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魔法科高校~黒衣の人間主神~

作者:黒鐡
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入学編〈上〉
  ISとCADの調整

少し遅くなってしまったが、深雪が待ってくれたので一緒に帰れた。そして家に帰ると深夜が言っていたな。

「真夜から聞いたけど、あの服部君に勝ったってホント?それとドウターが出たのは?」

「タンマタンマ。帰ってきて一言目がそれかよ、自室に戻ってから話すよ」

そして俺、深雪、蒼太、沙紀はそれぞれの部屋に戻った。今回はいろいろと疲れた、エレメンツを長時間使っても大丈夫だったが。最後に黒鐵の力を使ったからか、凄い疲労感は出るわー。そして着替えたあとにそれぞれの普段着姿でリビングに集合した。

「それでドウターは出たの?」

「ああ出たよ。蒼太に沙紀、映像あったよな?それを見せてくれ。トレミーに保存してあるはずだ」

と言ってから服部との模擬戦はさすがとも言いたいほどだった。初手に無効化を使い中盤はエレメンツを使い、最後は魔法師らしくサイオン波と電撃をCADから放ったところも。そしてその後からが本題となった。今回のドウター戦は壁を広くしたお陰で、戦いやすくなったし拠点からの援護によって殲滅をした。深夜と真夜は拠点にいる深夜と真夜からの記憶を見ていた。詳しくは「アスラクライン」のwikiに載っているが、あらゆる並行世界=外史、あらゆる時間に存在する者達と感覚と思考の一部を共有する「意識共有」という能力である。拠点から他の外史に行っても記憶共有者が存在するの外史と範囲ならば全ての時間と世界での出来事を知ることができる。ここにいる蒼太と沙紀も拠点にいる蒼太と沙紀に情報を共有している。

「なるほどね。このドウターは前回いた正史の鬼が何らかの力によって、ドウター化をして外史にやってきた。そう言いたいのよね?一真さん」

「ああ。今回のは手応えがあったが所詮は鬼の残骸からのドウター化。今のあいつらなら倒せても、前のあいつらだったら倒せないで足手纏いだった。それがアグニ達のお陰でパワーアップしたそうだ。無駄なところを無くして、各お家流のパワーアップに簡易化したらしいと聞いている」

「するとこれが一真さんの敵、ということですか」

「そういえば穂波は知らなかったわよね?ドウターについては拠点では人間界には知れていなかったから」

「はい。正直こんなのと戦うのであれば、今の時点では私は足手纏いでしょうね」

「穂波さんの言う事も一理ありますが、穂波でよければISを貸し与えるというのはどうでしょうか?一真さん」

沙紀の言う通りだな、もしまた来たら俺らCBが出るし深夜と真夜もISを持っている。意識共有みたいに各外史の持ち物にはISも含まれているが、覚醒するまでは量子変換されていて、いつも持ち歩いている物としか認識しないようにしたからだ。それに状況によってISの装備が変えられるようにしてある、起動後は名無しとなるが状況によっては、エヴォルトシステムでケルディムやエクシアと機体名と装備が変わる。今は深夜と真夜も指輪が待機状態としている。

「それじゃあ、穂波のISについては後にしてお腹減ってしまったよ。今回は黒鐵の力を久々に使ったからな」

「はいはい。じゃあそろそろ作りましょうか。穂波、深雪。手伝ってくれる?」

と言いながら、三人は台所に立った。そして今回のをトレミーの情報端末に送ったあとに、ダイニングルームにて食事をした。今回は疲労したので回復料理を作ってくれたので、いっぱい食べた。食べたあとに俺は地下にある研究所に行った。ここはCADの調整にISの調整と色々と調整できるようにした。もちろん拠点にいる穂波さんは持っていなくてこちらでISを持つ事になると、コアから開発しないといけないからだ。まあコアは創造の力によってすぐにできたけど。あとは全身装甲にしてから装甲を纏わせた。

