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魔法科高校の生物兵器

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入学編Ⅰ

「へえ~ここが、エリート共の巣窟か。確か、国立魔法第一高校・・・・だったっけ?」


正確には、国立魔法大学付属第一高校である。

日本にただ9校しかない魔法を磨くための学校、言い換えれば魔法を使える者だけが通えるエリート学校であった。
だがそれ以上に、魔法をより使える者と使えない者の間に存在する歴然とした差が、甘ったれた理想論の介在を許さない。

徹底した才能主義。
残酷なまでの実力主義。
それが、魔法の世界。
この学校に入学を許されたということ自体がエリートということだが、入学の時点から既に優等生と劣等生が存在する。
同じ新入生でも平等ではないのだ。


(俺はもちろん、劣等生の方なんだけどな~)

桜が堂々と咲き誇り、空も雲ひとつ無い青空で光り輝いている
そんな中、一人の少年がベンチに座っている一人の人影を見つける。
その少年はベンチに座っている少年に歩み寄り、声をかける。

「やあ、達也。俺を置いて深雪と2人きりで先に行くなんて酷くない?」


「兄さん・・・・やっと来たのか?」


なんと、この少年達──司波 恭夜と司波 達也の二人は兄弟なのだ。
兄弟ではなく近しい親戚、という可能性もゼロではないが。
兄弟だとするならば、とても似ていない兄弟だ。
兄の方は十人が十人、百人が百人認めるに違いない美しい美少年、一方で弟の方は、平凡な容姿をしている少年。
だが、一つだけ似ている部分はあった。
それは、鋭い目つきだ。
弟の鋭い目つきは、まるで心を全て見透かされているような目つきで。
一方兄の鋭い目つきは、獲物を狩る時の獣のような目つきだった。


「来たのか?・・・・じゃっねーよ!起こしてくれてもいいだろー!」


「起こしたよ・・・・・・・・深雪が」


「マジで!?」


「すまん、嘘だ」


「嘘つく意味!!」


「兄さん・・・・少し静かにしてくれ」


「お前、俺のことナメてるよね。完全にナメてるよね!」


「・・・・・・・・」


それから達也からの返事は無かった。
5分ほど過ぎた所で恭夜は諦めてベンチに座り、異常な睡魔に誘われるがままにそのまま意識を落とした。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


ああ、ここはどこだ?

黒い何かが人を襲っている?

殺されているのか?

あれは何だ?何なんだ?・・・・・・・・あ、思い出した、あれは───























































「───害虫」


「え?」


「・・・・え?」


「大丈夫か?」


「・・・・・・・・俺、何か言った?」


「・・・いや、何でもない。気のせいだ」


恭夜は達也にそうか、と素っ気ない返事をして空を見つめる。
達也はまるで心が無い人形のような兄をしばらく見つめて、やがて情報端末に落とした書籍データへ意識を向けた。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇


開いていた端末に時計が表示された。
達也は読書に没頭していた意識が、現実に引き戻される。
入学式まで、あと三十分。

「新入生の方ですね?開場の時間ですよ」

愛用の書籍サイトからログアウトし、端末を閉じて兄に声をかけようとしたちょうどその時、頭上から声が降って来た。
恭夜も声に気づいたようで、声のした方へ顔を向けている。
声をかけた女性は美少女なルックス、小柄ながらも均整の取れたプロポーションと相まっていた。

「ありがとうございます。すぐに行きます」

「あっ、申し遅れました。私は第一高校の生徒会長を務めています、七草 真由美です。ななくさ、と書いて、さえぐさ、と読みます。
よろしくね」

彼女の自己紹介を聞いて、達也は思わず顔をしかめそうになった。

(数字付き《ナンバーズ》・・・・・しかも「七草」《さえぐさ》か)

魔法師の能力は遺伝的素質に大きく左右される。
魔法師としての資質に、家系が大きな意味を持つ。
数字付き(ナンバーズ)とは優れた遺伝的素質を持つ魔法師の家系のことであり、七草家はその中でも、現在最有力と見なされている二つの家のうち一つだった。
つまり、彼女はエリート中のエリートというわけだ。
達也は何とか愛想笑いを浮かべて、名乗り返した。

「俺、いえ、自分は、司波 達也です」

達也が返事をした次の瞬間──










「──ズッキューーーン!!」

恭夜が頬を赤らめて大声を出した。

「え?」

「始まったか・・・・」

何が始まったかというと、恭夜は無類の──美少女好きだ!つまり・・・・相手を口説く。

「美少女だ!長い黒髪が清楚さを感じさせるが、少し小悪魔っぽさを出した笑顔がとても素敵だ!!」

「え?え?//」

真由美は頬を赤らめる。
まあ、無理もないだろう、恭夜は性格以外はイケメンだ。
そんな男に自分のことを褒められたら赤らめるのは当然だろう。

「気にしないで下さい、兄の恭夜は美少女好きなんです」

「え?兄?び、美少女好き?///」

「真由美会長・・・・いや、真由美!好きだ!俺と結婚してくれ!!」

「え、えええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!/////」

もう真由美の顔はリンゴのように真っ赤にして驚いた。
会って数分もしないイケメンの男にいきなり求婚をされれば驚くのは当然だ。

「兄さん、またか・・・・?」

「いーや、違うよ達也!俺はこれまで何百人もの女性を口説いてきたけど・・・・この恋は本物だよ!」

「・・・・・・・・正直、どーでもいいです」

「・・・・うわーん!達也がいじめるよー!慰めてー!(棒読み)」

「ちょ、きょきょきょきょ恭夜君!?////」

恭夜は嘘泣きに棒読みで真由美に抱きつく。
直後、達也の拳が恭夜の頭に振り下ろされる。
恭夜はその衝撃で意識を失い、達也は恭夜の首根っこを掴む。

「兄が大変失礼しました。そろそろ時間ですので・・・・・・失礼します」

達也は顔を真っ赤にした真由美を置いて、意識がない恭夜を引きずりながら颯爽と去っていった。

 
 

 
後書き
大罪「ヤッホーイ!作者だよー!☆」

恭夜「うわ、ウザいなコイツ」

大罪「いや、お前の美少女好きの方がよっぽどウザいだろ」

恭夜「美少女は正義だよ!」

大罪「お前バカだろ」

恭夜「・・・・全国の美少女好きの皆さーん!コイツ美少女をバカにしましたよー!!」

大罪「えっ、あ、ちょっ・・・・いや・・・・・・・・すいませんしたー!俺も美少女好きですよ!ってちょっと待って読者の皆さん!冷たい目で「うわ・・・・キモ」みたいな目で見ないで!俺メンタル豆腐だから!泣くよ!本気で泣いちゃうよ!!」

恭夜「勝手に泣いとけって皆思ってるよ」

大罪「酷くない!(泣)」

恭夜「酷くない、さっさと次回予告に行け」

大罪「・・・・・・・・」


次回予告
恭夜は2人の美少女と出会う!
ある事で恭夜は激怒!何故!?
次回も恭夜の変態っぷりが大暴れ!

拝読ありがとうございました! 
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