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FOOLのアルカニスト

作者:刹那
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本作の世界観・設定及び裏話

 
前書き
本作における世界観や設定、裏話などです。読みたくない人は読まなくてもOKです。なるべく原作に準拠するようにはしていますが、本作独自の設定や、作者自身の見解も多々含まれていますので、ご注意下さい。
異論や修正すべき点があれば遠慮なくお願いします。  

 
1.世界観について
 基本的には、「ペルソナ3」「ペルソナ4」の2つの事件が起こることが確定した世界です。この世界においてはニャルラトホテプも、フィレモンも原則的に傍観者に徹しており、自ら手を下したりすることはありません。せいぜい間接的な介入や援助くらいで、主体的には動かないものだと思ってください。で、その世界において、サマナーをはじめとした異能者連中が存在したらどうなるかというのが、本作のコンセプトです。
 ファントム等が存在するならば、卜部の監視で分かるように、桐条の行動は当然の如く監視されてますし、葛葉も黙ってはいないでしょう。実験の失敗で桐条が潰されなかったのは、桐条当主の暴走という面が多々あったことや、桐条が表世界において確固たる地盤を築いていたこともありますし、被害の補償や現実での隠蔽に都合が良かったからとでも思ってください。
 また、本作においては、同レベルであっても『悪魔>シャドウ』という厳然たる強さの差があるものとしています。人間の精神から生じたに過ぎないシャドウが概念が具現化した悪魔に勝てるとは到底思えないからです。作中で卜部があまり脅威に感じていなかったのも、シャドウが悪魔よりも明らかに弱いからです。本作において、葛葉をはじめとした組織が、桐条の暴走を見過ごしたのも、桐条の情報隠蔽が巧妙だったことも否定しませんが、それ以上に低級のシャドウをどれだけ集めたところでたかが知れていると、過小評価していたからです。まあ、高位悪魔を召喚したとかならともかく、異能者でもない人間が集められるレベルのシャドウですから、彼等の見解もあながち間違いとは言えませんが。

 ちなみに『真・女神転生』や『真・女神転生3』などは起こりうる可能性はありましたが、本作においては女神転生の原因の一端である『後藤』と女神転生3の黒幕『氷川』がガイア教団内部の権力闘争で相討ちになったので、起きなかったものとしています。ICBMをぶっぱなすトールマンは穏健派に駆逐されました。大体、あの人北欧神話所属のアース神族なのに、ヘブライ縁の4文字に手を貸す理由が不明です。唯一神を崇めるかの宗教において、異教の神とか天敵だと思いますので、元々嫌われてそうですし。
 一方、『真・女神転生if』は起きました。軽子坂高校は魔界に転移し魔神皇ハザマも爆誕しましたが、巻き込まれた生徒ではなく、後藤&氷川&トールマンの後始末で忙しかった葛葉から依頼された雷鋼が問答無用でハザマをぶっ殺しました。チェフェイがいたのはその名残だったりします。

2.組織について
 前述したとおり、『ガイア教』&『メシア教』は存在します。デビルサマナーに関係が深い『葛葉』&『ファントムソサエティ』も存在します。本作独自の雷鋼や卜部が所属していた『一族』などの中小組織も存在します。
 また、ライドウでお馴染みの『ヤタガラス』も存在しますが、体制側と深く結びついていた為に敗戦をきっかけに戦後大きくその力を減じています。かつて葛葉四天王最強である『ライドウ』にすら、命令権を持っていましたが、今や立場は逆転しています。その影響で『ヤタガラス』は体制側の情報源であった為、現在の政治家をはじめとした権力者達は、悪魔をはじめとした裏の世界から疎遠になっています。

3.ペルソナについて
 作中で述べているように主人公のペルソナ能力は、この世界における本来のペルソナ能力とは異なるものです。その差異を以下に列挙します。

(1)『ワイルド』でもないのに、複数のペルソナを使用できる(但し、大アルカナは『FOOL』のみ)
(2)ペルソナの能力値が本人の能力に影響を及ぼす
(3)召喚できる環境を選ばない(影時間・テレビの中でなくともよい)
(4)成人以後も能力を失わない