ついでだがCADは拠点のように伝統的な補助具である杖や魔法書、呪符に比べて高速、精緻、複雑、大規模な魔法発動を可能にした現代魔法を象徴する補助具だ。しかしながら補助具無しでも大規模な魔法を出すのは拠点にいた奴らの記憶を共有させた者たちと俺のみとなる。全ての面で伝統的な補助具において勝ってはいない。精密機器なCADは杖や魔法書のようなのを比べると細目なメンテが必要なのだ。特に使用者のサイオン波特性に合わせた受信・発信システムのチューニングはとても重要。CADは魔法師から送り込まれたサイオンを材料としてサイオン情報体『起動式』を出力し、魔法師はサイオンの良導体である肉体を通じて起動式を読み取り、これを設計図として魔法式を組み立てる。CADを用いた魔法は調整の良し悪しで、起動速度が変動するそうだ。五割から十割とか。これを教えられた時はよく分からなかったが、この外史に来てからやっと分かったような気がした。保護した達也によって教え込まれたけど。

サイオン=想子は思考や意思を形にする粒子と言われているようで、意思の有り様は十人十色で千人いれば千通りと言った感じでサイオンの波動は一人一人違う特性を持っている。俺ら的には波導や気と言ったもんだと考えている。波導も気も人それぞれによって違うから。チューニングが合っていないCADは使用者とサイオンのやり取りが上手くいかない。これ以外にも使いやすくなる事はたくさんある。CADの調整は俺らでいうなら機体の調整と同じような感じで、精密機器であるISの「初期化(フィッティング)」と「最適化(パーソナライズ)」のような感じである。ISの調整は整備専門の者に限るし、MSもパイロットや整備士であるイアンたちで調整をする。CADも専門の者で魔工技師という者がやる事になる。

サイオン波特性は肉体の成長、老衰によって変化し、体調によって影響を受けると聞いた。俺らがこの外史に来た日より日々変化しているようで、なので本来毎日のように使用者の体調に合わせて調整を行うのが望ましいが、精密機械や機器の調整には色々と機材が必要だ。俺のこの研究所は、ISとCADの調整ができるのでISは拠点から持ってきたのを置いてあるし、CADはFLTから拝借というより入学祝いの前金としてもらった。こういうのは本来警察、中央官庁、一流研究機関、有名学校、資金力の豊富な企業なら自前で用意できる。例えなら大企業である蒼い翼だ、日本に本社を持ち世界中に支社と傘下会社を持っているし、創業が不明な大企業である。最高責任者の名前も百年前から変わらずなので、不死身の社長とまで呼ばれているくらいだ。話が脱線したが中小企業や個人のレベルで自家用の調整環境を整えるのは不可能に近い。調整機器を使いこなす人間もいなくてはいけない。そういうところに所属する魔法師は、月一か二、魔法機器の専門店やメーカーのサービスショップで定期点検が精々である。第一高校は日本でもトップクラスの名門校で国立だからか、学校専用の調製施設を持っている。生徒は教職員と共に、学校でCADの調整をするのが普通だが。俺達織斑家にいる者のCADは全て俺が調整している。俺、深夜、穂波さん、深雪、蒼太、沙紀、結衣のを。

で、今は穂波さん専用のが完成しそうであるが穂波さんの身体データやIS適性を調べていたが、適性は深夜と同じくAだった。俺らのISは標準装備がビームライフルと盾にビームサーベルだ。あとは状況によって装備や名前が変更される。基本名はガンダム。そして各機体の武装データを入れる、第三から第五のガンダムのデータや各状況に合う機体をデータとして注ぎ込んだ。ゾイドでいうならエヴォルトみたいな感じで操縦者の意思にリンクをする。そしてもう少しで完成というところで、後ろから声がかかった。

「遠慮しないで入って来いよ、お前ら」

と言ったら入ってきた者たち。まあ家族だけど、穂波さんはISスーツというよりパイロットスーツを着ていた。俺らのIS部隊は全て全身装甲だからISスーツよりこちらの方がいいと思ってね。深夜も同じだったけど、蒼太と沙紀に結衣は病院で着る簡素なガウンを着ていた。

