い巨乳じゃねえ?」
「そうだな松田。この姉ちゃんの胸は反則級の巨乳だよな!」

松田と元浜という駒王学園の二大スケベ大魔王が教室の中で、女子生徒が大勢いようが関係無しで、どう考えても高校生が見る内容では無い内容の雑誌を見ていた。ガイが二大スケベ大魔王に注意しようとして声を掛けた。

「おい。松田に元浜。こんな本を、しかも明らかに高校生が見てはいけない内容の本を持ってくるなって!」
「ガイ!お前には無いのか?男のロマンが!」
「松田の言う通りだぞ、ガイ!俺達は男のロマンを求めてこの本を見ているだけだ!それの何処が悪いんだ!」
「男のロマンか・・・ゴクリ。」

おい、ガイ。負けるな。その本の誘惑に負けるのでは無いぞ・・・

「それに、この本を見ればガイの女性恐怖症も少しは改善される筈だ!」
「本当か?松田!」

ガイ。それは嘘だ。絶対に信じるな!

「本当かも知れないぞ。それにこの本を見たとすれば、ガイのホモ疑惑も消え去るぜ!」
「よっしゃ!なら遠慮せずに見る事にするぜ!」
「「おっし!それでこそ、男のロマンを知る者だ!ガイ、お前は俺達の同士だ!」」

ガイ、正直言って見損なったぞ。私は同じクラスの友人である女子生徒の桐生に話し掛けた。

「桐生。例の物は手元に有るか?」
「はい。イッセー君。家庭科の授業で使うから持ってきたチャッカマン。これを貸すわね。」
「桐生、感謝するぞ。」

桐生からチャッカマンを借りた私は、バカ二人(松田と元浜)とガイが見ている如何わしい雑誌を取り上げると、チャッカマンで燃やして灰にした。

「イッセー!何をするんだぁぁ!!」
「俺達の男のロマンがぁぁーーー!?」
「クソ。俺はまだ1ページしか見てないのに・・・」
「「「消し炭になるなんて。イッセーの鬼ぃぃーーー!!」」」

聞こえんな。私には三人が何を言ってるか解らんな。私は桐生にチャッカマンを返した後に自分の席に座った。その後に担任の教師が教室に入って来たのだが、バカとアホにマヌケ(松田と元浜にガイ)はまだ騒がしかったので、担任の教師から制裁を喰らわされたが、私には関係無い事だ。別に知らん。

体育の時間となり、野球で違うクラスの生徒と対戦する事になったのだが、

「チッ!イッセーと同じチームか。敵チームだったら、俺がピッチャーやってデッドボールを喰らわせてやるのに・・・」
「ああ、松田。その気持ちよく解るぜ。俺もイッセーにデッドボールを与えてやりたいぜ!」

松田と元浜は先ほどの事を根に持っている様だが、関係無いな。バカは無視する。それだけだ!

「アイツら。自分達が悪い事に気付いているんだろうが、納得できてない様だぜ。」

ガイはスケベ心こそ有ったモノの根に持ったりはしてない。そこがあの二人と違うところだ。

「でも、俺がもう少し見た後でもよかったよな。いくら何でも燃やす必要は無いだろ・・・」

違ったか。少し根に持っている様だな。女性恐怖症の癖にあの様な雑誌には興味が有るのだな。理解し難いな。

「それではプレイボール!」

体育教師が審判を務め、野球を開始した。相手チームは木場祐斗のクラスの男子で構成されたチームだ。私のチームは運動能力だけが無駄に高い松田と元浜。スピードとバッティングセンスが高いガイ。私か?いわゆるオールラウンダーだ。私はピッチャーを務める事にし、私が投げる球は相手チームの野球部所属であるバッターが驚く程のスピードだ。おそらく、160キロぐらいだろう。

