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魔法科高校~黒衣の人間主神~

作者:黒鐡
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入学編〈上〉
  いつもの朝

朝になったら俺はいつも通りの鍛錬をした。裏庭はないが地下2階にあるところなら、鍛錬もできるしドライグ達を出しての運動をさせる。ドライグたちもホントは喋れるが、今は静かにしている。現代魔法ではSB魔法という。ドライグは使い魔扱いになるが、俺はそう思っていない。俺が主に使うのは神の力や精霊魔法とも言うが、炎、風、地、水が基本となるが得意なのは様々だ。例えば風を使った探査や炎を使っての魔を滅する神炎とか。風術なら普通に空を飛べたりできるが実在するということは確認されていない。鍛錬が終わるといつも通りシャワーを浴びてから制服を着ていた。もちろん装備も忘れずに。

「おはよう深夜に深雪」

「おはよう一真さん。今日も早いのね」

深夜は分かるが深雪もなのか?と思った。学校に行く時間までまだかなり早い。始業時間は八時でここから車で駅前に着くのに三十分だから七時半に出れば問題ないが、今朝はあいつに報告するらしいと深雪が言っていた。なのでこれから食べる朝食を持っていくのでサンドイッチを詰めたバスケットを抱え上げている。どうやら深夜と一緒に作ったようで。護衛の者はまだ寝ているけど。

「あいつに報告するぐらいならいいが、また調子に乗らないでほしいのだが」

「そのときはそのときで深雪を守ってくださいね」

可愛らしく片目を瞑るが俺の勘は当たるからな。それにあいつのところに行くのなら鍛錬着を着て行くが、少し動くぐらいだからな。だがここから走って行くからと量子変換機でジャージ姿になった。深雪はローラーブレードで滑る深雪。一度もキックしないで、重力に逆らって緩やかだが長い坂道を疾走する。速度は60キロは出ているだろうな。俺はジョギングスタイルだが、二人とも魔法を使っている。深雪は重力加速度を低減する魔法と自分の身体を道の傾斜に沿って目的方向へ移動させる魔法で、俺は路面をキックすることによる生じる加速力と減速力を増幅する魔法と路面から大きく跳び上がらないように上向きへの移動を抑える魔法。

どちらも移動と加速の単純な複合術式だが、中身はまったく魔法を使っていない。これは見た目では魔法を使っていますよというアピールに過ぎない。俺と深雪は神でもありながら人間と共に暮らしているからか、力をセーブしている。セーブしていなかったらこの道路は地盤が緩むだろう。MSが走っている感じで凹むと思うし。俺らのも目的地は家からある程度の距離だが、まあそれはいいか。小高い丘の上にある寺に用事があるからである。俺らが到着すると、まるで待っていたかのように門下生と戦うはめになるが。手荒い歓迎ムードであるが、俺はこいつらと戦っても力は劣らない。

「深雪君!先週振りだねぇ」

人垣で埋もれてしまった俺を見ていたらどこから声が聞こえたため、振り返ると逆のところにいたけど。

「先生・・・・っ。気配を消して忍び寄らないでくださいと、何度も言っているのに・・・・」

無駄だと思いつつもそう言う深雪。

「忍び寄るな、とは、深雪君も難しい注文をするようになったねぇ。僕は『忍び』だからね。忍び寄るのは性みたいなもんだけど」

きれいに髪を剃り上げた細身の身体は見た目30代だが、実年齢は50歳を超えている。が、一真と深雪より年下だが。墨染めの衣を着た姿はこの場に相応しないし、見た目と雰囲気では老いていない。

「戦国時代なら忍者や草と呼ぶ職種はありますが、現代ではありませんから。その性は矯正するべきです」

「僕は忍者じゃなくて由緒正しい『忍び』だよ。深雪君も見た目ではそう言えるけど、君たちだってそうだろ?」

まあそうなんですけどね。先生は僧侶もどきでもありますし、対人戦闘を長じた者には高名な「忍術使い」で忍術を昔ながらのノウハウで現代に伝える古式魔法の伝承者と聞いていましたが、私とお兄様も表では人間として生活してますしこの姿はあくまで高校に通うための擬態の姿。本当の姿は拠点にいるお母さまと瓜二つと言われるほどであると聞いているし、大天使化になればさらに美しくなる。女神シヴァはこの私のことなのだから。

「ところでそれが第一高校の制服かい?」

「はい、昨日が入学式でした」

「そうかそうか、う~ん、いいねぇ」

「今日は入学のご報告を、と存じまして」

「真新しい制服が初々しくて、清楚な中にも隠しきれない色香があって。まるでまさに綻ばんとする花の蕾、萌え出ずる新縁の茅。そう・・・・萌えだ、これは萌えだよ!『そこまでだ、バカ弟子!』ギャアアアアアアアアアッ!」

