| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

遊戯王GX 〜プロデュエリストの歩き方〜

作者:ざびー
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

エピソード22 〜天使強襲〜

 
前書き
前回の更新よりだいぶ遅れてしまいました。楽しみにしていたかたにはもうしわけございません。o(_ _)o ペコッ♪

 

 
「さぁ、第2ラウンドだよ♪ドロー!」

デッキトップに手をかけると声高らかにドローする。引いたカードを確認すると、ニヤリと口角を上げて笑う。

「手札から、速攻魔法【光神化】発動!!」

魔法カードを発動させると手札から一枚のカードを抜き取り、頭上に掲げる。そのカードを見た紫苑はバツの悪そうな顔する。

「終わったな……。」

「どういうこと?」

紫苑の呟きに明日香が反応してくる。

「まぁ、見てればわかるって。最上級モンスターが三体は並ぶから。」

「え、そんなに⁉︎」

驚きを露わにする明日香。さすがに三体とか無理でしょと言っている。

このタイミングで光神化とか……。もはや、あのコンボしかないだろ。南無


「華麗なる金星よ!美しき光を放ちて、魅了せよ!光臨しろ、【The splendid VENUS】!!」

美しい光を放つ金星の名を持つ天使がフィールド上に降り立つ。

「そして、この瞬間!新たな速攻魔法を発動!【地獄の暴走召喚】!さらに二体のVENUSを特殊召喚するよ!」

【The splendid VENUS】☆8 ATK2800

同じ天使がさらに二体、威圧感がより一層強くなり翔の場のジャイロイドは気圧され縮こまってしまっている。

「上手い!翔君のロイドモンスターは融合モンスターだから暴走召喚の効果では出せない。……。けど、本当に三体も出して来るとはね」

「だろ?」

まさか本当に三体も最上級モンスターが並ぶとは思っていなかったようで若干引き気味の明日香。

「全く、なんであなた達、姉弟はぽんぽん、上級モンスターが出せるのよ」

「俺もかよ。まぁ、否定はしないが……」

軽く八つ当たりされ、苦笑いしつつ返す

さて、十代達はあの悪魔より凶悪な天使をどうやって攻略するのやら。

『くっ……。あそこで私を出してくれればあんなくそメガネどものライフなんて一瞬で消し炭にできたのに……。」

ちらりと横を向くとアテナがハンカチを噛み締めながら、悔しがっていた。

おまえが三体並んだら、龍牙みたいになるだろうが……。あれは軽くトラウマになるぞ

『あ、あれは私は悪くないですよ〜。』

目をさっと逸らし、俺の追求を逃れようとする。


「って、そのカード、ぷ、プラネットシリーズじゃない⁉︎」

今更だが、明日香が凛としてフィールドに並ぶ天使たちを見て、声をあげる。十代は何それ美味しいの?みたいな感じで首を傾げている。

「なぁ、明日香。それってスゲーの?」

十代の放った一言で彼以外全員がズッコける。

「知らないんすか、アニキ⁉︎プラネットシリーズって言ったら、超が付くほどのレアカードっすよ!」

「へぇー、そうなんだ」

「そうなんだじゃないわよ!プラネットシリーズは強さから、数枚しか発行されず、しかもそれを賞品にした大会で優勝するしか手に入れる方法がないのよ!シンクロとか、エクシーズ並に高価なのよ!」

そこで納得したのか、へーと頷く

「てか、それを3枚持ってるって紫苑の姉ちゃんはすげーんだな」

「確かにそうね。プラネットシリーズが賭けられた大会はプロも出場するって聞きましたが……。翠さん、貴女何者ですか?」

十代、明日香、翔の3人からジトーと穴が空くくらい凝視され、あははと笑って誤魔化す翠。ちらっと紫苑の方を向いて助けてとアイコンタクトをする。

(help!)

(自業自得。自分でなんとかして)

(ウゥ〜……。薄情者め!)

(知らんがな……。)

しかし、プラネットシリーズか〜。確か、今度太陽をモチーフにしたカードが出されるんだよな。出場しようかな?