「ストライク。バッターアウト!チェンジ!」
「チッ。イッセーの球なんて打っちまえよ!」
「相手バッターはイッセーからすると引き立て役か?チキショー!!」

相手バッターを三振させて攻守がチェンジとなるが、松田と元浜が私の活躍を快く思って無い様だが気にせん。私のチームが攻撃に移る事になった。相手ピッチャーは木場祐斗な訳だが、

「相手ピッチャーは木場か。チッ、木場とイッセー。どちらもムカつくが、この場合は木場。お前を応援しよう。頑張れ木場!」
「そうだ。俺達は木場。お前を応援するぜ!木場、イッセーを倒せ!還付なきまで倒せ!」

やっぱり、あの二人は無視せずに放課後にでもサイクロンを放って、何処かに飛ばすとするか。もちろん死なない程度に威力は抑える。まあ、二日か三日は行方不明になるだろうがな。

『俺は、あの二人が気の毒に思えてきたぜ・・・』

ドライグが二人を気の毒に思っている様だが、何故かは知らん。
あの二人に実行させる裁きを考えていると、相手チームのピッチャーである木場が私に近付いて話し掛けてきた。

「君がイッセー君だね。僕は木場祐斗だ。君の噂は聞いてるよ。」
「そうか。一応、自己紹介しておこう。私は兵藤一誠だ。知ってる通り、皆からイッセーと呼ばれている。」
「それじゃ、よろしく頼むよ。僕は君とこうして力試しができる事が嬉しく思うよ。」

うむ。木場祐斗か。私が聞いたよりは面白そうな男だと思う。何故かと言うと噂以上だからだ。
木場の投げる球は私に及ばないが、かなりのスピードで変化球も出してくるからな。
だが、私にはこれぐらいのスピードで変化球を出されようが関係無いがな。私は木場が投げたボールを打つと、場外ホームランとなったからな。木場はさすがに悔しく思ったのか、少し苦笑いをした。

「何やってるんだよ木場!!」
「お前なら、イッセーを倒せると信じていたのによぉ!!」
「イッセーに投げるなら、デッドボールだろうが!!」
「そうだ。頭狙いのデッドボールだろ!!・・・ブビャ!!?」
「どうした元浜?って、ギャブ!!?」

松田と元浜が何かわめき散らすが、周りの生徒からしてもうるさいと思うので、私は松田と元浜にボールを投げて物理的に黙らせた。これで野球の授業に集中できるな。

「去らば、松田と元浜。お前達の事は忘れねえぜ・・・」

ガイが松田と元浜に別れの挨拶を言っているが、その必要は無いぞ。松田と元浜は鋼鉄の様に丈夫な体の持ち主だ。私がボールを思い切り投げて、脳天にぶつけた程度では死にはせん。
その後、私のチームが圧倒的点数差で勝利した。松田と元浜が途中棄権したりもしたが、そんなリスクも感じさせない程の授業にできたな。

『松田と元浜が途中棄権したのは相棒のせいだろ。』
『さあな?何の事か私には解らないな。』
『哀れだな。松田と元浜。相棒を怒らせるなんてよ・・・』

ドライグが松田と元浜を哀れんでいるが、気にする必要は無い。あの二人は体が以上に頑丈だ。普段から女子生徒の更衣室を覗いては、女子生徒にバレてボコボコにされているからな。その為か、体は丈夫だ。その内、放課後にでも意識を取り戻す筈だ。その放課後の帰り道で突如、出現した謎の竜巻に呑まれて行方不明になるのも決まっているがな。
松田と元浜の処理については置いとくとして、授業が終わったので着替え終わった後に木場とゆっくり話をした。

「さすがだね、イッセー君。噂以上だったよ。」
「そんな事は無い。噂以上は木場。お前の方だ。お前も噂以上の運動能力だったぞ。」
「そうかな?イッセー君って、本当に日本人なのかい?顔と金髪は生まれつきなんだよね。」
「ああ。全て生まれつきだ。私は日本人離れした容姿をしてるからか、女子生徒に毎日の様にアプローチされるのだが、それを対処していくのも大変でな・・・」
「その気持ちは良く解るよ。僕もイッセー君には及ばないけど、女子生徒からよくアプローチされるからね。相手を傷付けずに上手く断るのが大変だよね・・・」

