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『自分:第1章』

作者:零那
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『出産』

分娩室に移った。
点滴やら何やらされつつ、零那の要望通り自然分娩で頑張ろうって言われた。
腹開けば傷の痛みは有るやろうけど産む痛みでは無い。
チャント愛せるかどうか、零那にとっては自然分娩するしか...


子宮口が開かんくて医者も悪戦苦闘。
零那自身も死ぬんじゃないかってくらい痛いし苦しいし怖かった。
マダ出んと諦めたのか何なのか、医者も看護婦も居らんなって、1人で股開いたまんま放置された。

急に今迄と違う痛みに襲われた。
『出る!!出る!!』
怖くて思わず叫んだ。
看護婦が走ってきてタオルか何かでグッと抑え込まれた感じが...
ごっつ痛いし!!!
看護婦が医者を賢明に叫び呼ぶ。
声が出ん。
また意識も飛びそう。
ユウは立ち会いだったのに医者より後に入ってきて、すぐに耐え切れんなって出て行った。

子宮口が急に開いたらしい。
腹を上から押し出すようにされつつ、何とか赤ちゃん出た。
へその緒もぐにゃぐにゃって出た。
胎盤も綺麗に出て、お腹がへこんだのが解った。
産後は、子宮収縮で後陣痛の痛みに襲われるって言われた。
既に妙に痛いけど...

医者がスグ何かしてた。
『何してるんですか!』
『数ヶ所、裂傷箇所があるから縫ってるから待って!』

その瞬間に痛みが走った。

暫くしてからやっと赤ちゃんと対面。
授乳した。
手がチャント求めてる。
思ったより吸うチカラ凄くてビックリ。
生きる本能やもんな。

夕方に産まれた。
長かった。
『やっぱり難産だったね、頑張ったよ!』って言われた。
出血量も多量。
何回も意識とんだ。
死にそうだった。
正直、もう二度と経験したく無いと思った。

でも、出逢えて良かった。
嬉しかった。
無事に産まれてくれて良かった。
ありがとう...

娘が産まれたとき、父親はトイレで嘔吐中だったらしいけどね...

 
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