世界聖戦 絶域攻魔の栄光
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第八話 聖戦の始まり
「おっと…!」
絶域とミサイルが衝突した衝撃が間桐を襲う。
「よし!」
間桐は一気に加速しミサイルに肉迫する。しかし間桐はミサイルから突如現れた突起物に全身を貪る悪寒を覚えた。
「た、対空砲火…!?」
ミサイルからおびただしい数の機銃砲弾や小型ロケット弾がこちらに向かって来る。
「クソ!」
間桐は右左旋回、急降下、急上昇を繰り返し攻撃を回避し続ける。
「これじゃあ埒が明ない…遥華達の絶域にも限界がある…」
高度4500mで間桐は苦悶を吐く。そしてミサイルに向かって急降下しながらある行動に出た。
「攻魔特殊能力A(加速)、発動!」
その言葉と同時に世界がスローモーションになる。攻魔特殊能力A(加速)とは300倍の思考加速と100倍の肉体加速を得られる能力である。つまりあらゆる物の体感速度が1/300になり通常の100倍の速度で動くことができるということだ。しかし肉体と思考に3倍の差がある為、自らの動きが通常時の1/3に感じる。その事から使いこなすには相当な訓練が必要となる。なお通常の体なら相当な負荷がかかる。しかし攻魔士には全身を迸る攻魔が肉体を強化している為、ある程度の時間なら問題は無い。加速可能時間は攻魔士の所持攻魔力によって大きく異り、10秒と持たない者もいれば数分間大丈夫な者もいる。しかし加速は通常10秒程度の発動で3000秒分の戦闘ができる為、そこまで長く発動する必要性は無い。
「喰らえ!」
間桐は攻魔衝波二刀剣を振りかざす。するとその太刀筋をなぞるように衝波が撃ち出された。衝波は凄まじいエネルギーを発しながら対空砲火を爆散させる。しかし間引ききれなかった対空砲火が間桐に襲い掛かる。
「簡易絶域を展開!」
間桐は爆風に耐えられる程度の絶域を自身に展開する。そして攻魔衝波二刀剣を駆使して対空砲火を斬る。斬られた対空砲火は大爆発を起こす。間桐は爆発の業火に包まれるが絶域に守られている。空で舞い続ける間桐は業火の炎の中から躍り出る。間桐の速度は急降下に伴って音速をゆうに超えている。対空砲火の速度はマッハ2(音速の2倍)といったところだろうか。相対速度は時速3000キロにもなる。しかし加速中の間桐には時速10キロにしか感じられない。間桐は急降下しながら対空砲火を斬り続ける。
「間にあってくれ…!」
間桐は空中を舞い続けミサイルに肉迫する。そして互いの距離が500mに達した。
間桐は左手の攻魔衝波剣を放棄し攻魔衝波ブラスターを手に取る。
「喰らえ!!」
間桐は引き金を引き、ミサイルに向けてありったけの攻魔衝波を撃ち出した。
「絶域を展開!」
その刹那、間桐は自身に強力な絶域を展開した。衝波は対空砲火を蹴散らしながらミサイルに命名する。その瞬間ミサイルは誘爆し大爆発を起した。
「颯!」
「こんなものが落ちていたら…」
爆発の業火に巻き込まれた間桐に一同は騒然する。
「俺なら大丈夫だ。管制官殿、放送に繋いで下さい。」
すぐさま放送と無線が繋がる。
「皆さん、落ち着いて下さい。14時13分をもって敵大型奇形ミサイルは破壊されました。このような事はこれから連日の様に続くでしょう。しかし今回の様に非常事態宣言が発令された際はどうか落ち着いて放送の指示に従ってください。皆さん、帝都東京は守られました。」
その瞬間ドッと歓声が地上から上がる。そして間桐は業火の炎の中から姿を現した。無線を遥華に繋ぐ。
「戦争が始まった。無数の人を殺す事になる。だけどそれはこの人達のかけがえのない命を守る為だ。ただの自己満足かもしれない。だけどそれが兵器として生まれた俺達のせめてもの行いだ。」
「わかったわ。あと絶対に生きてこの戦争を終わらせましょう。あなただけは失いたくは無いわ。」
「あぁ。遥華も頼むぞ。」
二人はそう言葉を交わし合流すると基地へ向かった。
2099年10月24日、世界聖戦の戦端は開かれた。
後書き
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