私と木場が意気投合した会話をしていると保険室から、

「何が女子生徒のアプローチを対処していくのが大変だ!」
「俺達から見ると羨ましい限りなんですけど!」
「全く、これだから嫌いなんだよ。リア充は!」
「そうだな!リア充のイッセーと木場は爆発しやがれ!」

松田と元浜の会話が聞こえた。思ったより、復活が早いな。仕方ない。予定を変更して、サイクロンでは無く中級魔法の炎魔法であるイラプションを喰らわせる事にしよう。噴火も爆発の様なモノだ。二人のリクエストに答えてやる事にしよう。松田と元浜よ、放課後を楽しみにしていろ。

『火は止めた方がいいと思うんだが、口答えしたら俺が酷い目にあいそうだからな。松田と元浜。俺にはお前達の無事を祈ってやる事ぐらいしか出来ないぜ・・・』

ドライグが何かを祈っているが、気のせいだろう。私は松田と元浜へのお仕置きの変更を決めたので、木場と色んな事を話ながら教室に戻った。

昼休みになると松田と元浜が完全復活したので教室に戻って来た。松田と元浜が私と木場の悪口を言っていた気がするが、クラスの女子生徒全員(桐生を除く)から教室を追い出されたので二人は何処かに去っていた。どうせ、直ぐに思考を変更して女子生徒の着替えでも覗きに行ったのだろうがな。
私はうるさい二人が消えたので、ゆっくりと弁当を食べる事にした。

「よぉ。イッセー!俺でよかったら、お前と一緒に弁当を食べていいか?」
「ガイか。構わんぞ。」

私はガイと共に弁当を食べる事にした。ガイの弁当はガイの手作りらしく、バランス良く肉と野菜に米が入っており、魚介類も豊富な内容だ。イギリス出身だから、パン派かと思っていたのだが、米派らしく、イギリス食より日本食が多めだ。確か、イギリスの食事は不味いと言われていたな。ガイの弁当の内容を見ると本当なのかもしれんな・・・

「俺の弁当は魚介類を入れすぎた感じがするな。俺は魚が好きなんだよな。で、イッセーの弁当は何だコレ?」
「見るな。私が一番恥ずかしい・・・」

私の弁当は母が作ったモノだが、弁当の内容はガイと同じ位にバランスが良い内容だ。だが、ご飯の上に敷いた海苔に『I LOVE YOU ISSEI』と切り込みを入れるのは止めて欲しい・・・

「見て、イッセー君の弁当。凄いよね・・・」
「ええ。これは、きっとガイとイッセーのBL同人誌を書けという神のお告げで間違いないわ!」
「そうね。今日の放課後にでも集まって書きましょう。」

女子生徒の一部から変な内容の話が聞こえたが、聞かなかった事にしよう。私もガイの様に自分で弁当を作る様にした方が良いかもしれないな・・・
弁当を食べ終えた私とガイは教室を出て時間を潰そうとして、廊下を歩いていた時だった。

「あの?ガイさん。お話いいですか?」
「えっ?ぎゃああ!?」

ガイに声を掛ける女子生徒がいた。ガイは女子生徒が接近し過ぎた事が原因か女性恐怖症の衝動で女子生徒から距離を取ると、廊下の壁際に隠れながら、自分に声を掛けた女子生徒に目を合わせて話をする。

「え、ええと。君は誰だい?」
「私は天野夕麻と言います。」
「そ、そうかい。それで、俺に何の用が有るんだ?」
「私、ずっと前からガイさんの事が大好きだったんです!私と付き合ってください!」
「えっ?ええっーーー!?」
「あの、返事は放課後の校舎の裏で聞きたいので、ガイさん一人で来てくださいね。私、ちゃんと待っていますから。」

