戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~
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二十一章
鬼との戦いの前×大天使化による戦い
さて少し時間を戻してからだったが、本体である俺は分身体の俺が行くところに来ていた。もう既に鬼は殲滅した。なのでこれからやってくる武田衆のために神の力を使う。あとは分身体の俺と合せてやるけど。
「隊長、私たちが鬼を殲滅させた痕跡を消しました。いつでもどうぞです」
「そうか。ところでIS部隊の機体は何だ?鬼に変装というか機体そのものを鬼に見せなければならない。けどそんな機体あったけ?」
「ありますよ。頭部のところを少し改造したら、外見は鬼と分かるくらいでしたから。機体名はGNZ-005 ガラッゾ。おまけに鬼の体型をコーティングさせましたので大丈夫かと」
「なるほどな。ガラッゾは接近戦用の機体だ。おまけにGNビームクローがあるから鬼の爪だと分からせるためか。だが、ビームだとすぐにバレると思うが」
「そこも大丈夫です。爪の部分は獣の爪みたいにしたEカーボンで出来ています。なので例え刀で斬り落とそうとしても大丈夫かと」
「なるほど。実体弾を無効化させるVPSと思ったが、Eカーボンと来たか。まあGNドライブとならかなり強化されているしな。さてとそろそろ夜叉たちと鬼たちを呼ぶか。少し離れていろ」
と言ってから俺の周りにいる隊員を後ろに退去させてから大天使化をした。
「神界よ、我の声を聞いて参上されたし。来い!」
金色の魔法陣からは八大夜叉大将が現れた。そして大将の周りには5千はいるであろう夜叉がいたけど。
「創造神様。今回はどのようなご用件でしょうか?」
「うむ。実はな、もうすぐ武田衆がやって来るのだが、鬼の体型を疑似コーティングして武田衆と戦ってほしい。その力、本当に武田は強いのかこの目で見たくてな」
「なるほど。確かにワシらも人間の力とやらを見てみたいものですな。鬼と戦えるだけの力を持っているのかどうかを。ではさっそくその疑似コーティングを夜叉数十体にして下さいな。いくらなんでも夜叉5千では人の力はすぐに折れる事ですので」
と言ってさっそく夜叉を選んでからコーティングさせた。すると外見は下級の鬼に見えるが、中身は夜叉で戦い慣れている。それに斬られても平気だ。もし斬られた幻術で倒れたように見せるが本当は空中にいるから。
「さてと一応本物の鬼を蘇生させよう。支配させるからこちらには襲って来ないけど。死者蘇生発動!」
で、鬼が10から20匹蘇生させた。この鬼たちは俺の分身体に当たらせる予定。鬼にコスプレした夜叉とIS部隊は春日たち武田衆の方に当たることになっている。そしてしばらくすると分身体の方でなぜ甲斐に鬼が出るのかを聞いていた。やはり駿府もなのか。まあこれを予想済みだし、トレミーの情報をまとめてヴェーダによる演算をした結果によるもの。あと本陣にいる夕霧たちの会話が聞こえてきた。
「・・・・・心配でやがりますか?」
「・・・・まさか。この程度の事でいちいち心配などしていれば、身が幾つあっても足りませんから。それにおそらくですが、一真様は武田の力を試すんだと思われます」
「ふむ・・・・確かに、一真様であれば心配はないやがらん。しかし武田の力を試すとはどういうことやがれか?」
「それについては後々分かると思います。それより、夕霧さん。一つ・・・・お伺いして宜しいですか?」
「何でやがれますか?」
「晴信殿はどうして今回の出陣に同行を?」
「と言いやがりますと?」
「前線に立たねば沽券に関わるとお考えであり自らも戦う我らのお頭とは違い、武田の晴信殿が前線に赴くのは、余程重要な戦のみと聞いておりますが・・・・?」
「それだけ、一真様を重く見やがる・・・・という答えでは、不満でやがりますか?」
「それが本物の晴信殿であれば、納得もいたしますが」
「・・・・姉上は武田家中の真の切り札でやがりますよ」
「・・・・なるほど。では、やはり・・・・」
「まあ隊長は既に知っていますよ。あの方は影武者だとね」
とそう言っていたらしいが、まあ今は目の前の事に集中しようじゃないか。俺たちの目の前にいるのは鬼だ。だが、本体の俺は既に移動済みで、俺達が戦っている鬼は普段より少し強化された鬼で死者蘇生させたもんだ。
「ギャアアアアアアアアアアアッ!」
断末魔の叫びが、辺りの夜闇に木霊する。
「よし。これで10匹目っと」
辺りを見回すと俺と綾那と歌夜は鬼を倒したあとであった。
「さすがなのです、一真様」
「しかし春日殿のところはまだのようですが」
