『自分:第1章』
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『店外/立場』
犬っころはカラオケ中。
店長に電話で話した。
この接客の後、カラオケ行こうと思ってることを。
時間的にも仕事上がりやし。
皆もバイトやし。
それに...
犬っころ、なんとなく何かを話したそうやし。
店長は、客との店外リスクを教えてくれた。
高松居たときに聞いてるから知ってるけど。
リスクってゆうか、基本、店に対する損失を生むからやけど。
店外バレたら罰金100万円やし。
でも、店長は、そんな事より、零那が危険に晒されるかも知れんって言ってくれた。
営業時間、接客中じゃ無い限り、何かあっても店側が出て行けれんって。
でも、犬っころの場合、性的サービスは一切無かったことは店長も知ってる。
だからこそ、逆に、単なる犬っころがオリから出て狼にならんかが心配やって。
例えば、店の為に女の子を大事にしたり優しくしたり...
仮にそうであっても、この店長の性格が、そう思わせずに、ただ単純に心配してくれてるんやなって思わせる...
それが妙に嬉しかったりして、それだけで自分にも価値が在るんやなって思えたり...
何かあったらあかんからって、勤務時間外やのに店の携帯そのまま持っときなさいって。
終わったら何時でも良いから必ず連絡しておいでって。
事務所、今日は夜出勤居らんし風邪引いてもあかんから、迎えに行くし事務所で寝てって。
その条件で、店外を許して貰った。
接客終了後、一旦事務所に帰る。
犬っころにはタクシー代を渡してカラオケ店に行ってもらっとく。
給与精算してもらって、店長がカラオケ店迄送ってくれた。
犬っころに直接逢って、丁重な挨拶と同時にプレッシャーを与えてたような...牽制?
こぉゆう業界の店長とかは、いざって時に女の子を守れなあかんのやろなぁ。
ある程度、威厳がないとやれんよね...
それが仕事であって、店の為でも自分の立場の為であっても、それでもやっぱり『守られてるんやな』って思ってしまう零那は馬鹿なんだろうなぁ。
だったら零那も、店の為に店長の為に、出来る限りのことは頑張ろう。
少しでも役に立つように。
そぉ思ってしまう。
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