紫苑の脳内ではプラネットシリーズの確保=出場みたいな方程式が成り立っていたりする。

ちなみに紫苑と翠で合わせて、ヴィーナス(金星)マーズ(火星)ネプチューン(海王星)を所有している。まぁ、もっとも【The splendid VENUS】だけに至ってはその汎用性と人気度の高さから割と多くの枚数が刷られているが、絶版であることには変わりない。

「まぁ、デュエルに勝ったら教えてあげなくもないよ?」

「十代君、翔君!絶対に勝ちなさい!」

「「い、イエッサー!」」

物凄い形相で命令され、敬礼をしつつ応える二人

「ふふ、頑張ってね〜♪じゃあ、ヴィーナス三体の永続効果いくよ〜」

翠の合図と共にヴィーナス達から美しい閃光が放たれるも、その光を受けた翔のロイドは急にヘナヘナとへたり込む。

「なんだなんだ⁉︎翔のモンスターがへたった?」

「ノンノン。ヴィーナスの効果だよ。場の天使族以外は攻守共に500ポイント減少するよ」

【スチームジャイロイド】ATK2500→1000

ヴィーナス三体で1500ポイントものダウン。力のみでバトルするならヴィーナス一体ですら海馬瀬人のエースモンスターブルーアイズ・ホワイトドラゴンを越え、三体揃えは、ブルーアイズ・アルティメットドラゴンにあと少しで匹敵する。

「そ、そんなー……。勝てっこないっす〜〜」

先ほどまでの威勢はどこへやら、早くも意気消沈している翔

一方、十代は強敵を目前にして子供のようにはしゃいでいる。

「問答無用!バトル、行くよ!光神化で特殊召喚したヴィーナスでスチームジャイロイドに攻撃!ホーリー・フェザー・シャワー!」

ヴィーナスから放たれた光は空中で分散し、光の矢となりジャイロイドへと降り注ぐ

翔LIFE6300→5900

「いけ!ヴィーナス二体でダイレクトアタックだよ!」

光の弾幕が周り一辺を埋め尽くし、翔たちを消し炭にしようとする

「わ!わ⁉︎が、ガードブロックを発動させるっす!」

弾幕を不可視の障壁が遮り、事なきを得る

翔LIFE5900→3100

「むむむ、防がれちゃったか〜。これでエンドだよ。そして、この時、【光神化】で特殊召喚された【The splendid VENUS】は破壊されるよ。」



LIFE5150

手札一枚

魔法・罠
【帝王の進撃】



【The splendid VENUS】☆8 ATK2800

【The splendid VENUS】☆8 ATK2800


「俺のターン、ドロー!!」

十代が勢いよくデッキトップからカードを引き抜く。翠の左右に立つ二体の天使達はまるで抗ってみろと言っているように見下ろしている

「きたぜ!手札からバブルマンを特殊召喚!こいつは手札がこのカード一枚だけの時、特殊召喚できるぜ!さらに俺の場に他のカードがない時、二枚ドローだ!」

バフルマンの登場と共に大量の泡が出ると、その泡が弾け、その中からカードが二枚出現する

「手札から【天使の施し】を発動!カードを三枚ドローして、二枚捨てるぜ」

「「「はぁ⁉︎」」」

十代の引きの良さに驚愕する紫苑、明日香、翠の三人。

いくらなんでもドローカード二枚はやり過ぎだろ!

「【突然変異】を発動!フィールド上のバブルマンを墓地に送って、【E・HERO バブルマン・ネオ】を特殊召喚するぜ!」

仮面の部分が少しかっこよく?なった姿のバブルマンが再び大量の泡の中から当時してくる。

たいして、変わらねーー。というか、手札消費が激し過ぎてこいつ出すのわりに合わなくないか?

【E・HERO バブルマン・ネオ】☆4 ATK800

「さらに、装備魔法【バブル・ショット】をバブルマン・ネオに装備するぜ!」

大きなランチャーがネオの肩に装備される。だが、中身は残念ながら水である。

確かバブルマン専用装備で、効果がダメージ無効と破壊の身代わりだったよな……。で、ネオの戦闘したモンスターを破壊する効果で相手だけを一方的に破壊できるのか。ていうか、一度でバブルマン・ネオのコンボパーツ揃えるっておかしくね⁉︎

「いくぜ!バブルマン・ネオでヴィーナスに攻撃だ!ネオ・バブルシュート!」

ランチャーからはやはり大量の泡が放出され、ヴィーナスに当たるとパチパチと弾けている。一見無害そうに見えるがなにやら攻撃されているヴィーナスは苦しんでいる模様。

え?あの泡、毒なの⁉︎

バブル・ショットは質量兵器ではなく、化学兵器⁉︎なんだ、コレ?

