仮面ライダーディケイド 〜覇者の帝具〜
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地獄の旅団 〜ヘルブリゲード〜
士、大樹、ユウスケの三人は
臨時でイェーガーズの本拠地となっている場所の前にいた
「ここか」
士達は
ナジェンダから
旅人のふりをしてイェーガーズから
情報を聞き出せと言われていた
「じゃ、入るぞ」
門を開け、三人は建物の敷地に入る
扉の前の警備兵が
こちらに気づく
「誰だお前達は」
「俺たちは通りすがりの旅人だ
最近、この辺りに妙な奴が現れたと聞いた
それで、実際に交戦したやつらの話が聞きたい」
士は言われたように自分達を旅人と言った
「そうか…ちょっと待ってろ」
警備兵は建物の中へと入っていった
警備兵はすぐに戻ってきた
「将軍から許可が出た。入れ」
警備兵は三人をエスデスの元へと案内した
「あんたがエスデスか」
「そうだ」
エスデスは全身に包帯を巻き、
横になっていた
「お前達は旅人らしいな
やつのことを聞いてどうする」
「ちょっとした腕試しだ」
「なるほど、お前達もか…」
エスデスの言葉が
大樹に引っかかる
「も?僕たちの他にも誰か来たのかい?」
「ああ、地獄の旅団、とか名乗ってたな
傭兵の集団らしい
やつを倒したら大臣から金を貰う交渉をするなどと言ってたぞ」
「俺たち以外にもそんな奴らが…」
「あの襲撃者の事を話してもいいが
お前達に勝てるとは思えない」
エスデスは少し暗い声で言った
「なんでだ?」
「帝具使いの私達が負けたんだ
旅人なんかに勝てるわけがない」
「どうかな?帝具使いの旅人なら
少し違うかもしれないぞ」
それを聞いたエスデスの表情が険しくなる
「お前ら…帝具使いなのか?」
「まあな」
「なるほど
では、やつについて話そう…」
エスデスは襲撃された日の事、
そしてどんな力を使っていたかを話した
傷口がすぐに回復したり
瞬間移動をしたり…と
「…まあ、こんなもんだ」
「そうか…大体わかった」
士はいつものセリフで済ませる
「それとお前達、もし本当に戦うのなら
さっき言った地獄の旅団に会ってみるといい
協力してくれるかもしれないぞ」
「ああ、わかった
いろいろと話してくれてどうも」
そう言って三人はエスデスの部屋から出る
「今思ったが…あいつらは
ナイトレイドとつながっていたり…」
エスデスは少し考え込む
「いや、ないか
あんな奴らの話、聞いた事もない
そもそも私の目の前に出てくるほど馬鹿ではないだろう…」
そういいながらエスデスは手帳を取り出した
「ああ、タツミ…
お前も腕試しとか言って無茶な事はするなよ…」
「士、今の話を聞いてどう思う?」
大樹が士に問う
「さあな
まあ、鳴滝が言っていたとおり時間を操っているのは確かだ
今までに時を止めたり戻したりするライダーは
見たり聞いたことがあるが、
今回はどんなもんだろうか見当もつかない」
「だよね…」
帝都の中心に建つ城、
そこの中で皇帝と大臣は
地獄の旅団と名乗る
五人の男達と話をしていた
「なるほど
では君達はイェーガーズを襲った奴らを
倒すから、その代わりに大金をよこせ…と
そう言ってるのだね?」
大臣が男達に聞く
「ああ、そうだ」
「ふむ…大臣、ちょうどいいのではないか?
イェーガーズの代わりとして彼らを使えばいい」
「そうですねぇ…まあ、いないよりはマシですしなぁ
…いいでしょう
ただし、金を渡すのは成功した時だけです
いいですね?」
「金さえ手にはいればどのタイミングでもいい」
「随分と自信があるようで
素晴らしいですな」
大臣は皮肉のこもった声で言った
「当たり前だ
俺たちはくぐり抜けて来た地獄の数が違うんだ」
「そうですか…では、期待していますよ」
交渉を終えた男達は部屋を出て行った…
「来たか…」
エンペラーのベルトをつけた男が言う
彼の前には鎧とマントをつけた男がいた
「奥の手の力は目覚めたか?」
鎧の男が言う
「いや…まだだ
まだ、感覚を掴みきれていない」
「そうか…まだ時間はある
ただ覚醒した時は…わかっているな?」
「ああ、この世界を変える力を
教えてくれたのはお前だ
望みを叶えることぐらい構わない」
「そうか…それはありがたい」
「最初の目的を達成するまではあと少しだ
だからそれまでは、協力を頼むぞ…アポロガイスト」
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