天野夕麻という女子生徒がガイに告白すると、放課後に返事を待つと言うから一人で校舎裏に来るように告げた。

「おい。イッセー。俺はどうすればいいんだ。俺は女性が苦手だから、付き合う事は出来ないと思うんだが。どんな断り方をすれば、夕麻という子が傷付かずに済むのか教えてくれないか?」
「そんな方法は知らない。付き合う事は出来ないとはっきり言った方がお互いに傷付く事になろうが、軽くはなるだろうからな。自分の意思に正直になって、答えればいい筈だ。」
「やっぱり、そうか。はあっ。それしか無いよな・・・」

ガイは随分と思い詰めているな。まあ、無理も無いか。女性恐怖症である自分が女性と平気で付き合える筈が無いからな、女性恐怖症が改善されない限りは、ガイは彼女が欲しくても作れないだろうな。

『相棒。気付いていると思うが、あの女は・・・』
『当然だ。解っているぞ、ドライグよ。』
『ガイには悪いけどよ、今回は我慢してくれ相棒。』
『そうだな。済まないガイ。せめて、お前が邪なヤツに利用されない事を祈るぞ・・・』




放課後、この俺、ガイ・セシルは天野夕麻という女子生徒に返事を返す為に約束通りに一人で校舎裏に来た。ソコには、待ち続けていたのか夕麻が一人でポツンと立っていた。

「あっ!ガイさん。来てくださったんですね。」
「あ、ああ。もちろんだよ・・・」

夕麻が近付いて来たけど、俺は衝動で距離を取りたいんだが、今は何とかこらえると、俺は夕麻に返事の答えを言う。

「済まない。俺は女性が苦手なんだ。女性が近付いただけで、逃げ出したい程の衝動が出てしまう程だ。だから、済まないな。夕麻、君とは付き合う事が出来ないんだ。本当に済まないな・・・」
「そ、そんな。あんまりですよ。ガイさん・・・」
「本当にごめん・・・」

俺は夕麻に付き合う事が出来ないと伝えると、夕麻が告白を断った事でショックを受けた様で表情が曇ってしまった。俺はそんな夕麻の表情を見るのが辛いので、彼女に背を向けてその場を離れようとした時だった。

「私と付き合えないと言うなら・・・死んで!」
「ガハッ・・・」

俺は背中から何かで体を貫かれた。、後ろを振り向くと、ソコには光の槍を持つ夕麻の姿が有った。彼女が持つ光の槍が、俺の体を貫いたのか・・・

「ごめんなさい。ガイさん。私はあなたを殺さなければならなかったの。もし、恨むなら私では無くて、あなたに神器を渡した神を恨む事ね。」

神器?何だ、それは?そんな物を俺は持っていないぞ・・・
夕麻は俺の命がもうすぐで尽きる事を悟ったのか、背中から翼を出すと飛んで姿を眩ました。
彼女は天使だったのか。いや、あの翼を見る限りは、まるで堕天使だ。俺は堕天使に弄ばれただけだった訳か・・・

「間に合わなかった様ね・・・」
「部長。この人・怪我は・な・酷・・す。こ・は命が・・助・り・・ん。」
「・れ・見れ・・る・。ねえ?あなた、まだ生きたいかしら?」

誰だ?出血が原因で目が霞んできているし、耳も鈍くなったのか声を聞き取れない部分も有る。だが、生きたいか。それは出来れば、まだ生きたいさ。俺はイッセーやこの学園のヤツらと一緒に笑って生活したいしな。俺は生きたい。生きたいんだ。俺が死んだら、俺を知る人が悲しむんだ。だから、俺はその声の主に答えた。

「生きたい。俺は生きたいんだ!」
「そう。解ったわ。」

俺はその声を聞いた後、気を失った。

次の日、俺は気付くと自分の家にいた。自分のベッドの上にいるという事は、あれは夢だったのか?天野夕麻という女に殺されたのは夢だったのか・・・
俺は何時も通りに弁当を作り終えると、駒王学園に向かった。一応、聞いてみるか・・・
俺は職員室で教師に天野夕麻という女子生徒がどのクラスなのか尋ねたのだが、