「バブル・ショットを代わりに破壊して、バブルマン・ネオの破壊とダメージを無効にするぜ!さらに、バブルマン・ネオと戦闘したモンスターは戦闘後に破壊されるぜ!」

ヴィーナスを戦闘ではなく、効果破壊できっちりと対処してくるあたり、さすがだな。と少しばかり関心する紫苑。

「俺はこれでターン、エンドだ」

十代

LIFE:3100

手札:無し

魔法・罠:無し

場:
【E・HERO バブルマン・ネオ】☆4 ATK0

十代の奮闘(チートドロー)により、ヴィーナスがさらに一体減り、攻撃力の低下は500ポイントまでに下がる。

「私のターン、ドロー!手札から【死者蘇生】を発動し、【The splendid VENUS】を墓地から特殊召喚して、バトル!ヴィーナスでバフルマンを攻撃!」

十代LIFE3100→300

大量に降り注ぐ光の矢に蜂の巣にされ、呆気なく散ったバブルマン。

「じゃあ、ヴィーナスでダイレクトアタック!!」

「やらせねえ!墓地のネクロ・ガードナーを除外して攻撃を無効にするぜ!」

黒い装甲を身に纏った戦士がヴィーナスから放たれた光の矢を全て防ぎきる。

「施しの時か……。惜しかったな〜。私はこれでエンドね」



LIFE:5150

手札:一枚

魔法・罠
【帝王の進撃】


【The splendid VENUS】☆8 ATK2800
【The splendid VENUS】☆8 ATK2800


翔のターンが回ってくる。恐らくだが、これがラストターンだろう。十代の手札はゼロ。加えて、翠はモンスターを場に二体残しており、手札も二枚ほどある。逆転できるとしたら最も手札を多く保有している翔のこのターンしかないのだが……。どうする?


「ぼ、僕のターン……。ドロォォォ!」

神頼みするかのように眼を瞑り、ドローをする。しかし、欲しいカードが引けなかったのか微妙な表情をする。

(こ、このカードは……。)

今、翔が手札に加えたカードは【パワー・ボンド】。リスクがある分、機械族モンスターを融合する際に攻撃力を倍にできるカードだ。そして、翔の手札にはレスキューロイド、キューキューロイド、融合、リミッター解除の4枚が揃っており、パワーボンドとリミッター解除のコンボで攻撃力4倍となり、デュエルに勝つことができる。

だが、翔は…………

(こ、このカードはお兄さんに封印されているカードっす。僕なんかが使っちゃいけないカードだ。)

このカード(パワー・ボンド)を使えないでいた。

幼少期に兄である亮にもらい、デュエルをしていた時に使おうとしたのだが止められた。このカードを渡した張本人である兄、丸藤 亮に。
本人曰く、『まだ未熟者であるお前にはこのカードは使いこなせない。その時が来るまでこのカードは封印する。』と。
紫苑がその言葉を聞けば、鼻で笑い飛ばし、そんな事は自分自身で決める事だ。あんたが決めるような事じゃない。使わせたくないのであれば、取り上げるなりすればいいだろ。と言うだろう。だが、翔にとって丸藤亮という男は兄であると同時に最も尊敬をしている人物であり、絶対的な強者であるのだ。だから、彼の言うことは絶対で逆らう事ができず、言葉の呪縛となり、翔を悩ませている。


