世界聖戦 絶域攻魔の栄光
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第三話 神生児誕生 拒絶と受諾
前書き
主人公がついに登場しました!
2085年、世界において日本の軍事面での優位性を決定した日本軍事革命が起きた。 それまでに世界に起きた事は小規模な紛争と独立運動の乱発、そして2070年のアメリカとロシアの「米露軍事同盟」だった。
これに危機感を覚えた日本、ドイツ両国は「米露軍事同盟」に対抗する為、2071年「日独同盟」を結んだ。
これにより日本は初期段階の軍事絶域、発電の際に用いられる非軍事絶域エネルギー技術の提供した。
ドイツからは人工食糧生産技術、レーダー技術を中心とした防空システムの技術提供を受けた。
85年の軍事革命の由来は少し遡る。
2060年、日本では出産直後の幼児にも絶域と攻魔の適性検査が行われるようになっていた。
もし攻魔、絶域の適性があるのなら幼児時代から育成した方が優れた兵士を作り出すことができるからだ。
そして研究者達は攻魔と絶域両方を使いこなすことのできる適性者を求めた。その理由は攻魔士は攻撃が非常に強力だが唯一弱点があるからだ。
それは防御力が無く通常の人間と変わらないということである。再生できる攻魔士ならまだしも他の攻魔士達は銃弾一発の命中で重症を負うことなるのだ。
もし攻魔と絶域の両方が使用可能の適性者が現れれば攻守一体の完全単独行動可能な兵士を作り出せるのだ。
しかし両方の適性を持つ者は一向に現れなかった。
2065年、研究者達は初代四大攻魔士達の遺伝子と最強の防御を誇る絶域士の遺伝子を受精卵に組み込み、両方に適性を持つ人間を産み出す研究を始めた。
そして時は流れ2085年、無理な遺伝子介入により出産直後命を落とした幼児達の尸の礎に二体の成功体がこの世に産まれたのだった。
これが世界での日本の軍事面での優位性を決定した日本軍事革命である。
二体の成功体である僕と彼女は四大列強国一国分の軍隊に匹敵する程の規格外の攻魔攻撃力と核攻撃に耐えうる絶域防御力が備わっていた。
そして攻魔士に必ずどれか一つ以上備わっている「加速」、「再生」、「高速飛行」、「狂戦士」の全てがそなわっていた。
僕の生後直後の名前は第12053被験体。僕は12052体の尸の礎の上に産まれたのだ。 それから三ヶ月後に産まれたもう一人の成功体の生後直後の名前は第14682被験体。 結局、僕と彼女の二人を生み出す為に18万人以上の幼児が出産直後に絶命したということを知ったのはついこの間の事だ。
僕は物心つく前の幼少期から隔離された施設で罪人達と戦わせられた。その罪人達は子供二人を殺せば自由になれると言われていたらしい。
来る日も来る日も僕は訳も分からず戦った。
生存本能から撃ち出される衝波は罪人達を肉と血の真紅の薔薇に変えた。何度撃たれ刺されたかは分からない。
しかし僕の体は傷を負っても直ぐに修復してしまう。度重なり傷を負えば負う程回復速度は早くなった。
世間でいう小学一年生になる頃、僕と彼女は自分の手を動かすかのように反射的な攻魔と絶域の使用が出来るようになった。
ちょうどその時僕らは12歳までの「帝立絶域攻魔特別小学校」に入れられた。そして僕らには名前が与えられた。
僕は僕を産んだ人の苗字を取り「間桐 颯」と名付けられた。
彼女も同様にして「黒羽 遥華」と名付けられた。
僕らはいきなり最上級生の第六学年の生徒達と新学期を迎えることとなった。
今分かった事だが僕と彼女は毎日罵られ、イジメを受けていたらしい。
僕らは幼少期から罪人としかあったことがなかった為、言語が分からなかった。
だが僕が唯一覚えた言葉がある。それはよく罪人達が僕らに言った「化け物」だ。 よく罵られたせいか偏りがあったが僕らは日本語を理解していった。
現在実戦レベルの攻魔士が652人。絶域士は900万人。絶域攻魔士は2人。その全員が日本人だ。
「絶域攻魔大型重火器」 を使うのは属国の兵士である。
今日本人の兵士は全員が絶域士か攻魔士である。
幼少期からの育成は功を奏し、従来とは比べものにならない「絶域」か「攻魔」の能力が行使出来る兵士達や二つの特殊能力を使える攻魔士達が現れた。
2097年、僕らは13歳になり「帝立絶域攻魔特別高等学校」を卒業した。
高校で全寮制訓練期間は終了する。僕らは一般の中学生として過ごす事になった。
そして僕たち二人は自分の身分を隠し中学生生活を送っていた。
身分を隠さなければならなかった理由は特別学校時代の生徒による不必要な偏った情報漏洩のせいである。
これにより国民の絶域攻魔士へのレッテルは「遺伝子組み換えによって産まれ、幼少期から何万何千の人を殺した獣、悪魔、化け物」というものだった。
特別学校時代の訓練で身に付けた驚異的な身体能力、高校までの学習過程を終了していた僕らは運動面と勉強面を完璧に兼ね備えたいわゆる「デキスギ君」扱いを受けている。
ステータスの高さのせいかわからないが僕にも遥華以外の友達が沢山出来た。
各部活から勧誘を受けたが今は彼女と共に剣道部に所属した。とても楽しい日々を送っている。
後書き
主人公が登場しました!アメリカと同盟を結ぶ予定だったのですがあえて敵方にさせてもらいました。しばらくは颯と遥華の日常を書こうと思っております。今後ともよろしくお願い申し上げます。
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