ソロソロと後退する深雪をジリジリと詰め寄るバカ弟子に向かって雷を放った。バカ弟子を避雷針にしたので、深雪には一切被害はない。倒した門下生はバカ弟子を見てクスクスと笑っていたので、門下生にも少し電気を放ったけど。チョーシに乗るからだ。ちなみにバカ弟子に放った威力はボルトで言うなら人が死ぬぐらいのを抑えた感じ。姿は真っ黒になったけど生きていたバカ弟子。今回は報告のために来たわけだし、ここの門下生も俺がこいつの師範代という事は知っている。

「か、一真さん。いくらなんでも威力が高いよ」

「お前が調子に乗るからだ。萌えオタクが」

「それはしょうがないよ。前回はそうだったのだから」

バカ弟子の記憶は前回萌えオタクとして開花したからか、たまにそういう発言が出るときもある。本堂の庭にて座った俺とバカ弟子。

「深雪、悪いがこのバカ弟子の汚れをとってくれないか?」

「はいお兄様。お兄様も全然汗をかいていないのはさすがです」

内ポケットから出した縦長の薄型携帯端末を取り出した。端末の表側ほぼ全面を占めるフォース・フィールドバック・パネルから、淀みなく短い番号を入力する。深雪や蒼太たちは携帯端末形態の汎用型CADで、他とは違う最新型を使用している。最も普及しているのはブレスレット形態の汎用型に対して、デメリットは落下リスクがあるが、慣れれば片手で操作可能というメリットがある。これは俺らが使っているスマホと同じだが。両手が塞がるのを嫌う現場肌の上級魔法師に好まれているタイプである。

非物理の光で描かれた複雑なパターンが、CADからそれを持つ左手に吸い込まれて、魔法が発動する。本来であれば俺らは必要ないがカモフラージュとして使っている。特に深雪は。現代の魔法師は杖や魔道書、呪文や印契の代わりに、魔法工学の成果物たる電子機器、CADを用いる。CADには感応石という名の、サイオン波動を電気信号に変換し、電気信号をサイオン波動に変換する合成物である。魔法師から供給されたサイオンを使って電子的に記録された魔法陣、起動式を出力する。

俺らの魔法陣を使うときは一瞬にして発動はできるが。起動式は魔法の設計図だ。呪文や複雑なのと同等以上の情報量が存在する。魔法師はサイオンの良導体である肉体を通じてCADが出力した起動式を吸収し、無意識下に存在し魔法師を魔法師たらしめている精神機構、魔法演算領域へ送り込む。魔法演算領域は起動式に基づき、魔法を実行する情報体、魔法式を組み上げる。CADは魔法の構築に必要な情報を一瞬で提供できる。

深雪の周りから現れた実体のない雲が、バカ弟子の所に向かい全身真っ黒気になったところを包み込む。空中から湧き出した粒子が、俺とバカ弟子に向かい全身を洗い流すかのように落ちていく。輝く霧が晴れたらバカ弟子がさっきまで真っ黒だったのが、なかったことになっていた。

「お兄様、朝食にしませんか?先生もよかったらどうぞ」

「今回は深夜と深雪の手作りだ。食べるなら有難く食えよ、バカ弟子」

とまあこの程度の魔法は些細なことであり、本来の力をセーブしている部分もある。深雪の大天使化は俺の許可がないと発動しないようにしている。まあそれについては後程にしてから、俺らは縁側で腰を下ろし、サンドイッチを食べる俺とバカ弟子である八雲。深雪は口にしたりお茶を出したりと世話をしている。バカ弟子に対してもだけどあいつの場合は坊主から手拭いで手と口を清めてから食っていた。

「まったくあれで死ぬ程度だったら、門下生は死んでいるね」

「当たり前だ。あれでも威力は抑え気味だ。それとも何か、ドライグたちを呼んでのドラゴンブレスの方がよかったか?」

「いえ。出力抑え気味の雷でよかったです。はい」

「残念~♪」

と笑いながら言っているが、目は本気だったけど。ちなみにドライグとサマエルは俺の中にいるが、ティアは深雪の中にいる。話し相手になるからだ。ホントは俺の中でもよかったのだが、俺は禁手化はできるが深雪はできない。なのでティアの力を鎧化することで禁手化が出来た事は最近だ。深雪の中に入って出来たこと。禁手化での名前はないが考えようかな。あとさっき俺が放ったのは古式魔法では雷童子という。麻痺させることを目的とした殺傷性ランクC相当の魔法らしいが。俺は単に十万ボルトや技名で出すのが多いけど、雷系だとレールガンも使用可能。メダルで撃てばいいこと。俺らはサンドイッチを食べたあとに、寺から家に戻ってから送迎車で学校に向かったけど。 
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