【IS】例えばこんな生活は。
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例えばこんな決戦前夜は何だか緊張するだろ
前書き
知ってる人にとっては今更だけど、ゾルダーク家とヴァルシオン(作中ではルーシィ)は、スパロボシリーズから名前や設定を借りてます。この説明前にもしたっけ?してなかったらごめんなさい。
10月18日
唐突な話だが、なんかいつぞやのツーマンセルトーナメントをもう一回やるらしい。
で、その前哨戦というか盛り上げみたいな役で、学園祭で実現できなかったオウカVSルーシィをやるそうだ。あ、つまり俺は今回も本格参加はしなくていいのね。ほっ・・・
オウカはちょっと不満そうだ。身体を動かす機会が減ってしまうのと、IS展開状態の一体感を感じられなくなるからだとか。
そ、そう・・・・・・訓練で満足してくれないかなぁ。え?訓練だと守っている感じがしなくて不満?さ、さいですか・・・・・・
あ、訓練といえばセシリア&ティアとシャル&ファリンなんだけど、連日アリーナを貸し切っては激しい模擬戦を繰り返している。最早完全に切磋琢磨し合うライバル関係であり、その戦績は互いに20戦5勝5敗10引き分けという互角すぎる戦いをしている。
そしてそれと同時にアリーナの設備に負荷がかかりまくりで整備費がウナギ昇り、とは更識会長の言である。明日、2人に自重してもらうために簪ちゃんと一緒に出撃するそうだが・・・大丈夫だろうか?
10月19日
リューガさんが教室で、かなーり不吉なことを申された。
「ゴエモン。悪いけど、戦いには手を抜かない主義なんだ。全力で叩き潰すから君たちも全力で抵抗してくれ」
『究極の力の前には、オウカ。貴様の八紘一宇も無駄だという事を教えてやる』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・棄権していい?」
『ヤダ!私、勝つもん!勝ってゴエモンにショーリのエーカンをもたせるの!!』
オウカが最近、この調子だ。専ら戦う事に意義を見出すスーパーIS人みたいな事になっている。前はこんなに好戦的な子ではなかった筈なのだが・・・・・・どこで育て方を間違えたのやら。ほろり。
というのは冗談だ。最近はオウカの考えていることぐらいなんとなく察することが出来る。
俺の予想が正しければ、オウカは人として俺に近づいた結果、俺の心がおかしくなってしまったことに負い目を感じているんだろう。だからよりISの本懐とされる戦いで自分の意義を見出そうとしている。別にたたかわなくたって一緒だって納得したはずなんだけど・・・・・・張り切り症だからなぁ、この子。
あ、そうそう。セシリアたちの模擬戦なんだけど・・・・・・アリーナが限界を迎え、4人仲良く訓練禁止になったらしい。日緋色打鉄を使わない代わりに打鉄弐式のミサイルを全部アクアクリスタル流用の弾頭に変えた結果、ボッカーンと爆発したそうだ。
・・・・・・爆発の様子からは教室からも見えてたけど。空に見事なきのこ雲が上がってたの。
10月20日
今更ながら、うしおとほむらを母さんの所に連れて行って事情を話した。ジェーンラウラも一緒に。
当然ながら凄い驚かれた。母さんもまさか20代で孫の顔を見る事になるとは思わなかっただろう。しかも外見年齢的には息子と殆ど変らない歳に見える。子供が増えたみたい、と少し嬉しそうにつぶやいていた。
結果。
「ねえねえ、うしおちゃんにほむらちゃん。ちょっとお母さんって呼んでくれない?」
「ん~・・・おかあさん!」←ほむら
「お、おかーさん!」←うしお
「・・・・・・・・・感無量だわ!」
うっとりというか充足というか、何とも言えない悦に浸っている母さん。関係としては母さんは2人のおばあちゃんに当たるのだが、流石の母さんもまだ30にもなってない段階からおばあちゃん呼ばわりはきついだろう。というか段々家系図が大変なことになっているような・・・・・・
「ソウちゃんとゴエモンもいれて子供4人!」
「母上、私も養子になる所存であります」
「任務の関係上私も養子になるってことになりました」
「ラウラちゃんとジェーンちゃんも!?」
『私もカゾク?』
「家族よ!」
『オウカが家族なら私も家族だね!』
「ニヒロちゃんも家族よ!」
『あの・・・初めまして。レンっていいます』
「ウェルカム真田家へ!!」
拝啓、天国の父さんへ。母さんはちょっと見境のない子煩悩だったようです。敬具。
なお、話し合いの結果、呼称は母さんは「ママ」でジェーンは「おかーさん」になったらしい。
10月20日
箒ちゃんが遊びに来るのはいつもの事なので、今日は箒ちゃんの部屋へと遊びに行くことにした。こにゃにゃちわ~。
・・・・・・・・・お風呂上がりの箒ちゃんとばったり遭遇である。そしてそこから始まる逆ミラクル!