そりゃそうだろ。あれは外見鬼で中身は夜叉にIS部隊の者たちなのだから。俺たちは少し離れたところで様子見をしていたけど。
「くっ。何なのだ、この鬼たちは。小物ではなかったのか!」
武田衆の兵を見ると三人で一匹どころか敗退寸前だった。今は六人で一匹を相手をしている。さて。武田の力を見せてもらいたいがこんなもんなのか?人の力とやらは。すると時間が経つにつれて春日は次々と鬼(夜叉とIS部隊)を斬り倒していった。ほう、あの早さを見切ったというわけか。斬られた夜叉たちは撤退した。残った鬼の死骸はすぐに消えたけどね。
「一真様。私たちは助太刀しなくてよろしいのでしょうか?」
「ちょうどいいから、武田の力とやらを拝見しようじゃないか。特に綾那は行くなよ?行ったら行ったでハリセン一発な」
「わ、分かっているですよ!しかし綾那達が倒した鬼より強い鬼と戦いたいと思っているです!」
俺達が見守っているとやっとここら辺にいる鬼=夜叉たちを倒したらしい。肩で息をしている兵たちだったけど、春日はそうではなかったけど。
「なるほど。確かに鬼と戦い慣れている様子ですが、なぜ助太刀に来なかったのでござるか?」
「せっかくだから武田の力とやらを見たくてね。今回の鬼は強化した鬼と言って過言はないだろう。尾張や美濃でもちょくちょくと退治して回っているから、鬼については熟知している」
「春日さえ苦戦した鬼をあっという間に倒すとはさすが一真様ですか」
「では、急ぎ引き返して残る一団を・・・・・」
「大変れす!」
「どうした!」
「物見の報告れ、もっと南にもう一部隊、ここと同程度の鬼の群れが・・・・!」
「・・・・ふむ。であれば一真様、北の一団を任せて宜しいか?拙は南に向かう」
「それは構わないが・・・・いいのか(それに北のは夜叉とISを配置させていたが、先ほどの通信で南に現れたらしいので移動させて正解だったな。もし移動させなかったら俺らは夜叉たちと戦うはめになっていたし)」
たった一度、一緒に戦っただけだが、俺達の腕を信用しているのか?それに春日は戦いより信用できるかどうか怪しんでると思っていたが。
「事態が事態ですゆえ、致し方ありますまい。案内がてらに手勢を半数と・・・・」
「私も同行します」
「それはどういうことかな?」
「兎々や春日を監視役に付けては、隊を分ける意味がありません。ここは私が引き受けるべきでしょう」
まあ本来の晴信は前線に立つくらいの者ではないと聞いているし、こいつは影武者だということはだいぶ知っている。たぶん俺達の監視役をするのであろう。それと先ほど通信が入ってドウターが動いたということらしい。なのでMS隊が対応しているそうだが、新たな情報によると北の一団のとこにゲート反応があったそうだ。ということは鬼とドウターが一緒に動いているのか、それとも馴れ合いになって動いているのかどちらかだ。あと空の方にはゼットンはいるが動かない様子。
「一真様。この意味・・・・お分かりいただけますな?」
「・・・・・・・」
俺は通信に集中していて黙っていた。春日は大きな声で言おうとしたらしいが、歌夜が止めてくれた。今は仲間と連絡しているので静かにと。そしたら静かにしてくれたようだったが、不思議に思っていたらしい。俺は本体と連絡し合ってから目を開けた。
「黙ってて悪かったな。鬼と戦うなら武田と事を構えるような事はしないし、預かる以上は晴信を指一本触れさせないつもりだ」
「それならよし。三人の戦いぶりを見られなかったのは残念ではあるが・・・・行くぞ、兎々!」
「うぅぅ・・・・・織斑一真!お屋形様に何かあったら、承知しないの『パシィィィィィィイン!』・・・・・!?」
最後の方は俺がハリセンで叩いたから声が出ないほどだったけど、だいたい俺に呼び捨てとかいい度胸しているじゃねえか。で、行ってしまったがそちらは夜叉とISだからな。まあ苦戦はするだろう。中級クラスで喋るようにしてあるしな。
「では、私たちも急ぎましょう。早く戻らねば、鬼が人里に着いてしまいます」
「まあそれについては大丈夫だ。今俺の部隊の人間が牽制させてるみたいだし(本体の俺が)」
と謎の言葉を言った俺に晴信は首を捻っていたが、馬に乗って来た道を全速で引き返す。なんか武田家の騎馬のペースは速いな。
「綾那たちは大丈夫か?」
「大丈夫ですよ!夕霧よりも速くないです!」
「そうですね・・・・。この位なら、何とか」
「まああれは速いもんな」
夕霧はめちゃめちゃ早かった。バイク並みだったけど、おそらく全力出したらバイクの方が勝つだろう。
「たぶんそれは、かなり加減があったと思います。いつもは春日も兎々も、もっと早いですから」