「まずは私と穂波はISの調整を頼むわ。ここの外史で覚醒してから使っていないから」

「私のISは完成したと聞いたので『あとは「初期化(フィッティング)」と「最適化(パーソナライズ)」を終わらせると穂波さん専用機になるよ』そうですか」

「お兄様。私たちはCADの調整をお願いします」

「まずは順番でいいか?CADよりISの方が精密機器だと思っているし」

と言ったら構わないと言ったので、まずは深夜の待機状態である指輪から展開してもらったあとに微調整をした。俺らの機体は基本はGNドライブで動いているが、状況によって破壊と再生を繰り返すので、それに耐える装甲とISコアとGNドライブを融合させたものをいくつかやった。穂波さん専用機はほぼ完成したので、「初期化(フィッティング)」と「最適化(パーソナライズ)」をキーボードで高速タイピングで完成させた。そして地下二階にはISを動かせるほどのドームがあるので、深夜と穂波さんは地下に向かった。次は深雪たちのCADを調整を始めた。どうやら今回俺の模擬戦により起動式の入れ替えに拘束系の起動式である対人戦闘のバリエーションを増やしたいとのことだった。

汎用型のCADに登録できる起動式は一度に99本。でも俺らが開発した最新鋭機を各自に合せてチューンアップしているので、限界はないが一応偽装として99までにした。ホントは無限大に増やすことができるけど、一方起動式のバリエーションは、どこまでを起動式に組み込み、どこから自分の魔法演算領域で処理するかによって事実上、無数に分かれる。一般的に、座標、強度、終了条件を変数として魔法演算領域で追加処理し、それ以外のファクターは起動式に組み込んでおくというパターンが採られる。強度を起動式の定数として演算領域を軽減し発動速度を高めるという手段が採られることも少なくない。防御系の魔法式は自分を中心とした相対座標を定数化することも多いし、接触系魔法で全ての値を定数とするというテクニックも実習授業の中で紹介されている。深雪はこれらの例とは逆に、出来るだけ定数項目を減らして融通性を高めた起動式を登録するようにしている。俺はともかく深雪は魔法師が習得できる魔法数の平均値を大きく上回る多彩な魔法を使いこなす深雪や俺らにとっては99は少ないのだ。

「蒼太たちも拘束系のか、蒼太はともかく沙紀と結衣はISを持っているだろ?」

深雪たちは多種多様な魔法を使うが、深雪は減速魔法を得意とする。減速系のバリエーションがある冷却魔法は絶対零度を作り出すほど。まあ俺と深雪が神化になれば、絶対零度以上の冷たさになるし、何万度の火炎を放つことも可能。それを現代魔法に取り入れているが、限界はある。ということで、今は4人とも測定中であり4人それぞれのを調整していた。測定中は下着しか纏っていないので、俺も目を向けないようにして作業に取り掛かった。4人一斉にできるのもオーバーテクノロジーをいじっていると、自然と出来るようになってしまったからな。

「全員、終わったぞ。お疲れさん」

と言って全員寝台から起きると、俺は4人にそれぞれガウンを羽織らせた。そのままだと風邪をひくかもしれないと思っての配慮だ。これほどの精密な測定を行う調整はそんじょそこらのより高値だ。学校の調製施設だと、ヘッドセットに両掌を置くパネルで測定をしている。着替えておいでと言ったあとに地下のIS専用のアリーナに行ったら、ちょうど深夜と穂波さんが武器調整をしていた。各機体になれるのは終わったようだ。ちなみに機体は全部で35種類と聞いたな。俺がいた事を気付いた深夜と穂波さんはそろそろ寝る時間だし終わらせた。穂波さんの待機状態は腕輪にしといた。片方は腕輪型のCADでもう片方がISの待機状態として。そのあとは風呂浴びてから久々に夫婦の営みをしてから寝た。で、次の朝になるといつの間にか起きた深夜と深雪と穂波さんが一緒になって朝食と弁当を作ったのだった。毎日の鍛錬は欠かさずやっているが、対人と対ドウター戦に対しての攻撃の型をやるとかした。あとは各エレメンツの発動するかどうかを。 
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