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『自分:第1章』

作者:零那
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『初詣』

皆と一緒に居てもユウとの会話は相変わらず無し。
何か言うてきた思たら不満やグチ。
わざわざ皆居るとこで言う事じゃ無い。
雰囲気悪くなるだけ。
神社には入らんかった。
涼君だけが察してくれた。
『やっぱ人多かったら吐きそうになる?』って。
頷いたら『早く出てくるけんおとなしくしとくんよ!』って、子供に言い聞かす口調で言われた。
お互い笑いながら手を振った。
ユウは『入らんなら最初から来るな』ってイヤミ。


待ってる間、妊婦って解らん馬鹿な奴がナンパしてくる。
おちょくってたら馬鹿が半ギレ。
蹴られそうになったとき涼君が零那の名前を叫んだ。
で、この馬鹿と知り合いらしく、謝り倒してた...


涼君に説教された。
『零那さん、赤ちゃん守るのは零那さんやろ?今迄みたいにしょったらあかんで!』
以後気を付けます。
暫く、赤ちゃんのこと、今後のことを話した。

涼君自身の気持ちと、一般的高校生男子の気持ち...
『正直、俺がユウの立場でも揺らぐ。でも、どっちにしてもユウよりはケジメを早くつけると思う。零那さんが腹立つのも皆解ってるよ。俺が零那さんの立場ならユウをキライになるだろうし。ユウも頭では解ってる筈やし覚悟決める迄待ってあげて』

涼君は、零那の立場にもなって考えてくれてた。
それにビックリした。
こぉゆうとき、男は男の肩を持つと思ってたから。
ヒー君はすべての物事に対して正論を述べるから逆に本音が見えづらい...
でも、優秀な子やから真っ当な意見を述べるし、間違ってるか否かの判断が解らんときは頼りになる。


涼君は続けて言う。
『俺ができること、愚痴聞いたりとか背中さすったりとか、何でも言ってよ?頼ってくれて良いし遠慮したらあかんよ?
零那さん、あの時のこと覚えてる?拉致られた時のこと。
ユウ、必死で探し廻ってて、色んな奴にも電話しょった。
あの姿見てるから、俺は、ユウが零那さんのことを大事にする!間違いない!って自信がある。だから、信じて待ってあげて欲しい...』


タイミング良く皆が出てきた。
皆、涼君が先に出たの知らんかったらしい。

零那のこと、心配してくれてる子が居る。
そのことに改めて感謝した。

 
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