「天野夕麻?そんな生徒はこの学園にはいないよ。セシル君。寝ぼけているのかな?」

いないだと!?そんなバカな。じゃあ、本当にあれは只の夢だったのか・・・
俺は普段通りに学園生活を送り、何時も通りの学園生活だった。まあ、松田と元浜が珍しく入院して学園に来れないと聞いたりしたけどな。入院した理由は、前日に松田と元浜が帰宅している最中に突然、地面から炎が吹き出て来て二人はその炎に呑まれたので火傷して入院したらしい。不思議な事も有るもんだな・・・
とりあえず、無事に本日の授業は全て終了したので、俺はイッセーと供に帰宅しようと思ったのだが、イッセーの姿が見当たらなかったので、先に帰ったと思ったので、俺は一人で帰る事にした帰り道で、

「おい?そこの貴様。お前は悪魔だな。悪魔の匂いがするぞ。」
「悪魔?何を言ってるんだ。俺は見ての通り、イギリス出身の普通の駒王学園の生徒だって。」

俺の事を悪魔だと言うオッサンがいたので、俺は面白い冗談を言うオッサンかと思っていたのだが、

「普通の生徒だと?嘘を付くな!私には貴様が隠そうとしても、悪魔の気配が匂ってくるぞ!」
「だから俺は悪魔じゃないって」
「問答無用!」
「うわっ!?いきなり、何をするんだ。」

このオッサン。夕麻と同じ光の槍を持っているな。先まではそんな物を持っていなかったのに、一体何処から出したんだ?

「貴様、はぐれか?だと言うなら、遠慮は要らないな。」
「待てくれって。俺には一体何がどうなっているかさえ解らないんだ・・・」
「ふん。戯けが。戯れ言を。はぐれであるお前と話す事は無い!せめて、はぐれとは言え潔く死ぬんだな!」

ふざけるな。死んでたまるか。やっぱり、夕麻に殺されたのは夢では無かったのか。だと、すれば今の俺は一体何だ。このオッサンが俺を悪魔だと言うからには、俺は悪魔として甦ったと言う事か。
もしかしたら、俺の中に何かが有るかもしれない。出てこい、何でもいい。武器だろうと魔法だろうと、とにかく今、この窮地を脱するモノが出てくればいい。

「いきなり、ボーッとするとはな。どうやら、死ぬ覚悟が出来た様だな!」
「そんな訳が有るか!」
「なっ!?」

俺はオッサンの光の槍を弾き飛ばした。今、俺の手には翡翠色に輝く剣が握られている。俺が自分の中に何か有ると思い、念じてみたら出てきた剣だ。この剣が何かは知らないが、不思議とこの剣は長い前から持っていた気がする。この剣を見たオッサンは、

「それは神器!?貴様、神器を持っていたのか・・・」
「神器。これが俺が持っていたと言う神器なのか・・・」

俺は自分の神器である剣を見ると、最初からこの剣は俺の物だった気がする。この剣を握っていると不思議と体が軽くなって力が湧いてくる。それに剣の技が頭に勝手に入ってくる。今なら、このオッサンを倒せそうだ!

「いくぜ、オッサン!魔神剣!」
「バカな、剣で地面をえぐって衝撃派を作っただと!?グワァ!!?」

オッサンは俺の放った剣技である魔神剣を受けて吹っ飛んだ。凄い、これが神器なのか。本物の剣を握ったのは今日が初めてなのに。剣技が勝手に頭に入ってきたから、俺はそれを闇雲に放っただけなんだが、これ程の威力が有るなんて。とりあえず、この窮地は脱したよな・・・