但し、(3)についてはトリニティソウルにおいて普通に召喚しているので、この世界のペルソナ使いでも困難ではあるが不可能ではないということにしています。
まあ、メタなことを言えば、徹の能力は『ペルソナ2罪/罰』の主人公達と同じ能力だと思ってください。ただ、専用アルカナが『FOOL』で、彼等よりはペルソナの幅がかなり制限されていますが。

4.MAG(マグネタイト)について
 悪魔が現実世界において実体化するために必要な生体エネルギーです。人間にとっては生命力、魂の力ともいうべきものだと本作では定義しています。サマナーになるにはこれが一定量を超えている必要があるものとしています。契約した悪魔とはCOMPを媒介として、MAGのラインが築かれ、ここからMAGの供給や意思の伝達をすることが可能であるとしています。また、ペルソナの召喚及び制御にも用いているものとしています。
 サマナーや異能者の攻撃が悪魔に効くのは、銃弾や刀等に己のMAGで形成した特殊な力場を纏わせているからであり、覚醒していない一般人が銃弾をいくら撃ちこもうが、悪魔には殆ど効果がないものと本作ではしています。まあ、低級の屍鬼なら、それでもごり押しできないことはありませんが、基本的には悪魔に対して一般人は無力であると思ってください。

5.COMP及び悪魔召喚術について
 COMP(要するに悪魔召喚プログラム)を介さずに直接契約での悪魔召喚術は非常に難易度の高いものであるとしています。これはライドウにおいて管を用いての2体同時召喚がかなりの高難度技術とされていたからです。ですから、どんなに頑張っても、ライドウ並の天才でもない限り直接契約での同時召喚は2体までが限界であるとしています。本作の主人公である徹も、直接契約で同時召喚できるのは、どんなに成長しても2体だけです。
 一方、COMPを使用した悪魔召喚術は大幅に難易度が下がるものとしています。これはCOMPが召喚の術式やMAGの制御など諸々のことを肩代わりしてくれるからです。2体の同時召喚なら、サマナーとして最低限の素質を持っている者なら、誰でも可能であるとしています。これはデビルサバイバーの主人公達からです。彼等は完全に一般人でずぶの素人にも関わらず、COMPを介しての悪魔召喚を行いました。ですのでそれに習い、2体の同時召喚なら新米でもCOMPを用いれば可能であるとしています。3体以上の同時召喚は、COMPを用いたとしても才能及び修練がものを言います。3体なら中堅、4体なら一流、5体以上は超一流の部類だと思ってください。こうすると『真・女神転生』や、『真・女神転生if』の主人公のチート具合がよく分かると思います。
 COMPについてですが、デビルサバイバーのCOMPは異常だと思ってください。COMPを手に取った人間が全員サマナーとしての才能を持っているとは到底思えません。それにデビルサバイバーの黒幕でもあるナオヤが翔門会からの依頼とはいえ、(デビオクの存在及びその入札者の名前からすでに悪魔召喚プログラムが存在しているのは明らか)わざわざ悪魔召喚プログラム及びCOMPを作っているので、あのCOMPは誰でも使えることを目的(ハーモナイザーがあることからも明らか)としたものであり、従来のものとは一線を画すると私は考えています。ハーモナイザーはCOMPによりMAG力場を形成し、ただの一般人を擬似的に異能者にするシステムだとしています。逆を言えば、COMPの電源が切れれば彼等はただの一般人でしかありませんし、百太郎等のアプリを用いる拡張性もありません。ハーモナイザーを必要としない純正のサマナーとは異なるわけです。もしかしたら、デビルサバイバー編をやるかもしれないので一応言及しておきます。
 通常のCOMPはハーモナイザーは存在せず、悪魔召喚に特化したものです。悪魔召喚プログラムを内蔵し、その形状はメリケンサック・サックス・銃など多岐にわたります。特に銃型のものをGUMPといい、卜部やキョウジ、ソウルハッカーの主人公などが愛用しています。ものにより、その機能や拡張性は差があり、本作の主人公が最初に使っていたポケベル型COMPは、仲魔枠2枠、アプリもエネミーソナーとアナライズのみという最低クラスの性能だったりします。
 後、本作の設定としてデビルサバイバーのCOMPを除いて、COMPは所有者以外使えません。MAGによる生体認証システムがあるものとしています。また、誰でも使えるデビルサバイバーのCOMPと違って、サマナーとしての最低限の素質がなければ使えませんが、代わりに所有者のMAGを動力源にする機能がついていますので、充電したりする必要もありません。

