| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

転生とらぶる

作者:青竹
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

マクロスF
  0767話

『アクセル大尉、出撃準備完了しました。……お気を付けて』
「了解した。アクセル・アルマー、YF-29、出るぞ!」

 ラムへと返したその言葉と共にリニアカタパルトによって放たれるYF-29。映像モニタにはバジュラ本星。その様子を見ながら機体の背後を映し出す。
 そこに映し出されているのは、マクロス・クォーターとバトル・フロンティア。更にバトル・フロンティアは他の艦と合体して強行型になっている。
 尚、フロンティア船団はこの戦場となるべき場所から少し離れた場所で待機中だ。さすがに最低限の防衛戦力を新統合軍が残しているらしいが。
 その時、ふとマクロス・クォーターの一室が映像モニタに映し出される。そこには、俺が絶対死なずに自分の下に戻って来るという強い意志を込めた視線をこの機体に送っているシェリルの姿。
 その姿を見て、絶対に自分は無事にこの作戦をやり抜くと決意し、まだ少し早いがステルスを作動させる。
 VF-25のトルネードパックに使っていたステルスに比べれば随分と性能は上がっている。しかし、それでもまだまだASRSには及ばないらしく……正直な話、バジュラ相手に誤魔化すのは難しいだろう。それ故に、俺がやるべきは行ける限界までをステルスで突き進み、見つかった後はとにかくバジュラを相手にしないで惑星へと降りる事。そこまでいけば、後は簡単だ。ゲートを設置し、ホワイトスターとの行き来が出来るようにしてから、ニーズヘッグに乗ってシャドウミラーを率いてこの惑星に戻って来る。

「ま、言うのは簡単だけどな。せめてもの救いは、俺が混沌精霊だって事か」

 機体が撃破されたとしても……例えそれが宇宙空間であったとしても、俺には全くの無意味だ。何の影響も受けないままに地上へと降りられるだろう。
 問題はクイーンか。少し前にルカに教えて貰った情報。どうやら、ガリア4の件で俺やシェリルが見た女王と思しきバジュラ。あのバジュラは女王は女王でも巣別れした女王、準女王級という種類として名前を付けられたらしい。つまり、フロンティア船団に延々と攻撃を仕掛けて来たバジュラの女王、正真正銘のクイーンはバジュラ本星にいるのだろう。
 準女王級であったとしても要塞の如きバジュラ艦を操っていた事を考えると、本物の女王級であるクイーンは恐らくかなりの強敵の筈。そのクイーンが動き出す前にゲートを設置出来ればいいんだが。
 そんな風に思いながら宇宙空間をバジュラ本星へと向かって飛び続ける。
 機体をコントロールし、岩石のようなデブリを回避しながら進む。一応バジュラに見つかりにくいようにという事で、デブリの多い暗礁地域とも呼ぶべき場所を飛行しながらバジュラ本星との距離を縮めていく。
 とは言ってもそんな風に都合のいい暗礁宙域がそうそうある筈も無く、当然の事ながらバジュラ本星へと近付いていくに連れてその数は少なくなり……そして、とうとう俺の進行方向にフォールド反応が幾つも現れ、何かがデフォールドしてくる。
 ……いや。何か、と誤魔化す必要も無い。まず確実にバジュラだ。人間側は惑星の近くだと重力の問題でフォールドが出来無いのに、バジュラに限って言えばどんな手段を使ってかは分からないが、こうしてバジュラ本星から直接フォールド出来るのだ。羨ましいと言うか、狡いと言うか。
 とにかく……

「ここからが本番だって訳だな!」

 叫び、こちらへと向かって重量子ビームを放って来た重兵隊バジュラの一撃を、スーパーパックのスラスターを使って強引に機体を傾け、回避に成功する。同時に幾つものミサイルや弾丸、ビームが俺に向かって飛んでくるのを、機体のスラスターを細かく制御しながら回避していく。
 右、左、右、右、下、上、上、下、右。
 そんな風に細かく……それこそ、ミサイルやら弾丸やらの数m、下手をしたら1mを切るくらいのギリギリの見切りで回避し、反撃をせずにただひたすらバジュラ本星へと向かって突き進んで行く。
 勿論そんなギリギリの見切りをしている以上、機体のすぐ側を攻撃が通れば多少のダメージは受ける。特に重量子ビームに限って言えば、その威力は非常に強力なのだ。だがこちらには……より正確に言えば、YF-29にはフォールド・ウェーブシステムがある。超高純度のフォールドクォーツによりエネルギー切れの心配が殆ど無いので、YF-29のエネルギー転換装甲はVF-25とは比べものにならない程の防御力を誇っている。その防御力に物を言わせて攻撃の雨霰の中を突っ切っていくのだが……