「グッ。今のは想定外だが、思ったより威力は大した事は無いな。」
「クソ、立ち上がりやがったか・・・」

オッサンが立ち上がり、俺に向かって槍を再び向けた時だった。目の前にアニメで見る様な感じの魔方陣が出現し、その魔方陣から赤い髪の女性が現れた。

「ごめんなさい。彼は私の眷属よ。間違ってもはぐれ悪魔じゃないわ。」
「ほう。貴様はグレモリー家の者か。それは済まなかったな。その男が自分の主の名前を言わなかったからな。てっきり、はぐれ悪魔かと思ってしまったのでな。主なら、ちゃんと自分の眷属の仕付けぐらいはしとくんだな。ではないと、私の様にはぐれ悪魔と勘違いされ狩られるぞ。」
「彼は昨日、悪魔になったばかりなの。だから、まだ詳しく教える事が出来ずにいたの。」
「そう言う事か。悪かったな。グレモリー家の娘よ。」

何を話しているのかが解らねえな。俺があの女性の眷属と言う事は、昨日の声は彼女だったのか。彼女が悪魔だとしたら、俺を悪魔に変えたのは彼女という事か・・・

「ここを去る前に、お前に聞きたい事が有る。」
「何だオッサン?」
「相変わらず、オッサン呼ばわりか。まあ、いい。お前の名前は何だ?」
「ガイ・セシルだ。」
「そうか。ガイよ、お前と再び合間見える事を楽しみにしているぞ。」

オッサンが背中から翼を出して、飛んで何処かへ消えた。

「それじゃ、私がガイ。あなたに詳しい事情を話さないとならないわね。」
「あっ!?ちょ、ちょっと。ひぇぇ!?」

俺は彼女が事情を説明する為に近付いて来たのに、衝動的にそれを拒んで街灯の後ろに隠れた。俺はそこから彼女に話す事にする。

「俺は昨日、本当に死んで、その後に悪魔になったって事でまず、間違いないですよね。」
「まあ、簡潔にまとめると、そうなるわね。出来れば、私に近付いてほしいんだけど・・・」
「無理です!俺は女性が近付いただけで衝動的に逃げたくなるんです!!」
「女性恐怖症なのね。これは少し困ったわね。あなた以外の私の眷属は女性がほとんどよ。出来れば、早く女性恐怖症を治してもらいたいわ。」
「絶対に無理です!むしろ、あなたの力でこの衝動を何とか出来ないだろうか?」
「それは無理ね。悪魔と契約して願いを叶えるとしても、全てが叶う訳では無いからね。あなたの女性恐怖症は自力で治してもらうしか、方法が無いわね。あれ、そうでも無いわね。」
「おお。本当か。どうやって克服させてくれるんだ?」
「私と私の眷属の女性と知り合いの女性であなたの体を触りまくる。それに耐えきれる様になれば治るんじゃない?」
「それ、荒治療じゃないか。下手すれば、悪化して気絶しかねない。」
「何か、あなたが私の眷属としてやっていけるかが不安でしょうがないわ・・・」
「俺が一番、そう感じています。」

俺はこの女性の眷属なんて、やっていけるのかが不安で仕方ないぜ・・・
そう思った時だった。この場に強力な力が近付いて来るのを感じた。俺と彼女の目の前に空から何かが落ちてきたかと思うと、それは人の姿だった。彼は、間違いない!俺の親友である兵藤一誠ことイッセーだ。

「貴様か。強力な魔力を放っていた者は?」
「えっ?あ、あなたは・・・」
「聞いているのだ。女よ、貴様が強力な魔力を放っていた張本人かをな!」

イッセーからは強力な力とプレッシャーを感じる。本当に俺が知るイッセーなのか? 
 

 
後書き
今回はガイが登場しました。彼が原作でのイッセーの代わりにリアス側の兵士となりました。ついでに言っておくと、彼にハーレムは無いかと思います。この人の場合は女性恐怖症が悪化しかねない。

次回は、リアスからの詳しい事情の説明となるでしょう。もちろん、イッセー(ダオス)のリアスに対する誤解は解きますので。

追記;なんと、日間ランキングを見たら、この作品が一位になっていました。評価ありがとうございます。 
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