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魔法科高校~黒衣の人間主神~

作者:黒鐡
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入学編〈下〉
  部活連本部での報告

閉門時間間際の部活連本部に俺はいた。いる内容は、先ほど体育館で起こった出来事の報告をしにな。後ろには護衛の蒼太がいるし、前には三巨頭と呼ばれる3人がいるけどな。

「・・・・以上が剣道部の新観演武に剣術部が乱入した事件の顛末と差別用語発言の者たちによる拘束者のリストです」

俺が目撃した体験の一部始終、壬生紗耶香と桐原武明の口論から二人の私闘を経て、俺自身による差別用語発言者を逮捕・拘束したことと、剣術部全員での乱闘を拘束して逮捕という異例を話した。本来なら、この二人だけになるが今年度一年には護衛付きに強い権限持ちであると同時に、二科生を差別用語で発言と同時に逮捕して良いとのことだったので差別用語発言をした者たち全員を拘束したわけとなる。まあ剣術部の者たちとは乱闘はしたが、相手が悪かったとしか言いようがない。

「それにしても、数十人以上を相手にしてよく無事だったわね・・・・」

右に生徒会長で言う七草真由美。

「正確には剣術部と発言者を合わせても、二十人から三十人と聞く。さすがは対人戦闘のエキスパートだな、九重先生の師範というのも嘘ではないということか」

真ん中には風紀委員長の渡辺摩利。

楽しそうに言っているが、可笑しいではなく楽しそうに笑っている。まあこれで差別用語発言=風紀委員に拘束されるという意味を、全校生徒にきっちりと畏怖させたことによることだ。そして剣術部のではなく差別用語発言者のリストを早急に作成した甲斐があったけどね。それを見ながら二人というか三人は感心をしていたように感じ取れて見えた。桐原を抑えたあとは、単純に動きを止めただけなのかそれともエレメンツで拘束したのかまでは知れていないが、攻撃ではなく防御しながらの自滅によって自然と拘束をしたからだ。左には部活連会頭の十文字克人。

「ところで当初の経緯は見てないのだな?」

表情を改めた委員長に問われて、過去のデータを見直してから発言をした。

「ええ。桐原先輩が挑発したという剣道部の言い分も、剣道部が先に手を出したという剣術部の言い分も確認は取れていません」

過去のデータを見るのは、ISの応用した技術。トレミーからの直接頭の中に映像を映すというので、ヘッドギアがないとできないけど。身体のどこかに受信できるのがあれば見れるようになっているし、今は俺の装備のところに。それと言い分までは聞いていないし、あの時は遠くにいたから直接は見ていないからだ。

「最初に手を出さなかったのはその所為かしら?」

「危険と判断すれば、私と蒼太で双方に止めていたでしょうが、打ち身程度であればそれは当人同士の問題かと」

七草会長の質問には率直に答える。これは職質や止めに入る感覚を知った上での判断だったのだから。俺が傍観というより静観をしてたのは、選択肢がいくつかあるからだ。話し合いだけという選択もあったが、双方は話し合い所ではない。それに止める側は名声や悪名など関係なく当事者を威圧するだけであり、今回はどのケースにも当てはまらない。前に聞いたが風紀委員の仕事は、主に2つあるが。1つは風紀を乱す輩を取り締まること、2つは魔法を使った暴力行為を取り締まることだ。今回は桐原と壬生が魔法抜きの私闘という剣技があったら、俺は最後まで傍観静観していただろうが。

「・・・・まあそれもそうか。いがみ合いが発生するたびに我々が出て行くのは、人員的に不可能だ。だが風紀委員関係なく、それを目撃したら処罰できる君が居ればもっと楽になったと思うが」

