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Fate/staynight/the/crossovermoment

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無茶苦茶英霊と無茶苦茶主人?

 
前書き
前回の続きです。
感想が聞きたいのでコメント下さい!!
 

 
「無茶苦茶、無茶苦茶よ!!」

アーチャーのマスター 夜桜 叶は叫んでいた。
先程まで優勢だった状況が急に劣勢に変わった。その真実が受け入れられず叫んでいる。

「落ち着け、冷静にならねば勝てる戦も勝てんぞ」

私の英霊 アーチャーは冷静だった。
その冷静さが羨ましく感じられるが今の状況を打開しなければ冷静にはなれない。

「グ、グググググ、グガガガガガガガガガガ‐ガ」

敵の英霊は壊れていた。
言語能力を失い野獣のように奇声を上げていた。

「まず、今の状況を打開するならマスターを殺すか霊呪を破壊するかの二択だが?」

「貴方が好きな方を選んで」

「なら、敵マスターの霊呪を破壊する」

そう言ってアーチャーは突進した。
毎回、不思議に思う光景だがアーチャーは何故、弓を使って遠距離射撃をしないのだろう?
遠距離射撃なら比較的、安全に遠距離から攻撃出来る。
だが、アーチャーは毎回毎回、近距離戦で他の英霊と闘っている。

「トレース・オン!」

アーチャーは投影魔法の使い手だ。
無から物を生成する魔術だが高難易度の魔術、それをアーチャーは一瞬で発動して武器を生成する。

「ギギギギギギギギギギギギギギ!!!!」

敵の英霊は手に持った宝具 鎖鎌をアーチャーに投げた。
アーチャーは投影魔法で生成した二刀で弾き距離を詰めるが弾いた鎖鎌は空中で奇妙な回転で狂った英霊の手元に
戻り再びアーチャーに投げつけた。

「甘い!」

両手に持つ二刀で鎖鎌を防ぎ鎖の部分だけを切り裂いた。

「ウガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

狂った英霊は悲鳴に似た奇声を放った。
爆発に近い奇声はアーチャーが生成した二刀を粉砕する。

「咆哮で我が刃を砕くか、、、」

自身の武器を壊されてもアーチャーは冷静で動揺を感じない。
寧ろ喜んでいる。アーチャー自身気付いているのか気付いていないのか不明だが笑っている。

「バーサーカー、、違う。
だが、バーサーカーに近い。狂った英霊、、、貴様、何者だ?」

返答は返って来ない。
言葉が通じていないのか無視しているのか不明だが答えないなら闘いの中で暴く。

「トレース・オン」

アーチャーの手元に2本の刀が出現する。
先程、壊された二刀と形は同じだが魔力の質が先程の二刀は違う。
より、魔力を込め以前の刀より強化して投影したのだろう。

「マスター 多分だが、この英霊を倒さぬ限り敵マスターの霊呪は破壊出来ない」

この狂った英霊、見掛けに寄らず繊細な動きだ。
敵マスターの霊呪を破壊しようにも狂った英霊が邪魔をする限り不可能だ。

「不可能に近いが、、、奴を狂った英霊を倒す」

「倒せるの?」

「可能性は存在する」

奴が何者なのか判断出来れば勝ち目も僅かながら出てくる。
だが、奴の正体が見抜けない限り勝利は有り得ない。
見た目、最初目撃した時は黒いマントで覆われ中身は確認出来ず。武器、鎖鎌と思われる宝具。
情報が少なすぎる。確定的な情報は現在、解っていない。
現在の見た目は化け物としか言えない位に変化していて余計に正体は解らない。

「ゲギギガガギガゲガガガガガ」

狂った英霊は鎖鎌を振り回す。
振り回されている宝具らしき武器は空を描く度に巨大な風を靡かせる。
最初はそよ風程度、段々と風は巨大化、現在の風は小さなハリケーン並か?