「・・・・そうなのですか」
あれで加減ありか。本気の武田騎馬軍団というのは見てみたいが、今はいいだろう。
「一真様!見えてきたですけど、誰か戦っているです!」
やがて綾那が指差したのは、森の一角だった。森の中には異様な黒い影と剣を持った俺本体がいた。俺本体は銃で牽制しながらだったけど、俺分身体が到着したら牽制をやめてこちらに近づく俺本体であった。その間に夜叉たちに牽制を任してある。
「ようお前ら。遅かったな」
「え?一真様がもう一人!?」
「お疲れさん。俺よ」
「お疲れだ。俺本体よ。さてと俺は戻りますかね」
と言って本体に合流したら俺は一人になったけどね。武田衆の兵と晴信?は終始驚いていたけど。
「まああとで質問聞いてやるから、今は鬼とドウターを倒そうか。陣形は無しだ。俺のみで戦わせてもらう。綾那と歌夜に武田衆の兵の諸君は晴信を守っていろ。俺の殺気と覇気を浴びたいのなら前へ出て構わんからな」
「分かりました。では鬼とあの化け物はお任せいたします。綾那もいいわよね?」
「うぅぅ・・・・。ホントなら綾那も戦いたいですが、一真様の殺気と覇気は物凄いと悟っているです」
「それほどなのですか?一真様の腕は」
武田家の足軽たちは俺達をなめんなとか文句を言っていたが、俺の殺気と覇気を向けると黙ってくれた。俺はそれほどの強者だからな。といっている内に俺は左手に剣を右手にハンドガンを取り出して鬼とドウターの集団に向かった。
「おりゃあああああっ!」
「ギャアアアアアアアアアアアッ!」
断末魔の叫びと共に銃声も聞こえる。斬ったあとに俺が後ろにいる鬼とドウターを撃ったからだ。
「これで10匹目、と」
俺の剣は金色に光っているし、鬼の血は浄化されるので付着しない。視線を森の奥を見るとまだまだいるな。下級ばかりでなるで最初に鬼と戦ったときみたいだった。後ろにいる武田衆の者たちはあっという間に倒していく俺を見て固まっていたらしい。綾那と歌夜はさすがですと言っていたようで。戦力はまだまだこちらが有利だがそろそろあの姿になってもいいだろうと思い、俺は一度後退した。銃と剣をしまって。あとドウターはとっくに片付いて今は鬼だけになっている。
「どうされましたか?」
「今度は綾那たちが殺ってもいいです?」
「違う。せっかくなので俺の姿を見せた方がいいかなと思ってな」
「なるほどです。ならあの姿になって一真様の全力を見せてほしいです!」
「全力は出せないけどまあいいか。・・・・大天使化!」
我は大天使化による黄金の姿になった。金色の光を浴びた鬼は一瞬にして消滅したけど。さてと神々のバーゲンセールでもやりますか。夜叉たちは一度神界に戻っている。
「神界よ。我の声を聞いて参上されたし、来い!」
金色の魔法陣で召喚した神々は、十羅刹女、再び八大夜叉大将と夜叉だった。そしてIS部隊であって今回はスサノオとガラッゾだったけど。
「あ、あれは鬼!?何で一真様のところに鬼が?」
「あれは鬼じゃないですよ。正確にいうとあれは一真様の部隊の人間です!」
まあそうなんだけどね。で、神々たちはすでに鬼を倒しに行ったからIS部隊の者たちも戦いに行った。数分で片付いたけどね。そしたらあと一匹いたので、神々たちと部隊を下がらせてから俺がやろうとしたら声が聞こえた。
「残りは一匹。頂くとしよう!」
「らああああああああああああああああああああああっ!」
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!」
「は・・・・?」
そいつは俺がやろうとしたときに背後から強烈な気合を叩き付けられ・・・・壮絶な断末魔の叫びと共に、その場にずしりと崩れ落ちた。ちなみに神々たちはすでに神界に戻らせているし大天使化も解いている。IS部隊の者たちは光学迷彩で隠れている。で、向こうに覗くのは月明かりを弾く長い槍と・・・・。
「何だ。こっちはもう終わっているんだぜ?」
「君は・・・・」
槍の穂先よりも輝くおでこ・・・・ではなく、粉雪と呼ばれた子の姿だった。
「他は皆旦那たちがやったんだぜ?」
「たちではなく俺一人でな。最後は君で終わったよ」
「ふーん・・・・」
粉雪は小さくそう呟くと、倒れた鬼を踏み越えて、俺の目の前にやってくる。あと空中にいるドウターたちは殲滅中の様子だ。ゼットンは動く様子はないらしい。やはり俺がいかないと、か。すると粉雪の視線が俺に向けているのに気付いたので、俺は見たら戦える者なのか判断しているのか他の意味なのか。一応殺気と覇気はやっていない。
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