「ちぃっ、こんな時に機体の反応速度の鈍さを感じる事になるとはな」

 忙しく機体を動かしつつ、思わず舌打ちを1つ。
 YF-29という、恐らくは現時点でこのマクロス世界の中で最も高性能の機体を持ってしても、やはり俺の反応速度には付いてこられないらしい。極限までチューンはされているのだが、それでもこのギリギリの状態だからこそ、より敏感に反応速度の遅さを感じるのだろう。これがいつものバジュラとの戦いであれば、オズマやアルト、ルカ、ミハエル、カナリア、それにクランを始めとしたピクシー小隊もいるし、S.M.Sの一般部隊や新統合軍もいる。だからこそ機体の性能を限界まで活かすというのはともかく、パイロットとしての俺の限界を出さなくても良かった。
 だが、今は俺1機である以上はそんな悠長な事は言っていられない。つまりは……

「やるしかないってな。加速! 集中!」

 2つの精神コマンドを使い、背後からこちらを追って来ていた30匹近いバジュラの群れを一気に振り切る。だが、背後から襲ってきたバジュラの群れを振り切るという事は、当然それだけバジュラ本星に近付くという事であり、それはつまり俺がバジュラ本星に向かうのを阻止しようとしてデフォールドしてくるバジュラの群れへと突っ込んで行く事になる。
 まさに壁とでも表現すべきバジュラの群れ。そんな中へとYF-29は精神コマンドの加速と、最新鋭機の性能を活かして突っ込んで行き……

「見える! ……ってな!」

 わざと軽い口調で叫び、豪雨の如く降り注ぐ重量子ビームや弾丸、ミサイルの雨を精神コマンドの集中を使った効果でヒラリ、ヒラリと回避していく。
 恐らくこの様子を偵察している新統合軍やマクロス・クォーターのパイロット達は、連続して行われている小刻みな動きに何が起きているのか見えていない者すらもいるだろう。
 そんな風に考えながらバジュラ本星へと進んでいると、再びデフォールド反応。狙ったのか、あるいは偶然なのか。俺の進行方向に3匹程の重兵隊バジュラが現れ、その背後には50匹近い機動兵隊バジュラが姿を現す。
 くそっ、また厄介な場所に現れたな。
 本来であれば攻撃をするというのは時間と弾薬とエネルギーの無駄でしかない。……いや、このYF-29の場合は実弾兵器はミサイルしか積んでいなかったな。ともあれ、こうなってはこっちとしても攻撃をせざるを得ない訳で……

「愛!」

 精神コマンドの愛の使用と共に、機体に不思議な力が漲るのを感じる。同時に、機体後部に隠されていた連装MDEビーム砲を放ち……愛の効果で攻撃力が倍になったそのビームは、先頭の重兵隊バジュラの身体を貫き瞬時に爆散させ、同時に背後にいる機動兵隊バジュラの身体をも貫通していく。
 連装MDEビーム砲を撃った瞬間、愛の中の加速の効果を使って敵陣へと突っ込む。YF-29の周囲をバジュラの肉片が散らばっていくのを見ながら、更に重粒子ビームガンポッドでガトリング砲のように連射しながら、爆散した重兵隊バジュラの背後に集まっていた機動兵隊バジュラを貫通、爆散させて肉の道を作る。
 敵からの攻撃は先程よりも距離が近くなった分、より濃密になっており、その尽くを回避しつつ……その瞬間、ゾワリと背筋に冷たいものが走る。

「覚醒、加速!」

 殆ど反射的に精神コマンドを使い、機体がまるで早送りでもしたかのような急激なGを発しつつ、ドンっという感じで前に出る。
 ISCによる限界の警報がコックピットに鳴り響く。
 VF-25のものに比べて高純度で巨大なフォールドクォーツを使っているYF-29のISCは、当然耐G限界もVF-25のものよりも数段上だ。それでも限界値が近いと知らせる警報が鳴っているのだから、YF-29があの一瞬でどれ程加速しているのかが分かるだろう。
 もっとも、俺の場合はその制限が無いので特に気にした様子も無く更に機体の速度を上げる。