「ギギガアアアアアアアアア!」

狂った英霊はハンマー投げの容量で回転した鎖鎌をアーチャーに向け投げた。

「アーチャー!!」

風を纏う鎖鎌は物凄いスピードでアーチャーに迫る。
だが、アーチャーは避けない。

「ウォーーーー!!」

受け止めた。
短い二刀で暴風を纏う鎖鎌を受け止めたのだ。
先程の壊れた二刀より強化された剣で受け止め弾こうと試みるが流石にデカすぎる。

「アーチャー!!」

マスターの悲鳴がアーチャーの耳に届く。
心配しているのか表情は今もにも泣きそうだ。
ギシギシと二刀が軋む音がマスターの声を遮り何を言っているのか解らない。
だが、あのマスターの事だ。意外に絶対に勝ちなさいとか言ってそうだ。

「限界か、、、、、、」

防御に適した宝具なら受け止め弾いただろうが今の現状では不可能だ。
投影魔法で創り出した2本の剣は徐々に綻び形状が変化する。
刀の耐久地は限界に近いが刀が限界を超え形状を保っている異様な事態を祈る。

「どけるニャ!!」

場違いな声がアーチャーの耳に響いた。

「聖剣 マスターブレードニャ!!」

場違いな声の主はレイピア状の剣を構え叫んだ。
急に出現、急な叫び。アーチャーの脳内は困惑するが事態は更に困惑していた。

「遠距離戦が得意なアーチャーが近距離戦で騎士に勝てる訳ないニャ。
この状況は私の手を貸すニャ〜〜〜〜〜〜」

急に出現した猫はアーチャーが受け止めていた鎖鎌を安安と受け止めていた。
余裕の表情に圧倒的な力の差を頷かせる技量、間違いなく自分以上に強く賢い。

「何者だ?」

「意外に冷静、、、流石、アーチャーニャ」

「状況が状況だからな」

「私の自己紹介は後ニャ。
今はコイツを抑えるニャ!」

猫はアーチャーが防ぐのに苦労した鎖鎌を普通に弾いた。
弾かれた硬直で狂った英霊は体制を崩し隙が生まれ動きが止まる。
その隙を逃さない。その隙を生かす為に猫は剣先を狂った英霊に向け突進する。
無駄を一切省いた剣と動きに無駄の無い猫に相応しい突進は狂った英霊の一部を貫いた。

「ゴ、ゴゴゴゴゴゴゴゴ、ガギヤガガア!!」

狂っていても痛覚は残っているのか奇声を上げ地面にひれ伏す。

「チェックメイトニャ。
降参するなら命は取らないニャ」

狂った英霊の首元に猫は剣先を置く。

「ウ、ウウガガガガガガガガガ」

突然、狂った英霊は消えた。
猫は周囲を確認するが狂った英霊の魔力は探知出来ない。

「逃げたか?」

「ああ、霊呪を使って無理矢理、瞬間移動したんだニャ〜〜〜〜」

回数に限りの有る霊呪を逃亡に使うのは惜しいが敵マスターの判断は的確だ。
敵マスターが霊呪を使わず狂った英霊を助けなければ猫の剣で切り刻まれていただろう。

「久しぶりの戦闘は疲れるニャ〜〜〜〜〜〜〜」

そう言って猫は座り込む。

「助けて頂き感謝するが、、、貴方は何者だ?」

「説明は俺がする」

また、見知らぬ声がアーチャーの耳に届く。
声の主の方向を向くと、そこには少年が立っていた。

「神崎 斬叶!
君が生成した宝具は不完全だニャ!!」

「不完全と言われても、俺はお前の宝具を知らない。
お前に適した宝具を想像したら、、、そうなった」

「確かに見た目だけなら似てるニャ!
でも、切れ味は本物に比べれば鋼鉄と豆腐ニャ!!」

猫は手に持っている剣を少年にジロジロと見せ付ける。
少年はジロジロと見せ付ける剣を持とうとするが猫は剣をポイと空中に放置、当然、空中で放置したら剣は落下する。

「あ、危ねぇ!?」

「あ、済まないニャ」

「全然、謝る気持ちが感じられないぞ!
下手してたら死んでたぞ!」

コントを繰り広げる猫と少年は眩しい程、明るかった。
見るだけで自然と固くなっていた筋肉は解れ段々と落ち着く。

「アーチャー!!
無事なの?」

マスターの呼び掛けが聞こえた。
耳から、ではなく心からと言った方が伝わりやすいが相当、心配しているみたいだ。
マスターの声を聞いただけで解るが半ばか泣きそうな女の子の声だ。

「無事だ、だがアクシデントに遭遇中だ」

「アクシデント?」

無事の一言でマスターは落ち着いたのか返答は普通の通常のマスターの声だ。
さて、この状況をどうマスターに説明すればいいのか?
今のアーチャーの頭の中はそれで一杯だった。



 
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