暫く翔の動きがストップする。そして、何かを決めたのかプレイングを開始する。

「…………。ぼ、ぼくは手札から融合を発動するっす。」

翔は兄から受けた呪縛を断ち切れなかった。

「手札のレスキューロイドとキューキューロイドで融合召喚!来い、【レスキューキュー・ロイド】!」

【レスキューキュー・ロイド】☆6 ATK2300→1300

救急車がデフォルメ化されたロイドモンスターが颯爽とかけてくる。エースモンスターの一柱であるモンスターを召喚できたのに翔の表情は優れない。

「さらに、リミッター解除を発動して、レスキューキューロイドの攻撃力を倍にするっす!」

【レスキューキュー・ロイド】ATK1300→2600

「バトル!僕は攻撃力が半分になっている方のヴィーナスへ攻撃!キューキューファイアー!」

本来水を出すであろうホースからは火炎放射が放たれ、ヴィーナスを焼ききる。

翠LIFE5150→3950

「うぅ、まさか二体目もやられちゃうなんて。やるね〜」

エースモンスターを破壊されてもさほど堪えていない様子の翠。

「僕はこれで、エンドです。」

そして、このターンのエンドフェイズ時にレスキューキューロイドはリミッター解除のデメリットにより、破壊される。そして、翠のターンにヴィーナスのダイレクトアタックが決まり、2VS1の変則デュエルは決した。




「チックショー、負けちゃったか〜。やっぱ、紫苑の姉ちゃんはつえーな。」

「うぅ、僕なんかじゃ、兄貴のパートナーは務まらないっすよ……」

デュエルに負け、目に見えて落ち込んでいる翔の元に十代が駆け寄っていく。

「そんな事はないぜ。結構いい線行ってただろ。それに最後のターンに何か動きが止まってたよな。ちょっと手札見せてくれよ」

「わっ⁉︎ちょっと、兄貴⁉︎」

言うが早いか、翔の手からカードをひったくり、カードを確認すると疑問の表情へと変わる。

「パワー・ボンド?どうして使わなかったんだ?これと、リミッター解除を使えば、翔のレスキューキューロイドは攻撃力が7200になって、攻撃力が半分になっているヴィーナスに攻撃してれば勝ててたじゃん」

「っ⁉︎こ、これは使っちゃいけないんだ!このカードはお兄さんに封印されているんだ……」

「ふ、封印?」

その一言に全員の頭上にハテナが浮かぶ

「やっぱ、僕なんかじゃ兄貴のパートナーは無理なんだよ!」

「翔!」

十代の静止の声も無視して、走って行ってしまう。十代は唖然として動けず、明日香は困惑し、他の二人もやすやす介入してはいけない事だと思い、動かない。

はぁ……また面倒な事になりそうだなとため息をつく。

そういえば、姉ちゃんの残り手札ってどうなってんだ?

問答無用でひったくり、確認する。

「え⁉︎ちょっとなんで奪う⁉︎」

「お、オネストに…クリスティアって……。」

オネストは攻撃された時、相手モンスターの攻撃力を光属性モンスターに上乗せし、クリスティアは特殊召喚を封じ、破壊されたとしてもデッキトップに戻る。こいつを出してしまえば、融合メインのデッキである二人の動きは封殺され、戦闘したとしても、オネストで返り討ちだ。

まぁ、手加減してなかったらワンキル多発するからこの人は……

「で?どうだった?」

「何が?」

姉が急に話題を振ってくる。

「デュエルの勝ち負けに限らず、本当はデッキ構築やってあげるんでしょ?そのために私にデュエルさせた。違う?」

「…………。」

「沈黙は是だよ。」

まぁ、実質そうのだが。

「まぁ、強くなる見込みはあるけど、いかんせん自信がないから堂々とした、プレイングができていないな。まぁ、最後に言ってた封印云々が原因だろうけど……」

「ま、そればっかしは翔次第だよね〜。私たちにはどうしようもないよ」

「だな。まぁ、面倒事に巻き込まれそうな気がするが……」

一抹の不安を抱えつつ、自身の寮に戻って行くのだった。







 
 

 
後書き
紫苑「天使ビートじゃなかったのかよ」

初っ端からそれか。まぁ、光神化はモンスターをノーコストで出せるからあってると思うよ。ヴィーナスも比較的出しやすい。

翠「まぁね。本当はフォトン・サンクチュアリとか、帝王の烈旋とかで生贄要員を稼ぎつつ、出すんだけどね。」

まぁ、ヴィーナス三体はやり過ぎな気がするんだけど……。知ったこっちゃないけどw

さて、次回予告ですが、アニメと同じで丸藤兄登場。そして、やっぱり巻き込まれる紫苑くん。さて、どーなる?

紫苑「やっぱ、巻き込まれるのな……。慣れたよ」

悟った?ま、いいや。では、次回もよろしく!

 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