それは確かに、風紀委員は人員的に少ないし、巡回するにも人員不足である。正直校内が広いと死角のある場所で乱闘もしくは私闘をするバカが、いる可能性は高い。が、今年度はそれを見たらただちに取り押さえることが出来る生徒が入学したからである。まあ勧誘時のトラブルというのは大抵は部活連内部で処理するのが原則。それなのか三人ともそれ以上の異論というのはなかった。最も十文字会頭はずっと聞き手になっている。

「それで、取り押さえた桐原と拘束者はどうした?」

「桐原先輩は鎖骨が折れていたので、保健委員に引き渡しました。魔法ですぐに治癒可能程度の怪我のようでしたが、あのとき桐原先輩が魔法を使う前は鎖骨にヒビが入ってた程度でしたがどうやら取り押さえたときに折れたようでした。まあ私の回復魔法でも治癒可能らしいですが、保健室で非を認めているので措置はそれ以上必要ないと判断しました。それと拘束者ですが、全員差別用語の常習犯と確認が取れました。今見ているリストは全員差別用語常習犯としての未遂犯だったようでしたので、風紀委員による厳重注意処分をしておきました」

鎖骨が折れていたのは、俺の所為で折れたからであるがヒビが入ったときから分かっていた。あのときの剣技でも鎖骨に届いていた竹刀の先、まあ俺自身が折ったと発言しても問題はなさそうだ。それと拘束者全員は常習犯で過去に軽い罪での未遂犯ということも、調べた結果が今見ているリストだ。ちなみに前科は全部洗い流して調べたから。

「ふむ・・・・去年の未遂犯までいるな、良く調べたと言っておこうか。訴追は、摘発した者の判断に委ねられるからな。それに拘束者全員を厳重注意処分とブラックリストに載せるのはあいつの仕業か?」

あいつとは誰とは言わないが、あのあと未遂犯を徹底的に洗い流しての調査の結果、風紀委員としても校内での監視カメラにしてもマークしてある人物をブラックリストに載せることができるとすればあいつしかいないだろうな。俺の親友=零達也=俺の指示。

「聞いての通りだ、十文字。風紀委員としては、今回の事件を懲罰委員会に持ち込むつもりはない。が、ここに載っているリストの人物については懲罰委員に引き渡す予定だ。未遂犯をこれ以上問題なことを起こす訳にはいかないのでな」

「寛大な決定に感謝する。高周波ブレードなどという殺傷性の高い魔法をあの場で使ったのだ。怪我人以前に、織斑が魔法をキャンセルした時点で怪我人が出ていないというのはいい判断だ。本来ならば停学処分もやむを得ないところだが、本人も分かっているだろ。今回のことを教訓として、よく言い聞かせておく。それと拘束者の中にいた未遂犯の常習犯については、懲罰委員に引き渡すのもやむを得ないだろう」

「頼んだぞ。だがまあ今回は織斑が魔法をキャンセル出来る全ての魔法、いや異能の力を全て無効化できる力で高周波ブレードを片手で止めたのは知らない者にとっては自殺行為だ。まあ掴んだときと同時にキャンセルされたのだから、怪我がなくてよかったよ」

と言ったが、俺の無効化については少し語った委員長。会頭が頭を下げ委員長が頷いたあとに発言したのは俺に向けてだったけど。あとは剣道部の処遇については、喧嘩を買った時点で同罪。文句を言う筋合いはないと会長の質問にバッサリと切り捨てる。風紀委員長が裁定を下して、部活連会頭は受け容れ、会長はこれ以上反論はしない。まあ最後に魔法を使おうとした奴らもいたが、俺の無効化能力をフィールドとして使ったのだから。

「最後に聞くが、魔法を使ったのは桐原だけか?」

「使用したのは桐原先輩だけですが、無効化フィールドの中で使用しようとした者もおりましたが、無駄に不発していました」

「なるほど。君の力は規格外だな、ではご苦労だった。護衛の蒼太さんもご苦労だった、織斑だけだったら取り押さえられずに逃走していたかもしれん」

と言われて俺と蒼太は部活連本部室から退出したのだった。 
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