風呂上がりでバスタオル1枚しか防壁の無い箒ちゃんはとにかく俺の目を塞いでこの窮地を脱しようとしたのだが、丁度いいものが無かったらしく咄嗟に取った行動が――ゼロ距離に詰め寄って視界を塞ぐ戦法だったのだという。
その結果どうなったかというと――俺は夏休み以来非常に久しぶりに女の人の胸に溺れて溺死しかける羽目に陥った。もうね、頭おかしい。世界広しといえど俺ほど胸の谷間を怖がる人はいないんじゃないかとさえ思える。この学園に来てからでももう6回目ですよ?オール鼻と口がふさがれて呼吸困難ですよオクサマ。
しかも今回は追加で頭がい骨が死ぬかと思ったが。
だって箒ちゃんが俺の目を塞ごうとして、俺の頭を抱え込むじゃん?
「わわわっ!?み、見るな!!」
「むがっ!?」
で、抱え込んだらこんだで自分の胸と俺の顔が密着していることに気付く訳よ。
「む~~ッ!?むぐ~~ッ!?」
「あ、し・・・しまった、胸が・・・!うう、なんとはしたないことをっ・・・!」
自分の胸が相手の顔に当たってるなんて、多分すごく恥ずかしかったんだと思う。
「は、離し・・・・・・いや、今離したらゴエモンに見られて・・・!?だ、駄目だそれは!み、見せるならもっとこう、ちゃんとした・・・・・・」
「むごごごご、ご・・・・・・」
でも、もしここで俺の目に僅かでも隙間と光を与えたら自分の谷間を曝け出すことになるじゃん。
「駄目だ駄目だ!見るな!絶対に見ちゃ駄目だぞ~!!」
「むぐごごごごッ!?」
そうすると箒ちゃんとしてはもっと恥ずかしかったらしくて、更にきつく抱え込まれちゃったのよ。
と、ここまで全部箒ちゃんと意識共有してたツバキのリポート内容なんだけど。次にやられたらきっと死んじゃうので次から細心の注意を払おう。
なお、通りすがりに一部始終を見てしまったおりむー曰く、「お前は殴られないんだな・・・・・・」とのこと。
10月20日
明日は、とうとうリューガさん&ルーシィとのバトルだ。
うしおとほむらが「おとーさんなら出来る!」とぴょんぴょん跳ねながら激励してくれた。かわいい。何で子供ってこんなに可愛いんだろう。もう明日は2人を愛でるために休みたい。2人とも、暇な時間は学園の他の生徒と一緒に遊んでいたりするのだが、言うまでもなく人気がすごい。
ジェーンさんといいこの子たちといい、最近ここの学園は微笑ましいものが増えすぎなんじゃなかろうか。
はい、現実逃避です。実は今日、リューガさんの訓練風景を見に行った結果完全に臆してるだけです。
あのねぇ・・・・・・まずおりむーが殴り飛ばされて瞬殺。
ラウラ姉がAICを使ったら、総合出力で突き破られてノックダウン。
箒ちゃんが果敢に飛び込むも、見えないバリアのようなものを突破できないまま競り負ける。
鈴がアリーナを壊さないよう出力調整された全武装一斉発射をしたんだけど、正面から剣で叩き斬られていた。そんなこんなで――最終的には地面に剣を突き立てて悠然と構えるリューガさん&ルーシィ以外全滅した。
つ、強すぎる・・・・・・!
何あのチート人間、篠ノ之流の太刀筋を正面から弾き飛ばしてたんですけど。
しかもここまで専用武装を剣以外一つも使っていない。俺が訓練を見に来ているのを見越しての情報隠匿だ。この調子では謹慎中の4人で一斉にかかっても勝てるかどうかわからないレベルだ。俺、明日殺されるんじゃないかな・・・?
後書き
この小説も残るところあと数話になってまいりました。
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