『自分:第1章』
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『お弁当』
おなかすいた。
『涼君ご飯食べた?』
『腹減ったよね~何か食べよ♪』
『うん♪』
『どこ行く?』
『涼君は何食べたい?』
『俺めあんち食いたい♪』
『えーねぇ♪めあんち♪』
路地裏の隠れ名店的な完全手作り弁当屋さん♪
皆めあんち大好き♪
親の作る弁当を食べたこと無い零那。
めあんち弁当は愛を感じる弁当でもあった。
待ち時間が長くても楽しみに待てる。
わくわく感しかない。
楽しみ過ぎて、涼君の後ろで騒いでた。
『零那さんお願いやけん暴れんといて』
『ごめん、ついつい』
『零那さん、めあんち超好きやろ♪』
『うん♪え?解ってて言うたん?めあんちって...』
『俺も超好きなけん解る♪』
『手作りで家庭っぽい弁当作ってくれる唯一無二の存在やんか♪癒やしよねぇ♪』
『俺作ったげよか?』
『作れるん!!』
『嘘嘘!無理無理!』
『なんやぁ~残念!』
めあんち到着。
待ち時間。
注文後からの調理。
『何処で食べる?』
『寒いし俺んちで食う?』
涼君ち迄チャリで1分。
『親平気?何も言われなんだ?』
『彼女なんか聞かれたよ』
『そっち!ちゃうのに、零那みたいなんと勘違いされてごめんなぁ』
『前も謝ってたけど気にしてないしホンマかまんけん。てか彼女って言うたら困るん零那さんの方やし』
『何ちゃ困らんよ!でも釣り合わんのは解ってる』
『なんで?』
『零那の思う、理想の涼君の彼女像と零那は、かけはなれ過ぎとる』
『どんな彼女像よ!』
『零那と正反対の女!女ってか女性!』
『例えば?』
『身長は涼君より少し低いくらい。黒髪ロングのサラサラストレートでスッピン美人。言葉遣いも仕草も上品。両親も賢くて常識人。気が利いて優しくて穏やか!』
『なにその御嬢様的要素の高い女!息詰まるし!そんな女怖いわ!』
『え~~~っ!だって涼君にはそんな女が似合うんやもん!!』
『俺その女と零那さんやったら零那さん選ぶわ』
『零那やったら息詰まらんし男友達感覚で騒げるもんね♪』
『いやいやそぉゆんやなくて...』
『お待たせ致しましたぁ~』
めあんち弁当♪
良い匂い♪
零那の奢り♪
涼君の時間奪ってる訳やし...
結局迷惑かけてるよね...
申し訳ない。
...それでも、皆と離れたくない気持ちが強い。
一緒に居れるのはもう後ほんの少しだけ。
期限は迫ってる。
皆、休みの日は一緒に居てくれるって。
好きなとき遊ぶのとは訳が違う。
以前も殆ど毎日一緒やったけん変わらんってユウも言ってたけど...
零那の家が在るのと無いのとじゃ違う。
全然違う。
皆が助けてくれようとしてるのが解る。
でも重荷になりたくはない。
義務的にはなって欲しく無い。
だから零那も出来る限りのことは尽くす。
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