6.LV及び能力値について
 これはアナライズレベルとしましたが、厳密に言えばMAG力場の密度だと思ってください。LVが高ければ高いほど密度が高くなり、これがその存在の格すなわちLVとなるわけです。基本的にこのLVが高ければ高いほど高位の存在であり強いです。本作においては、LV差はかなり致命的で、能力値がいくら突き抜けていても、原則的にLVに20以上差があれば上位の存在には傷1つつけることも叶いません。概念そのものを壊す武器とか特化した武器、補助魔法などがあれば話は別ですが、基本的にLV差は能力値に優越します。また、原則として悪魔は己よりもLVが低いサマナーに従いません。悪魔合体などで、己のLV以上の悪魔を作ってしまうと殺される危険すらあります。但し、彼等悪魔にとって力は絶対なので、ねじ伏せることができれば、LVが低くても仲魔にすることは不可能ではありません。

LVによる人間の強さの目安(この設定は本作独自なもので原作とは異なります)
1-4 :常人の域をでない。普通はLV1、優秀な者がLV2、天才の類ならLV3,4もありえる。
5-10 :覚醒した人間。異界や悪魔に触れずにいける常人の修練の極致がLV10。
11-15:悪魔と戦える人間。裏の人間としては、2流3流。
16-20:悪魔に対する戦力として数えられる者。裏の人間としては中堅どころ。
21-29:裏の人間としては一流と称される。生物としての人間の極致がLV29。 
    EX.卜部、ユダ
30-44:人を超えた者。最早、人間という枠には収まらない。裏の者としては超一流とされる。 
    EX.マヨーネ、レイ(通常時)
45-59:人を完全に逸脱した者。超人・魔人の類。戦術を無視できる単体戦力。
    EX.フィネガン、葛葉四天王(ライドウ除く)、レイ(神降ろし時)
60-79:神魔とも戦える化物。戦術どころか戦略をひっくり返す戦略級戦力。
    EX.キョウジ、ナオミ
80以上:もう魔界行けよ。
    EX.雷鋼、ライドウ

7.裏話
 私が本作で定めたチェフェイの目的は、『愛した男と一生を添い遂げること』です。これは、末喜(チェフェイ)が山東の有施氏の娘であり、桀が有施氏を討った際に降伏のしるしとして献上されたということから定めたものです。侵略者に献上された人身御供がチェフェイだったわけで、桀を滅ぼす原因となったのも、実は彼女なりの復讐と見れないことはありません。ただ、傾国の美女を国が滅びた元凶&革命の原因とするのは中国神話によくある話であり、特にチェフェイはその行いが、殷紂王の妃妲己や西周幽王の妃褒姒などと類似しており、これは桀の伝説に欠けている部分をそのまま後代のエピソードから流用して埋めたためであると推定されており、実際はどうであったかは不明です。このエピソード流用の関係でその類似等から妲己と褒姒と同一視された結果、妖怪玉藻前と同様に「白面金毛九尾の狐」という概念が付与され昇華したのが本作のチェフェイという設定。
 ちなみにチェフェイは『本体』であるといっていますが、あれはある意味間違いです。彼女は本来人間なのですから、当然本体は人間です。本作のチェフェイは「白面金毛九尾の狐」という概念が付与された『特異分霊』ともいうべき存在です。もっとも、彼女と同一の分霊は存在しませんので、そういう意味では『本体』といって差し支えありません。
 余談ですが、似ていると指摘されたEXTRAのキャス狐さんは、別にモデルでもなんでもなかったのですが、実際プレイしてみたところ、彼女の目的というか願いがうちのチェフェイとよく似ており、これはいい見本になると、これ幸いといわんばかりに参考にさせてもらっています。ちなみにEXTRA繋がりで、本来登場するはずのない悪魔が本作に登場することになりました。勿論、その種族は『英雄』です。

8.ST表記について
 後書きの制限文字数が減ったのもありますが、それ以上に流れをぶった切ってよくないと言う意見や、原作やってない人間には意味不明だろということで、撤廃することにしました。望む人がいればまた考えることにします。 
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