「加速、覚醒、加速、覚醒、加速、覚醒」

 消費SP10の加速はともかく、愛の次に大量にSPを消費する覚醒をこれ程連発出来ているのは、4桁に達していたPPの全てをSPに振ったおかげだろう。本来の目的は魔法を使う為のSPの確保だったのだが、意外なところで役に立ってくれている。
 覚醒と加速の連続使用により、YF-29が本来達し得ない速度を出しているにも関わらず、機体の被害は殆ど無い。
 精神コマンド特有の不思議な力が機体を保護しているのだろう。
 ……その状況で、何故ISCだけが例外なのかは分からないが。
 バジュラの攻撃を回避し、身体を張って止めようとしているのを強引に避け、まさに一瞬の判断が延々と続く中、頭の片隅でふとそんな事を考える。

「くそっ、邪魔だ!」

 途切れるという事を知らず、再び機体の前に姿を現した無数の機動兵隊バジュラ。その真ん中へとスーパーパックによって装備されたマイクロミサイルポッドからMDE弾頭のミサイルを発射する。再び現れるバジュラの肉体のカーテンを潜り抜け……その先にはようやく肉眼でも見える程の近くにバジュラ本星の姿を確認。そちらへと向かって最後のブースターやスラスターを全開にしながら飛んで行く。
 恐らく今のが宇宙での最終防衛ラインだったのだろう。それを潜り抜けて以降は敵の姿は無く……そう思った瞬間、再び念動力が危機を知らせてくる。
 同時にバジュラ本星から放たれた極太の重量子ビーム砲。マクロス・クォーターどころか、バトル・フロンティアですらも飲み込むかのような一撃。本来であれば回避しようの無いその一撃を、俺はまともに受け……重量子ビームが消え去った後に全く無傷のYF-29の姿のみが存在していた。
 そんな機体の様子を見て、周囲のバジュラ達もどこか戸惑ったような様子を見せ……俺が当然そんな絶好の隙を見逃す筈が無かった。

「覚醒、加速!」

 再びの精神コマンド。それを使って、最終防衛ラインのバジュラを置き去りにしながらバジュラ本星へと降下していく。
 ちなみに、ビームを無効化したのは単純に愛の効果の1つであるひらめきのおかげだ。ネギま世界の最後の戦い以来、久しぶりに使ったな。
 そんな風に思いつつ、降下するのに邪魔な主翼後端にある化学ロケットブースターを切り離して連装MDEビーム砲で撃ち抜き、爆発させる。
 バジュラから離れていたというのもあって1匹も撃破出来なかったが、それでも目眩ましとしては十分な威力を発揮して俺の後を追ってくるのを難しくする。
 同時に、大気圏内を飛ぶのに邪魔なフォールド・ウェーブ・プロジェクターを収納。そのまま一切の追撃が無いまま、とうとうバジュラ本星へと突入する事に成功した。
 とは言っても、このままではバジュラ本星の中を守っているバジュラに襲われる可能性が高い。となると、やるべき事は1つ。
 地上へと向かって突っ込んでいく機体のキャノピーを強引に開け――途中でバキリという破壊音がしたが、今はそれどころではない――そのまま身を外へと乗り出してYF-29に触れたまま空間倉庫へと収納。EX-ギアは邪魔だが、さすがにこれを空間倉庫の中に入れるのは難しいので取りあえずそのままにしながら、VFではなく俺自身の能力で地上へと向かい……そのまま着地すると同時に影のゲートを展開してそのまま潜りこんでいく。
 そのまま近くにある木の影の中で様子を見ていると、案の定1分もしないうちに機動兵隊バジュラが10匹程やって来るのが見えた。
 やっぱり地上も奴等の活動範囲な訳だな。
 ならとにかく見つからない場所まで移動し……俺が影に潜った場所から30km程離れた森の中で影のゲートから出る。
 さて、何とかここまでは上手くいった。だが、ここからは時間との勝負だ。バジュラに見つけられるのが早いか、あるいはこっちの準備が整うのが早いか。
 そんな風に考えつつ、深い森の中、空を覆っている木々の中で空間倉庫からゲートを取り出して展開していく。
 そのまま数分。身長を元の20代のものに戻し、EX-ギアを脱ぎながらもジリジリとしながら同期が終わるのを待って、ようやくホワイトスタートの通信が確立される。
 それを確認するや否や、通信を繋げ……

『……あいあい、こちらホワイトスター』

 技術班のメンバーと思しき人物が映像モニタに映し出されるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:800
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:1394
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:999 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