戦国異伝
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第百八十一話 諸法度その三
「また治める」
「そうされますか」
「その通りじゃ、ただ」
「ただ、ですな」
「激しい戦になることは間違いない」
このことはというのだ。
「まずは本願寺を即座に降し」
「毛利も」
「一気に降す」
彼等も、というのだ。
「必ずな」
「では」
「戦の用意は進めておる」
その次の大きなそれをというのだ。
「必ず勝つぞ」
「殿、まずは本願寺を降し毛利ですな」
佐久間が全体の動きをだ、信長に問うた。
「そうですな」
「うむ、しかしな」
「一気にですな」
「武田と上杉がおる」
東の彼等が、というのだ。
「あの者達が動く前にじゃ」
「本願寺と毛利を降しますか」
「そうする」
まさにというのだ。
「それに毛利は天下を望んではおらぬな」
「はい」
信長の今の言葉に応えたのは村井だった。
「あの家はそうしたことは考えておりませぬ」
「特にあのご老人はな」
元就、彼はとだ。信長も言う。
「そうじゃな」
「天下を目指せば負けるからだと」
「あの家は第一は生き残ることを考えておる」
「だからこそ」
「うむ、あの家との戦は滅ぼし合うものではなく」
そうしただ、最後まで行き着くものではないというのだ。
「きりのいいところで終わる」
「だからですな」
「ここは」
「うむ、そうする」
こう言ってだ、そしてなのだ。
信長は毛利との戦の後もだ、こう言ったのである。
「次はな」
「武田、上杉ですな」
今度は武井が言ってきた。
「あの二つの家ですな」
「そうじゃ、あの両家じゃ」
「どちらが先に来ても」
「うむ、だからな」
それでだというのだ。
「あの者達のうち先にどちらが来てもな」
「そうしてですな」
「そうじゃ、倒す」
そうするというのだ。
「わかったな、ではな」
「それではな」
「そうじゃ、倒す」
こう言ってだ、そしてだった。
「北条もな」
「どの家もかなりの手強さですな」
中川が言ってきた。
「北条も含めて」
「毛利もな」
「しかしですな」
「必ず勝つ」
絶対に、と言う信長だった。
「その為の用意をしておるのだからな」
「鉄砲にですな」
「他のものもな」
そういったものも含めて、というのだ。
「揃えておるのじゃ」
「左様ですか」
「織田の兵は弱いですが」
それでもとだ、柴田も言う。
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